石若駿の足跡を辿る、日本のジャズと音楽シーンの人物相関図
Rolling Stone Japan / 2023年4月24日 17時45分
ここ数年の日本の音楽を追っている人なら「あれ、またドラムが石若駿……」と思ったことがあるはずだ。millennium paradeやくるりに参加し、星野源や米津玄師、KIRINJIやRYUTistの楽曲で叩いていたかと思えば、君島大空や中村佳穂、KID FRESINOとも密接にコラボしている。直近ではSADFRANKの1stアルバム『gel』に貢献し、椎名林檎のツアーに同行。メジャーとインディー、もしくはジャンルの垣根を超えて、石若駿はキーパーソンであり続けている。
それと並行しながら、彼は自分のホームであるジャズの世界で、「日本一忙しいドラマー」として中心的な役割を果たしてきた。同世代や「ポスト石若世代」との交流はもちろんだし、10代にして現在80歳の巨匠・日野皓正にフックアップされた石若は、「秋吉敏子さん以外(の大物)はほとんど共演させてもらった」と語っているくらいベテランとの共演も多く、オーセンティックからフリージャズ系まで幅広く共演している。
しかも、日本のトップ・ミュージシャンを集結させた音楽コレクティヴのAnswer to Remember、フォーキーでパーソナルな歌ものを追求するSONGBOOK PROJECT、アヴァンギャルドで攻撃的なSMTKなど自身のプロジェクトも幅広く展開し、キャッチ―な歌ものをハイレベルな演奏で届けるCRCK/LCKSの一員としても活躍。クラシックや現代音楽の演奏も多く、最近ではAIとの共演パフォーマンスも実現させている。
このインタビューでは、「石若駿の人物相関図」をテキスト形式で作成すべく、これまでのキャリアを振り返りながらアーティスト同士のつながりを辿り直すことにした。Answer to Rememberを率いて2年連続で出演する、Love Supreme Jazz Festival(以下、ラブシュプ)のラインナップにも馴染みのある面々が多く参加している。石若駿を中心に据えた日本の音楽シーンの地図として、ラブシュプの予習として、長く参照されるべき資料として読んでもらいたい。
Answer to Remember with HIMI, Jua
(DAY1・5月13日出演)
石若によるプロジェクトがMELRAW(sax)、佐瀬悠輔(tp)、中島朱葉(sax)、馬場智章(sax)、海堀弘太(key) 、若井優也(pf)、マーティ・ホロベック(b)、Taikimen(perc)と共に2年連続でラブシュプ出演。今回はmillennium Parade「Fly with me」のボーカルも務めたシンガーソングライターのHIMI、ラッパー/モデルのJuaがゲスト参加する。
ジャズシーンでの世代を超えた交流
―石若さんの出発点は札幌で、子供の頃から一緒に演奏していた地元のミュージシャンがたくさんいるんですよね?
石若:まず、今はニューヨークから帰ってきた馬場智章と、現在もニューヨークで活躍している寺久保エレナ、パーカッション奏者の二階堂貴文。それと、最近は板橋文夫さんのバンドをやっているトランペット奏者の山田丈造。
―10代の頃からの仲間である馬場さんと、今では『BLUE GIANT』の音楽を一緒にやってると思うとすごいですね。
石若:そうですね、馬場とかエレナとは20年来の付き合いです。ジャズシーンと離れたところだと、the hatchの山田みどりが同じビックバンドの同級生で、彼は最近だとGEZANにも参加していますよね。そんな感じで、小学4年生の時からずっと遊んでた人たちが、みんなそれぞれ音楽シーンで頭角を現している。
馬場智章
(DAY2・5月14日出演)
2016年から4年間「報道ステーション」のテーマ曲を自身も所属するバンドJ-Squadで手掛ける。アニメ映画『BLUE GIANT』で、主人公 ”宮本大” の演奏を担当。ラブシュプは昨年のDREAMS COME TRUE feat. 上原ひろみとの共演に引き続き2年連続出演。佐瀬悠輔(tp)、デイビッド・ブライアント(pf, keys)、マーティ・ホロベック(b)、松下マサナオ(ds)ともに出演決定。
寺久保エレナ(as)とBoys(石井彰、金澤英明、石若)の共演ライブ映像(2016年)
the hatch、GEZANの自主レーベル「十三月」主催のイベント『全感覚祭』でのライブ映像(2018年)
―そのビッグバンドってどんなものなんですか?
石若:小学生を対象にしたSJF JUNIOR JAZZ ORCHESTRAと、中学生のClub SJFの2つが札幌ジュニアジャズスクール中にあって、僕は小4〜中2まで参加しました。中3の春休みの時に、同じ施設である札幌芸術の森に、バークリー音楽大学の先生方であるタイガー大越さんやジョアン・ブラッキーン、ヤロン・イスラエルがセミナーで教えに来て。僕や馬場、エレナがそこで奨学金を貰って、高2の時にバークリーのサマーキャンプに参加したんです。そのときに行ったボストンではウォレス・ルーニー・ジュニアや、テイラー・マクファーリンの妹(ボビー・マクファーリンの娘)のマディソン・マクファーリン、あとは世界的スターになったチャーリー・プース、UKジャズのヌバイア・ガルシアいった同世代と一緒でした。
写真右が石若。バークリーのサマーキャンプでは、ヌバイア・ガルシア(上)、チャーリー・プース(下)と同じアンサンブルだった。
―それって、ドラマーの中村海斗さんも行ったという札幌のサマーキャンプのこと?
