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GLASGOWが考えるオルタナロックと大衆性、バンド名に込めた希望

Rolling Stone Japan / 2023年3月23日 18時0分

GLASSGOW(Photo by Jumpei Yamada)

GLASGOW は2018年9月に活動を開始して、同年にタワーレコード渋谷店とインディーズ通販サイトにて、自主制作盤で2枚のCDが累計売上1000 枚以上を記録し、同店舗未流通CDランキングで週間1位を記録。2021年には TOKYO FM 主催のオーディションで優勝を果たし、豊洲PITに出演した。そんな彼らが3月29日に2nd EP&LP『FOOLISH AS THEY MAY SEEM.』をリリースするということで、バンド結成から彼らのルーツ、今作の制作秘話についてじっくり話を聞いた。

―藤本さんのお好きなアーティストをチェックしたら、ART-SCHOOLとかthe pillowsとか、スピッツとかを挙げていて。90年代とか00年代のバンドがお好きなんですかね?

藤本栄太:リアルタイムじゃないですけど、邦楽だとその辺を一番聴いてましたね。中学生くらいの頃にBUMP OF CHICKENが好きになりまして、そこから邦楽ロックを掘っていったら、さらに上の世代のバンドを聴くようになって。その後に洋楽もチェックするようになりました。

―スタートはBUMP OF CHICKENだった。

藤本:そうですね。バンプから派生してthe pillows、ART-SCHOOLを聴いていく中で、どうやらthe pillowsとかART-SCHOOLは”オルタナティブ”と呼ばれているらしいと。ただ、中学の時にオルタナって言われてもよく分からないんですよね。だけどバンドのルーツを辿って行った時に、バンプってコーラスワークとかキャッチーなコードの使い方とか、あえて洋楽的なアプローチをしていて、そこにビートルズっぽさがあるなって思いました。でもthe pillowsとかART-SCHOOLって、ニルヴァーナとかピクシーズとかそっちの方だなと感じた時に「あ、自分ってオルタナティブと言われている音楽が好きかもな」と感じまして。そこから00年代とか10年代のUKとかUSのバンドも好きになって、今に至りますね。


藤本栄太(Gt)

―一方、アラタニさんは大のMr.Children好きで。

アラタニ:そうなんですよ。昔からミスチルが好きで、今でも自信を持って一番好きだって言えるバンドですね。小6の時、友達に誘われてライブを観に行ったんです。それが日産スタジアムで行われた『Mr.Children "HOME"TOUR 2007 ~in the field~』。当時は音楽のことを全然知らなくて、ミスチルのことも把握していなかったんですよ。

―じゃあMr.Childrenを知らない状態で、いきなりライブを観に行ったんですか。

アラタニ:はい。知らないバンドの、知らない曲で涙が出たのが初めてで。そこから一番好きなバンドになりましたね。そもそも人生で初めてライブを観たのも、その時だったんですよ。そこから高校で藤本と出会って、ライブを観に行ったり音楽の情報を共有しあったりして、音楽的なものは2人で形成していましたね。


アラタニ(Vo / Gt)

藤本:形成したと言っても、ただのテニス部でしたけどね(笑)。

アラタニ:部活終わりに二人でTSUTAYAへ行って、レンタルCDを聴き漁るとか、それをひたすらやっていた感じです。

―長谷川さんは、どんな音楽を通ってきたんですか。

長谷川翔:僕も初めてバンドを知ったのは、中学の頃に出会ったバンプでした。とはいえ高校に入った時点では、アイドルとかJ-POPしか知らない状態だったんですね。部活はハンドボールをやっていたんですけど、キツすぎて辞めて一時はグレれていたんです。で、小学校時代の友達に「バンドを作るんだけど、ドラムをやってくれない?」と言われて。その友達たちが音楽に詳しかったので、銀杏BOYZとかマキシマム ザ ホルモンとか、RADWIMPSなどを教えてくれて。そこから、だんだん聴く音楽の幅が広がっていきました。中でも一番影響を受けたのはTHE BACK HORN。芯を食うような、心の底から叫ぶバンドが好きだったので、THE BACK HORN以外にART-SCHOOLとかSyrup 16gもそうですし、90年代だとTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTとかBLANKEY JET CITYとか、そういう音楽を聴いていましたね。


長谷川翔(Dr)



―そんな3人は、どんな流れでバンドを組むことになるんですか。

アラタニ:大学を卒業するタイミングで、僕が当時付き合ってた女の子に振られてしまって。それが自分の中ではデカい失恋で……本当はデートに行くはずだったのに、振られたから予定がなくなっちゃったんですよ。で、藤本に「頼むから、なにかしらで俺の予定を埋めてくれ。何もしなくていいから」って。

藤本:「ただ隣にいてくれ」っていうね。

アラタニ:そうそうそう!

