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CHAIが語る、海外で掴んだ「世界に通用する音」「自分たちにしかないオリジナリティ」

Rolling Stone Japan / 2023年1月30日 17時30分

CHAI(Photo by Kana Tarumi)

CHAI、今が一番面白い。2016年、1st EP『ほったらかシリーズ』でデビュー。2019年にリリースした2ndアルバム『PUNK』が海外でも高く評価され、Pitchforkでは8.3の高得点を獲得。そして、かつてニルヴァーナやサウンドガーデンを輩出したアメリカのレーベル・Sub Popと組み、2021年に3rdアルバム『WINK』をリリース。『WINK』以降、明らかに海外リスナーの反応が変わったことを本人たちも実感しているという。

1月18日には最新曲「ラブじゃん」と、日本限定EP『ジャジャーン』をパッケージリリース。「ラブじゃん」は日本のファンをさらに巻き込みたいという想いから生まれた楽曲だが、その奥には「どういう音楽が今日本で流れたらかっこいいか」というCHAIらしい強い意志がある。重低音の効いたビート、ミニマルな音で攻めるBメロ、サビのぶっといベースライン――そういった細かい音作りも、大枠の遊び心や「ラブ」というテーマも、地に足つけながら世界で活動しているCHAIだからこそ掴んだ表現方法で生み出すことができている。

CHAIは国内でも早い時期から注目を集めていたが、「NEOかわいい」というフレーズが大きく広まるたびに、そして海外メディアから高い評価とプッシュを受けるたびに、もっと自分たちの音を磨き上げなければならないというプレッシャーと向き合い続けてきた。本気で世界を活動のフィールドにして一歩ずつ進んできたCHAIだからこそ今掴んでいる「世界に通用する音」や「世界の中のCHAIのオリジナリティ」について、惜しみなく話を聞かせてもらった。


Photo by Kana Tarumi


―初めてCHAIを取材したのっていつだっけ?と振り返ると2016年で。もう7年前。

ユウキ(Ba, Cho):やば!

マナ(Vo, Key):そうだよ、本当に初期だもんね。

ユナ(Dr, Cho):上京したてだったもんね。

―そこから作品ごとの変化・進化が凄まじくて。特に3rdアルバム『WINK』からはSub Popと契約して、何度も海外ツアーを経験したことで、現行のグローバルシーンの音を現場で感じ取った上でクリエイトしていると思う。改めて『WINK』からサウンドを大きく変化させた、その理由や意識から聞かせていただけますか。

マナ:うん、だいぶ変わった。音作りの変化のきっかけはコロナだったかな。それまではスタジオに集まって会話して、感覚の中でキーワードだけ探って、というふうに曲作りしていたのを、コロナで集まれなくなったからパソコンのGarageBandで作るようになって。

―GarageBandなんだ!?

マナ:そう(笑)。最近は、もうひとつ……。

ユナ:Logic(笑)。

マナ:そう! 勉強してる(笑)。そうやって作るようになって、それまでに出会っていた海外のプロデューサーとも関われるようになったの。コロナをきっかけに、「こういうものが作りたい。だったら、このプロデューサーとやろう」って、柔軟な考えができるようになった。私たちだけで作るものも素晴らしいけど、他の人と関わることでもっとすごい音を作れるんじゃないかと思って、いっぱい試してみた。そこからだんだん音楽に対する考え方も変わっていったし、「ここでレコーディングしたら、こういう人と組んだら、こういう音ができるんだ」っていうのがパッと見えるようになってきた。だから今、音に落とし込むのがすっごくナチュラル。考え込まなくなった。


『WINK』収録の「IN PINK」ではLA拠点のシンガーソングライター/プロデューサー、マインドデザイン(Mndsgn)をフィーチャー

―だから音楽性の幅も広がってるし、音の自由度も高まってるし。

マナ:そう、より自由に。あとは、ツアー中に曲を作ることも増えた。今アルバムを作っていて、それも去年後半のアメリカと南米ツアー中に全部仕上げた(9月下旬〜11月下旬、ロサンゼルス、デラウェア、ブラジル、チリ、アルゼンチン、メキシコなどでの大型フェス出演含め、アメリカ・南米ツアーを行っていた)。ホテルとかでメロディを録音したりギター弾いたり歌詞を考えたりして、みんなで作り上げるものが形になりやすくなったんだよね。

―各国のライブで感じたことをそのまま音源に落とし込めるだろうし。

カナ(Gt, Vo):そうだね。その時の感情をそのまま曲にできるのはめっちゃいいことだなと思ったよね。

―YouTubeに海外ツアーのドキュメンタリーがあがっていて、スタジオでレコーディングしてる様子も入ってるけど、あれは次のアルバムの作業?

