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ちゃんみなが見せた素の姿、「大丈夫じゃない」と歌えるようになった理由

Rolling Stone Japan / 2023年5月11日 18時0分

ちゃんみな

ちゃんみなは、いつだって聴き手の期待を超えてくる。約1年半ぶり4作目となるフルアルバム『Naked』は、そのタイトルが示すように自分と向かい合い、彼女の内面を曝け出した裸の作品となっている。いとこのヨジンが弾いたヴァイオリンの音色にちゃんみながセッションで歌ったプライベートな音色の「444」や、幼いころに受けた心無い言葉と出来事を綴った「RED」など、これまで以上に彼女の内面を聴き手に見せてくれる。

その背景には、日本武道館公演を終えて全てを出しきったこと、海外への旅、「サマーソニック」への出演、それらを経て生まれたオーディエンスへの信頼がある。3月21日に横浜アリーナで行われたワンマンライブ『AREA OF DIAMOND』では満員の観衆の中でメイクを落として「美人」を歌い、圧巻のパフォーマンスを見せた。悲鳴にも近い声、驚きで声すらでない異様な雰囲気、そして訪れる感動と畏敬の念。もし未見であれば、いますぐにでも観てほしい。こんなステージは他にない。

また、本作はワーナーミュージック・ジャパン内に発足した新レーベル「NO LABEL MUSIC」からリリースされた。ちゃんみながレーベルを立ち上げたのには、彼女の強い信念が込められている。作品を重ねるたびに表現力を増し、それに甘んじず、さらなるパフォーマンスを魅せる。ミュージシャンとして、表現者として、他に類を見ることのない存在になったちゃんみな。それでいて、笑顔が増してよりチャーミングになった彼女の生の言葉をお届けする。

関連記事:ちゃんみな、20歳のアルバムを語る「私たちの世代が時代を作っていく」

──アルバムの話の前に、まずは横浜アリーナ公演のことから伺わせてください。2018年から始まったライブプロジェクト「THE PRINCESS PROJECT」が、2021年10月の日本武道館公演をもって完結しました。それ以降、初めてとなる大きなワンマンとなった横浜アリーナ公演は、どのように動き出したんでしょう?

ちゃんみな:もともと「THE PRINCESS PROJECT」ファイナルの目的が、そのとき私の中にあったものや、やろうとしていたものを一旦空っぽにすることだったんです。実際、それを達成したことによって、いい意味で空っぽになって。そこから私の中に何が入ってくるか楽しみながら考えようという感じだったので、言葉を選ばずに言うと、その時点では何も考えてなかった。あえて、スッキリさせたかったんです。

──そういう意味でも、武道館はひとつの集大成だった、と。

ちゃんみな:武道館が終わった次の年から、コロナも少し落ち着いてきたので、ニューヨーク、ロサンゼルス、韓国に行って、いろんなクリエイターと触れたりセッションをして。海外に行ったのは、制作のためでもあったけど、自分の中で何が溜まっていくのかを探す旅でもあったんです。実はその時、私はもう音楽が作れないと思うくらい出し切っていたんですけど、ニューヨークに行ってブロードウェイを見てインスパイアされたものがあって。それでやっと私の中に音楽が戻ってきた感じがあった。なので、新しいアルバムはいい意味でフレッシュな頭で作れたし、フレッシュな心で接することができたんです。新しい感情とも出会うことが多かった中で、横浜アリーナのテーマが見つかっていった感じです。

──別のインタビュー記事を読んでびっくりしたのは、武道館を終えて自信を失ったそうで。まさかそんな心の内だったとは意外だったんですけど、なにがあったんでしょう。

ちゃんみな:あのときは、コロナ禍で声出しができなかったこともあって、オーディエンスの反応がわからなくて。自分が示したものを、本当に素晴らしいと思ってくれたのか、こんなもんかと思われていたのか、わからなかった。あと、私が夢見てた武道館じゃなかったんですよ。私が夢見ていた武道館は、武道館の大きさ分の歓声とお客さんの顔があったけど、コロナ禍で半分しか入れられないし、マスクをしなきゃいけない、声が出せなかったりと、無理やりやった感じというか、夢見ていたものと違うなっていう部分で自信を失いましたね。

