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(sic)boy、JESSEを迎えた第二弾先行配信SGで聴かせる「カオス」の正体

Rolling Stone Japan / 2023年3月28日 21時0分

左から(sic)boy、JESSE

2022年12月29日、自身にとって最大規模のワンマンライブをKT Zepp Yokohamaで開催し、ステージ上からメジャーデビューすることを発表した(sic)boy。メジャー1stアルバムが予定されていることが既に報じられ、2月にはSid the Lynch名義で活動していた初期からの盟友・Only Uを迎え、両者がSoundCloudで発表していた楽曲のリリックをサンプリングし、その濃厚な歩みが反映された第一弾先行配信曲「Resonance feat. Only U」をリリース。トラップ×ジャージー×レイジの進化形を提示したことも記憶に新しい。
 
第二弾先行配信曲は先述したKT Zepp Yokohamaでのメモリアルなライブ中に未発表曲としてRIZE/The BONEZのJESSEと共に披露された「Dark Horse」だ。JESSEという思わぬゲストの登場に、場内の熱気が沸点を刻んだ楽曲である。



L'Arc-en-Cielのボーカル、HYDEがきっかけででロックに目覚め、ポスト・マローンやリル・ピープといったエモ・ラップに接近しつつも、独自のロック×ヒップホップサウンドを標榜してきた(sic)boyが、国内のミクスチャーロックのレジェンドであり、Def TechのShen等との6人組ヒップホップユニットE.D.O.の活動も行うJESSEとタッグを組むのは必然的だ。また、両者は地元の先輩・後輩の間柄でもある。

「Dark Horse feat. JESSE」のプロデュースはもちろんKM。ミクスチャーカルチャーからの影響を公言している気鋭のトラックメイカーによるノイジーでラウドなトラックに乗せて、いきなり(sic)boyのデスボイスによる咆哮が轟き、小気味良くリズムを刻むラップが展開される。闘争心をエンジンに、いつになく挑発的なリリックを多彩な声色で繰り出す(sic)boy。リズムとメロディを自在に操る歌/ラップは非常にスキルフルだ。2番ではJESSEが凄みあるラップを繰り出し、さらに破壊力を増大させる。時折、咆哮が投下され、巨大なカオスを創出していく。

タイトルにもある通り、”ダークホース”がリリックのテーマになっている。JESSEと(sic)boy。登場時から特定のジャンルにカテゴライズされないことで、どこにも属さずに新たな道を開拓してきた両者ならではのダークホース観が、圧倒的なスキルを伴い、ガチンコでぶつかりあっていて痺れる。
 
3月19日に開催された大型ロックフェス「ツタロックフェス」でも、ロックバンドが大半を占める出演者の中で唯一ラップシーンでも存在感を放つアクトとして出演し、ロック×ヒップホップの架け橋としてキレのあるパフォーマンスを展開した(sic)boy。来るべきメジャー1stアルバムは様々なボーダーを壊してきた(sic)boyの決定打となるだろう。まずは、「Dark Horse feat. JESSE」を聴いて、その時に備えたい。
 

New Single「Dark Horse feat. JESSE (RIZE / The BONEZ) Prod. KM」
https://sicboy.lnk.to/DarkHorse



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