マナ:あ、そうだね。「ラブじゃん」は日本でレコーディングしたんだけど、海外で作った。ツアー中に「どういうものが今日本で流れたらかっこいいかな」って、カナとずっと考えながらコードと歌から作っていったかな。



―なるほど。「ラブじゃん」はサビこそ日本人の耳にも馴染みやすいメロディや音のバランスになっているけど、重低音が効いたビートとかがめちゃくちゃ気持ちよくて。「今日本で流れたらかっこいいもの」とは、具体的にどういうことを意識したんですか?

カナ:やっぱりあっち(アメリカ)はベースとドラムが絶対で、それが前に出てくる音楽だけど、日本は「安心感」っていう感じの音楽だと思うんだよね。すべての音がちゃんと聴こえて、主役は歌。歌の周りにギター、ベース、ドラム、キーボードが、安定して「ちゃんといます」という感じ。この曲はScoobert Doobert(カリフォルニア在住のアーティスト)がアレンジしてくれたんだけど、その辺も伝えたし。私たちも日本向けにリズムとかを作ったことがなかったから日本の音楽を聴いたりもした。

―でも、そういった「J-POPサウンド」みたいなものではないところに着地しましたよね?

カナ:あはははは。そこはやっぱり意地が(笑)。その塩梅が難しかった。ベースとドラムだけは日本に寄せすぎるとCHAIとして表現するにはダサい方向になる可能性もあるから。今回の曲は、ちょっと韓国要素みたいなものを入れたいってメンバーで話して、キラッとした感じと、メロディのアンニュイな感じ、あとJ-POPみたいなメロディを少し、楽曲に落とし込んでみようと思った。

2023年は「NEOギャル」でいこうぜ

―EP『ジャジャーン』でいうと、5曲中3曲(他は「まるごと」「夢のはなし」)をScoobertと一緒に作ってますよね。彼が今のCHAIにハマるのはどういうところなんですか?

マナ:彼の曲はね、素晴らしいんです。

カナ:本当にかっこいいんですよ。

マナ:最初、Spotifyのプレイリストで見つけて。ベースとドラムのバランスが素晴らしいし、音が強すぎないのがよくて。「あ、これ出したい音だな」と思って、Scoobertにすぐ連絡して、友達になって、あっちで何回も会ったりしたんだけど。それで一緒に曲作ってみたらすごくマッチして。

カナ:しかもまさかの日本の文化好きで。日本の音楽も好きで、日本の音楽のことも理解してくれる。あとアニメが大好きで、『幽☆遊☆白書』が大好き(笑)。

マナ:通ずる価値観があって、感覚で話ができるから同志って感じ。

―Sub Popの人に紹介してもらったとかじゃないんですね。

マナ:全然(笑)。あれは見つけた。ピンときた! でもそういうことも海外に教えてもらったかな。アーティストがすぐつながるんだよね。海外のアーティストって、いいと思ったらすぐに連絡し合って、その行動力がすごく早い。一昨年私たちが出した「ACTION」という曲みたいに、行動を起こすことって本当に大事だなと思うからさ。それをこれからもやっていきたいなと思った。




―Sub Popとの制作環境はどうですか? 他のアーティストの話を聞くと海外のレーベルからは「とにかくプレイリストに入れる曲を完成させてくれ」みたいなオーダーが強いケースもあるみたいですけど、CHAIとSub Popのあいだで「こういう曲を作りましょう」みたいな会話はあるんですか。

マナ:作る前はないんだよね。なんとなく曲の全体ができあがった時に、海外にいるプロデューサーのRyu(Takahashi)を通してSub Popの人に聴いてもらって「これがいいね」「こうやっていこうね」って会話したり。

カナ:そこはRyuが仕切ってやってくれてるかな。

マナ:どちらかというとSub Popは信じてくれてる、「CHAIは最高だから」みたいな。Ryuさんとはね、色々話すよ。細かいところまで全部。それこそツアー中に海外でずっと曲を作ってた時は、たとえばメロディの1音を下げるか上げるかまで話すから。だから1年かけて曲を作ってたりする。特に次のアルバムは長い期間かけて作って、ずっとずっとメロディが変わっていったから。そういう感じでずっとやりとりしてる。


Photo by Kana Tarumi

―「ラブじゃん」というテーマ、歌詞については、どういう発想からでした?

