The Street Sliders、14000人を熱狂させた22年ぶり日本武道館再集結公演
Rolling Stone Japan / 2023年5月8日 11時41分
The Street Slidersが2023年5月3日(水)に、解散以来22年ぶりとなるライブ「The Street Sliders Hello!!」を東京・日本武道館にて行った。オフィシャルレポートを掲載する。
【ライブ写真】22年ぶりのライブ(全16枚)
2023年1月23日に、The Street Slidersのデビュー40周年を記念してオフィシャルサイトが立ち上がり、トリビュートアルバムとオリジナルアナログマスターをリマスタリングしたオリジナル盤の2枚組『On The Street Again -Tribute & Origin-』が、3月22日にリリースされることが告知された。そして、その4日後の1月27日に、5月3日に日本武道館にて、The Street Slidersが解散以来22年ぶりにライブ”The Street Sliders Hello!!”を行うことが発表になった。
数多のバンドが、解散もしくは活動休止した後、年月を経た末に再始動してきた中、もっともそれを望まれる存在でありながら実現しなかった、The Street Slidersの再集結。
HARRY(村越弘明)と蘭丸(土屋公平)のユニットであるJOY-POPSは、2018年にThe Street Sliders解散以降では初めてのツアーを開催し、その後も2020年、2022年とライブを行ってきたし、音源のリリースもあった。しかし、そのアクションがThe Street Slidersにつながることはなかった。それをファンは皆知っていただけに、このたびの再集結は、日本中のファンに、まさに驚きをもって迎えられた。
(Photo by 土居政則)
この日の日本武道館は、ステージの真後ろまで含む360度、2階のてっぺんまで……いや、さらにその最後方の立ち見スペースまで、オーディエンスで埋まった状態。個人的に、武道館で360度観客を入れているライブは、過去にも何度か経験があるが、この日のように、全角度が2階のてっぺんまでびっしり入っているのを見たのは初めてだった。この日のステージは、2階の最後部まで人を入れても極力見切れがないように、ステージの両端を幕で覆ったりせず、天井と床が完全に分離した、特殊なデザインが採用されていた。申込者の数分の一だったという、チケットを手にできた幸運な14000人(普段の武道館はマックスでも9000〜10000人ぐらい)が、この歴史的瞬間に立ち会った。いや、生中継で立ち会った人を含めると、その数は何十倍、何百倍にも及んだであろう、と思われる。
この日、The Street Slidersが演奏したのは、本編15曲、アンコール2曲の全17曲。開演前のBGMが鳴っている時点で、もうハンドクラップや歓声が起こっていた場内は、客電が落ち、JAMES(市川洋二/ベース)、ZUZU(鈴木将雄/ドラムス)、HARRY(村越弘明/ボーカル&ギター)と蘭丸(土屋公平/ギター)の順にメンバーが登場すると、22年待ち続けていたファン達による、会場が揺れる程の歓声が日本武道館を包んだ。
1曲目は「チャンドラー」(1984年)、2曲目「BABY BLUE」(1995年)、次は『天使たち』(5thアルバム/1986年)のリードシングルで、リミックス・バージョンもよく知られている「Angel Duster」、4曲目は「Lets go down the street」(1985年)──。と、前半は様々な時期のアルバムからピックアップされたミドル〜スローな曲が中心になった構成。そして「one day」「すれちがい」「Pace Maker」と、初期の曲が続いたその流れは、「ありったけのコイン」で最初のピークを迎えた。
なお、「チャンドラー」でステージのセンターでギターソロを決め、その後HARRYの傍らに行って弾いた蘭丸は、それ以降も何度もHARRYと向かい合ってプレイした。
左から、蘭丸、HARRY(Photo by 土居政則)
「ありったけのコイン」を歌い終え、『サンキュー』と笑顔を見せたHARRYは、『それじゃあ、新しいやつを』と、「曇った空に光放ち」と「ミッドナイト・アワー」の2曲を聴かせる。前者は2021年、後者は2022年に、JOY-POPSで発表した曲である。言うまでもなく、この4人で鳴らされるのは初めて。「ミッドナイト・アワー」を歌い終えたHARRYは、右手の人差し指を掲げるおなじみのポーズを、三回続けてやってみせた。HARRYによるメンバー紹介を経て、『公平が歌うぜ!』と叫んで「天国列車」へ。蘭丸のサイケデリックな声による「はしれ はしれ」が武道館に響く。間奏とアウトロでは、HARRYがギターソロ。そして『OK、JAMESが歌うぜ!』と始まったのは「Hello Old Friends」。ボ・ディドリー・ビートにのってJAMESが力強く歌うこの曲では、HARRYがソロを奏で、蘭丸がそれを引き継ぎ、最後にZUZUが独奏を聴かせた。