石若:そうです。トランペット奏者の曽根麻央もそこで出会って。彼は千葉に住んでいたけど、タイガーさんに習いたくてそのセミナーに参加していて、それで同じクラスになって友達になりました。他にもトランペットの石川広行さん、(渡辺)貞夫さんのバンドでベースを弾いている粟谷巧も同じクラスでした。あとは、大林武司さんも広島から来ていて。その後も、札幌に来た時は僕の家にいつも泊まって、公園でサッカーしてましたね。
曽根麻央のライブ映像(2021年)、井上銘(gt)も参加
大林武司トリオのライブ映像(2022年)。ホセ・ジェイムズや黒田卓也とのコラボレーションや、MISIAのバンドマスターとしても活躍する大林は、ベン・ウィリアムス(b)、ネイト・スミス(ds)とのトリオ「TBN」でのビルボードライブ東名阪ツアーを6月に開催する。
―東京に出てからは?
石若:高田馬場のJazzSpot Intro(以下、イントロ)と、西麻布アムリタっていう、エレクトリック神社の店長が前にやっていた店があるんですけど、その2つでやってたセッションがまずは大きかったですね。
アムリタでTOKUさんが深夜にやってた「TOKU's Lounge」っていうイベントがあって、そこには海外のミュージシャンもよく遊びに来てたんです。TOKUさんに「駿、今日はベン・ウィリアムスが来るからアムリタに来いよー!」と言われてジャムしたり……っていうのが、高校1〜2年の頃ですね。ロイ・ハーグローヴも来てましたし、ケイシー・ベンジャミンとセッションしたのも覚えています。「Body and Soul」とか吹いていて、めっちゃカッコよかった。
―それはすごい。
石若:当時、ディジー・ガレスピーの最後の方のドラマーだったトミー・キャンベルが日本に住んでいたから、トミーとアメリカ時代に交流のあった人たちが会いに来ていたし、ジーン・ジャクソン(ハービー・ハンコックのドラマー)もアムリタによくいたから、そういうコミュニティがあったんですよ。トニー・サッグスがいたり、ドミニク・ファリナッチが来たり。2008〜2009年くらいの話ですね。
この投稿をInstagramで見る Toku Jazz(@tokujazz)がシェアした投稿 TOKUと石若(2017年)
ケイシー・ベンジャミンはロバート・グラスパー・エクスペリメントでの活動で有名
トニー・サッグス(pf)は昨年のラブシュプにAnswer to Rememberの一員として出演。上掲のライブ映像では黒田卓也、MELRAW、新井和樹(King Gnu)、佐瀬悠輔(tp)、トモキ・サンダース(sax)、中島朱葉(sax)、海堀弘太(key)、マーティ・ホロベック(b)も演奏している。
―日本人では当時、どんな人たちと交流があったんですか?
石若:イントロに行けば若井優也、楠井五月、菊池太光、福森康がいました。僕が当時16〜17歳だから、彼らは24歳前後くらい。当時、彼らに怒られまくってましたね(笑)。セッションすると「そんなんじゃだめだ」みたいな。当時の僕は音楽のことよりもドラミングの方にフォーカスしていたから、アンサンブルがうまくいかなかった。当時のイントロではブラッド・メルドーの『The Art of the Trio』みたいにスタンダードを変拍子でやるアプローチが多かったので、そこではホルヘ・ロッシ(メルドー・トリオの最初のドラマー)的なドラムが模範となる存在だったんです。
―3人で即興しながら、繊細にアンサンブルを組み上げていくような感じ。
石若:そうそう。でも、当時の僕はクリス・デイヴだったり、ケニー・ギャレットのバンドでのジャマイア・ウィリアムスがブッ叩きまくってるのが好きだったので合わなかったんです。でも、今は若井さんと一緒にトリオをやってるので、ようやく同じ共通言語で喋れるようになったんだと思います。
あと、名古屋のライブハウス「STAR★EYES」のマスターである岩城正邦さんが、東京の若手を名古屋に呼んでブッキングをする企画をやっていて。それに高校2年生の僕とエレナがよく呼ばれたんです。その頃に、当時20歳くらいの宮川純、渡辺翔太と出会って、今でもずっと一緒にやってます。岩城さんがいなかったら、こんなに早く出会えてなかった。
宮川純のリーダー作『The Way』(2015年)、石若が参加
若井優也(pf)、楠井五月(b)、石若によるトリオの演奏(2020年)。若井はAnswer to Rememberの一員として今年のラブシュプに出演する。
渡辺翔太(pf)、若井俊也(b)、石若のトリオによる演奏。渡辺は4 Aces with kiki vivi lilyの一員として今年のラブシュプに出演する。
―石若世代は10代の頃からずっと関係が続いているんですね。もっと年上はどうですか?