──ものすごい素晴らしいライブでしたけど、客席からそれを伝える術が制限されていたことで、オーディエンスとのコミュニケーションが通常通りできなかったわけですね。

ちゃんみな:あと、2022年はワンマンはやっておらず、表に出ることも控えてたというか。制作期間というのもあったんですけど、みんなの前に出てしゃべるとかもあまりやってなかったんです。



──本作の制作はいつ頃から行われていたんでしょうか。

ちゃんみな:クリアに言うと、この作品自体、私の20代前半をスタックしたくて。3、4年ぐらい前に書いた曲も入っているし、50曲近くあった候補曲の中からピックアップしていった感じで。もちろん最近作った曲もあるんですけど、ずっと作り続けてきたものを並べて、自分の20代前半どうだったのかを考えて選曲していきました。

──以前インタビューさせていただいた際、「10年単位で未来を計画している」とおっしゃっていましたが、20代前半をまとめたアルバムというのは計画の中にあったものなんでしょうか?

ちゃんみな:基本的にアルバムは、例えば20歳の私みたいな感じで、その年相応というか、その時にしか考えられないことを貯めていってるイメージで毎回考えています。その年々で状況も変わってきますし、コロナもすごい大きかったりして、思っていたより韓国でデビューが遅れていたり、いろんな状況があって。思っていた結果じゃなかったとかもちろん出てくるし、それでいろんなアップサイドダウンがあったんですけど、今のところやろうと思っていたことはできているなって感じです。

──『Naked』というテーマはいつぐらいに考えたものなんでしょう?

ちゃんみな:イメージは元々あったんですけど、『Naked』で固まったのはアルバムができるちょっと前、年末ぐらいだったかな。シンプルに今の私の気持ちがこうだったんです。

──その気持ちを具体的に聞きたいです。

ちゃんみな:さっき武道館で自信をなくしたって言ったんですけど、その後、海外のいろんなところに行って帰ってきて、「サマーソニック」に出演して久しぶりにオーディエンスに会う機会があったんです。そういう日々を通してどんどん自信を取り戻していったと同時に、オーディエンスに対する私の信頼が上がっていったんです。私に示してくれる意思だったり、私に見せてくれるパワーだったりとかが、自分が思っていたより強かったことに気づいて。そうしたタイミングで私が伝えたかったことを、横浜アリーナで表現しようと思ったし、アルバムはいろいろと紐付けて作っていったイメージですね。

──昨年はワンマンも行っていなかったり、表に出ることもそれまで以上に少ない年でしたが、オーディエンスへの信頼はどのように得ていったんでしょう。

ちゃんみな:「サマーソニック」出演が大きかったです。あの日、すごくびっくりしたんですよ。5年前、初めて出させてもらった時は、ちゃんみなという存在自体がすごくフレッシュで、”JKラッパー”みたいな肩書きが先走っていて。そういう情報だけ知ってる人たちが、私のことを見るケースが多かったと思うんです。その中でも、私のことを好きって言ってくれる子たちが小さく手をあげて観てくれていて。ただ、その時は私に手のひらを見せるってことが、恥ずかしいことだったんじゃないかなって自覚があるんですよ。