JAMES(Photo by 土居政則)
ZUZU(Photo by 土居政則)
いよいよライブも後半、13曲目は「So Heavy」。1983年リリースのセカンド・アルバム『がんじがらめ』のリード曲である、軽快でアッパーでアグレッシブなリリックが載ったこの曲で、オーディエンスが一斉に爆発。HARRYの歌声は、サビの終わりの「So Heavy!」のリフレインのところ、この歌の最高音部まで、悠々と届いている。その熱い空気は、続く「Back To Back」でさらに昂り、女性客の悲鳴のような歓声も、男性客の怒号のようなメンバーを呼ぶ声も、いっそう大きくなった。が、歌い終えたHARRY、『じゃあ最後の曲』。大半が大人のオーディエンスとは思えない『えー!? 』という声が武道館を満たす。そんな素敵に大人げない大人たちに、最後に「風の街に生まれ」が贈られた。
アンコールは、「のら犬にさえなれない」。イントロが鳴った瞬間に、14000人が『きたっ!』という空気になった。マスクの上からでもわかるくらい、多くの人が一緒に口ずさんでいる。そして、この再集結に関わったすべてのスタッフとオーディエンスへのHARRYの感謝の言葉を経て、ラスト・チューンは「TOKYO JUNK」。場内が明るくなり、「So Heavy」から「Back To Back」の時以上の熱気が武道館を満たす。演奏を終えた4人は、楽器を下ろしたあとも、しばしステージに留まり、自分たちをぐるりと囲んだ14000人に挨拶し、別れを惜しんだ。HARRYが蘭丸と肩を組むと、ワッと歓声が上がる。4人が去ってエンドSEが流れた後、ステージの四方を囲む形で突如白い幕が落ちる。そこに手書き文字で書かれていたのは、”ザ・ストリート・スライダーズ 秋・ツアーやるゼィ!”。
おそらく、誰もが予想だにしなかったライブツアーの発表で、興奮と歓喜の大きな歓声と拍手に包まれる中、22年ぶりの日本武道館公演は幕を閉じた。
text by 兵庫慎司
(Photo by 土居政則)
「The Street Sliders ”Hello!!” 」2023年5月3日 日本武道館 セットリスト
1. チャンドラー
2. BABY BLUE
3. Angel Duster
4. Let's go down the street
5. one day
6. すれちがい
7. Pace Maker
8. ありったけのコイン
9. 曇った空に光放ち
10. ミッドナイト・アワー
11. 天国列車
12. Hello Old Friends
13. So Heavy
14. Back To Back
15. 風の街に生まれ
〜ENCORE〜
EN1. のら犬にさえなれない
EN2. TOKYO JUNK
<ツアー情報>
The Street Sliders TOUR2023 「ROCKNROLL」
2023年9月1日(金)埼玉 三郷市文化会館
OPEN17:30/START18:30
2023年9月9日(土)福岡 キャナルシティ劇場
OPEN17:00/START18:00
2023年9月22日(金)名古屋 名古屋市公会堂
OPEN17:30/START18:30
2023年9月29日(金)東京 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
OPEN17:30/START18:30
2023年10月6日(金)仙台 トークネットホール仙台( 仙台市民会館)
OPEN17:30/START18:30
2023年10月21日(土)神奈川 KT Zepp Yokohama
OPEN17:00/START18:00
2023年10月26日(木)大阪 フェスティバルホール
OPEN17:30/START18:30
料金、先行受付、開始日時
イープラス最速先行「抽選」受付
料金:全席指定 ¥11000(税込)
*KT Zepp Yokohamaはドリンク代別途必要
受付期間:5月3日(水・祝)19:30〜5月14日(日)23:39まで
受付URL:https://eplus.jp/tss2023tour/
*イープラス会員登録(無料)が必要となります
