Aile The Shotaが振り返る2022年 増幅する「愛」の力
Rolling Stone Japan / 2023年1月18日 20時0分
1月5日にデビュー1周年を迎えた、Aile The Shota。この1年間、3枚のEP、多数の客演参加、海外アーティストへの日本語詞提供など、途切れることなく充実した作品を発表してきた。クラブから野外フェスまで大小様々なステージに立ち、さらには自身のオーガナイズイベントを開催することで、ライブパフォーマンスでも存在感を証明。Aile The Shotaというアーティストはシーンやジャンル、世代、知名度など関係なく、音楽を愛するあらゆる人たちと交わり繋げていく存在であることを行動で示した1年となった。
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そして1月5日には、デビュー曲「AURORA TOKIO」をともに制作したShin Sakiuraとの再タッグで、ニューシングル『Yumeiro』をリリース。この曲の中には、これまで発表した楽曲のタイトルやフレーズなどが散りばめられている。
今回の取材ではAile The Shotaの1年を振り返ってもらった。これからAile The Shotaと出会う人にとっても、1年目のストーリーを知ってもらえる内容になったと思う。Aile The Shotaの音楽とは「愛」の伝染である。大好きな仲間たちと音楽で戯れる喜びをもっとも大切にするAile The Shotaから生み出される音には、聴き手にとっても他者への愛を増幅させる力が溢れている。
—2ndEP『IMA』リリース時に「もう一枚作ったら、今年がどんな1年だったかが見える三作になりそうですね。きっと振り返ると「うわ、すごい1年だな」ってなると思う」と話してくれていたのですが、まさにそのタイミングがきましたね。
完全に言っていた通りになりましたね。1年が早すぎて、濃すぎて。
―3枚のEPをリリースした上に、客演や提供も入れるとすごい数の曲を作りましたよね。
そうなんですよね。ずっと何かやってましたね。ギュッと全部やったみたいな(笑)。
―時系列で振り返っていきたいと思うのですが、まずデビューシングル「AURORA TOKIO」と1stEP『AINNOCENCE』はAile The Shotaにとってどういった作品になったと、今改めて感じますか。
「AURORA TOKIO」がデビュー曲だったことが効いているなと、ライブを重ねるにつれて感じますね。Shin Sakiuraくんと本当にいい曲を作らせてもらえたなと思います。あのタイミングでNenashiさんとやれたこと(「Like This feat. Nenashi」)もorigami PRODUCTIONSさんと繋がるきっかけになったし、hokutoくん(「特別」)とも変わらず繋がりを強く持てていて、全部が今に結びついているので他は考えられないなという感じがします。「白」をテーマに1stで書きたいものを書けたことがよかったし、しかもシティポップで走り出したことでそのあとディープハウスやシンセウェーブを作れたので、いい一歩目だったなと思いますね。あとはたまたま「A」をタイトルの頭文字にしたことが今後効いてきそうだなと思います。そういうことが結構多いかも。振り返ってみたら「あれ? これにしておいてよかったな」みたいなことが、結構ありますね。
―Aを頭文字にしておいてよかった、というのは?
EPを3枚出してて、『AINNOCENCE』『IMA』『LOVEGO』で”AIL”ってきてるので(笑)。
―あー! なるほど!