──多くのオーディエンスたちは、「ちゃんみな、どんなもんだ?」という気持ちで観にきているケースが多かった、と。

ちゃんみな:そういう経験を経て、去年「サマーソニック」に出させてもらった時、入場制限がかかるくらいのオーディエンスがいたんです。その人たちがみんな、私に手のひらを見せてくれてたんですね。それは、「THE FIRST TAKE」だったりいろんな影響があると思うんですけど、当時だったら絶対私に興味を示さなかったような、例えば年配の方だったりとか音楽オタクみたいな方だったり、フェス好きの方たちが、「ちゃんみな!」って応援してくれている。味方についてくれたっていうか、それがすごく私は嬉しくて。それと同時に5年前からいてくれた、小さく手を挙げてくれた子たちが自信満々に手を挙げて最前列にいてくれたんですよ。その子たちがまだいてくれて、この人数を引き連れてくれたこと、当時から一緒にやってきたダンサーの子たちとこの光景を観れていることなど、いろんな感謝の気持ちが込み上げてきて、それがすごく大きかった。信用したいって思ったんです。

──2023年3月3日のビルボードライブ東京のライブ(「Billboard JAPAN Women In Music vol.0 Supported by CASIO」)は客席との距離が近くて親密な感じを感じました。ちゃんみなさんも照れている感じがでていて新鮮でした。

ちゃんみな:ほんと近かったですよね(笑)。

──ステージ近くのテーブル席で観ていたんですけど、こちらも照れるというか。それくらいオーディエンスとの親密さが伝わるような雰囲気でした。

ちゃんみな:私、もともとMCとかでしゃべるのが得意じゃなくて、しゃべれなかったんですよ。ステージの上でしゃべるのは私にとって難しいことだったし、武道館でもMCは2、3回ぐらいしかできなくて。自分の気持ちをうまく伝えられなかったんですけど、信用ができたから、ありのままでいれるようになったなと思って。

──オーディエンスへの信用度が増したことによって、表現における変化もありますか?

ちゃんみな:すごくあると思います。よく笑うようになりました。



──横浜マリーナ公演では、ヴァイオリン奏者で幼少期を共に過ごしたいとこのヨジンさんとソンジュンさんが演奏で参加されました。それも、これまでにはない部分ですね。

ちゃんみな:「THE PRINCESS PROJECT」は、どちらかというとプライベートなものというか、私自身の話みたいな感じだった。「AREA OF DIAMOND」も私自身の話ではあるんですけど、もうちょっと広くなったイメージで。やっと私の思う大事な人とかを呼べるという感覚だったんです。「THE PRINCESS PROJECT」は場所を作ってきたイメージで、その場所で何をするかっていうのが「AREA OF DIAMOND」なのかなって。

──横浜アリーナ公演の「美人」でメイクを落とすシーンは、言葉に表せないぐらいゾクゾクするというか息を飲む場面でした。動画でも、お客さんの衝撃というか戸惑いが伝わってきますが、あの瞬間、どんな心境だったんでしょう。

ちゃんみな:あれをやるだいぶ前から、やってやる!って気持ちは固めていたんです。本当にまるまるすっぴんになるし、あの人数に見られることないですから、シンプルに一女性としては嫌でしたけど、アーティストとしてはすごくやりたかったことで。リハーサルの時は、みんな私のメイクがちゃんと落ちてるかとか、立ち位置とかを気にしているので、初めて生の反応を聞いたんです。あえて無音にしたことによって、みんなの声がより聞こえて。正直、反応は予想してなかったのでオーディエンスの反応がすごく不思議だったし、今思ってもやってよかったなと思っています。



──見せたくない気持ちもあったんですか。

ちゃんみな:もちろんありましたよ!

──それでも、やりたかった理由はどこにあったんでしょう。

ちゃんみな:「AREA OF DIAMOND」を直訳すると「ダイヤモンドがある場所」ってなるんですけど、そこにいる人たちみんながダイヤモンドで、別に着飾らなくても、どういう姿であろうと、そう思ってほしいって願いを込めてつけた名前なんです。生まれたままとか、ありのままっていう想いがあって。私はアーティストの中でもすごくメイクを大事にしてるアーティストだと思うし、私自分自身すごいメイクが好き。しっかりしてるメイクが好きだし、そんな私がメイクを落とすことによって、私が言いたいことが言葉よりも伝わるんじゃないかなと思ったんです。