石若:バンドを通じて、いろんな人たちと知り合ってきた感じですね。オマさん(鈴木勲:日本のジャズを代表するベーシスト、2022年3月死去)と初めてライブができたのは、TOKUさんのブッキングのおかげ。一緒にカルテットをやるようになってからオマさんとの距離がだんだん縮まって、KAMOME(関内のライブハウス、2018年に閉店)でオマさんがやっていたギター・ワークショップにドラマーとして誘われて、そこで市野元彦さん、吉田サトシ、荻原亮、天野清継といったギタリストたちと知り合ったり。それが高校3年生とか大学1年生の辺り。
その一方で、金澤英明、石井彰とのBoysは15年もやってるし、日野皓正さんとは小学5年生から交流があるし。
―日野さんも含めて、かなり上の世代のジャズミュージシャンとも広く共演していますよね。
石若:結構やりました。渡辺貞夫さんとも1回あります。ラジオのために1日で12曲くらいを録りました。あとは大学2〜4年生の時に峰厚介さんや山口真文さんのバンド、ケイ赤城さんのトリオも一時期やってましたね。
日野皓正クインテットのライブ映像(2021年)、馬場智章と石若も参加
Boysのライブ映像(2017年)
この投稿をInstagramで見る Shun Ishiwaka 石若駿(@shun_ishiwaka)がシェアした投稿 鈴木勲と石若のツーショット
本日、2016年初レコーディングは、渡辺貞夫さんと一緒でした。楽しかった! pic.twitter.com/DkJPCAuawN — Shun Ishiwaka 石若駿 (@shunishiwaka) January 8, 2016
石若とインタビュアーのジャズ評論家・柳樂光隆(Photo by Tamami Yanase)
東京藝大での出会い、『坂道のアポロン』と『BLUE GIANT』
―東京藝大附属高校の打楽器科に進んで、そのまま東京藝大を卒業したわけですよね。学校での繋がりはどんな感じだったんですか?
石若:そこではクラシックの同世代と仲良くなったんです。『タモリ倶楽部』にもよく出ていたサックスの上野耕平、常田大希や江﨑文武が同級生ですね。あと、坂東祐大が高校生の頃から2つ上の先輩で。いつも遊んでいてそのまま今に至るっていう感じです。
大希とはKing Gnuになる前の前の段階で、一緒に「閃光ライオット」に出たりしていました。当時の名前はMrs.Vinciだったかな。高校生の頃は周りがみんなクラシックの人たちだったから、学校のオーケストラの授業で一緒に演奏するくらい。大学になってからエレクトリック神社ができたての頃に、大希のプロジェクトのライブをやってましたね。彼の打ち込みというか多重録音の曲を再現する感じで、僕はドラムを叩きながらローズやシンセベースを弾いて、大希はギターとサンプラーを弾いて歌って、そこにゲストでYuta NakanoやJuaといったラッパーを呼んだり……ってことをやってました。
坂東祐大が劇伴を務めたドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』の挿入歌「All The Same」(2021年)。グレッチェン・パーラトが歌唱、BIGYUKI(key)、須川崇志(b)、石若が参加。
Juaと石若が参加した、WONK「Real Love」(2016年の1stアルバム『Sphere』収録)
―MELRAWこと安藤康平ともエレクトリック神社で出会ったそうですね。WONKとは昨年のラブシュプでも共演していましたが、江﨑さんとの繋がりは?
石若:文武は藝大音楽学部の器楽科じゃなくて、音楽環境創造科の出身なので校舎は違ったんですけど、よく器楽科に来ていたんですよ。文武の存在は高校の時から知ってました。彼は福岡でスーパー高校生ジャズピアニストって言われていて、一緒にやってたドラムが森智大くん、ベースが藝大のコントラバス科の僕の2つ上の先輩だったので繋がりがあったんです。たしか学園祭で、そのコントラバスの先輩と文武が久しぶりに演奏している時に僕が遊びに行って、スタンダードとかをやったのが文武との最初の演奏だったと思います。
その同時期くらいに始まったのが東京塩麹。文武と同じ音楽環境創造科の額田大志が主宰するミニマルミュージックのグループで、そこでも文武と一緒に演奏したりしていました。
―ermhoiさんのソロアルバム『Junior Refugee』(2015年)を額田さんが気に入って、そこから石若さんや常田さんとも知り会ったそうですね。
石若:そうそう。あと、中山拓海を中心にしたJAZZ SUMMIT TOKYOにも、僕と文武、額田大志が運営メンバーとして携わりました。それが大学卒業(2015年)の直前くらいの話ですね。
ermhoiが参加した〈上〉東京塩麹「Tokio」フジロックでのライブ映像(2018年)〈下〉Answer to Remember「TOKYO」(2019年)。ermhoiは馬場智章のゲストとして今年のラブシュプに出演する。
4 Aces with kiki vivi lily
(DAY1・5月13日出演)
millennium parade、米津玄師、Vaundyなどとも制作を共にしてきたMELRAWこと安藤康平、渡辺翔太(pf,key)、古木佳祐(b)、橋本現輝(d)が自分達の"ジャズ"と向き合うべく集結。kiki vivi lilyをゲストに迎えてラブシュプ出演を果たす。
―『坂道のアポロン』も大学時代の話ですよね。アニメが放送されたのが2012年。川渕千太郎役のドラム演奏/モーションを担当して「10代のドラマーが大抜擢」と話題になりました。
石若:『坂道のアポロン』はデカかったですね。大学1年生の時にレコーディングをして、フジテレビで放送されたのが大学2年生の4月から。それが初めて自分が大人の社会と結びついた仕事だったんです。プロデューサーがいて、ディレクターがいて、アニメ制作のチームがいて、という感じの環境だったので。
TOKUさんが毎年モーション・ブルー・ヨコハマ(2022年に閉店)で3デイズのイベントをやっていて、そこにEXILE ATSUSHIさん、中西圭三さん、Zeebraさんなどのゲストが出演していたんです。僕も高3の時にそこで演奏したんですけど、そのステージを『坂道のアポロン』の音楽面をまとめていたEPICレコードジャパン(当時)の鈴木則孝さんが観てくれていたんです。それで翌年、「主人公がジャズピアニストのアニメで、仲間のドラマーが高校生なんです。キャラクターと同じ年齢のドラマーを探していました」とお誘いをいただいて。
ただ、実際にやってみたら、レコーディングでは右も左もわからなさすぎて、いろんな人に迷惑をかけた記憶があります。(同アニメの音楽監督を務めた)菅野よう子さんに怒られたりだとか。菅野さんはやさしい方だと思うけど、そのやさしい方を怒らせてしまうほどで(苦笑)。
―そこから10年後に『BLUE GIANT』をやってみてどうでした?
