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菊地成孔と湯山玲子が語る、クラシックをイヤホンで聴くことと「踊る」ことの変容

Rolling Stone Japan / 2023年3月15日 19時0分

左から菊地成孔、湯山玲子

2023年3月7日(火)、代官山T-SITEで開催された完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル「JBL TOUR PRO 2」のローンチパーティーにて、ジャズミュージシャン・菊地成孔と著述家・湯山玲子によるスペシャルトークセッションが行われた。

本パーティーでは、ハーマンインターナショナル株式会社が2023年3月10日(金)に発売した新商品「JBL TOUR PRO2」についてのプレゼンテーションが行われ、製品が持つ「完成された装着感と、新次元の絶対音質」というコンセプトや様々な革新的機能が発表された。

【画像】菊地成孔と湯山玲子のトークセッション

プレゼンが終了し、スペシャルゲストとして菊地成孔と湯山玲子の2人が迎えられた。リラックスした雰囲気の中、音楽、イヤホン/ヘッドホン、その効能など、TOUR PRO 2を取り上げつつ、幅広く自由なテーマでトークを展開していった。


左から菊地成孔、湯山玲子

湯山:JBLの音は中域がすごく豊かで好きですね。音のバランスが良くて、中音が重要なクラシックにも対応していると思います。

菊地:オーディオとしてのJBLが持つ機能性、音質をイヤホンでも継承していると感じます。

湯山:私たちが高校生、大学生の頃、ちょうどスティーリー・ダンが出てきたぐらいの時代、スタジオ録音の音質に注目が集まったじゃないですか。フュージョン、ジャズみたいな16ビート系のおしゃれな音楽が流行って、ジャズ喫茶なんかも様変わりして。そうした時代の中で、JBLのオーディオが世の中にものすごくインプットされていったと思うんですよね。

菊地:JBLはイヤホンより前のオーディオの段階から他のメーカーに先立って、クラブ、レゲエ、ジャズなどに合わせたイコライジング機能を意欲的に取り入れたメーカーですよね。レゲエだったらボトムを膨らませる、ロックだったらギターが聴こえるように中域を上げるだったり、ジャンルごとに音の設定がある中で、一番難しいのがクラシックなんですよ。


JBL TOUR PRO 2(ブラック)

湯山:クラッシックのオケには、様々な楽器が揃っていて中にはチェレスタのように小さな音もあって。特にワーグナーやショスタコーヴィチなど、大規模な編成になると、生で聴かなければ聴き分けられないような音があるんですよね。私が最近、大注目しているクルレンツィスっていう指揮者がいるんですけど、彼の指揮するマーラーの交響曲6番が断トツで好きなんですよね。古典的なクラシックの音響ってあるんだけど、私たちの耳ってもうフルトヴェングラーの時代とは違っていて、現代の耳になっている。クルレンツィスは自身が率いるオケを通じて、現代のクラシックの音響はどうあるべきかに取り組んでいるような人なんですよ。TOUR PRO 2では、ピチカートがぴったりと揃って的に向かって飛ぶような表現がしっかりと感じ取れました。

菊地:クラシックと同様にクラブカルチャーにも接している湯山さんとしたい話でいくと、今までの時代、人々が「踊る」ってなったらクラブやディスコに行って大きいPAの前で踊っていましたけど、これから先踊っても耳から落ちないようなイヤホンが出てきて、それをつけて「踊る」ような時代が来てもおかしくないと思います。コロナ禍以降、ライブハウスに来ても踊れない体になっちゃっている人が多いんですよ。要するに僕らは爆音の中「踊る」っていう体質は死ぬまで変わらない中で、若い人たちはその内圧、衝動を外に出せない。そうなった人たちのダンスは変わってくるだろうし、クラブカルチャーも変わってくると思います。あとは、イヤホンでクラシックを聴きながら街を歩く人が出てくるような時代になれば面白いですよね。ジャズ、R&B、ヒップホップはもうすでにイヤホンのサイズに収まるようになったので、次はクラシックですね。



