ShowMinorSavageが語る、「必然」と「偶然」の交わりから生まれたグループの全貌
Rolling Stone Japan / 2023年2月28日 22時0分
2月22日、ShowMinorSavageが1st EP『ShowMinorSavage』をリリースした。ShowMinorSavageとは、BE:FIRSTを輩出したSKY-HI主催オーディション『THE FIRST』の中で、楽曲やコレオグラフをゼロから作る「クリエイティブ審査」にて結成されたグループ。こうして一時的なグループで終わらなかったのは、この音楽がそれほど素晴らしく今の音楽シーンにとって一石投じる可能性があるからだ。
【写真を見る】メンバーソロカット
メンバーは、R&Bやヒップホップに人生を変えられた3人。高校生の頃に一度音楽から離れたもののR&Bやヒップホップを教えてくれる先生と出会ったことで今日にたどりついた、BE:FIRSTの中でも艶やかな歌声を発揮するMANATO。ダンスの世界大会で4度優勝を果たした上でマイクを握ることを選び、音を自由自在に乗りこなして聴き手の身体を動かすグルーヴを曲にもたらす、BE:FIRSTのSOTA。SIRUPやSoulflexなどが日本の音楽シーンで切り拓いたオルタナティブR&Bの文脈を継いで更新する、現在ソロアーティストとして活躍中のAile The Shota。
ここにて、記念すべきShowMinorSavage初のインタビューをお届けする。ShowMinorSavageという名前に込めた彼らの精神性と、1stEPに収録したChaki Zuluプロデュース「SUPER ICY」、TRILL DYNASTYプロデュース「Thinkin bout you」、完全セルフプロデュース「No Cap Navy」について語り尽くしてもらった。
ShowMinorSavage / SUPER ICY (Prod. Chaki Zulu) -Music Video-
―ShowMinorSavageをオーディション『THE FIRST』の企画として終わらせるのではなく、活動を継続させたいという意志が3人の中ではずっとあったんですか?
SOTA:そうですね。まずこの名前から、今後を見据えて作ったので。名前から適当にしたくないなと思って。オーディションで終わるユニットにはしたくないという意志が最初からありました。正直に言うと、本当に続くとは思ってなかったですけど。
Aile The Shota:こんなに早く形にできるとは。
MANATO:いつかやりたいなと思いつつ、まさかこんなに早く動けると思ってなかったです。
―ShowMinorSavageという名前の由来、『THE FIRST』を見ていない人に伝える意味でも改めて聞いていいですか。
Aile The Shota:そもそもきっかけは頭文字だったんですけど。
SOTA:Shota、MANATO、SOTA。
Aile The Shota:そこから、僕たちがハマった日本ではまだマイナーというかメジャーシーンで聴かれていない音楽を、Savage=最高にかっこよく見せつけたいと。意思表示であり、なるべくしてなった名前ですね。だから1st EPもこのタイトルにしました。
―マイナーとされるものを当たり前に変えていこうという精神はBMSGの核そのものでもありますよね。
Aile The Shota:そうですね。
SOTA:音楽に限らずですよね。
―そもそも、3人をつなぐもの――何を共有・共鳴しているから、3人で音楽をやりたいのか。そこを言語化してもらうとどういうものだと思いますか。
MANATO:ルーツが似ているからこそ、好きなものが近いし、言葉で話す時に難しいことでもシェアできるというか。
Aile The Shota:共通言語が多いよね。マイクを持って踊るということをやっている中で、こんなにヴァイブスとかルーツが近い人になかなか会えない。しかも(オーディションの最終審査に残った)10人の中で、こんなにも近い人がいるのかっていう。
SOTA:そう(笑)。
MANATO:本当にそうですね。だから何かを作る時、「誰々の何々みたいだよね」って言ったらわかる感じで。
―3人の中でよく出てくるアーティストを具体的に挙げると?
Aile The Shota:せーの、で合うよね?
MANATO:どっち?
SOTA:一人のほう?
Aile The Shota:一人のほう。
MANATO:よく楽曲のリファレンスとかで出る名前だよね。
SOTA:合うかな? 怖いな。
Aile The Shota:いこいこ。せーの!