石若:いやー、成長しました(笑)。『坂道のアポロン』の時は、自分のドラミングばかり考えていたと思うんです。「ここはこういうふうに叩いてください」「こういうシーンだから、こういう演技をしてください」と言われて、それを踏まえたドラミングをやってみたつもりなのに、スムーズに進めるのが難しかったりする。そうするとたくさんテイクを重ねて「何でやねん!」って思ってたんですよね。若気の至りみたいな尖ったところがあったというか。でも、その勢いの音は作品に込めることができたと思います。それから10年経った今は、「何を言われても、求められたことに対して最大限を捧げる」って境地にやっとたどり着けた。ここ10年の活動があるから今は自信があるし、何をやっても大丈夫って思えるんですよ。
―『BLUE GIANT』は上手くいったと。
石若:楽しんでできました。しかし、(劇中音楽を担当した)上原ひろみさんには「玉田(俊二)は初心者の設定なのに、上手すぎるから全然ダメ!」って結構言われました。怒られたっていうより、しっかりアドバイスしてもらえたというか。
―初心者のドラマーが、主人公の宮本大にがんばってついていく設定なので、演技という意味では特に難しかったんじゃないですか。
石若:そうなんですけど、監督の立川譲さんは僕に寄せてくれたところもあると思うんですよ。「木の棒と缶でリズムを出してくれないか」って言われて、玉田がそれに合わせてやるシーンがあって。そのとき玉田は、ドラムをやったことがないのにちょっと上手いんですよね。完成した映画を観た時に、もしかしてのもしかしたら、監督が僕に合わせてその流れを作ってくれたのかなと思いました。
―初心者だけどセンスがある設定になってると。
石若:そうそう、僕にはそんなふうに見えたんです。
Photo by Tamami Yanase
アーロン・チューライからの大きな影響
―『坂道のアポロン』の翌年、2013年には初のリーダー作が発表されています。
石若:シン・サカイノ、片倉真由子さんとのライブアルバム『The Boomers~Live At The Body&Soul~』ですよね(石若駿Trio名義、タワーレコード限定)。Shin Sakainoも高校生の時のバークリーのサマースクールですごくお世話になって、当時はバークリーを卒業したばかりで、アメリカから一時帰国していた時に録ったんです。
で、あの作品を出したときに「TOWER JAZZ LIVE 2013」というイベントがタワレコ渋谷店の地下で開催されて、そのときの対バンがモノンクル(当時:ものんくる)と、桑原あいのトリオ(ai kuwabara trio project)。僕はアーロン・チューライとのデュオで出演しました。
―モノンクルは菊地成孔さんがプロデュースしていた、ラージアンサンブル編成の頃ですよね。
石若:そうです。その時のモノンクルのメンツが面白い人ばかりで、イベントの打ち上げで仲良くなって。そこでまた世界が広がったんです。
『The Boomers~Live At The Body&Soul~』プロモーション映像。シン・サカイノは「海野雅威 with Special Guest 藤原さくら」の一員として今年のラブシュプに出演する。
桑原あい×石若駿「ディア・ファミリー」(2017年)、同名のデュオ・アルバムも発表された
モノンクル
(DAY2・5月14日出演)
吉田沙良(vo)と角田隆太(b)による2011年結成のソングライティングデュオ。詩情豊かな世界観と洗練されたポップセンスから、感度の高い音楽愛好家や幅広いジャンルの著名アーティストから支持されている。
モノンクル「salvation」(2022年)。ドラムは石若、プロデュース/アレンジは冨田恵一
石若:あと、アーロン・チューライとの出会いもデカいですね。出会ったのは高1の時で2008年くらい。彼は僕の10歳上なんですけど、当時はアーロンの同世代である須川崇志さん、西口明宏さん、吉本章紘さんがバークリーから帰ってきた頃だったので、アーロンと遊ぶとみんながいるみたいな状況があって、そのシーンも今に繋がってくるんですよね。
―「黒田卓也世代」とも言えますね。
石若:そうですね。吉本さんや西口さんは甲南高校の出身だから、彼らを通じて(同校出身の)広瀬未来さんや黒田卓也さんにも出会ったんですよ。当時、黒田卓也さんが来日した時にJZ Bratでライブをやっていて、僕も遊びに行ってました。
―2010年頃、ホセ・ジェイムズと一緒にやる前の黒田さんですよね。
石若:そこで会ったみんなとイントロに行ってセッションしたりするようになって、高3〜大学1年生くらいの時にニューヨークで活躍している人とも仲良くなったんです。
その頃、自分のなかで自信になった出来事があって。NYで活動しているピアニストの百々徹さんが、中村恭士さんと小川慶太さんのトリオで『JAfro』っていうアルバムを出して、日本でツアーをしたんです。でも、小川さんがアメリカに帰らなきゃいけなくなり、「最後の3日間だけ、駿やってくれない?」と声をかけてもらって僕が叩いたんです。それは自分の中の大きなステップでした。
