音楽フェスで銃乱射した犯人、ヒトラーと爆弾魔に傾倒していたことが判明 米
Rolling Stone Japan / 2023年4月19日 6時45分
2017年10月1日、「ルート91ハーベスト・フェスティバル」の会場で58人を射殺したスティーヴン・パドックが、ヒトラーをはじめとする大量殺人犯に傾倒していたことが、先ごろFBIが公開した文書で明らかになった。文書には64歳の世捨て人が、事件の数年間から銃への関心を高めていった様子が伺える。
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パドックはマンダレイ・ベイ・リゾート&カジノの32階の客室からコンサート会場に発砲し、その後自ら命を絶ったが、動機をめぐる謎は事件の生存者を悩ませている。ラスベガス警察は動機不明と断定し、FBIも2019年に、事件の「動機となる唯一、または明白な要因」を判定できなかったと発表した。昨年9月にローリングストーン誌が報じた際、事件当日に現場を後にした人々は、人生を変えた惨劇から5年経った今もなお情報や答えの乏しさに苦しんでいた。
今回新たに公開された資料には、FBIが射撃犯と接点のあった人々に行った事情聴取から、犯人の習慣や関心、言動、事件前の心情が少しばかり透けて見える。
犯人の知人はパドックが「アドルフ・ヒトラーは善人だった」と信じていたこと、1995年に168人を殺害したオクラホマシティ爆破事件の犯人に「魅了」されていたことをFBI捜査官に語った。FBIはバドックが「体制に怒りを抱えていて」「世の中の状況に不満を抱いていた」と分析している。知人いわく、犯人は事件前の数カ月前から金を貯め始めていた。知人は犯人が「脅し」を口にするのも何度か耳にしていたが、2017年5月まで真剣に取り合わなかったそうだ。文書はあちこち黒塗りされているため、その後知人が脅しにどう対応したのかは分からない。
文書によると、大口ギャンブラーとして知られていた犯人はビデオポーカーがお気に入りで、18時間ぶっ通しでカジノにいることもあったという。ギャンブラー仲間の1人がFBIに語った話では、それまでカジノから大口ギャンブラーに提供していた特権(無料クルーズやペントハウスのスイートルーム提供など)が縮小されたため、パドックは不満を抱えていたという。「自分や他の大口客に対するカジノの扱いに立腹していた」とそのギャンブラーは言い、「ストレスでパドックが”キレた”としてもおかしくない」と付け加えた。
トロピカーナ・ラスベガスで働く女性は、犯人との会話はいつも良好だったとFBIに語った。もっとも、会話の話題は必ずギャンブルだった。最後に犯人がトロピカーナを訪れたのは事件の約3週間前で、その時犯人は3万8000ドルをすっている。
事件の3年前、犯人はアップルビーズで高校時代の友人と食事をしながら、護身用に拳銃を購入したと打ち明けた。「ギャンブルが主な収入源」で、「大量の現金を手にしている」のが不安だというのが理由だった。その友人は、犯人が今まで狩りやアウトドアをしていた話は聞いたことがないとFBIに語っている。
FBIの報告書によると、パドックがギャンブルとは別に、ロサンゼルスやテキサスでマンション経営や不動産売買で生計を立てていたようだ。2012年に一家はテキサス州の家を売却し、その金で「のちに事件で使用されることになる武器数十点」を購入した。
隣人は犯人が「とても変わった人物」で、「決して目を合わせようとしなかった」とFBIに語った。「深夜2~3時の時間帯を除けば」「家の明かりがついたことは一度もなかった」とも語っている。窓は暗く、犯人は常に作業用手袋を着用し、サングラスをかけていたこともあったそうだ。事件の数日前、その隣人は車寄せにいる犯人を見かけたが、手を腰に置いて「激怒」した様子だった。どうしたのかと隣人が尋ねると、犯人は車寄せに「小さな黒い跡」が残っているのに腹を立てていた。その日電力会社が来ていたので、車を停めた時に違いないと隣人は言った。「パドックは怒り心頭していた」と、報告書には記述されている。
事件の1カ月前、ラスベガス警察宛に住所も消印もない茶封筒が送られ、中には11通の手紙のコピーが同封されていたことも文書には記載されている。手紙はテキサス州メスキートの空きビルで発見されたものとみられる。黒塗りされた文書からは誰が文書を書いたのかは分からないが、パドックと何らかの関係があるようだ。文書にはFBIが手紙の真偽確認を試みたとあるが、鑑定結果については分からない。犯人は遺書や犯行声明などを残していなかったとみられる。
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