全員:クリス・ブラウン。
―おー!
Aile The Shota:じゃあ3人のほうは?
SOTA:せーの!
全員:ミーゴス。
—あー!
Aile The Shota:それです。
―やっぱり「No Cap Navy」はミーゴス(「No Cap ft. Travis Scott」)にかかってます?
SOTA:ステージングの佇まいからもう、あんなにイケてる3人は、っていう感じなので。
Aile The Shota:スラングもリアルに使われているものにしたかったので、ミーゴスが使うスラングを参考にしたり。イケてる人が使っている”No Cap”というものを背負って、リスペクトも込めて、という感じですね。
SOTA:ユニットとしての在り方はミーゴスだけど、音楽的にはクリス・ブラウンみたいな感じかな。クリス・ブラウンはどの年代も好みが詰まってる。
Aile The Shota:うんうん。楽曲のリファレンスで挙げるのはクリス・ブラウンの曲が多いですね。
―さらに3人に共通するのは、ヒップホップやR&Bを単純に好きだというだけでなく、それぞれにとって人生のターニングポイントにもなっていることだと思っていて。それらと出会ったタイミングで、「自分がやりたいのはこれだ」と自分の表現方法を掴んだり、プロを目指す上での目線を一段階上げたり。そういうものが3人にとってはヒップホップやR&Bだったと思うんです。
SOTA:確かに。
Aile The Shota:そうですね。自分で表現したいと思ったのがそこでした。
―Shotaさんも高校生の頃にアコースティックユニットを始めたけれど、大学でダンスをやる中でこういった音楽に出会って「これがやりたいことだ」と掴んで今に至るわけですよね。
Aile The Shota:僕が作りたい音楽はこれだ、ってなったのがR&Bだったので。ダンスを始めて最初に聴いたのがクリス・ブラウンで、めちゃくちゃ衝撃を受けて。やっぱりそこが通じ合っていることが頼もしいですね。
―だからこそShowMinorSavageというユニットで音楽をできることが、3人それぞれの人生においてすごく大きな価値があるじゃないかなと。
SOTA:本当に、本っ当に、そうです。僕が踊っていた時期には踊りたいなと思える日本語の曲がほとんどなくて、自分で作りたいなと思って音楽の世界に入ってきたので。この3人ならできるなと思うと、もう……オフの時に一人でドライブしながら聴いちゃうくらい好きな音楽を作れています。普通にノっちゃうし。そういう目線でも、今後も作っていけるのは過去の自分も喜んでいるなとすごく思います。
MANATO:BE:FIRSTでのクリエイティブへの関わり方と、この3人のユニットでの関わり方とでは、結構違う部分があって。0から作るというクリエイティブでやりたいことが存分にできるし、それに対して自信や責任がついてくる。この3曲を作っていく中で特にクリエイティブ面で成長できたことがすごく嬉しいですね。
「Navy」というのが一番しっくりきた
―3人のクリエイティブの話、1曲ずつ聞かせてください。曲ができた時系列順でいうと、まず「No Cap Navy」ですよね。
Aile The Shota:「No Cap Navy」は(『THE FIRST』の)合宿があって、東京に戻ってきて、ということを繰り返す中で作った楽曲で。SOTAの実家とかMANATOの家に3人で集まって作ったり、SOTAが運転する車の中でサビの歌詞を考えたり。
SOTA:確かに、してたわ。
AIle The Shota:深夜に電話しながら、「今日は出ないから諦めようか」って言ったり(笑)。
SOTA:2時間くらい意味わかんない話して終わるっていう(笑)。
Aile The Shota:「今日は無理だね」って(笑)。僕の中で『THE FIRST』がただのオーディションじゃないなと感じた、一番大きいところかもしれないですね。ちゃんとアーティストとして活動しているなと思えたというか。
—オーディションのクリエイティブ審査というとピリピリした状況の中で作ることになるケースが多いと思うから、そうやっていいヴァイブスで作れたというのはすごく尊いことですよね。
Aile The Shota:超いい作り方でしたね。歌詞のテーマとしては、自己紹介みたいな感じで。
SOTA:ヴァースで自己紹介して、サビでは”出会えた奇跡”というか。
Aile The Shota:あとは踊らせたいということ。作り方はどうだったっけ?