そうなんですよ。色々「大正解だったな」って、振り返って思います。
—その後3月14日に、BE:FIRSTの楽曲をSKY-HI、Novel Core、edhiii boiとリミックスした「Brave Generation -BMSG United Remix-」をリリースしています。
『AINNOCENCE』の前に「me time -remix- feat. Aile The Shota」でSKY-HIとやって、最近も「Tiger Style feat. Aile The Shota, JUNON, LEO」があったりして、この1年で少なくない数コラボしてきたので、SKY-HIと一緒に進んできた1年という感じがしますね。ずっと手を繋いでるというか、並行して歩いている感覚があります。
—SKY-HIさんの最新アルバム『THE DEBUT』では11曲中3曲にShotaさんが関わってますもんね。
そうなんですよ(笑)。「Bare-Bare」「Brave Generation -BMSG United Remix-」「Tiger Style feat. Aile The Shota, JUNON, LEO」。『THE DEBUT』を聴くと、僕も「うわ、今年めっちゃSKY-HIと曲やってる」って思いますね(笑)。そのおかげでライブにもたくさん呼んでもらって、客演で飛び込むこともやらせてもらえて。やっぱりそういう動きが好きなので、フィーチャリングものは楽しかったなと思います。
―ライブでいうと、2月から始まった『SKY-HI HALL TOUR 2022 -八面六臂-』のオープニングアクトがAile The Shotaにとって初のステージでしたよね。
そうですね。それが最初で、「AURORA TOKIO」の初披露もオープニングアクトのステージだったので。そう思うとSKY-HIと一緒に始まったなっていう感じがありますね(笑)。
ライブパフォーマンス力を上げるための原動力
―ライブパフォーマンスもこの1年で急成長されたと思います。その実感は自分の中でも強いですか。
いやあ、だいぶ経験積ませてもらいました。後半には『Place of Mellow』(11月4日、Spotify O-EASTにて開催。初のオーガナイズイベント)をやれたのもあるし。『BMSG FES22』みたいな15,000人規模の大きい会場だったり、20~30人規模の自分の友達のイベントだったり、いろんな空気感のステージを経験できました。それはこれからもスタンスを変えずにやりたいですね。どちらもハマるアーティストでいたいなと、この1年で思いました。
—20~30人規模の箱にも立ち続けたいというのは、Shotaさんの中にどういう想いがあるからだと言えますか?
そこがスタート地点だったので。仲間のイベントで仲間が見ている中でライブをすることが、マイクを持った最初の記憶として刻まれているもので。そのステージには別の楽しさがありますね。フェスとかでは感じられない唯一のものがある。なので忘れたくないなと思う空間です。
―原点、ルーツだからこそ。
そうです、完全にルーツですね。それがあるからブレそうになっても戻れる。この1年、すごいスピード感だったからこそルーツに戻る瞬間がないとキツかったなって、振り返ると思いますね。
―短期間でライブパフォーマンス力を上げるために一番の原動力となっていたものとは、どういった考えや想いでした?
いやあ、もう、みんなが同じ速度で成長してるので。BE:FIRSTのデビューが僕よりちょっと早いくらいで、edhiii boiがいて、みんな時間がバグっちゃってる人たちなので(笑)。成長速度がおかしい! あとそれを客観視できていることが大きいなと思います。主観で進み続けていたら多分、こうはなれなかったと思いますね。自分自身をちゃんと見て「ここは成長した方がいいな」とか、いろんな人のライブを見に行って自分でやりながら「あの人のここを取り入れよう」とか。環境が成長させてくれたなと思うし、その環境を逃さないようにというか、環境に甘えたら終わりのようなスピード感だったので、ブレずにちゃんと成長を掴みにいくことをやっていたなと思います。
音楽仲間であり親友、Novel Coreの存在
―そして、4月6日にはNovel Coreさんと「HAPPY TEARS feat. Aile The Shota」をリリースされています。Rolling Stone Japanではリリース当日に二人に取材をさせてもらって、いいヴァイブスが終始流れていたことをすごく覚えています。
「HAPPY TEARS feat. Aile The Shota」は、今年僕が一番聴いた曲でした。自分のサブスクリプションで1位が「HAPPY TEARS feat. Aile The Shota」って出て(笑)。
―え!(笑)
Coreがめっちゃ笑ってました(笑)。
―それほどまでに自分で聴き返したくなる曲だったんですね。