藤本:冷静に考えたら、成人男性2人の会話じゃないですよね(笑)。

アラタニ:それで「海に行こうか?」って話になり、2人で海辺を見ながら「生まれ変わったら何になりたい?」というエモい話になった流れで、「バンドをやらない?」「じゃあ、やるか」みたいな話になって。最初は、遊びの延長で曲を作っていたら「いい曲ができたし、ちゃんとバンドをやりたいよね」となって。ドラムとベースを加えて4人でスタートしたんです。そこからドラムの人が抜けるって話になりまして。で、同時期に藤本はもう1つバンドをやっていたんですよ。そこのドラムがハセさんだったんです。「いいドラムがいるから紹介する」と会わせてもらったのが、この3人になったきっかけでしたね。

藤本:バンドは2018年に結成して、ハセくんが入ったのは2019年でしたね。

長谷川:それこそ2018年の『BAYCAMP』に行ったら、そこに藤本も来ていて、合流して一緒にライブを観ていた時に「実は新しくバンドを始めたんだよね」と言われて。YouTubeに上げていた「youth」を聴いた時に度肝を抜かれて。「これ、『BAYCAMP』に立てるよ!」と興奮して言うくらい衝撃を受けたんです。



―その衝撃って言葉にすると、どのようなものでしたか?

長谷川:そもそもオルタナティブのバンドって、オルタナにフォーカスしすぎてしまうと、分かりやすさが欠如して何をやりたいのか分からなくなるんです。その点、GLASGOWはオルタナティブという基盤がありつつ、大衆にも分かりやすいギリギリのラインにいるから、このバンドはいろんな人に届くだろうなって。ギターのリフ、ボーカルのハイトーンも衝撃を受けた要因でしたね。



藤本:ハセくんが言ってくれた通り、GLASGOWはメロがめちゃめちゃポップ。そこがあるからこそ、割と何をしても大丈夫だなと思いますね。例えば、今流行りのギターはもう少しミドルが出ていて、分かりやすいリフがあって、あんまりガチャガチャしていない。伝わりやすさで考えたら、そっちの方がいいのかも分かんないんですけどね。その点僕らはオケだけを切り取ると、リバーブがギャンギャン鳴っていたりとか、ちょっと変なギターのフレーズが入っていたりするんですけど、GLASGOWが今の十代とか高校生の子とかにも聴いてもらえてるのは、やっぱりメロがポップだからこそだなと思います。

アラタニ:ただただオルタナなだけではダメだよなって、3人とも思っているんです。というのも、みんなに好かれたい欲が我々は強いので、そこはメロディやアレンジに表れているし、こういう90年代や00年代のサウンド感が好きな方は一定数いると思う。「みんな、こういうのも好きだったでしょ?」と提示していく存在にはなりたいですし、そこができてるのが僕たちの強みかなと思います。



―結成から現在までを振り返って、各々のターニングポイントを教えてください。

長谷川:2020年にリリースした1stミニアルバム『twilight films』ですね。この制作時期ってちょうどコロナの緊急事態宣言中で、ライブができなかったんです。その分、多くの時間を制作に充てられた。だからこそ、自分たちの足りなかったところも見つめ直せたし、すごくいい作品を作れました。それまで出していた曲たちは、オルタナ寄りだったんですけど、『twilight films』はより間口を広げた曲も割と入れることができたので、新しい方向性が見えたのも含めて、ターニングポイントだったなと思います。



藤本:それこそ『twilight films』からご一緒することになった、サウンドプロデューサーの釆原史明さんとの出会いが自分のターニングポイントだと思っていて。これまでバンドに対して外から感想を言ってくれる人はいても、「こうした方がいいよ」という踏み込み方をしてくる人っていなくて。そういう接し方を初めてしてくれたのが、釆原さんだったんです。それに、今までバンドに対して何か言われても「いや、俺はこう思うからな」と受け入れられなかったんですけど、釆原さんがこれまでやってこられたクリエイティブは、僕が聴いてきた音楽がすごく多かったんですよね。きのこ帝国、syrup16g、クリープハイプとか。そんなすごいアーティストさんと作品を手がけてきた釆原さんが言うんだったら、絶対に正解だなって素直に意見を受けられた。釆原さんってコードやメロのアドバイスだけじゃなくて、例えば「クリープハイプの尾崎(世界観)くんはこんなことを考えて曲を作ってるみたいだよ」と言ってくれる。その度に、自分はそこまで考えて曲作りをしていたのかな?と振り返るきっかけになったので、そういった意味でも釆原さんとの出会いは大きいです。