MANATO:トラックからかな。自分たちでSKY-HIさんの曲を選んで、それをサンプリングして、3人で集まってパソコンいじったりして。それが新鮮でありながら、オーディションの段階でできるんだっていうのが嬉しかったですね。しかも日高さんがShowMinorSavageだからこそ関与しないというスタンスで。そこの信頼に対して僕たちも返さなきゃという気持ちがあって。
Aile The Shota:ね。かっこいいものを作らなきゃって。日高さんはずっとShowMinorSavageのファンでいてくれていることをすごく感じますね。「ShowMinorSavageはやりたいよね」って何回も言ってくれていたので。
SOTA:ずっと言ってた。
Aile The Shota:それが叶ったのは嬉しいですね。
—3人でそうやって作る時、主にパソコンをいじるのはShotaさん?
Aile The Shota:僕が、Logicで。そもそもSKY-HIの楽曲のオケをそのまま使ってもよかったんですけど、「トラックを作ってもいいよ」って言ってくれたので、「だったらやってみるか」って。3人で相談しながら僕がパソコンいじって、キーを変えたりダンスっぽいところも入れたり。楽しかったですね。
―そもそもなぜサンプリングする楽曲として「ナナイロホリデー」を選んだのかは覚えてますか?
SOTA:上音だけほしかった(笑)。
Aile The Shota:そう、「ここのシンセだけ使いたい」って。
MANATO:明確に、これ使ったら絶対によくなるっていうね。
SOTA:これ一個下げたり上げたりしたら面白いってやったら、意外とギターが合っちゃったり。
MANATO:最初は「Chit-Chit-Chat」とで悩んだよね。
Aile The Shota:そうだね。「Chit-Chit-Chat」と「ナナイロホリデー」で迷ってて。エモーショナルなコード進行をサンプリングしたらいいんじゃないかって話して、「ナナイロホリデー」のシンセサイザーを使いたいってなったところからですね。
―それを今回はブラッシュアップしてEPに収録したと。
SOTA:そうですね。厚みをもたせて。
Aile The Shota:多少ベースを強くしたり。ローの成分が結構足された感じ。3人でHIRORONさんのスタジオに行ってやったんですけど、めっちゃ楽しかったよね。
SOTA:めっちゃ楽しかった。完全に踊りながら、「ここ合ったら気持ちよくない?」みたいな(笑)。
―3人とも大変化の2年を送ってきたと思うんですけど、2年前の自分たちの歌を聴くとどういう気持ちになりますか。
SOTA:俺はダントツ恥ずかしかったです(笑)。
Aile The Shota:すごいよね。だって、ラップ始めて何か月とかで自分で書いたヴァースでしょ?
SOTA:ああ、そうだね。
Aile The Shota:懐かしいね。「どうかな?」「この単語使ったらいいんじゃない?」みたいなことを送り合ってたね。
SOTA:今でもするけど。
Aile The Shota:ね。作り方は変わってないですね。
MANATO:確かに、うん。
Aile The Shota:それぞれがスキルアップした状態で、作り方はあんまり変わってない。
SOTA:いやあでも、このマイナーだけど真っ直ぐなフックの言葉選び、今でもめっちゃ好きなんだよな。
MANATO:この3曲の中で歌詞は一番悩んだ気がする。
Aile The Shota:時間があったしね。この曲はコレオグラフもあったので、踊りながら歌詞を考えたりもして。
SOTA:”party with baddy”とか踊り先行というか。メロディが浮かんだときに踊りも決まっていたので。めっちゃ楽しかったです。
Aile The Shota:ShowMinorSavageの原点ですね。パフォーマンスしていても当時を思い出します。
SOTA:そうそう、激エモだよね。
―”Navy”というワードを選んだ意味も改めて聞かせてもらっていいですか。そのワードを選んだ時の想いが、こうやって3人がオーバーグラウンドで活動する中でより意味のあるものになっている気がして。