いい曲だなって、やっぱり思いますね。Coreも、この1年間ずっと近くにいましたし。1年間で本当に、音楽仲間であり親友であり、みたいな関係値を築き上げたというか勝手にそうなったくらい。2人がシンクロしていってるのがちゃんと曲でも出せたなと思います。Coreはライティングも歌も全部のクオリティの進化のスピードが半端じゃなくて。歌のアプローチもCoreから勉強してますし。新譜ができるとすぐに送ってくれるんですけど、毎回喰らいまくってますね。「Novel Coreやばいな」ってずっと思い続けてるし、それがどんどん大きくなっているので、刺激をもらいながらいちファンとして楽しんでいる感じです。
―その翌週にSKY-HIさんと共作した「Bare-Bare」がリリースされて、その後STAMPさんの「愛のせいで」の日本語詞提供もあって。Aile The Shotaはソングライティングでも評価される存在であることを示した1年でしたね。
「愛のせいで」のライティングは、僕を成長させてくれた大きな出来事だと思ってて。タイ語の歌詞を、直訳だけもらって、Aile The Shotaが日本詞を書くということがすごく難しかったんです。自分のフィルターを通してSTAMPさんにお渡しすることが、すごく勉強になりました。
―しかもタイ語の発音と日本語の発音が所々合うように、適切な言葉をチョイスして訳すというのは針の穴に糸を通すような作業ですよね。
合わせましたね。もともと歌詞を書く時に韻の踏み方は大事にしているんですけど、他の言語を詞にする時にもそれが効いてきたというか、やらざるを得ないくらいだったので。それ以降、どんどん言葉の音と意味を大事にするようになりました。
―なるほど、それが3rd EP『LOVEGO』での韻の踏み方の磨きに繋がってるんですね。
そうですね。成長させてくれた作品でした。まさか僕にオファーしていただけると思っていなかったので、超ありがたい出来事でしたね。
BMSGにおける存在意義を『BMSG FES22』で自覚
―夏は、まず7月6日に2nd EP『IMA』をリリース。Aile The Shotaはいろんなシーンの人とナチュラルにクロスオーバーしていくアーティストだと明確に示した作品でもあったと思います。
たしかに。プロデューサー陣の名前が並んだ時に「こいつ何者だ?」ってなるくらい、いろんな曲をやっていることがプラスに出ているなと思います。あと、ルーツや軸足はJ-POPにあることの可能性にすごく自信を持てました。まさか僕もシティポップを作ったあと、「IMA」になるとは思ってなくて。それは日高さんがKNOTTさんを紹介してくれたことがきっかけなので、やはり「SKY-HIなくして」という感じですね(笑)。「IMA」を書いた時は、自分の現在地を自覚しながら、「うわ、なんだこれ、しんど」みたいな感情がちょっと出始めたくらいのタイミングで。多少ネガティブな感情もあったからこそちょっと強く書けた気がします。だからリリックに救われますね。「IMA」は自分の強い意志を歌っているので、ふと迷いそうになった時に、歌詞を見ると「ほら! こうやって言ってるから! ここだよ!」って(笑)。「夢宙」も現実逃避みたいな曲なので、追い込まれてるなっていう(笑)。でも曲としてめちゃめちゃ好きなので、こういう書き方が正解だったんだなってすごく思いますね。
―「IMA」は今後もライブのクライマックスに入ってきそうなくらい、Aile The Shotaにとって大事な1曲になりそうですよね。
そうですね。それはフェスで一番感じました。『BMSG FES』で、特効を使ったりでっかいLEDを背負ったりすることがハマるアーティストになれると感じたのは「IMA」があったからなので。Aile The Shotaの可能性を大きく変えてくれたのは「IMA」だし、KNOTTさんのビートだなと思いますね。そこくらいから見たい景色が変わってきたなと思います。『AINNOCENCE』から2ndを作ってるくらいまでは、クラブシーンとか、チルなイメージで音楽をやっていきたいなという気持ちがあったんです。でも「IMA」をライブでやった時に、「もっと違うハマり方がある」「もっと大きいことができる曲だ」と思うようになりました。
―1年の中でも「IMA」と『BMSG FES22』がShotaさんのマインドの転換期として大きかったですか?
Aile The Shotaとしての現在地は「IMA」を出した時に自覚したんですけど、BMSGにおける存在意義みたいなものはやっぱりこのフェスが大きなポイントで。フェスの前に日高さんとしゃべった時間とか全部が結びついて、すごくきれいに爆発したのが『BMSG FES』だったなという感じがします。結果、超ラフにやって、砕けた感じで客席巻き込んで、時に座り、お酒を飲み(笑)。「ステージでお酒飲んでいいですか?」って、それを許してくれるのはやっぱりSKY-HIがいるからだなって思いますね。あのステージも、あれが正解だったなと思います。
―あの時、MCでたしか「俺の歌について来い」とか……。
なんて言ったんだっけ? 「今に見ておいてください」みたいな感じで言った気がする(笑)。
―そういった自信溢れる言葉が出てきたのは、事前に日高さんとしゃべる時間があって、あのライブができたからこそ?