マナ:「NEOかわいい」というテーマも含めて、結局私たちって、すごく大きな愛の中で生きているんだなと思った。最初に「NEOかわいい」という言葉を作ったのも、目が小さいとかくびれがないとか、いろんなコンプレックスがあるけど、でもそれって全部自分に対しての愛だった。「NEOかわいい」は自分が言われたかったことだったから。みんなに対しての愛もある。お客さんがその場で自分たちを見て何かを感じてくれる愛も。お客さんがいるから、体も心もしんどくてもライブの準備をしようと思える。それも全部、クサいけど、愛だなと思って。海外のお客さん、みんなこうやってハートを作って(手でハートを作る)ラブを伝えてくれるの。


Photo by Kana Tarumi


Photo by Kana Tarumi

―ボディランゲージで。

マナ:そう。日本語で言えない気持ちとか、コロナとかもあって、手で表現してくれるからすごく嬉しくて。それもツアーをする励みになる。今までCHAIはラブに対してはっきりと歌ったことはなかったの。正直ダサいと思ってたし。でもみんなでツアー中の車で色々考えた時に、「ラブじゃん」とか言って。

カナ:ユナが言ったんだよね。

ユナ:2023年のCHAIは「NEOかわいい」と「ギャル」をかけて「NEOギャル」でいこうぜみたいなマインドもあって、それもこの新しいEPには落とし込まれているんだけど。2023年のCHAIを強くする「ギャルマインド」が軸にあったもんで、出てきたフレーズだったんだと思う。

マナ:そこから、みんなで「あ、ラブじゃん!」って(笑)。それだったら愛をCHAIなりにポップに伝えられるかもしれないと思って、そのキーワードから曲を作っていった。


Photo by Kana Tarumi


Photo by Kana Tarumi

―「ギャルマインド」というものをCHAIはどう定義しているんですか?

マナ:心の強さだね。

ユナ:そうだねえ。

カナ:芯の強さだね。

マナ:やっぱり私たちはギャルに憧れても見た目はギャルになれなかったから。でも心のギャルは自由なんだよ。だから私たちは常に強い心で「NEOかわいい」を掲げていきたいし、ラブも大きく持っていたい。

他の国とは全然違う、日本のシーンも巻き込みたい

―作詞したユウキさんは、「ラブじゃん」というワードから歌詞を広げていく時にどんなことを考えました?

ユウキ:この曲は最初から「日本に向けるぞ」と明確に方向性を決めていて。今まで「全世界の中でのCHAI」ということをずっと考えてやってきたけど、改めて日本のみんなに日本語を使ってちゃんと届けたいなと強く思った時に、今までは英語と日本語の半々だったり英語の方が多かったりしたのを、思い切って逆転させた。日本語ばっかりという歌詞がCHAIでは珍しいの。

―たしかに。逆に、全部英語で歌っている曲もないですよね? そのあたりのバランスをCHAIは普段からどう考えているんですか。

ユウキ:日本語ならではのリズムとか、英語には出ない日本語のイントネーションの伸びとか、それがメロディにハマったりするから、聴き心地の面白さを海外の人へ提供したいなと思ってるかな。やっぱりね、英語で出せるリズムと日本語で出せるリズムは全然違うなと思って。どっちもいいなと思うし。日本語を使えるのは日本人だからだし、というのがあるかな。


Photo by Kana Tarumi

―なるほどなあ。「ラブじゃん」や「NEOギャル」というワードからユウキさんはどんなことが浮かびました?

ユウキ:「ギャル」って、世界のどこを見ても、いないじゃん? 日本の文化でもあるし、マインドの強さは圧倒的だなって思うし。それを、アップデートしたCHAIだから伝えられるやり方で、日本人のみんなをもっと引っ張っていける存在でありたいと思った。あとは、CHAIのやってることって全部「ラブだよね」っていう。

―CHAIのコンセプトの核にあるものは、一言で言えばずっと変わらず「ラブ」ですよね。

ユウキ:そう。いろんな言葉で言ってるけど、大きく含めると「みんなそのままでいいよ」ということ。「自分のそのままを愛してね」とかも含めて、とにかく「ラブ」。その一言に尽きると思ったから、それを別に何も考えてないけど鼻歌が出てくるような言葉で、いかに軽く、身近に、自然に感じてもらえるかを考えた。何も考えなくていいくらい軽いのに、でも大きなことを言っているっていう、その両極端なことを一個にしたいなって。それはCHAIだからできるだろうし、それも含めて「NEO」な感じで新しく打ち出せるかなって。