BANKSIA TRIO(須川崇志、林正樹、石若駿)と江﨑文武、海野雅威の共演ライブ映像
Blue Lab Beats featuring 黒田卓也, 西口明宏 with 鈴木真海子(Chelmico) , ARIWA(ASOUND)
(DAY2・5月14日出演)
今年のラブシュプでは、2021年に名門ブルーノートと契約を果たしたUK新世代ビート・メイキング・デュオ、ブルー・ラブ・ビーツと日本の精鋭アーティストの豪華コラボが実現。トランペッターの黒田卓也、サックスプレーヤーの西口明宏、chelmicoの鈴木真海子、国内最注目レゲエバンドASOUNDのARIWAと共演を果たす。
スナーキー・パピーのライブでソロ演奏を披露する小川慶太(2019年)。小川は今年、スナーキー・パピーの一員として3度目のグラミー受賞を果たし話題となった。
―アーロンに話を戻すと、彼はヒップホップの世界でも知られている存在ですよね。
石若:ジャズピアニストの活動と並行して、いろんなラッパーのビートをたくさん作っていて。その頃、彼と江古田でよく呑んでいたんですが、そこに5lackさん、OIL WORKSのOLIVE OILさん、PUNPEEさんとかが集まった時があって。僕は「アーロンと一緒にドラム演奏しています」みたいな感じで自己紹介して(笑)。そこからKOJOEさんとも出会って、アーロンのバンドセットで何度か一緒に共演しました。
アーロンは一時期、「Don't Call it Jazz」というジャズミュージシャンとビートメイカーが同列に主演するイベントを主催していて、そこにはDaichi Yamamotoや、MANTRAっていうオーストラリアの有名なラッパーも遊びに来てました。
アーロン・チューライ・カルテットのライブ映像(2015年)。ラッパーのKOJOE、吉本章紘(sax)、石若が参加。
2017年、「Don't Call it Jazz vol.1」(東池袋・KAKULULUにて開催)に出演した西口明宏カルテット。メンバーは西口(ts)、アーロン・チューライ(p)、須川崇志(b)、石若。
FKD、石若、アーロン・チューライによるプロジェクト、FIC「One Of Those feat. 仙人掌」(2020年)
―そんなにアーロンの存在が大きかったんですね。
石若:KID FRESINOと一緒にやるようになったのも、アーロンと一緒にライブをやっていたらFRESINOが昼ピ(新宿PIT INNの昼の部)に来てくれて。どうもドラマーを探していたらしくて、マネージャーさんから「今度レコーディングをお願いします」と。それが2016年くらいの話ですね。そこから制作に呼んでもらって、バンドでも叩くようになって、Answer to Rememberにも参加してもらうようになったと。
Photo by Tamami Yanase
ポップス/メジャーシーンでの活躍
―石若さんはポップスやロックにも多く携わっていますが、最初の仕事は?
石若:2012年に「東京ザヴィヌルバッハ 人力SPECIAL」というライブがあって、僕と織原良次さんがリズム隊で参加したんです。そこで菊地成孔さんと知り合って、菊地さんがプロデュースしていた「けもの」のレコーディングで、日本語ポップスのドラムを初めてやりました。モノンクルも菊地さんプロデュースの時に3曲くらい参加しましたね、それが大学を卒業する頃だったかな。
その頃はジャズと並行して歌の音楽にハマっていたんですよね。特にくるりが大好きで、そこから星野源さん、青葉市子さんなどをずっと聴いていました。それで自分でも、学生の頃から地道に『SONGBOOK』を作っていたんです。(『SONGBOOK』シリーズでメインボーカルを務める)角銅真実さんは藝大の打楽器科の先輩で、僕が1年生の時の4年生。歌の表現もやっていて、それがすごくかっこよかったからお願いすることにしました。
2012年に開催された「東京ザヴィヌルバッハ 人力SPECIAL」のライブ映像。メンバーは坪口昌恭(key, effect, laptop)、類家心平(tp,effect)、宮嶋洋輔(g)、織原良次(b)、石若。
石若初の日本語ポップス参加作、けもの『Le Kemono Intoxique』(2013年)
―歌ものといえば、小西遼さん、小田朋美さん、井上銘さんなどと結成したCRCK/LCKSが、最初のEPを出したのは『SONGBOOK』の1枚目と同じ2016年でした。
石若:その辺がターニングポイントですよね。CRCK/LCKSやWONKも出演したMikiki忘年会で、吉田ヨウヘイgroupと対バンして西田修大と会ったのもその年で。西田とはその前に岡田拓郎くんのソロ作『ノスタルジア』のレコーディングで一緒になって、そのすぐ後にMikiki忘年会で仲良くなって。岡田くんとの出会いもデカいですね。数年前には優河さんのバンドで、神谷洵平さんが参加できないライブの時に誘ってもらったりしました。
石若、角銅真実、西田修大によるSONGBOOK TRIOのセッション映像(2020年)