続く話題は、JBLがサポートする春から始まるキャンペーンのキャッチコピー「オト、ヒト、ハート。」からそれぞれ2人が思うことについて。

菊地:人間が音楽を捨てることは絶対にないので、まず音楽がハートと結びついていることは間違いない。あと身体を動かすことも再生機と密接に関わっていると思っていて、踊りながら激しく動いても落ちにくい装着性の高さがあれば、音楽を外に持ち出せるようにしたウォークマンに匹敵するような大きな変化が生まれると思いますね。


菊地成孔

湯山:日本人は音楽が好きですよね。でも好きなのは言葉であって、歌詞と自分をシンクロさせること、メロディーと合わさった言葉に共感すること。ただ音楽はそれよりも広いところにあって、言葉で表現できない音の世界に心遊ばせることなんですよ。クラシックの世界では、その場に足を運んで音楽を体験することが価値とされていて、そこに権威や障壁もあります。でもヘッドホンやイヤホンがあれば、どこにでも持っていって音楽を聴くことができる。言葉から自由になって音楽を聴く、それから菊地さんが言ったように体で自由になる、そんな意味が「オト、ヒト、ハート。」の言葉には込められていると感じますね。


湯山玲子

菊地:現代人にとってハートが問題になるとすれば、それはハートを磨くというよりもハートが汚れてしまったり、ハートが死にかけてしまうことですよ。音楽家として、音楽にはハートの健全性を取り戻してくれるような役割があると思っていいて。ある意味サウナに行って整うのと同じように音楽には、メンタルダウンした時に心を元気にするトリートメントの効果がありますよね。

最後に、音楽を良いオーディオで聴くことの楽しみについて2人はコメントした。菊地は「今は逆に悪い音で聴くことが難しくなっている。その中でも自分に一番響く状態の音を聴くことが、その1日を幸せにすることにつながると思います」とそれぞれの好みに合った音で聴ける再生機の柔軟性について述べた。一方、湯山は「お金を使うことにすごく意識的になっている世の中で、お金を使っていくべきものとそうでないものがはっきりしている。音楽が好きならばイヤホンにはお金をかけるべき。宝石を身につけるのと同じように、よい音を取り入れていくことはライフスタイルの中でとても大事だと思います。良い音で聴くことで、自分の知らない世界を見つけていくように、新しい音楽を自分の中に叩き込んでほしい」と改めて良い音で音楽を聴くことの魅力を語った。


<商品情報>





製品名:JBL TOUR PRO 2
タイプ:リアルタイム補正機能付ハイブリッド式ノイズキャンセリング搭載完全ワイヤレスイヤホン
カラー:全2色(ブラック / シャンパンゴールド)
Bluetooth:バージョン5.3 (LE Audio対応予定)
対応プロファイル:A2DP 1.3.2, AVRCP 1.6.2, HFP 1.7.2
ユニット:10㎜径ダイナミックドライバー
周波数特性:20Hz – 20kHz
対応コーデック:SBC、AAC、(LC3対応予定)
防水規格※3:IPX5(イヤホン本体のみ)
重量:イヤホン本体各約6.1g 、充電ケース約73.0g
連続使用時間※2:
ANCオフ時 イヤホン本体約10時間再生+充電ケース使用約30時間
ANCオン時 イヤホン本体約8時間再生+充電ケース使用約24時間
急速充電対応(15分の充電で約4時間再生可能)
付属品:充電用USB Type-C ケーブル, イヤーチップ3サイズ※Mサイズ装着済み
発売日:2023年3月10日(金)
標準価格:33000円(税込)
https://jp.jbl.com/campaign2023sp/tp2.html

「JBL TOUR PRO 2」の発売を記念し、先行予約および対象期間内でご購入いただいた方を対象としたキャンペーンを実施。対象期間に「JBL TOUR PRO 2」をご購入・応募いただいた方全員にJBLオリジナルの本モデル専用充電ケースカバーをプレゼント。
キャンペーンURL: https://www.jcs-net.co.jp/jbl2023_tp2/

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