Photo by Kana Tarumi

―大きなテーマを正論としてぶつけられてもなかなか心はいい方向へ動かないけど、大きなことを軽く見せる表現方法を通すことで、心の奥にまでするりと刺せる可能性がある。CHAIのサウンドもメッセージもそれらの表現方法も、ネクストステージへ行っているんだなと改めて思います。

ユウキ:別に「日本」だとか「世界」だとか、区別することも一緒にすることも悪くはないし、なんというかそこはあまり深く考えてないし。だからこそもっと巻き込み方を大きくしたいなって強く思ってる。世界で活動しているとどうしても他のアーティストやバンドと比べて日本で活動することが減るからさ。

―去年も1年の1/2くらいは海外にいたわけですもんね。

ユウキ:そうそう。だからやっぱり巻き込み方は変えていかないといけないんだって思う。それを無理やりやるというよりかは、それも楽しみたい。日本発で世界でやってるCHAIだからこその遊び方で、この曲はできたんじゃないかな。変わらず世界に向けてはいるし、アルバムも「世界の中のCHAI」というふうに考えてやっているから、思い切って日本に向けてと振り切るのはすごく楽しかった。


Photo by Kana Tarumi

―CHAIはグローバルで評価される曲と、日本人に愛される曲、そのギャップを今もっとも体感しているバンドかもしれないですよね。

ユウキ:「世界に向けて」の中の「世界」には必ず日本も入っているんだけど、でも活動していると、やっぱり日本の音楽シーンは他の国の音楽シーンと全然違うということをすごく実感する。他のアジアと比べても日本は独特だし。やっぱりね、うまく混ざらない感じがあって。それは良くも悪くもなく、ただそれはそれ、という感じで。

―あくまで事実としてね。

ユウキ:そう、事実としてあることを実感する。でも日本を蔑ろにするのは絶対に違うし。母国でもあるし。みんなに「CHAIを応援してると楽しい」って思ってほしいし、日本から海外へ行ってることに対して「すごいね」と思ってほしいって思うし。だから「大きく巻き込みたい」っていうのがあったかな。それをちゃんと1回やってみようっていうチャレンジでもあると思う。

―具体的にどういうところが、日本の音楽シーンはアジア諸国含めて他の国とは違うと感じますか?

ユウキ:やっぱり日本は音楽へのハードルが結構高い。たとえば、金曜とか土曜とか、別にチケット買ってなくても音が聴こえてきたらその場でライブに行ったりするの。通り過ぎた時に「あ、ライブしてるんだな」って。それが有名か有名じゃないかとか関係なく楽しそうだから行く、という行動力がある。それが面白いなってすごく思う。

―日本だと「ライブへ行くには事前に調べて、チケット買って、曲を聴き込んで」という習慣が強いですよね。

マナ:アメリカだとミュージシャンがトップだよね。有名な人の中でもアリアナ・グランデ、テイラー・スウィフトとかがトップみたいな。ミュージシャンという存在の地位が全然違うと思う。

海外での反応が変わった理由、大切なのはオリジナリティ

―昨年も海外のフェスにたくさん出ていましたけど、曲の伝わり方や手応えはどうですか? 2ndアルバム『PUNK』(2019年)を出した頃は、海外メディアの評価と、お客さんの反応や実際の知名度が少し乖離しているということを吐露してくれましたよね。その辺も変わってきているのかなと。

マナ:変わってきた。『WINK』を出して、Sub Popと組んでから、本当に景色が変わった。ありがとうって思うくらい変わった。「ACTION」「Donuts Mind If I Do」「END」とか、全部歌ってくれる。大合唱。

ユウキ:こないだの南米、すごかったよね。日本からは真反対なのに(笑)。口の開きが完全に歌詞をわかってる人だった。「Donuts Mind If I Do」をまるで自分が主役かのように歌ってる人を見て、すっごく感動した。

この投稿をInstagramで見る CHAI(@chaiofficialjpn)がシェアした投稿 昨年11月、チリで開催された大型フェス「Primavera Sound 2022 Santiago」出演時の模様

―『WINK』以降、そこまで海外の人にしっかりと届けられることができたのはどういった要素が大きいと思いますか。

カナ:私たちがわからない「アメリカの音」みたいなものを一緒に作ってくれる海外のプロデューサー・Ryuと出会えたことはすごく大きかった。やっぱり伝わる音ってあるんだなって、『WINK』を作って、お客さんの反応を見てより思った。意識的に変えたというわけではなくて、私たちがどういう音にしたいかを考えた時に、やっぱり自然とそっちだったんだよね。だからやりたいことがちゃんと形になって、ちゃんとお客さんに届いたと実感できたのは、本当に『WINK』からで。

