マルシィ、エモーショナルな曲を支える繊細な表現【ツタロック2023レポ】
Rolling Stone Japan / 2023年3月28日 12時10分
3月19日に開催された「ツタロックフェス2023」。マルシィのライブレポートをお届けする。
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「最高です! ありがとう!」
自分達の演奏に対する観客の温かい反応に対して、吉田右京(Vo, Gt)が幾度となく快哉を叫びながら、マルシィはフェスの醍醐味を存分に味わったに違いない。18年結成のスリーピース・ロック・バンドにとって、その経験はこれから活動を続けていく上で大きな糧になることだろう。
恋する気持ちのせつなさを歌った失恋ソングの数々がSNSを中心に共感を得て、人気を伸ばしてきたというその彼らは、いきなり聴く者の胸を焦がした「プラネタリウム」をはじめ、昨年6月にリリースしたメジャー1stアルバム『Memory』からの5曲に加え、中盤では3月1日に配信リリースした新曲「大丈夫」も披露。バンドにとって、初めての応援歌というその「大丈夫」では、「みんな声出せる⁉ 僕ら声出しに慣れてないから、みんなの力、いや、声を貸してください。よろしく!」と吉田が観客にコール&レスポンスを求め、観客の歌声とともに会場を一つにする。もちろん、そこでも吉田が前掲の快哉を叫んだことは言うまでもない。
そこからバラードの「絵空」を、吉田の弾き語りにバンドが寄り添うように演奏を加えるというドラマチックなアレンジも含め、じっくりと聴かせると、「ラスト1曲、全力で届けます!」と吉田が声を上げ、ラストナンバー「最低最悪」になだれこむ。タイトルとは裏腹のポップな曲調と吉田の伸びやかな歌声を、観客がハンドクラップで熱烈に歓迎。そんな大きな盛り上がりの中、演奏を終えたバンドを代表して、吉田は再び快哉を叫んだ。
「めちゃめちゃ幸せでした!」
そんな初々しさも見どころだったと思うのだが、楽曲に滲むナイーブな魅力とは裏腹に空間系のエフェクトを駆使しながら、音色を煌めかせたり、尖らせたりしたshuji(Gt)、音数よりも一音一音の力強さを意識したフジイタクミ(Ba)――棹隊2人のプレイが思いの外、アグレッシブで聴きどころになっていたことも最後に付け加えておきたい。そう言えば、「牙」で吉田が弾いたバッキングのコード・ストロークもジャキッと鳴るソリッドな音作りが印象的だった。
<イベント情報>
ツタロックフェス 2023 supported by Tポイント
公演日:2023年3月19日(日)
会場名:幕張メッセ国際展示場 9・ 10・ 11ホール
主催:CCCミュージックラボ(株)/ライブマスターズ(株)
企画:CCCミュージックラボ(株)
制作:ライブマスターズ(株)
運営:(株)ディスクガレージ
特別協賛:CCCMKホールディングス(株)
問い合わせ: https://cccmusiclab.com/tsutarock2023
<公式SNS>
Twitter:https://twitter.com/tsutarocklive
instagram:https://www.instagram.com/tsuta_rock_live_official/
Facebook:https://www.facebook.com/tsutarocklive/
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