──今、メイクの話が出ましたけど、ビジュアルもこれまでと印象が大きく変わりましたよね。アーティスト写真の撮影時のイメージやコンセプトはどういうものだったんでしょう。

ちゃんみな:私がすごく好きなフォトグラファーのデニス・リューポルドとアメリカでフォトセッションをすることになって。その時『Naked』ってコンセプトは決まっていたので、それだけ伝えて、本当何ポーズも撮ってセッションをしていったんです。



──セッションは、具体的にどんな雰囲気で行われたんですか。

ちゃんみな:いろんな洋服を着たんですけど、『Naked』だから1回脱ぎたいね、みたいな話になって、脱いだところを撮ってもらった写真がジャケット写真になってます。

──もともと洋服を着て撮っていたんですね。アー写もその時に撮ったもの?

ちゃんみな:そうです、いろんな洋服を着ましたね。

──最近、リリースの度に雰囲気が変わりますよね。髪の毛の色もそうですし。

ちゃんみな:私が変えたがりなんですよ(笑)。いろんなファッションが好きだし、いろんな曲調が好きなのと一緒で、いろんなことをやりたい。それで作品のタイミングごとに変えています。



──今作には、横浜アリーナで共演したAwichさんとの「美人 (Remix) feat. Awich」も収録されています。「美人」がリリースされた時も大きなインパクトがありましたし、実際それまで培ってきたものを込めた楽曲だと思うんですけど、多くの反応を経たことによって、この楽曲に対する考えとか思いに変化みたいなものってあったりしますか。

ちゃんみな:書いた時と変わらないですね、むしろ、それが強くなったなってイメージ。



──どういう部分が強くなったんでしょう?

ちゃんみな:なんでもいいじゃんみたいな想いが強くなりすぎてる気もしてて。もはや、こだわりも失ってしまっているんじゃないかってぐらい、なんでも美として受け入れているし、どんな人も綺麗に見える。私の頭の中からブスとか不細工、不恰好って言葉が消えたなって思います。

──それは、どうして消えたんだと思いますか。

ちゃんみな:やっぱり、「美人」をアウトプットしたからじゃないですかね。例えば、人に対して不格好だな、醜いなとか思っているのは、きっと自分にそう思っているからだと思うんです。私のこういうところが気に食わないって。例えば、唇が分厚いのが気に食わないと思っていたら、唇が厚い人を見ると気に食わないと思う。なぜなら私の好みじゃないから。そういうものが積み重なって、自分のことを不恰好だとか思ったり、自ずと人にもそれが向いていくと思うんです。「美人」で自分の思ってることや嫌だったことをさらけ出したので、多分スッキリしたんでしょうね。自分にも思わなくなったし、人にも思わなくなった。ていうか、元々、人に思ってなかったんだなと思います。

──ライブでは「美人」の後に「ダリア」を繋げることもあるじゃないですか。MVもそうですし。その2曲の関連性はどう考えてらっしゃるんでしょう。

ちゃんみな:「美人」はアウトプットがポジティブなものなんですけど、「ダリア」はすごくネガティブなものなんですよ。「美人」で描いた問題について私が悩んでたことは両方あったので、ネガティブをポジティブで発信することは大事だけど、ネガティブをネガティブとして発信することも私に必要だった。なので、「ダリア」は私に必要だった楽曲ですね。



──今作の最後に収録されている「I'm Not OK」。「私は大丈夫じゃない」とロック的な楽曲に乗せて歌っています。2枚目のアルバム『Never Grow Up』リリース時のインタビューで、ロックをやってみたかったけどまだ早いんじゃないかと思ったと語ってくれていましたが、ここでロック調の楽曲を歌うのにはすごく意味があるんじゃないかと思います。

ちゃんみな:『Naked』のストーリーを自分の中で書いていくうちに、「I'm Not OK」ってワードが1番大きくあったんですよ。『Naked』の中で1番伝えたいことは、「I'm Not OK」だった。曲を書くときに、伝えたいメッセージに合うサウンド感だったりとかジャンル感を選んでるんですけど、「I'm Not OK」はすごくロックなイメージを抱いていたんです。