SOTA:確かに。「マイナー」を意識してました。黒白とかじゃないよね、みたいな。アンダーグランドが黒で、オーバーが白、というわけでもなく。俺らはそれを混ぜてグレーになるわけでもないよねと。「Navy」というのが一番しっくりきたんですよね。
Aile The Shota:それがどんどんハマってきてる感じがある。
—Aile The ShotaとしてもBE:FIRSTとしても、黒でも白でもない、オーバーグランドだけでもアンダーグランドだけでもない、それらをミックスしたオリジナルな音楽を作って大衆に投げ込んでいる今だからこそ、今話してくれた”Navy”というワードが輝いて見えると感じるんですよね。
SOTA:めっちゃ嬉しい。
Aile The Shota:”Navy”はこれからもテーマカラーになりそうだよね。
MANATO:確かに。
Aile The Shota:ジャケ写も”Navy”を意識して作ったので。すべての原点になっていくのかなという感じがしますね。
—ジャケットは90sヒップホップ的なオマージュを感じますね。
Aile The Shota:そうですね。ロゴドーン!で。
MANATO:真ん中ドデカドーン!ですね。最初だから「ShowMinorSavage」ということを見せたいという意志があって。できるだけインパクトの強い感じというか。
Aile The Shota:あと高級感。ヒップホップのチャートに入ってきても違和感ないというか、いい目立ち方ができるものがいいなというところは意識しました。
Aile The Shota
僕らが聴いてきたR&Bのテンション
―次は「Thinkin bout you」、去年9月の『BMSG FES22』で初披露してファンを驚かせた曲です。あの時私たち編集部も、「ShowMinorSavage、絶対にリリースしたほうがいいよね」という話をしていたんですよ。
SOTA:めっちゃ嬉しい(笑)。
Aile The Shota:嬉しい(笑)。
MANATO:ありがとうございます!
SOTA:これを出したことで、「ShowMinorSavage、曲出してほしい」って求められるようになったよね。そもそもShowMinorで『BMSG FES22』に出たいとなった時に、最低2曲はほしいよねということを話して。
Aile The Shota:新しい曲作ろうよ、ってなって。ちょうど「Tiger Style feat. Aile The Shota, JUNON, LEO」を作っていたタイミングでTRILL(DYNASTY)さんがいらっしゃったので、「ShowMinorSavageもTRILLさんにお願いしようか」ってなって。
MANATO:トラックをいただいて。
Aile The Shota:そう、そこから作っていきました。「No Cap Navy」の次だったので、同じエモさ、キラキラさではないところを攻めたいねという話をして、何回でも聴けることを意識しました。フックも歌い上げるのではなく、ヴァースでSOTAと僕が攻めて、ブリッジにMANATOの歌心全開の部分を作るっていう。
MANATO:最初どうするか迷って。フックを単調にしてヴァースで色を見せるか、フックでメロディを動かすか、という二択で迷ったんですけど。結果フックをこうしたからこそ、個人のヴァースがすごく目立っていて、ヴァースの蹴り合いみたいなところもあるので。それが、”3人が集ってる感”があって、めちゃくちゃいいなというふうに思いますね。
Aile The Shota:現行の曲でいわゆるフィーチャリングでラッパーが入っているような作り方になっているので。「No Cap Navy」は入り混じるような作り方だったけど、ちゃんと一人1ヴァース、という作り方をちょっとストイックにやってみました。フックは単調にしつつも、”Thinkin' bout you…”って繰り返す部分でキャッチーにしたいというのはありましたね。SOTAのヴァースも好きなんですよね、いいよね。
MANATO:新しいSOTAくんが出てるんじゃないですか?