ユウキ:このあいだ渋谷ののんべい横丁でイタリア人のDJと知り合ったんだけど、お店の中で「Donuts Mind If I Do」のMVが流れたら「この曲知ってる」って言ってくれて、「これ私だよ、CHAIだよ」ってなって(笑)。その曲がCHAIだとか、日本人だとか、何も知らなくて、ただ曲だけ知ってて、その曲が好きで自分のDJプレイリストに入れてくれてたみたいで。曲が先行するという状況になっていることを初めて実感した。今まで日本でも名前だけとか「NEOかわいい」というワードだけが先走ってる感覚があったけど、誰が歌ってるとか関係なく「その曲が好き」というのを海外の人が実践してくれているのを感じて、すっごく感動した。


Photo by Kana Tarumi

―いい話ですね。CHAIって、「NEOかわいい」とかのフレーズが先行すればするほど、海外から注目されればされるほど、自分たちはどんな音を鳴らすべきなのかを心底悩みながら模索してきたバンドだと思うから。そこから今の状況にたどり着いてることが本当に素晴らしいと思う。

ユウキ:目の前でそういう人に出会うことは初めてだったから。しかもイタリアって行ったことないの。めっちゃ面白くて不思議な経験だった。

―最近は、「世界の中のCHAI」として特に何を大事にしながら曲を作っていますか?

マナ:最近はね、とにかくオリジナリティ。曲を作りたい時、「こういうのと、こういうのと、こういうのみたいなのを作りたい」って、すでにあるものを聴かせるしかないじゃん? だけど、そこからどうやってオリジナリティを出すかが一番難しい。どういうメロディが自分たちにしかなくて、どういう考えが自分たちにしかなくて、どういうふうに表現するのが自分たちにしかなくて、っていうのを考えるのが一番楽しい。海外の人はオリジナリティがすごく強いから。今まで出したことのない顔、出したことのないミュージックで攻めてくるから、かっこいいと思うもんで。だから私たちにしかないものを常に考えて、自分たちで面白がってる。


Photo by Kana Tarumi

―次のアルバムはほぼできあがっているんですか?

マナ:できあがってます!

―それはEPとはまた全然違う方向性になりそう?

マナ:全然違う! 早く聴いてほしい。EPも素晴らしいけど、すごいから。まじで楽しみにしてて。

―『WINK』からの進化が『ジャジャーン』につながって、『ジャジャーン』でまた進化して、アルバムではまた大進化があるんですね。

マナ:うん、100倍くらい!

―(笑)。アルバムの前に、1月29日から日本でツアーが始まります。去年は日本でワンマンツアーができなかったから待望のツアーですよね。

マナ:すごいエネルギーだから、楽しみにしててほしい。

ユナ:ぶちかましで!

マナ:すごいよ、今のCHAI。

―しかも、このEPの音がライブでどう演奏されるのかが気になるし楽しみです。ユナさんのドラムもどう音源から変わるのか。

ユナ:ほんとそうだよね。このEPではほとんど叩いてなくて。

カナ:打ち込みが多いからね。

ユナ:そうそう。でもそれがCHAIのいいところで。音源とライブのよさの二極性を出せるバンドで、その分ワクワク感が2倍、3倍あるから。この曲たちがライブでしか見せられないアレンジになってるから、ぜひツアーに来てほしいなって思う。


Photo by Kana Tarumi



CHAI
日本限定EP『ジャジャーン』
発売中(2023年1月18日)
初回仕様限定特典:<ジャジャーンクーポン>封入
¥1,650(税込)
●EP『ジャジャーン』CD購入はこちら
●新曲「ラブじゃん」再生・購入はこちら

CHAI 「ジャジャーンTOUR」
2023年1月29日(日)栃木県・HEAVENS ROCK 宇都宮 VJ-2
2023年2月3日(金)大阪府・梅田CLUB QUATTRO
2023年2月4日(土)香川県・高松DIME
2023年2月18日(土)石川県・金沢AZ
2023年2月23日(木・祝)北海道・札幌cube garden
2023年2月25日(土)宮城県・仙台darwin
2023年3月10日(金)福岡県・福岡BEAT STATION
2023年3月11日(土)広島県・広島セカンド・クラッチ
2023年3月17日(金)愛知県・名古屋CLUB QUATTRO
2023年3月23日(木)東京都・恵比寿ザ・ガーデンホール
●チケット詳細はこちら

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