──この「大丈夫じゃない」という言葉はポジティブな意味での言葉なんですよね。

ちゃんみな:これは私の性格上、言えない言葉だったんです。それを言えることが、私にとってすごく大きな成長で。私の最近の課題でもあるんですけど、年々変な人になっていっているなと思って。これは私が壊れていってるのか、私という人間が完成されていっているのかわからないんですけど、変な人になっていっている自覚がすごくあって。例えば、大人になっていくにつれて、周りの子たちが私のできないことを普通にやってのけてる姿を見てるとそう思う。私はデビューしたのが18歳で、音楽しかしてこなかったし、普通な人に育つわけない人生を送ってきたなって、後ろを見たら思うことが多くて。

──そんなことないと思いますけど。

ちゃんみな:当時はわかんなかったんですけど、今年25歳になるので、周りを見ていくとそこの差に気づいて。うわ、私って変なやつかもしれないって。でも、もうどうしようもないというか。それで完成されてしまってるから。普通の人になりたいと思って寄せていくこともしてみたんですけど、居心地が悪くなったり、イライラしたり、こんなの私じゃない!と思って。結局私って人間はOKじゃない状態の方が心地いいと思って。例えば、恋愛をしていても、完璧な人と付き合ってるより、ちょっと欠陥がある人の方が楽だし、ちょっと不安定な状態の方がむしろ私は心地がいい。なぜかっていうと、私もそうだし、ずっとそうやって生きてきたからっていうのがわかった。だから、「I'm Not OK. And that's OK, Thats me」っていうのが、この曲には込められてる。そういう意味で『Naked』。裸の私は、全然OKじゃないけど、それに対して別に心配もされたくないし、それでも別にOKでよくない?みたいな感じなんです。

──ある意味、自己肯定感に近い?

ちゃんみな:あー、そうかもしれないですね。自分をよく理解できるようになった。人って例えば小さい頃、誰かに好きな色は?とか聞かれて答えていくことによって、それが好きなんだって思い込む部分もあると思うんです。基本的にそれがずっと変わんないじゃないですか。でも、1回立ち止まって、今の私は何色が好きなんだろうとかを見た時に、やっぱ変わってるもんなんですよね。それに気づいた。私はどっちかっていうとオッケーじゃない人を助けたりとか、オッケーじゃない人に大丈夫だよってしてあげてたりしていたけど、気づいたら私がオッケーじゃない立場にいた。それが私的には結構ショックだったし、認めたくなかったんです。

──そこにショックはあったんですね。

ちゃんみな:ありました。今でも認めたくないと思ってます。戻れるなら戻りたいと思うし、もうちょっとちゃんと生きていきたかったって思いますけど、もうしょうがないなと思ってます(笑)。



──聞き手としては、今のちゃんみなさんは最高って思います。あんな表現できる人、他にいないですよ。作品物を媒介としてコミュニケーション取れる感じもすごく好きですし。

ちゃんみな:本当に、作品に生かされてるってイメージですね。ミュージシャンになる前、母親に言われてたんですよ。あなたに向いてる仕事は弁護士かパン職人だって。だからその2つの勉強も一応しとけって。あと多言語話せるから、通訳とかも行けんじゃない?みたいな感じで言われていて。だから私のどこかで、仮に音楽が失敗しても韓国語の先生になればいいやとか、英語の先生になればいいやとか、ちょっと片隅に思いながら生きてきたんですけど、もう戻れないんですよ。もう私はミュージシャン以外何もできなくなってしまっている。あの時、選択肢はいっぱいあったかもしれないけど、今私はもう変な人だし、もうミュージシャンなんですよ。だから周りを見渡した時に、本当に私音楽しかないんだなって。

──それは、ミュージシャンとしてやっていく覚悟にも聞こえて、リスナーとしてはすごく嬉しい部分でもあります。今回、新レーベル「NO LABEL MUSIC」を立ち上げられました。その意図や理由を教えてもらえますか。

ちゃんみな:元々、このぐらいの時期にはレーベルを立ち上げたいと思っていたんです。もうちょっと後でもよかったとも思うんですけど、いろんなタイミングがあって今になって。いつか裏方に回りたいっていう気持ちはずっとあるので、それの準備が進んでいってるっていうイメージですかね。

──「NO LABEL MUSIC」という名前の由来は?