そうですね。日高さんの家で二人でしゃべる時間がなかったら言ってなかったような気がします。自分の15分くらいの枠で何を示そうかと思って、音楽に対して力んでいくのは絶対に違うし、Aile The Shotaの曲を聴かせた上でMCで一言何か置いていくことが大事だなと思っていたんですけど、そこであの言葉が出てくる心になったことが大きいですね。1年目であそこまで持っていけてよかったなと思います。次の『BMSG FES』であれだったら間に合ってなかった感があるんですよ。
―その言葉がちゃんとハマるライブをしたことが何よりもかっこいいと思います。
いやあ、よかったです。
Photo by Kentaro Kambe
直感的にやったものがハマる
—そのあと9月30日にchameleon「Mermaid feat. Js Morgan & Aile The Shota」のリリースがあり、10月14日にはKalassy Nikoff(AK-69)「Over Night Remix feat. Aile The Shota」のリリースがあり。『BMSG FES』前だと、9月11日にSG「閃光 feat. Aile The Shota (Prod. JUGEM)」のリリースがあったりと、9~10月は客演続きでしたね。しかもシーンや世代が違う3人。
完全に別のシーンでしたね。架け橋みたいな存在になりたいとはデビューのタイミングから考えていたので、1年目でその片鱗を見せられたことがよかったなと思います。AKさんとやってる1週間前にchameleonとの曲を出してるっていう感じが、めちゃくちゃAile The Shotaっぽくていいなって。これからより、アンダーグランドからでっかいシーンまで食い込んでいけたらなと思いますね。無視できないくらいの超面白い存在になりたいです。
―しかも歌い方も曲によって様々じゃないですか。「閃光 feat. Aile The Shota」とかもすごく面白い言葉の乗せ方をしてますし。
あれ、めっちゃ楽しかったな。すごく気に入ってるバースです。全部そうかも。客演は自分の作品への愛とは違う好きな感じありますね。呼んでもらった時はAile The Shotaのポテンシャルを見せるチャンスだと思っているんですけど、肩の力を入れずにいいバースを書くことを3曲ともできた感じがあります。
―いろんな音楽が好きというだけでなく、いろんな歌唱テクニックがあるからこそ、あらゆるシーンに足を突っ込めるんだということを示す3曲でもあると思います。「Tiger Style feat. Aile The Shota, JUNON, LEO」のあのウィスパーな歌い方もそうで。
「Tiger Style feat. Aile The Shota, JUNON, LEO」はすごく面白いことやったなと思います。新しいニュアンスのフロウや歌い方が出てくるたびに自分でも「お!」ってなりますね。直感的にやったものがハマるということが、この1年間すごく多くて。直感を信じていいんだなって、この1年、曲を作りながら思いました。
―『THE DEBUT』もロジックではなくヴァイブス、直感重視で作ったと日高さんがおっしゃっていて。そこも並行して走っているからこそ共通している部分なんですかね。
結構影響受けてますもん。スタジオに入ってからリリックもメロディも書いているところを見ると、「あ、それでいいんだ」と思うし、自分でやってみて「できるわ」って。
—しかもそれでできあがるものが……。
かっこいいから。
ドリカムとの出会い
―もうひとつ秋頃の出来事について聞くと、『イノフェス 2022』でDREAMS COME TRUEの中村正人さんとの出会いがありましたよね。あれはShotaさんにとって結構大きな出来事だったんじゃないかなと思って。
たしかに! 大きかったですよ! もう終わっちゃったんですよ、僕。「ドリカムに会っちゃった、ゴーール!」みたいな(笑)。
―ははは! ゴールした(笑)。
初めて腰抜けましたね、俺。膝からスッて(笑)。
―ははははは(笑)。
もう、知ってくれていたことがめちゃめちゃ嬉しくて。しかも普通に褒めてくれたのもあって。不思議な感じがしますね。同じステージに立つことを夢として描いてはいたんですけど、「え、早!」みたいな(笑)。でも、その先を見ちゃうというか。「一緒に曲やりたい」みたいな、次の夢ができる。そうやってどんどん自分の輪っかが広がっていく感覚を大事にしたいなと思います。それが人生な気がしているので。僕の生き方が多分そういう感じなんだろうな。ありがたいことをちゃんと噛み締めて誇りに思いながら進んでいきたいなと思います。マサさんに会えたことは家族が喜んでましたね(笑)。
―親孝行!
