シンガーズハイが語る、矛盾点から生まれる人間臭さ バンドで目指す意外な目標
Rolling Stone Japan / 2023年6月8日 18時0分
2020年に結成、去年リリースしたシングル「ノールス」がTikTokで話題を集めたことで一気に音楽シーンにおいて注目を集めた4人組ロックバンド・シンガーズハイ。
彼らは、ロック、ダンス、シューゲイズ、ヒップホップなど幅広いジャンルの音楽をシームレスに縦断しながら、唯一無二のポップスを体現している。ボーカル・内山のハイトーンボイスと骨太なバンドサウンドに加え、ヒリヒリとしたリアルを綴る歌詞も彼らの魅力の一つだ。そんなシンガーズハイがNEW EP『DOG』を5月24日にリリースした。今回のインタビューでは、本作に込められた想いや思い描くバンド像について等、メンバー4人揃い踏みで語ってもらった。
【動画を見る】大きな話題を集めた 「ノールス」 MV
ー去年リリースされたシングル「ノールス」がTikTokやYouTubeなどSNSで話題になっていますよね。この曲がリスナーの間でどういった受け止め方をされてバズを巻き起こしているのか、本人としてはどうお考えですか?
内山ショート:僕が音楽を作る上で一番いいなと思う音楽が、「次にどんな曲が出るんだろう」って未来に対してワクワクさせてくれるような音楽だと思っていて。「ノールス」は、最近のトレンドの音楽をしっかり聴いた上で、ノリの良いビートに強めのコーラスワークが乗っかったサウンドの音楽を意識して作りました。個人的には「こういう曲が好きなんでしょ?」ってつもりで作った曲だったので、狙った通りに伸びてくれて嬉しかったです。ファンの子の中には僕らに対する愛故に「「ノールス」がTikTokでバズってあまり嬉しくない」とか「「ノールス」だけしか知らないくせに」みたいにマイナスなことを言ってしまう子もいるとは思うんです。でも今の時代に音楽をやっているバンドとしては、むしろそういったトレンドとなる音楽にもフォーカスを当ててやっていかないといけないと思っているんですよね。そういう意味では、時代にちゃんと乗っかった上で音楽をやれているのはすごく嬉しいことだと思っています。
ー最新のヒットチャートやトレンドの音楽をインプットした上でアウトプットしていった曲が「ノールス」だったんですね。
内山:音楽もファッションと似たようなもので、時代が1周することでトレンドも1周するというか。例えば最近の音楽のアプローチでよくあるオクターブのコーラスとかは、一昔前にクラブサウンドにあったなと思い出して。単純に僕がそういう乗れる感じの音楽が好みでもあるんですけど、時代の流れと僕の好みがたまたま合致していたのかもしれないですね。
ーシンガーズハイの曲を聴いた感想として、サウンドの面ですごく今の世代にハマる要素やビートに乗れるクラブサウンドっぽい要素があると同時に、キャッチーなメロディーから平成の邦ロックバンドを思い出すような懐かしい感触を覚えました。そこら辺のバランスは何か意識して曲を作られているんですか?
内山:音楽性、ジャンルの流行り廃りは時代によって流れていっているとは思うんですけど、僕個人が1番音楽として良かったと思っているのは平成の邦楽なんですよね。平成のメロディーはとにかく僕たち世代にはすごく刺さるものがある。そういう意味では曲を作る上でメロディーはやっぱり1番重点を置いて作っていますね。
ー具体的にはどういった平成のバンド、ミュージシャンを聴いていたんですか?