アラタニ:2021年にTOKYO FM主催のオーディション「FESTIVAL OUT」で優勝して、1200人のお客さんが集まった豊洲PITでライブをさせていただいたのが大きかったです。前からライブハウスの人や先輩からも「広い場所を意識して曲を作ったり、パフォーマンスするのが大事だよ」と言われていて。漠然と分かったつもりではいたんですけど、いざ豊洲PITに立った時に「こういうことだったんだな」って初めて理解できたんです。こういう人たちに向けて、ちゃんと音を鳴らさなきゃいけないんだなと痛感しました。オーディション以降、「多くの人に聴いてもらいたい」欲求が強くなったので、そういう意味でも大きな経験になりましたね。



―そんなGLASGOWは、3月29日に2nd EP&LP『FOOLISH AS THEY MAY SEEM.』をリリースしますね。

アラタニ:前作『twilight films』から今作を出すまでに、かなりの時間がかかってしまったんですよ。もちろんコロナがあったりメンバーが脱退したり、とにかくいろいろとトラブルがあって。今回は『twilight films』制作中にデモとしてあった曲も入ってるし、制作ギリギリでできた曲もあるので、個人的にはその時に感じた素の俺たちが全部入った1枚になっています。制作期間が長かった分、それぞれ曲に対する思い入れも違いますし。オーディションに優勝して、もっと多くの人に聴かれたいと思ったからこそ、悩んで作った作品だったかなと思います。

藤本:リアルに自分たちのこと投影した、もはや日記みたいな感じですね。自分たちの生活であったり、バンドの中でメンバーが辞めてめちゃめちゃしんどい時期の曲だったり、「これからやっていこう」と珍しく前を向いた力強い曲も入っている。その時々が強く反映された曲の中から、自分たちが強く推したい6曲を集めた一枚になっています。

長谷川:あと、6曲通して聴いた時にちゃんと流れが成立しています。『FOOLISH AS THEY MAY SEEM.』のタイトルともリンクしているのもポイントですね。



―リード曲「Your song」は、どのように作られたんですか。

アラタニ:3月9日にリリースした「FLASHBACK」のレコーディングとミックスが終わった後、釆原さんから「いろいろと難しいことを考えてるのは分かるし、それも大事なんだけど、たまには『鼻歌で適当に歌ってたらできちゃいました』みたいな曲を作ってみなよ」と言われて。その言葉の通りにやってできたのが「Your song」だったんですよ。10分ぐらいでできましたね。これまで裏声のファルセットを使う場面が多くて。それが武器だと思いつつも、それだけじゃ駄目だなと思っていたんです。裏声を使わずに、ちゃんと多くの人に聴いてもらえる曲を作らなきゃ、みたいな焦りが強くあった。そんな思いが入り混じりながら、何も考えずに作ったらこの曲ができましたね。

―定石で考えれば裏声を多用している「vvaves」がリード曲になりそうなものですけど、あえて「Your song」を選んだのが意外性があって面白かったです。

藤本:そうですね。「Your song」って曲自体は分かりやすいメロディだと思うんですけど、アレンジ的には我々が思いっきり好きなアレンジを採用していて。あと、これまでは前向きな歌詞を書くことが恥ずかしかったんですけど、そもそも作品のタイトルが和訳で「例え愚かと言われても」なのでね(笑)。「いやいや、もう分かってるから」っていう。そういう振り切れるところもあって、前向きだけどリード曲でいいかなって。

アラタニ:ある意味、お客さんに対する願いというか「これをリードにしたよ」って言いたいし、第一にこれを聴いてほしいなと思ったっすね。この曲が好きって言ってくれる人だったら、間違いないなと思っていたので、そういう希望も込めてリード曲にしました。

―演奏はどんなことを意識されましたか?

長谷川:リズム面で言うと、とにかく分かりやすさを大事にしました。余計なことはせず、ボーカルのメロディラインと、ギターのリフを活かすことにフォーカスして作りました。あと、広い会場で演奏している画が見えるアレンジですね。メロコアっぽい要素が少しあるので、大袈裟すぎない程度に反映させています。

藤本:しっかりと歌い上げる強いメロディで、叫ぶ系の曲なのに、あえてギターをジャカジャカ弾かないとか、あえてリバーブを深くしてUKとかインディー感のあるギターを弾いてみた。それによって新しいGLASGOWの曲だけど、これまでのGLASGOWっぽさも感じられるかなと思いますね。

アラタニ:ギリギリ自分が出るか出ないかぐらいの音程を狙って作ったんですよ(笑)。今までは裏声をずっと使っていたんですけど、この曲は金切り声に近いというか、あえてそういう別角度から歌声の強さを出したいと思いました。何より、明るくて個人的にはすごく好きな歌詞なので、サビに行く前までは、子供に本を読み聞かせしているように優しく歌って、サビでは思いっきり叫ぶ。その緩急を大事にして歌いました。



―では、特にチャレンジだった曲は?

長谷川:「Your song」は初めて打ち込みでデモを作ったんですよ。自分のフレーズがどうなってるのか分析した上で、レコーディングに臨みました。ドラマーとして、これからの曲作りとかドラムのフレーズ作りも見えたし、そういう意味ですごくチャレンジングでしたね。

藤本:今流行っている音楽って、サビで一気にハイトーンになるとか、サビで起伏を作って聴いてる人に気持ち良さを与えるのがベターだと思うんですよね。でも3月1日にシングルカットした「Trooper」は逆のアプローチをしていて。サビで音数をガッツリ抜きつつ、ボーカルも歌い上げているわけでもない。令和にギターロックをやってるバンドが、これを出すことは結構な挑戦じゃないかなと思いますね。



アラタニ:4曲目「vvaves」は『twilight films』の時からデモがあって。リリースしないまま「なんかいいよね?」みたいな感じで、ずっと残していたんです。今回レコーディングをするに当たって、曲を作った当時と今では自分の曲に対する考え方が変わったので、どんなテンション感で「vvaves」を形にするか悩んでたんですよね。そういう意味ではいろいろと作り変えて、一番時間をかけて熟成させた曲。歌い方は「Your song」と真逆で、ハイトーンをかなり使ってる曲なので、自分の得意技をフルに使いましたね。6曲目「ラウド・クワイエット・ラウド」も結構前からある曲で、これはAメロからサビにかけて、どう歌うのが一番伝わるのか模索しました。

―制作期間を振り返って、一番印象に残っていることは?

藤本:やっぱりメンバーが抜けたことですね。バンドって1人変わるだけで、音の雰囲気から何から大幅に変わるのを実感しました。それと同時に、3人でも全然やれるなって思えました。1人辞めたけどバンドは進むし、進むんだったら「3人になって、より良くなったよね」って思わせなきゃいけないし、そことの戦いでしたね。

アラタニ:それでいうと、今作のベースはRyu MatsuyamaのTsuruさんが弾いてくれていて。いろんな人との出会いもあったし、前を進まなきゃなみたいなものすごく生まれたので。やっぱいい方向になろうとみんな努力した結果、いい方向に転がったなと思ってます。同じリズム隊として、ベースとドラムの相性って一番大事だから、大変だったでしょ?

長谷川:Tsuruさんは自分に寄り添ってベースラインを作ってくれたから、そこまで苦労することはなかったけど、アレンジを考えるのは苦労したよね。前のベースがつけてくれたフレージングを、知り合いのベーシスト何人かで再度作り直す中で、どこにピントを当てて生のリズムを持っていくかは試行錯誤しました。

アラタニ:今話していて思ったけど、今回は人のありがたみを知ったよね。これまで当たり前のように4人でやっていたけど、当たり前じゃないんだなって。



藤本:我々の中で「こうしたらもっとよくなるな」という気づきが、昔よりもたくさんあったんですよね。だからこそ結構時間かかったんですよ。昔だったら今の2段階ぐらい手前で「これでいいじゃん! 音源出そうよ」となっていたけど、もっと熟考して精査して進めていけた。お客さんからしたら「いや、そんな細かい音の変化は分かんないよ」と思うようなところまで気にした結果、大幅な時間としんどさが伴った。それはいい結果なのかなと思います。

アラタニ:バンドとして違うジャンルに変わることも大事ですけど、今回はシンプルに順当な進化ができた。ポケモンでいうと、リザードがちゃんとリザードンになったみたいな(笑)。リザードからカメックスになるバンドもいると思うんですけど、我はちゃんと同じ階段を上がって進化できた。それがすごく嬉しかったですね。



―アートワークで言うと、朝井リョウさんやクリープハイプのデザインを手掛けているイラストレーター・雪下まゆさんのイラストをジャケットに採用しているんですよね。



アラタニ:去年リリースした「FLASHBACK」のジャケットも、雪下さんの絵をお借りしているんですよ。それはスタッフさんからの提案で、僕たちも素敵だと思ったので形になりました。逆に、釆原さんは僕らがラブレターじゃないですけど、何もツテがない状態で「やってくれませんか?」と連絡をしたら、二つ返事で「いいよ」と言ってくださったところから関係がスタートしているんです。そういう意味でも、今作は様々な方の血が入ってるんですよ。アートワークとか細かい部分は、今までやってきてもらったデザインの方にやってもらってるし、いろんな血を入れて大きく成長できました。

―今作を完成させたことで、今後のビジョンは見えました?