そう、それはめっちゃ嬉しかったです。音楽をやる一個の理由に、家族孝行、仲間孝行があるので。『THE FIRST』を受けている時から「みんなの誇りになりたい」と言ってたので、そういう瞬間は嬉しいですね。
―そして、11月23日には3rd EP『LOVEGO』のリリースがありました。
「DEEP」と「LOVE」が同じEPに入っていることも強いというか。言葉をめちゃくちゃ聴いてほしい曲(「LOVE」)と、とにかく音に身を委ねてほしい曲(「DEEP」)と、どっちもやりたいAile The ShotaとしてはすごくいいEPを作れたなと思います。やっぱり僕のルーツにはダンスがあって、ダンスは音を視覚化するものだから、それを4年間やってきたことが活きているなって。3rd EPで「やっぱりダンスしたい」みたいな気持ちはめっちゃ強くなりましたね。
—今後は踊りながら歌うことも?
ちょっと身体作らないとなって感じはしてますね。ついさっきボイトレで「歌って踊ります!」って言ってきました(笑)。
—おお! 歌って踊るとまたさらに表現の幅が広がりそうだし、よりいろんなシーンを跨げそうですよね。
やりたいですね。歌って踊る人が身近にいすぎるので、楽しそうだなって思うんですよね(笑)。やりたくないことはやらないですけど、やりたいと思ったタイミングで色々挑戦してみようかなと思います。3rd EPは、ある意味悟った部分とか、やっぱりもがいてる部分とかがあって、等身大をリアルタイムで書いてきた1年のいい締め方ができた感じがします。このEPを書き終わって、色々感じて、ファンタジーも書こうかなと思うようになりました。自己紹介はし尽くした感じがしているので、単純にいい曲を作るフェーズに入ってる。「きれいな言葉だから歌ってみたい」とか、「こういうシーンが浮かんだから書いてみた」みたいなことをやりたいなと思いました。
―この1年「日常をリアルに歌いたい」とずっと言ってきたところから、大きな変化になりそうですね。
そうですね。多分、意志を示したいという感覚が強かったからこそ、ありのまま正直に書きたい気持ちが強くあったんですけど、そんなに強く持ってなくてもいいのかなって、ポジティブに思いますね。それでもAile The Shotaというものは変わらずやれそうだなとちゃんと自信を持てたので、何を書いてもいいやという感情があります。書きたいものを書こう、って。嘘はつきたくないから自分のことしか書かないという感覚だったんですけど、空想だったとしても、僕から浮かんだものなので別に嘘ではないじゃんって。今後そういう曲を書かないわけではなく、混ざり合っていく感じがします。だから、楽しみだなって思いますね。肩の力がまた一個抜けました。抜けすぎじゃないかって思うんですけど(笑)。またリラックスして曲をやれそうだなと思うし、より感覚的に音楽ができる気がします。
リアルを描き続けたからこそのストーリー性
―そして、今日話してくれたすべてが集結したものが、デビュー1周年の1月5日にリリースされた新曲「Yumeiro」であると思います。
そうなんですよ。「1周年記念で何かやりたいよね」みたいなことを漠然と話していて、「ここでまたShin Sakiuraくんと1曲やったらエモくないですか?」みたいな提案をしたらBMSGがOKしてくれたのでやらせてもらいました。Shinくんなんてめちゃくちゃ忙しいプロデューサーのひとりだと思うけど、時間もタイトな中で引き受けてくれて。1周年記念だから、ちょっと言葉遊びで歌詞にこれまでのタイトルとかを入れてみたり。
―いろんな曲の要素が散りばめられていますよね。
それを念頭に置きながらも、『LOVEGO』であそこまで書き切れたから、超気持ちいいポジティブでハッピーな曲を作りたいと思って。「1周年のメモリアルソング」を出しすぎるとちょっと違うなという感じがしてて、単純に「Shin Sakiuraくんともう1曲やばい曲を作りました」「そこに記念になるようなフレーズを散りばめてる」くらいのバランス感がいいなと思ってました。ただただいい曲を作れたのがよかったですね。いい2年目のスタートを作れたなって。サビの”Turn up, Shinging LOVE”とか、ライブで盛り上がるポイントを想像しながら作ったので、制作の段階でも作り方に変化が出てきているなと感じましたね。
―1年を総決算するハッピーなもので、ライブで盛り上がるもので、という発想からこのビートができあがってくることがまたオルタナティブなマインドを感じさせますよね。
そうなんですよ。トロピカルだし。最初Shinくんの家へ行った時に「なんとなくこんな感じのテンションで考えてるんだけど」って聴かせてくれたのがこれで、「ああ、もうこれです。僕が言おうとしてたやつ全部、これです」って(笑)。この1年、オートチューンを使った声色で遊んできたんですけど、これはShinくんの生演奏の音を活かしたいと思って久々完全にオートチューンなしでやりました。サビは誰に聴かせてもびっくりしますね。LEO(BE:FIRST)に聴かせたら超喜んでました(笑)。やっぱり仲間に聴かせるのは楽しいですね。あとタイトルの「Yumeiro」は、「Brave Generation -BMSG United Remix-」の僕のバースの最後から取ってきているので。僕の中ですごく大事なことを書けたバースなので、そこからタイトルを持ってきました。実は”あいつに合わせる顔がない”っていう”あいつ”が、「LOVE」のMVに出てるやつだったりする(笑)。
―え!?
