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CHAI、無敵状態のツアーファイナルで闘争宣言「世界の中心で戦っていく」

Rolling Stone Japan / 2023年3月27日 17時30分

CHAI(Photo by Yoshio Nakaiso)

2022年、パンデミックを経て約2年ぶりの北米ツアーに加え、初の南米・メキシコツアーを行ったCHAI。世界中でライブを繰り広げていた以前のCHAIの日常が戻りつつある中、久々の日本でのツアー「ジャジャーンTOUR」が開催された。恵比寿ザ・ガーデンホールでのツアーファイナルをレポートする。

【画像を見る】CHAI「ジャジャーンTOUR」ファイナル ライブ写真(全22点)

お馴染みの英語と日本語が混じったSEが流れ、マナ(Vo・Key)、カナ(Vo・G)、ユウキ(B・Cho)、ユナ(Dr・Cho)がゆっくりと行進するようにして登場。背後からライトが照らされた4人の仁王立ちのシルエットからしてかっこいい。ミラクルツインズ・マナ&カナが見事なシンクロを見せながらアグレッシヴに踊りまくるブレイクビーツのラップ曲「END」からライブはスタート。


Photo by Yoshio Nakaiso


Photo by Yoshio Nakaiso


Photo by Yoshio Nakaiso


Photo by Yoshio Nakaiso

コロナ禍でライブ活動がままならなくなったタイミングで、ニルヴァーナやサウンドガーデンで知られるアメリカの老舗インディレーベル・SUB POPと契約し、バンドサウンドから逸脱した転換作『WINK』を世界リリースしたCHAI。その進化はライブにおいても大いに表れ、演奏形態も音像もより多彩になり、無敵感を増大させた。その象徴的な楽曲のひとつが『WINK』に収録された冒頭の「END」であり、「PING PONG! feat.YMCK」である。

マナ&カナがサンプラーを叩き、「PING PONG!」という音を出すと、オーディエンスがその音に合わせて「PING PONG!」と声を上げ、声出しがOKになったからこそのコール&レスポンスを展開。サンプラー担当は途中でユウキ&ユナにスイッチし、カラフルな音で場内の温度を上げていく。そして、ピンクのドレスチックな衣装に着替えたマナ&カナが現れ、スタンドマイクの前に立ち、キッチュなチップチューンに合わせてパラパラのような振り付きで「PING PONG! feat.YMCK」を披露。その後は4人がステージ前方に集まり、これまたコロナ禍での進化の賜物であるクールなダンスナンバー「ACTION」へ。間奏では4人がステージ中央から左、右に移動し、オーディエンスに近づき笑顔で手を振る。その光景をユウキがスマホで写真に収めるというシーンも含めて、世界中見渡しても他にはないCHAIのアートだ。

中盤の抽選会では、EP『ジャジャーン』購入者限定のミート&グリートの当選者を決めるくじ引きが行われた。ユナが当選者の番号を読み上げる度にオーディエンスは一喜一憂。当選者が歓喜する姿を見た4人が次々と「NEOかわいい!」と声を上げ、幸せな空気が充満していく。最強のポジティヴィティを持ったアーティストのファンはやはり抜群にポジティヴなヴァイブスを持っている。


Photo by Yoshio Nakaiso


Photo by Yoshio Nakaiso

下北沢BASEMENT BARで行われたCHAI初の東京ライブでも演奏された1stアルバム『PINK』収録の「ほれちゃった」を披露した後、マナのハイトーンの歌声が軽やかに踊る「フューチャー」へ。音楽ですべてをひとつにするようなエネルギーが放出される中、フロアでは多様なオーディエンスが楽しそうに踊る。マナが「次の曲でラストソング」と言うと、当たり前のように「えー!」という終わりを惜しむ声が多く上がるが、マナは「全然足りん!」と言ってオーディエンスを挑発。この親密なムードもCHAIのライブの魅力だ。

本編ラストは、最新EP『ジャジャーン』に収録されている「ラブじゃん」。叙情的なメロディと気怠いグルーヴで中毒性を形成しながら、ストレートに愛を伝えていく。

「次のCHAI」を示す新曲も披露

アンコールでは、マナ&カナが初めてのアコースティックヴァージョンでCHAIのオリジナル曲「アイム・ミー」を披露。CHAIというと、低音の効いた骨太なグルーヴでオーディエンスを掌握するイメージが強いが、アコースティックで楽曲を聴くと、雄弁なヴォーカル力、メロディの美しさもまたCHAIの武器なのだと改めて感じる。大きな拍手が上がる中、嬉しそうに両手を挙げるマナ&カナ。ユウキとユナも再登場し、オーディエンスはまるで親しい友人かのような距離感で4人に話しかける。


Photo by Yoshio Nakaiso


Photo by Yoshio Nakaiso

マナが4月27日に開催するCHAIが主催する初の音楽フェスティバル「NEO KAWAII FESTIVAL2023」に対し、「NEOかわいいをテーマにフェスを主催するのが夢だった。絶対来いよ!」と呼びかける。「次のCHAIをここのみんなにだけ見せるね。聴いて!」というマナの言葉を合図に、タイトルも決まっていない新曲が披露された。ディスコテイストを感じる艶やかなファンキーさが新鮮な楽曲で、リリースが待ち遠しい。

マナが「あなたもNEOかわいい! CHAIもNEOかわいい! エブリバディNEOかわいい!」とシャウト。「日本でまたツアーができて本当に嬉しい。東京にこうやってネオかわいいベイビーズたちが集まってくれて本当に嬉しい。今年はみんなにとってもライブや音楽が身近になっていく年だと思うし、どんどんみんなの歌声が聴こえる世界になっていく。戻っていくというより、進化したと思ってる。その進化した世界の中心でCHAIは戦っていく。ついてこいよ!」と続けた。そう、”NEOかわいい”とは、決して今の自分を全肯定し甘んじるのではなく、高みを目指すことでより自分を愛するための闘争宣言なのだ。

その後披露された最後の曲は「sayonara complex」。コンプレックスも含めて自分は最高なのだというCHAIの”NEOかわいい”スピリットをとじこめた楽曲。〈かわいいだけの私じゃつまらない〉。だからこそCHAIはこんなにもハッピーでエキサイティングなのだ。

【画像を見る】CHAI「ジャジャーンTOUR」ファイナル ライブ写真(全22点)


Photo by Yoshio Nakaiso


Photo by Yoshio Nakaiso


CHAI「ジャジャーンTOUR」TOUR FINALセットリスト

01. END
02. ボーイズ・セコ・メン
03. IN PINK (feat. Mndsgn)
04. Donuts Mind If I Do
〈物販紹介〉
05. クールクールビジョン
06. ハイハイあかちゃん
07. N.E.O.
08. PING PONG! (feat. YMCK)
09. ACTION
10. カーリー・アドベンチャー
11. 夢のはなし
〈抽選会〉
12. ほれちゃった
13. まるごと
14. フューチャー
〈MC〉
15. ラブじゃん
En 1. アイム・ミー(Acoustic ver.)
En 2. 新曲
En 3. sayonara complex

▼公演セットリストをまとめたプレイリスト
https://chaiband.lnk.to/JAJANTOUR2023SETLIST



CHAI presents ”NEO KAWAII FESTIVAL 2023”
2023年4月27日(木)東京・Zepp Shinjuku
出演:CHAI
ゲスト:Phum Viphurit、STUTS
詳細:https://www.creativeman.co.jp/event/neo-kawaii-festival-2023/



CHAI
日本限定EP『ジャジャーン』
発売中(2023年1月18日)
初回仕様限定特典:<ジャジャーンクーポン>封入
¥1,650(税込)
●EP『ジャジャーン』CD購入はこちら
●新曲「ラブじゃん」再生・購入はこちら

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