CRCK/LCKSのライブ映像(2021年)。結成当初は角田隆太(モノンクル)がベースを担当したが2017年に脱退、後任は越智俊介。
岡田拓郎「A Love Supreme」(2022年)、石若とサム・ゲンデルが参加
―いわゆるバンドのコミュニティみたいなところと接点ができた。
石若:そういうコミュニティに憧れがあったんです。ジャズはソリストの集まり的なところがあるじゃないですか。だから、バンドのシーンは羨ましいなって思っていました。ないものねだりなんですけど。対バンをして急激に仲良くなるっていう経験もそこから増えて、中村佳穂とも最初はCRCK/LCKSの対バンで出会ったんですよね。名古屋のTokuzoで(2017年)。
あと、君島大空が現れたころって、SoundCloudやYouTubeに音源をアップしてる宅録の人たちが面白かったんです。北園みなみ、浦上想起とか。東京塩麹のパーカッションで、『SONGBOOK』シリーズのアートワークを手がけてもらっている高良真剣(たからまはや) が、この界隈のことにすごく詳しくて。『SONGBOOK』用の撮影で彼のところに行くと「最近こんな面白いのがいるよ」って教えてくれて、その中に君島がいました。それで、『SONGBOOK』のライブを君島くんとツーマンでやろうと誘って、すぐに仲良くなったという。同時期に北園みなみのアルバムにも参加したり、少し後に長谷川白紙くんとかにも呼ばれたり。
〈上〉石若がゲスト参加した、中村佳穂「LINDY」のライブ映像(2019年)。ギターは西田修大〈下〉中村佳穂がゲスト参加した、Answer to Remember「LIFE FOR KISS」
君島大空合奏形態のライブ映像(2020年)、メンバーは君島、西田修大、新井和輝、石若、田口花(Chorus)
北園みなみ「ひさんなクリスマス」、石若が参加(2015年)
長谷川白紙「蕊のパーティ」(2019年)、石若が参加
―最近はメジャーでの活躍も目立ちますが、歌ものの仕事が増え出したきっかけは?
石若:やっぱり、くるりじゃないですか。歌の音楽でいうとマヤ・ハッチや、MISIAのコーラスのHanah Springさんみたいにネオソウルな音楽は大学生の頃からやっていたけど、くるりで叩いているっていうことで世に知れ渡ったんじゃないかな。最初にレコーディングに呼んでいただいたのは2017年でした。
―くるりでの経験は大きかった?
石若:デカいと思いますね。「8ビートとは何ぞや?」みたいな(笑)。それまではジャズのアプローチというか、クリス・デイヴやエリック・ハーランドが8ビートをやる感じで叩いていたんですけど、くるりと演奏することで「ドラマーとして音楽の向かう先への役割を全うする」ということに関してすごく勉強になったんですよね。
〈上〉くるりの初レコーディング参加となった「ソングライン」(2018年)〈下〉石若が参加した、くるりのライブ映像(2022年)
―くるりの後、ポップスの仕事が一気に増えたと思います。その辺りはどうですか?
石若:くるりと一緒にやった直後くらいに、星野源さんから「一回スタジオに来て既存の曲を叩いてほしい」って連絡があったんです。「ブラシで、速いスイングの曲なんですけどやってくれませんか」って。そのときに初めて源さんと話して、リアルタイムで聴きまくってたから嬉しかったですね。それから数年経って、一昨年「不思議」で共演させてもらいました。
あとは、millennium paradeでさらに外へと広がった気がしますね。米津玄師に関わるようになったのも、大希と一緒にやっているからっていうのがたぶんあったと思いますし。
米津玄師「感電」(2020年)には石若、坂東祐大、MELRAWが参加。石若は宮川純と共に、2022年の楽曲「KICK BACK」にも参加している。
―その一方で、マーティ・ホロベック、細井徳太郎さん、松丸契さんと2018年に結成したSMTKではアンダーグラウンドな活動を展開していますが、松丸さんが日本に来るタイミングで真っ先に声をかけたのが石若さんでした。
石若:「この先、日本で活動していく予定です」って松丸のツイートに動画が貼ってあって(2018年)。ドラムとベースとサックスのトリオでオーネット・コールマンみたいなことをやっているのを観て「うわ、何だこの人……凄いな」と思って、DMしたのがきっかけです。実際に初めて会ったのは日野(皓正)さんのライブで、そのとき一緒に「All the Things You Are」(ジャズスタンダード)をやって。その後、新宿PIT INNで自分の3デイズ企画をやるときに誘って、という感じです。
松丸契の登場は、僕にとってすごく大きいものでした。ジャズという音楽をやる身として、社会的なメッセージを当たり前のように持っていて、自分の考え方もしっかりある。彼は日本ではなくパプアニューギニアで育った背景も含めて、僕らには想像できないことに気づかせてくれる存在です。世界中のジャズミュージシャンの中には、いろんなことを考えて活動している人がいるけど、日本でそんな同世代にはあまり会ったことがなかった。最初のきっかけが松丸ですね。(SMTKのメンバーでもある)マーティ・ホロベックもそういったことに気づかせてくれる存在です。
松丸契『The Moon, Its Recollections Abstracted』(2022年)、Boys(石井彰、金澤英明、石若)が全面参加
石若、松丸契が参加したSADFRANK「offshore」のライブ映像(2023年)
昨年のラブシュプで実現した、荒田洸(WONK)と石若のドラムバトル。荒田は今年、DJとしてラブシュプ出演する(Photo by Takahiro Kihara)
海外勢/国内次世代との交流、ラブシュプについて
―あとは2014年にテイラー・マクファーリンと共演したのを皮切りに、いろんな海外アーティストと共演してきましたよね。日本のミュージシャンと一緒にやるとなったとき、石若さんにいつも声がかかってきた。
石若:そうですね。カート・ローゼンウィンケル(2016年)、ジェイソン・モラン(2017年、2019年)、ジェイムズ・フランシーズ(2019年)、ファビアン・アルマザン(2020年)……。テイラー・マクファーリンと共演したくらいのとき、ダドリー・パーキンスというStones Throwのラッパーも日本に来ていて。「急にレコーディングしたいって言ってるんだけど」とDJ YUZEさんから連絡が来て、僕と宮川純が深夜にスタジオに呼ばれて、ダドリー・パーキンスが携帯を見ながらラップするみたいなセッションを1曲やったこともありました。
テイラー・マクファーリンと石若の共演(2014年)
ジェイソン・モランと石若の共演(2019年)
井上銘(g)、須川崇志(b)、石若によるCleanup Trioのライブ映像(2017年、ニラン・ダシカがゲスト参加)。この3人でカート・ローゼンウィンケルとの共演を果たした。
―リチャード・スペイヴンと一緒に叩いたりもありましたよね。
石若:2015年の東京Jazzで、沖野修也さんのKYOTO JAZZ SEXTETと共演したときですよね。沖野さん周りの仕事も結構やりました、Monday満ちるさんのバンドで一時期演奏したりとか。あとはその話でいうと、サンダーキャット……一緒にやりたかった。
―昨年の来日公演で、石若さんと共演する可能性があったということ?
石若:「ジャスティン・ブラウンが日本に来れなさそうで」と言われて予定を空けたんですけど「ルイス・コールが来れることになりまして」とのことで。ただ実際に観たら、ルイスで(サンダーキャットは)良かったと思いましたね。僕だったらちょっと違う感じになっていたでしょうし、お客さん的にもそうなのかなと。
Answer to Remember、昨年のラブシュプにて(Photo by 中河原理英)
―そういえば最近は、若い世代のジャズミュージシャンに取材すると、みんな「石若さんを見て育った」みたいな話をするんですよね。例えば中村海斗さん。
石若:中村海斗は僕より9つ年下で、彼が5歳くらいの頃から知ってます。彼はずっと群馬にいたんですが、東京にライブを観に来るようになって、「高田馬場にイントロっていうセッションできる場所があるから行ってみたら?」と教えたら、イントロにしょっちゅう来るようになったんです。ライブを観に来てくれる若い世代は大事にしたいなと思っていて。他にはドラマーの高橋直希くんとも、彼が5〜6歳のときに出会ってます。「Mappy」こと甲田まひるとの出会いもイントロですね。
あとは、日野さんが世田谷区の中学校でビッグバンドを教えていて、僕もそれに関わっていたので、その中学校出身のドラマーである林頼我とは彼が中1のときに出会いました。
―他には?
石若:佐々木梨子と初めて会ったのは、彼女が中学1年生くらいのとき。ビュッフェ・クランポンという木管楽器会社のセミナーがあって、僕がドラムで手伝いに行った時に知り合いました。当時から彼女はめちゃくちゃ吹いていてすごかった。その後もイベントやセッションで一緒に演奏したりと、繋がりがずっとあります。
平田晃一や冨樫マコトは札幌のビッグバンドの後輩ですね。関西の天才高校生ジャズプレイヤーと呼ばれていた梅井美咲と石井ひなたは、日野さんのバンドで明石市に行った時に観に来てくれて。そこで日野さんが「楽器をやっているやつは上がってこい」と言ったとき、その二人が制服姿で出てきたんです。今でも交流がありますね。
―ジャズシーンは80代の日野皓正さんから今の10代まで繋がっている、そう考えるとすごいですね。
石若:日野さんのオープンさにも、自分はかなり影響を受けていると思います。「楽器を持っていたらとにかく上がってこい」とか「まずは一緒にやろう」みたいなのは常に意識しています。
中村海斗と佐々木梨子が参加したカルテットのライブ映像(2023年)
甲田まひる「クレオパトラの夢」(2018年)、石若と新井和輝が参加
梅井美咲トリオfeat.安藤康平(MELRAW)のライブ映像(2022年)
石井ひなた「My Place」(2022年)
―石若さんはジャズに軸足を置きながら、いろんなフィールドで活動してきたわけですよね。そんな石若さんから見て、日本のジャズシーンはこの10年間でどう変わったと思いますか?
石若:ある意味、オープンになったと思います、いろんな音楽が混ざったおかげで「この表現もジャズって思えばジャズだし」って感じることが増えました。世界的にもそうだったけど、日本も同じようにそうなってきた。日本の多くのジャズミュージシャンは外向きに、社会に、海外に向けて自ら積極的に発信したり行動したりする人がかつては少なかったのですが、今はもっと視野が広がって色々な個人的な動きが感じ取れるようになってワクワクが高まっていると思います。ただ、それを「自分の表現」としてバッチリと隙がなく提示している日本の同世代のジャズミュージシャンはまだ多くない気がしています。
アーロン・チューライが以前、「日本のジャズとは何かを言語化して世界に提示するのが大事」とよく言ってました。彼は日本に来る前、オーストラリアのメルボルンでそれを実践していた。「日本から世界に発信できる音楽がやりたい」となったとき、それをどう実現していくのか。僕らの世代はそれを示さなければいけない。その責任を身に染みて感じる10年ですね。
ラブシュプのTHEATER STAGE(Photo by 伊藤郁)
―最後に、ラブシュプに2年連続で出演するわけですが、フェスに対する印象は?
石若:去年出た時に、すごくいいなって思ったんです。海外アーティストが間近にいるジャズフェスには出たことがなかったので、僕がイメージする憧れのフェスに出られた実感があって。YouTubeにライブ・アンダー・ザ・スカイ(1977年〜1992年にかけて毎年開催された日本のジャズフェス)の映像とかあるじゃないですか。あの場所に近いなって去年感じましたね。だから、関わることができてすごく嬉しい。
この投稿をInstagramで見る Shun Ishiwaka 石若駿(@shun_ishiwaka)がシェアした投稿 ロバート・グラスパーとAnswer to Remember、昨年のラブシュプで記念撮影。左から3番目がジャスティン・タイソン。
―今年の出演ラインナップについてはいかがでしょう?
石若:ディナー・パーティーがすごく楽しみですね。どうなっちゃうんだろう!? ドミ&JD・ベックをやっと日本で観られるのも嬉しくて、間近で圧倒されたいです。凄いテクニックとアイデアを生で観て、刺激をもらいたい。目の前で起きていることを野外で感じられるのは、ライブハウスで観るのともまた違うでしょうし。
そういえば去年、ジャスティン・タイソンがロバート・グラスパーのグループで叩いていたとき、「どれだけの音量を出してるんだろう?」とステージ袖で観てみたら、めっちゃ音が小さくて。「うるさいとそれ以上は(PAが音量を)上げられないけど、小さいと上げられるんだ……だからこの音色なのか!」って衝撃を受けましたね。客席で聴くとめっちゃかっこいいサウンドに出来上がっていて「なるほど!」って。
―そんな高度な学びがあったんですか。そういう体験が今年もできたら最高でしょうし、石若さんにもドミ&JD・ベックを驚かせてやりたいって思いがあるんじゃないですか。
石若:Answer to Rememberのアルバムを出したとき、JD・ベックからDMが来たんですよ。「Yo whats up?」みたいな感じで。その時に「日本に来るときは教えてね」みたいなやり取りをしたんです。だから、やっと彼に会えるって意味でも楽しみですね。
石若みずから2020年〜2022年の参加作をまとめたプレイリスト。DinoJr.、絢香、森山直太朗、TOMOO、Negicco、HIMI、Naz、高井息吹、ベルマインツ、吉澤嘉代子、佐藤千亜紀、映秀。、ELAIZA(池田エライザ)、Cocco、マハラージャン、M!LK、粗品、YUKI、TENDRE、AAAMYYY、Rei、中田裕二、MIZ、秋山黄色、Ross Moody、アイナ・ジ・エンド(BiSH)、秩父英里、七尾旅人、藤原さくらなど。
『LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2023』
日程:2023年5月13日(土)、5月14日(日)12:00開場 / 13:00開演(予定)
会場:埼玉県・秩父ミューズパーク
出演
5月13日(土)
【THEATRE STAGE】
GEORGE CLINTON & PARLIAMENT FUNKADELIC / DOMi & JD BECK
AI, bird, 家入レオ with SOIL&"PIMP"SESSIONS / Answer to Remember with HIMI, Jua
【GREEN STAGE】
ALI / 海野雅威 with Special Guest 藤原さくら / 4 Aces with kiki vivi lily / OPENING ACT : MoMo
【DJ TENT】
荒田洸(WONK) / SHACHO(SOIL&"PIMP"SESSIONS) / 柳樂光隆(Jazz The New Chapter) /
Chloé Juliette
5月14日(日)
【THEATRE STAGE】
DINNER PARTY FEATURING TERRACE MARTIN, ROBERT GLASPER, KAMASI WASHINGTON / SKY-HI & BMSG POSSE(ShowMinorSavage - Aile The Shota, MANATO&SOTA from BE:FIRST / REIKO) with SOIL&"PIMP"SESSIONS / Blue Lab Beats featuring 黒田卓也, 西口明宏 with 鈴木真海子(Chelmico) , ARIWA(ASOUND) / Penthouse with 馬場智章, モノンクル
【GREEN STAGE】
Kroi / モノンクル / 馬場智章 / OPENING ACT : soraya
【DJ TENT】
荒田洸(WONK) / SHACHO(SOIL&"PIMP"SESSIONS) / 柳樂光隆(Jazz The New Chapter) / Chloé Juliette
… and more to be announced
公式サイト:https://lovesupremefestival.jp
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