アラタニ:今作は、僕らが好きだったバンドへの憧れを詰め込めたんです。自分達が好きだった先輩バンドからヒントを得て、フレーズやアレンジを注入した。今後さらに大きくなっていくことを考えた時に、憧れるだけじゃダメだし、憧れられる存在にならなきゃいけない。それが次の作品のテーマになってくるんじゃないかなと思います。

藤本:今こういう音で、こういうキャッチーなメロディを作るバンドって本当に少ないと思うんですよね。うぬぼれるわけじゃないですけど、結構誠実にバンドをやってるバンドだと思うので、今の音楽に対する誠実さを保ちながら、聴いてくれる人や関わってくれる人の輪を大きくしていけたら、これ以上ない幸せだろうなと思います。現状は、ワンマンで100人キャパのライブハウスが埋まるかどうかなんです。10年、20年ぐらい前は、結構こういうバンドって今よりも市民権あったと思うんです。自分達が好きな00年代前半のバンドがそう。だからこそ、自分たちが騎手というか「こういうバンドもカッコよくない?」と多くの人に認識されるための旗振りじゃないですけど、そういう役割を牽引する存在になれたらと思ってます。

―今ってTikTokやYouTubeのショート動画の影響で、いかに短い時間でインパクトを与えるかが大事になっていますよね。ただ、GLASGOWの音楽はそこに対するカウンターな気がしていて。

アラタニ:現代の要素も大事だし、そういうのも取り入れていかないといけないなって思うんですけど、なんとなく我々3人の中では「もし時代性に囚われた音楽を出した時に、中学時代の俺たちがカッコいいって思えるか?」が大事な判断基準になっているんですよ。もし僕らの中学時代にGLASGOWがいたとして、僕が藤本に「このバンドやべえぞ!」と勧められるのか? 「この曲のコレがカッコいい」ってちゃんと言えるか言えないか。そこが根底にありますね。

―自分たちが憧れたロックバンドになれるかどうかっていう。

アラタニ:そうっすね。自分たちのバンド名にも繋がるんですけど、UKロックに対する憧れもずっとあるんですよ。僕らはオアシスのライブを観たこともないし、もちろんUKの聖地・グラスゴーに行ったこともないんですけど、でも「あそこには素敵なものがあるらしいぞ」みたいな漠然とした憧れがあって。向こうってそういう音楽が評価されてチャートのトップに入ってるみたいなものが、すごく羨ましいなって。そういう希望や願いがそのままバンド名になっていますね。


<リリース情報>

GLASGOW
『FOOLISH AS THEY MAY SEEM.』
発売日:2023年3月29日
=収録曲=
1. Your song
2. Trooper
3. FLASHBACK
4. vvaves
5. lostmusic
6. ラウド・クワイエット・ラウド

<イベント情報>

GLASGOW 2nd EP『FOOLISH AS THEY MAY SEEM.』アウトストアライブ
2023年4月1日(土)東京・下北沢BASEMENT BAR
OPEN 12:30 / START 13:00
TICKET:入場無料(+1D ¥600円)
2nd EP『FOOLISH AS THE MAY SEEM.』をお買い求め頂いた方にアウトストアイベントのチケットを先着で配布
対象店舗:タワーレコード:渋谷店・池袋店・八王子店・川崎店・新宿店・浦和店・町田店・横浜ビブレ店
HMV:HMV BOOKS SHIBUYA
ヴィレッジヴァンガード:渋谷本店・下北沢・高円寺

GLASGOW 2nd EP『FOOLISH AS THEY MAY SEEM.』Release one-man live
2023年4月14日(金)東京・下北沢LIVE HAUS
OPEN 19:30 / START 20:00
TICKET:前売 ¥2800(+D)
★学生割引有
受付にて学生証をご提示のお客様は、¥2,300(+D)でご入場いただけます。

https://whiteluck-records.com/

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