[受付に関するお問合せ]イープラスhttps://eplus.jp/qa/
<リリース情報>
The Street Sliders
『天国と地獄 LIVE AT BUDOKAN 1987 40th Anniversary Edition』
2023年5月3日リリース
2Blu-ray+2CD(Blu-spec CD2)
■DISC1:天国と地獄 LIVE AT BUDOKAN 1987
■DISC2&3:天国と地獄 LIVE AT BUDOKAN 1987<ライブ音源CD>
■DISC4:SLIDERS on eZ TV
品番:MHXL-129~32 価格:¥15000 (税抜価格¥13636)
LPジャケットサイズパッケージ BUDOKAN LIVE BOOK(40P)
パッケージ購入 https://lgp.lnk.to/tKb1Iq
40周年記念盤
The Street Sliders & Various
『On The Street Again -Tribute & Origin-』
発売中
DISC1:Tribute
DISC2:Origin
・完全生産限定盤 (ESCL-5765~5767 価格:¥10000+税) B4サイズスペシャルBOX仕様+付属品
・通常盤(初回仕様)(ESCL-5768~5769 価格:¥4500+税)CDサイズジュエルケース+ブックレット仕様
CD購入 https://erj.lnk.to/OY7r9Z
配信(DISC1) https://erj.lnk.to/5J8W2E
配信(DISC2) https://erj.lnk.to/rQ7XkF
The Street Sliders Information 40th Anniversary Site https://tss40th.com
Official Site https://www.sonymusic.co.jp/artist/TheStreetSliders/
Official Twitter https://twitter.com/TSS40th
Official YouTube Channel https://www.youtube.com/@thestreetsliders_official
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
THE YELLOW MONKEY、「jaguar hard pain 1944-1994 <PERFECT BOX>」を結成記念日となる12月28日にリリース!
PR TIMES / 2024年11月7日 12時0分
-
WurtS、2nd Album「元気でいてね。」 10月30日(水)発売!
PR TIMES / 2024年10月30日 16時45分
-
ヴァイオリニスト石田泰尚率いる『石田組』結成10周年、念願の日本武道館公演、グッズ販売決定!いよいよ11月10日開催!
@Press / 2024年10月29日 18時0分
-
ヴァイオリニスト石田泰尚率いる『石田組』結成10周年、念願の日本武道館公演、グッズ販売決定!いよいよ11月10日開催!
PR TIMES / 2024年10月29日 15時15分
-
村越弘明と土屋公平によるユニット JOY-POPS『Live 2022 NEXT DOOR -夜更けの王国-』の限定アナログ盤リリースが決定!2024年11月27日(水)より販売開始!
PR TIMES / 2024年10月18日 19時45分
ランキング
-
1「MEGUMI公開処刑?」高身長女優らと横並びの美脚大賞。“時代に合わない”“ルッキズム助長”批判の声
女子SPA! / 2024年11月7日 15時45分
-
2粗品「反吐が出るぐらいおもんない」「大っ嫌いな老害」 「鼻から牛乳」替え歌タレント酷評
J-CASTニュース / 2024年11月7日 17時40分
-
3「断る口実ができた」SixTONESが年越しフェス出演決定、NHK出禁解除もファン歓喜のワケ
週刊女性PRIME / 2024年11月7日 18時30分
-
4菊川怜が選んだのはトロフィーワイフより母親…離婚で玉の輿7年半にピリオド、芸能界に返り咲き
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月7日 10時32分
-
5谷亮子さん 神田愛花から「旦那様が嫌いでした」と言われ…まさかの反応 ハライチ澤部思わずツッコミ
スポニチアネックス / 2024年11月7日 12時29分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください