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ドリーム・シアターが語る人気の理由「強固なメロディとフック、高度なテクニックとスリル溢れる展開」

Rolling Stone Japan / 2023年4月17日 18時15分

ドリーム・シアター:写真左がキーボードのジョーダン・ルーデス

ドリーム・シアターが2023年4月28日より、『TOP OF THE WORLD TOUR』日本公演を行なう。アルバム『ア・ヴュー・フロム・ザ・トップ・オブ・ザ・ワールド』(2021年)が世界的な成功を収め、「ジ・エイリアン」がグラミー賞最優秀メタル・パフォーマンス部門を獲得。日本でもダウンロード・ジャパン2022で堂々ヘッドライナーを務めるなど、彼らは単なるプログレッシヴ・メタルというサブジャンルの枠を超えて、メタル界を代表する存在となったといえる。

【写真を見る】ドリーム・シアターのライブ写真

日本武道館公演を含む大規模なジャパン・ツアーは、常に新しい地平線へと挑戦を続けるバンドの進化の瞬間を見届けるセレブレーションとなる。いよいよ日本上陸まで待ったなし。キーボード奏者のジョーダン・ルーデスが来日公演、そしてドリーム・シアターの現在を取り巻く環境について語ってくれた。
 
ー昨年のダウンロード・ジャパン出演に続いて単独ジャパン・ツアーが決定して、日本のファンはとてもハッピーです。

私も最高にハッピーだよ。ダウンロード・ジャパンの少し前まではコロナ禍でツアーを出来なかったし、日本公演が一度中止になっていたから(2020年5月に予定されたツアーが同年10月に延期、そして中止に)、戻ってくることが出来て本当にうれしかった。フェスの後にファン達と話して知ったんだけど、声出し自粛が求められていたんだってね。普段からモニターの音で歓声があまり聞こえないし、みんなマスクをしていたから分からなかったけど、すごいエネルギーが溢れていて、我々の音楽を楽しんでくれていることが伝わってきたよ。いつも出番の前はスケールやアルペジオなどのウォームアップをしているし、他の出演バンドを見ることは出来なかったけど、ヘッドライナーとしてステージに上がると、会場全体にアドレナリンが充満していた。

ードリーム・シアターはこれまでもサマーソニック”(2010年)やラウドパーク(2014年)あど日本のフェスに出演してきましたが、単独のライブをやるのとはどう異なるでしょうか?

ドリーム・シアターには”やらなければならない”ヒット・シングルはないし、自由にセット・リストを組めるというメリットがある。「ザ・スピリット・キャリーズ・オン」(『メトロポリス・パート2:シーンズ・フロム・ア・メモリー』収録)あたりは人気曲だし、プレイすると大歓声が起こるけど、毎晩やらなければならないわけでもない。フェスにはいろんなタイプの音楽を好きなお客さんが集まるから、ヘヴィな曲やプログレッシヴな曲、メロディックな曲など、バンドのさまざまな異なった表情を見せるようにしているよ。一方、単独ライブでは持ち時間に制限がないし、思い切った大曲やレアなサプライズ曲もプレイすることが出来る。もちろん、どちらでも最高のライブをお見せすることを約束するよ。





現在のライブ・パフォーマンス

ー1992年に初めての日本公演を行ない、おそらく今回が17回目のライブでの来日となりますが(ソロや別プロジェクト、プロモーションを除く)、初めてドリーム・シアターを見る音楽リスナーに、どんなステージだと説明しますか?

ドリーム・シアターのライブは、統一感のあるショーなんだ。ただ5人の野郎たちがステージに上がってロックンロールするのに留まらず、トータルな完成度の高い音楽パフォーマンスを披露し、ビデオ・ウォールの映像やライティングなどで、ヴィジュアルな要素もある。曲ごとにコスチュームを替えたりはしないけど、エンターテインメントとしてのスペクタクルを提供しているんだ。ある意味ブロードウェイ・ミュージカルのようでもあるけど、インプロヴィゼーションもあって、何が起こるか分からない偶発性のスリルもあるし、とてもエキサイティングだよ。ドリーム・シアターはキャリアが長いけど、デビュー当時の刺激を失っていないのは、そんなところにあるんだ。

ー近年、東京公演はしばしば日本武道館で行われていますが、この会場に特別な思い入れはありますか?

武道館だからといって何か違ったことをやるとか、そういうことはないよ。私たちにとって、どのショーもスペシャルだからね。もちろん初めて武道館のステージに上がったとき(2004年)は、特別な感慨があった。ディープ・パープルの『ライブ・イン・ジャパン』やチープ・トリックの『at武道館』は歴史的名アルバムで長年聴いてきたし、「ついにここまで来たか……」と思ったよ。自分たちがその歴史に連なることが出来るのは誇りにしているし、戻ってくることが出来てうれしいね。

ーギターのネックとショルダー・キーボードを兼ね備えた”ウィザーズ・アックス”を先日SNSで公開しましたが、日本のライブでもプレイするでしょうか?

どうだろうね(笑)。これまでスタジオ・アルバムでは弾いたことがないし、ライブで楽曲を再現するのに必ずしも要らないんだ。でもソロ・スポットで弾いても面白いかもね。ちょっと考えておくよ。ドリーム・シアターの曲は構成のディテールが決まっていて、 それを大きく動かすことは難しいけど、コード進行が決まっていても、各メンバーのソロ・パートは自由が利くし、毎晩同じプレイをするわけではない。オープンな部分もあるし、インプロヴィゼーションを加えるのは楽しいよ。



ー最近SNSでギターの腕前を披露していますが、ライブで弾く機会はあるでしょうか?

うーん、ジョン・ペトルーシの目の前でギターを弾くの? それは何かの罰ゲームかい(苦笑)? このバンドでは彼のギターだけで十分だと思うよ! ただ君の言う通り、1年半ぐらい前からギターの練習をしてるんだ。普段弾き慣れたキーボードとは異なる楽器をプレイしてみることで、新しい視点から音楽にアプローチすることが出来る。それに単なる趣味としても、ギターを弾くのは楽しいよ。でもドリーム・シアターというプロ集団の中でギターを弾く腕はないな。それは私自身が一番知っている。たまに友人のギタリストからレッスンを受けたりして上達を志しているんだ。ジョン・ペトルーシがいろんなヒントをくれるし、マテウス・アサトからも教わっているよ。こないだメガデスのキコ・ルーレイロとロン”バンブルフット”サール、それからポール・ギルバートからもレッスンを受けた。ジョー・サトリアーニの”G4エクスペリエンス”ギター・キャンプにゲスト講師として参加したけど、そのときにアンディ・ウッドから教えてもらったりもした。きちんと系統立って修得するなら1人の先生に教わった方が良いけど、私はいろんなギタリストから学びたいタイプなんだ。


日本でのオフの過ごし方

ーこれまで何度も日本に来ていて、オフの日には何をしていますか?

何人か友達がいるから一緒にご飯を食べにいったり、街を歩いたり、楽器店に行ったり……以前はブートレグ(海賊盤)ショップに行ったりしたけど、すっかりなくなってしまったみたいだね。それでも東京からはいつだって刺激を受けるし、地方都市には古い日本の伝統が残っていて何時間歩いても飽きない。

ー2021年10月に『ア・ヴュー・フロム・ザ・トップ・オブ・ザ・ワールド』を発表しましたが、次のスタジオ・アルバムの予定はありますか?

2023年内に曲作りをスタートさせようと話しているけど、まだ具体的には何もやっていないんだ。ちょっとしたアイデアをハードディスクに録りためている程度だよ。



ー”ロスト・ノット・フォゴトゥン・アーカイヴズ”オフィシャル・ブートレグ・シリーズをほぼ毎月のペースで発表していますが、今後どんなものがリリースされるか明かすことは可能ですか?

いや、正直なところ、私はシリーズにあまり関わっていないし、分からないんだ。決して勿体ぶって言わないわけじゃないよ。本当に知らないんだ。全部を聴いたわけではないけど、気に入っているのは自分が加入する以前の『アウェイク』デモとかかな。あと『メトロポリス・パート2:シーンズ・フロム・ア・メモリー』のメイキングもアルバムの制作過程が分かって、ファンには興味深いと思う。



ーこれまでディープ・パープル『ライブ・イン・ジャパン』、アイアン・メイデン『魔力の刻印』、ピンク・フロイド『狂気』など他アーティストによる名盤アルバム完全再現ライブを行なって、オフィシャル・ブートレグに収録してきましたが、最近やっていないのは理由がありますか?

まず第一の理由として、アルバム再現ライブに一番乗り気だったのはマイク・ポートノイだったことがある。彼が脱退したことで「おい、あのアルバムをやろうぜ!」と積極的に主張するメンバーがいなくなったんだ。もうひとつ、ファンがカバー曲よりもオリジナル曲を求めることも理由だ。我々は同じ会場で2日公演をやるとき、その片方で再現ライブをやったりしていた。でも誰もが2日公演の両方に行けるわけではない。ドリーム・シアターのライブを観に行ったのにドリーム・シアターの曲を聴けないファンはガッカリすると考えたんだ。かといって事前に「今日の公演はアルバム再現ライブになります」とか告知したら、サプライズにならないしね。もっと自分たちのオリジナル曲をプレイしたいし、そうするべきだと思ったんだよ。もちろんカバー大会も楽しいし、いつかまたやるかも知れないけど、それはしばらく先になるだろうな。

ードリーム・シアターのワールド・ツアーで多忙とは思いますが、バンド外のソロ・プロジェクトやコラボレーションなどはやっていますか?