ちゃんみな:私の人生、ずっとレッテルやラベルを貼られてきて。それがすごく嫌だったし、ずっとそこについて戦ってきたし、それを剥がしていったイメージなんですよね。だから、レーベルは個人的なものにしたくなくて。例えば、プリンセスミュージックとか、ダイアモンドミュージックとか、そういうちゃんみなっぽすぎる感じは嫌だったんですよ。私が人を受け入れる側に回りたいし、私みたいな気持ちを持ってるミュージシャンだったりアーティスト、クリエイターをフックアップする人になりたいと思ってるので。車が欲しいとか、家が欲しいとか、自分の欲は別になくて、アーティストは私が戦ってきたものとはもう戦わなくていいようにしたい。そういう場所を作りたい気持ちもあったんです。

──表現者としてますます凄みを増している今、裏方という部分にも目を向けているのは驚きではあります。

ちゃんみな:私やっぱ曲書くのが好きなんですよ。いつか自分がステージにもう立ちたくないって思ったりとかする気がしていて。物理的に体力的に立てないとか、歌うのしんどいってときが来ると思っている。それでも曲を書き続けたいんですよ。ずっと私ができることって曲を書くことなので。それを若い子たちに渡して歌ってもらうとか、そういう感じで私は生きていきたいなと思ってる。なので自分の音楽をより長く生かせるためにも、そういう場所を作ったっていう感じです。

──勝手な願望ですが、もっともっと長いこと表で活動してほしいです。

ちゃんみな:もちろんすぐにどうこうではないですし、まだまだやり続けていきますよ(笑)。


<リリース情報>



ちゃんみな
4thフルアルバム『Naked』
2023年4月26日(水)発売
初回生産限定盤 WPCL-13457
通常盤 WPCL-13456
価格:
・初回生産限定盤 税込7150円(税抜6500円)
・通常盤 税込2750円(税抜2500円)
=収録内容=※初回生産限定盤と通常盤共通
1. Good
2. RED
3. 444
4. Wake up call
5. Dont go feat. ASH ISLAND
6. サンフラワー
7. You Just Walked In My Life
8. naked now
9. Mirror
10. FUCK LOVE
11. Miso soup
12. B級
13. クズになったらしいじゃん
14. 美人 (Remix) feat. Awich
15. TOKYO 4AM
16. Love Face
17. Im Not OK

封入特典(初回プレス分)
ONLINE Meet & Greet応募券(抽選用シリアルコード)
応募期間:4月26日(水)12:00~5月15日(月)23:59
ONLINE Meet & Greet実施日:2023年 5月27日(土)、5月28日(日)
※詳細はワーナーミュージック・ジャパン ちゃんみなのサイトにて
https://chanmina.lnk.to/naked

<イベント情報>

Naked 展
2023年6月1日(木)12:00-20:00 ※最終受付 19:30
2023年6月2日(金)11:00-20:00 ※最終受付 19:30
2023年6月3日(土)11:00-20:00 ※最終受付 19:30
2023年6月4日(日)11:00-17:00 ※最終受付 16:30
開催場所:東京・Hz Shibuya(ヘルツシブヤ)東京都渋谷区宇田川町4−3
入場料:前売り 1000 円、当日 1100 円(別途手数料)
Naked 展チケット予約リンク:https://chanmina-popup-naked.moala.live 

ちゃんみな Official Site:https://chanmina.com/

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