Aile The Shota:普段この感じのリリック書かないもんね。
SOTA:「愛情」とか書いたことなかった。
Aile The Shota:俺、一行目から嬉しかったもん。やべぇの書くじゃんと思って。
SOTA:ははは(笑)。”上辺の愛情がテーマだなんて”って……しょうちゃん(Aile The Shota)が「軽い恋愛をテーマにしよう」って言ったんですけど、「軽い愛情……むずっ」と思って。そんなチャラくなれないなって。
―それでSOTAさんからこの誠実な愛のリリックが出てくるというのは、めちゃくちゃいいですね。
SOTA:背伸びして悪ぶってるのを意識してる感じですね(笑)。
Aile The Shota:ドンピシャだったよ。結局、俺もめちゃくちゃ重いし(笑)。最初はさくっと聴ける感じのラブソングにしようって言ってたんだよね。
MANATO:そう、あんまり重たくならないようにって。
―いい感じのR&Bのテンションで。
Aile The Shota:それこそ僕らが聴いてきたR&Bのテンションじゃない?
SOTA:なったよね、めちゃくちゃいい。
―それぞれの個性や生き様がナチュラルに出ていて、それらがいい流れでつながっていることで3人の個性がしっかり編まれている曲になっていると思いました。Shotaさんからは、自分のEP『LOVEGO』で書いていることと通ずるものが表れているし。
Aile The Shota:これも『LOVEGO』ですね、完全に(笑)。
SOTA:個性が出てるなあ。
SOTA
「Husky Studio」でのセッション
―そしてEPの1曲目、Chaki Zuluさんと作った「SUPER ICY」。
Aile The Shota:これ、タイトル完璧だね。ハマったね。
SOTA:ね!
MANATO:夢の「Husky Studio」(Chaki Zuluのスタジオ)。自分たちの曲にあのタグがついてるやばくない?
SOTA:やばいね。
Aile The Shota:夢みたいなセッションでした。
MANATO:勉強になる部分も多かったですね。レコーディングの歌い方だったり、声の出し方だったり、Chakiさんは現行の英語のよさとかスラングもわかっている方なので歌詞も、色々とアドバイスをもらいました。
―たとえば「Thinkin' bout you」だとできあがったトラックにどうメロディや歌詞を乗せていくかを考えるところ、この曲はトラックを作るところから一緒にやったんですよね。
MANATO:そうですそうです。
Aile The Shota:2人(SOTA、MANATO)は0→1をやることが今まであんまりなかったので、それをやろうということで、3人でトラックがない状態でChakiさんのスタジオに行って。2人にとってはすごく新鮮だったんじゃないかな。
MANATO:もらったトラックを聴いて自分で作るのと、トラックを作る段階からいることは、全然違うんだなって感じましたね。使いたい音とかイメージが、ちゃんと100%ストレートに表に出ていることがすごく嬉しくて。0→1を作る段階って、無限の選択肢から選ぶというすごく難しいことをしていると思うんですけど、でもその場にいることによって自分でリリックとかメロディを作る時の選択肢も広がっているなと感じました。
Aile The Shota:リリックのテーマを伝えた状態でビートを作ってもらっていたんですけど、ものの1時間くらいでラフができあがって、そこから「じゃあメロディ入れてみようか」ってなって。一回目のセッションで全体ツルッと入れたんだよね。
MANATO:Chakiさんすげぇってなりましたね。スピードがマジ半端ない。
SOTA:フックはめっちゃ変わってるんですよ。
Aile The Shota:一回できあがったあとに、Chakiさんが「フック、もうちょいいけるっしょ」ってなって、僕がフックを歌うことはなんとなく決まっていたので2回目のセッションは僕だけ行って。そこでフックはガラッと変わりました。多少ヴァースの雰囲気も変わりつつ、最強のデモを作り、そこからリリックをはめていった感じですね。
SOTA:これ楽しかったなあ。「Thinkin' bout you」のあとだから、歌詞がラフすぎて、超楽しかった(笑)。
Aile The Shota:確かに(笑)。そうちん(SOTA)とChakiさんのグルーヴしてた感、すごかったね。
SOTA:ははは(笑)。
Aile The Shota:「これやったらいいんじゃない?」ってChakiさんが言ってくれたフロウをSOTAが試したらハマりがすごくて。めちゃくちゃ相性よかったよ。聴いていて面白かったし楽しかった。
SOTA:確かに。どんどんハマって、自分でも驚いた。
Aile The Shota:「うわあ」って、MANATOとふたりで言ってた。超かっこいい。