超裏話ですけど。僕の親友でありルーツである人間なので。そんな彼が「LOVE」のMVに出ていることも「Aile The Shotaだな」という感じ。僕からしたらAile The Shotaってそういうところな感じがしているので。
―その”あいつ”はどういう方なんですか?
大学のダンスサークルで出会って、たまたま学部とか学科も同じで、なんか背丈も空気感も似ていて。ヒップホップとかR&Bとか色々音楽を教えてもらう中で、僕自身が好きな音楽が見えてきて、曲を紹介しあったり。かっこいいと思うポイントがめちゃくちゃ近かったり、単純に見てきた漫画が同じとか、本当に鏡みたいな感じですね。もう一人の自分くらいの感じ。
―じゃあもし今ダサい音楽をやったら本当に”あいつに合わせる顔がない”っていう。
そうそうそう。本当にそれくらいの感じです。
―でも「Brave Generation -BMSG United Remix-」で”らしさってなんだっけ”と歌ってから、Aile The Shotaらしさとは何かを見つけていった1年というか。もちろん、自分らしさとは一生考え続けるものだとも思うんですけど。
回収してきた感じがありますね。あんまり伏線を張ることを考えるタイプじゃないんですけど、リアルを描き続けたからこそのストーリー性かなと思います。
—2年目はどういう1年にしたいですか?
EPをもう一作出したいとは思ってますね。4部作のイメージはついていて、このあいだミーティングをしてEPの音像みたいなものも見えたので。また「DEEP」あたりがちょっと匂ってくるかなという感じがしますね。Aile The Shotaの新しい一面をちょっと試してみようかな、遊んでみようかな、という4枚目。わりと遊び心があるような、踊れるものにフォーカスする感じ。曲数も増えてきたのでワンマンもやりたいなと思いつつ、フェスにもっと出ていきたいですね。あとは客演。本当に、いろんな人と曲をやりたい。僕の作品で出会ったプロデューサーの方や友達に呼んでもらったり、そういうことができたらなと思います。
―変わらず、仲間たちとのLOVEを大事にしつつ。
そういう感じはありますね。それを大きく広げていけたらなって。1年前からしたら想像もできない客演陣、プロデューサー陣とやれていることが本当にありがたいし幸せの瞬間で。夢みたいだなという感覚は消えないですね。「うわあ、会えた! 曲やれた!」みたいな嬉しさはこれからもずっと変わらないんだろうなという感じがします。キラキラした状態はくすまない。聴いてくれるみんなには変わらず、いい曲を提供し続けたいと思います。ライブの空気も大事にしたいですね。目に見えて愛を感じられる場所なので。『Place of Mellow』もすごくいい時間だったなって思いますし。
—”全てを忘れて 揺れて”(「Yumeiro」)いられる場ですよね。
すごくいいリリックを引っ張ってくれましたね(笑)。「Yumeiro」でスタートできることがハマる2023年になればいいなと思います。
<INFORMATION>
New Single 「Yumeiro」(Prod. Shin Sakiura)
Aile The Shota
配信中
BMSG
Virgin Music Label and Artist Services
再生購入はこちら https://bmsgv.lnk.to/Yumeiro
3rd EP 『LOVEGO』
配信中
1. DEEP (Prod. A.G.O)
2. 無色透明 (Prod. TAAR)
3. gomenne (Prod. TOSHIKI HAYASHI(%C))
4. LOVE (Prod. tofubeats)
再生購入はこちら https://bmsgv.lnk.to/ATS_LOVEGO
Aile The Shotaのオーガナイズイベント
「Place of Mellow organized by Aile The Shota」
2023年4月7日(金)大阪心斎橋BIGCAT
OPEN 18:00 / START 19:00
詳細後日発表
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