2022年だけでソロ・ライブを30回から35回やったし、音楽アプリ”GeoShred”の開発にも関わっているから、バンド外の活動もやっている。忙しいのが好きなんだ。あと今年はMIDI規格の40周年を記念して、NAMMショーで行うアニバーサリー・コンサート用に新曲を書くんだよ。インド出身のベーシストのモヒニ・デイ、GeoShred奏者のマへシュ・ラグヴァンとのコラボレーションで、プログレッシヴ・ロックとインド音楽が融合したクールな曲だ。どれがメインでどれがサイド・プロジェクトというわけでなく、すべてに全力投球しているし、楽しんでいるよ。もちろんドリーム・シアターは多くの音楽的インプットと労力、そして時間を要するバンドだから、最も重要なもののひとつだ。他のメンバー達もいろんな外部プロジェクトをやっているけど、バンドで一緒にやるときは集中しているよ。


ドリーム・シアター



「”時代遅れの音楽”なんてものは存在しない」

ーTikTok世代の若いリスナーは音楽に対して堪え性がなく、長いイントロやキーボード・ソロ、ギター・ソロなどをスキップしてしまうと言われていますが、ドリーム・シアターはそんな時代をどのように生き抜いていきますか?

自分たちが信じる道を進んでいくだけだよ。ドリーム・シアターはファッションやトレンドと関係ないところで活動してきたんだ。バンドの初期はグランジ全盛で、テクニカルでプログレッシヴなメタルなんて自殺行為だと言われた。それでも人気が衰えるどころか、30年以上やってきて、今まさに全盛期を迎えようとしている。「ジ・エイリアン」がグラミー賞を獲得して、大規模なワールド・ツアーをやって、すごく良い状態だよ。しかも若いファンもライブ会場に足を運ぶようになっている。ドリーム・シアターの音楽には常に強固なメロディとフックがある。それに高度なテクニックとスリル溢れる展開が加わったトータルな音楽性が魅力なんだ。サビの10秒だけでなくフルで音楽を楽しめるからこそ、親子で観に来るファンもいるし、幅広い層にアピール出来るんだ。

ーそういう意味でドリーム・シアターはメタル界を代表するバンドのひとつですが、自分たちの状況をどのように捉えていますか?

とても幸運だと思うけど、ただの運だけでなく、ハード・ワークの結果だと思う。我々は常に200%の力を投入してきた。そうして支持を得ることが出来たんだ。興味深いことに、ドリーム・シアターはCDなどフィジカル・メディアの売り上げが多いバンドなんだ。ただ聴き流すのでなく。深く聴き入ってくれるファンが多いからだと考えている。うれしいことだね。自分たちが”メタル界を代表する”かというと分からないけど、今のシーンはベテランから若手までいろんなバンドがいて、とてもエキサイティングだよ。最近ウィルデランというバンドを聴いて、メロウでありながらオーケストレーションに厚みがあって、気に入っているんだ。よりプログレッシヴなバンドだと、バブルマスが良いね。ちょっとジェントル・ジャイアントっぽくて、けっこう前からやっているらしいけど、最近になって初めて聴いたんだ。ヘイケンも気に入っているし、北米ツアーでサポートを務めてくれたアーチ・エコーも素晴らしい。



ーあなたは個人の趣味でも彼らの音楽を聴いていますか?

うん、よく聴いているよ。もちろん年がら年中聴いているわけではなく、バッハやベートーヴェン、モーツァルトなども聴いている。いつの時代の音楽だって、素晴らしいものはたくさんある。”時代遅れの音楽”なんてものは存在しないのさ(笑)。




DREAM THEATER
"TOP OF THE WORLD TOUR”
今月開催!ドリーム・シアター待望の単独公演!
東京は日本武道館に加え追加公演が緊急決定!
 
■追加公演:東京4月28日(金)LINE CUBE SHIBUYA
OPEN 18:00 / START 19:00
TICKETS プレミアムシート¥30,000/ 指定席¥16,000 (各税込/全席指定)
<問>クリエイティブマン 03-3499-6669
 
■東京4月30日(日)日本武道館
OPEN 17:00 / START 18:00
TICKETS プレミアムシート¥30,000/ 指定席¥15,000 (各税込/全席指定)
<問>クリエイティブマン 03-3499-6669
 
■愛知5月1日(月)日本特殊陶業市民会館フォレストホール
OPEN 18:30 / START 19:00
TICKETS プレミアムシート¥30,000/ 指定席¥15,000 (各税込/全席指定)
<問>キョードー東海:052-972-7466
 
■大阪5月2日(火)大阪国際会議場メインホール(グランキューブ大阪)
OPEN 18:15 / START 19:00
TICKETS プレミアムシート¥30,000 / 指定席¥15,000 (各税込/全席指定)
<問>キョードーインフォメーション 0570-200-888
 
※公演の延期、中止以外での払い戻しはいたしません。※未就学児(6歳未満)のご入場はお断りいたします。
 
協力:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
企画・制作・招聘:クリエイティブマンプロダクション
 
https://www.creativeman.co.jp/artist/2023/04dreamtheater/


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