SOTA:基本、ずっと踊っていたんですよね。マジでずっと踊ってる。
Aile The Shota:踊りながら作ってたね。3人とも、リリックを書いたりフロウを作ったりする時に、ダンスみたいに音を取ることがクセになっていると思います。振付を作る感覚で音を取りにいくっていうのは3人ともあると思うので。
SOTA:そうだね。
Aile The Shota:3人ともルーツがダンスということがやっぱり出るよね。
―ShowMinorSavageの音楽性や精神性は、3人にダンスが根づいているところからきていることがよくわかる曲ですよね。しかも、ジャージークラブのビートが……。
MANATO:ああ(笑)。
Aile The Shota:あれやばいね(笑)。
SOTA:あれはやばいですね。
―しかもSKY-HIさんの最新曲「D.U.N.K」も完全にそれで。
Aile The Shota:そうなんですよ。たまたまタイミングが同じ時期だったんですよ。
SOTA:これがほぼ完成するくらいの時に、「そういえばSKY-HIさんも今曲作ってるんだよ」って聞いて。
Aile The Shota:めちゃくちゃジャージークラブで。
—たまたまなんですね(笑)。
Aile The Shota:こっちが若干ジャージードリルっぽいんだよね。Chakiさんが「ここジャージードリルにしたらやばいよ、ちょっと一回試していい?」とか言って(笑)。
MANATO:本当は曲が終わったあとにジャージードリルだけの部分があったんですけど、さすがに面白くなりすぎて(笑)。
Aile The Shota:アウトロでジャージードリルは攻めすぎですねって(笑)。
SOTA:ありだったけど、面白すぎて(笑)。
Aile The Shota:それでブリッジに組み込んだら超ハマりました。
―曲のテーマとしてはChakiさんにどういうことを伝えていたんですか。
Aile The Shota:自分たち自身をフレックスしたい(見せつけたい)っていう。「No Cap Navy」と近いようで、「No Cap Navy」の進化版みたいな。
SOTA:ネオみたいなね。
MANATO:だから完成形の想像が膨らみやすかったですね。
SOTA:ちょっと成長した今の段階でまた自己紹介的なことを書いたら、しっかり胸張れた感情でできるんじゃないかなって。
Aile The Shota:俺らやばいんだぜって。
SOTA:そうそう。
Aile The Shota:BE:FIRSTの2人が経験してきたことや見てきた景色があって。僕はAile The Shotaとしての活動があって。その上で、今の3人にしか書けない、ShowMinorSavegeにしか書けない、「俺らイケてるぜ」という曲を書こうって。
MANATO
ShowMinorSavageは「居場所」
―最高な3曲ができあがりましたね。今後もShowMinorSavegeはやっていく予定ですか?
Aile The Shota:やれる限りやりたいですね。
SOTA:そうですね。
MANATO:やりたいですね。
—3人にとってライフワークみたいなユニットになるのかなと今日話を聞いて思いました。
Aile The Shota:本当にそうですね。
MANATO:うんうん。
SOTA:普通に音楽を聴いてて好きなものを見つけると、「うわあ、こういう曲3人でやりたい」って連想したりするので。どんどんいろんな曲をやりたくなってきちゃいますね。
Aile The Shota:何歳になってもやれる音楽だなって。より味が出てくるというか。
SOTA:確かに。その居場所があるのがすごくいい。
—そうやって3人が作りたくて作った音楽が、世の中にどういうふうに届いたり受け入れられたりしたらいいなと思いますか。
Aile The Shota:『THE FIRST』を見てShowMinorSavegeを応援してくれていた方々から、より外へ広がった時のリアクションがどんなものになるのかは気になります。いわゆるヒップホップヘッズ、R&Bヘッズまで行き届いた時にどうなるのか。
MANATO:確かに。そういうアーティストとかと一緒のステージに立った時に、遜色ないオリジナルのスタイルが伝わったらすごく嬉しいなと思いますね。
<リリース情報>
Show Minor Savage
1stEP『ShowMinorSavage』
http://BMSG.lnk.to/ShowMinorSavage
ShowMinorSavage Instagram
https://www.instagram.com/ShowMinorSavage_official
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