内山:ポルノグラフィティ、B'z、スピッツ、あとはGReeeeN、FUNKY MONKEY BΛBY'Sとかは小学生の頃から擦り切れるほど聴いてきましたね。
ーそういった平成の音楽に影響を受けたキャッチーでポップなメロディラインとは対照的に、歌詞ではネガティブで悲観的なリアルの部分を歌っていますよね。
内山:歌詞に関しては誰に影響を受けたのかって言われると思いつかないですけど、僕は昔から根っからの偏屈な子だった気がします。今は別にそんなことないと思っているんですけど、作曲する上で当時抱いていた「怒り」とかがメインのエネルギーになったりすることはありますね。そうなると口をついて出てくる言葉が自然と口が悪くなっちゃうことが多いです(笑)。
ー今回リリースされたEP『DOG』の一曲目「Kid」はまさに怒りの感情が全面に押し出されている曲になっていますよね。先ほどの「ノールス」からのストーリーでいくと、ヒットチャートやトレンドの音楽を汲み取った上で作った曲がドンピシャで世の中に受けて、そこからの「Kid」では逆に最近の流行歌や、リスナー側の姿勢、バンドマンなどに対して皮肉と風刺を利かせていますよね。
内山:この曲に関しては、ビートと曲が先にできた段階で歌詞だけがずっと出来上がらなかったんです。どうしようかなって悩んだ結果、お酒をぐいっと飲んで酔っ払った勢いに任せて詞を書いたんですよ。歌詞は曲が割とヒップホップ調のビートなのでAメロというよりもバースに近いんですよね。音楽が好きな人ほど攻撃的になって昨今の音楽に対して批判的に言いそうなことを並べた上で、でも自分たちが好きな音楽を自由に聴きたいだけなのにマイナスなことを言ってしまうってすごくもったいないし大人気ない、だから純粋に頭を空っぽにして音楽を楽しんで欲しいって思いにサビで落ち着きましたね。
ー「Kid」を聴いた時の感想として、歌詞の中で世の中に対する反骨精神やアンチテーゼが込められている一方でサウンドとしては聴き心地の良いキャッチーな要素やノリの良いビート感、グルーヴが盛り込まれている。そういった意味でこの曲は、現代の若者にとって目新しくも心に刺さるオルタナティヴな存在なんじゃないかなと思います。
内山:嬉しいです。今の時代、TikTokとかの流れを考えると本来3、4分ある曲を30秒に短く切り取って判断をするという考え方の人が明らかに多くなってきたと思うんです。そういう意味でこの曲は誤解を招きやすい曲にはなってしまっているのかもしれないなと思います。でもとはいえ楽曲全体としてはそういう気持ちで作っているし、それを踏まえた上で今後どういう風な曲を作っていったらもっと上手に伝えられるかなって考えたりはしましたね。
ー「Kid」は時期的には最近書かれた曲なんですか?
内山:去年末頃ですね。年末のうちに書いて割とすぐレコーディングしてその1カ月後にリリースっていう形だったんで、割とトントン拍子に作って出した曲です。
ーそういった意味でも曲の鮮度というか、衝動とか本能の部分で作っている感じが音からも伝わってきますよね。音楽に対するアティテュードの部分でも、ピュアに音楽を楽しむという強いメッセージを感じました。
内山:でももうちょっと大人になりたいですよね(笑)。音楽を聴く側になった時に、こうは思うけどこういうのも良いと思うとか、こういう風なことを言いつつもその反面で全く真逆の意見を持っている自分もいるみたいな、人間ってそういう矛盾する部分を内在しているなと感じることもあって。そういう意味で、このEP『DOG』に関しては、音楽性のばらつきや曲ごとでの歌詞の矛盾点が含まれているので、僕らの人間臭さが出ているんじゃないかなと思っています。
ー今作の中で具体的にはどういったところに歌詞の矛盾点が表れているんですか?
内山:「Kid」で「愛とか恋とか歌っちゃって しょうもない男に抱かれたようなテキトーな歌詞に浮かれちゃって」って言っている割には「飛んで火にいる夏の俺」では、夏だとか海だとかの勢いに任せて楽しんじゃっている男女を描いていたり。とは言いつつも「飛んで火にいる夏の俺」でも最後は、たかが男女のあれこれに振り回されて馬鹿じゃないって落とすことでうまく落ち着けているのかなとは思っています。
ー今作のEPにパッケージされている5曲はEPに向けて新たに作った曲が多いんですか、それとも今までライブとかで温めていた曲が収録されているんですか?
内山:基本的にライブで温めていた曲が半分を占めています。「飛んで日にいる夏の俺」と「情けな」の2曲に関してはライブでずっとやっていまして、「Kid」は新しく作り、5曲目の「あいつ」は前のバンドでやっていた曲ですね。今ある曲たちを詰め込んだEPを作りたいとは思っていたので、「Soft」という割とありのままの自分を書いたつもりの曲をぶち込んで、このEPらしくバランスが取れたんじゃないかなと思っています。
ー前作のミニアルバム『Melody』を出した時のコメントで、バンドにとって次のステージに進む1つのきっかけになればいいとおしゃっていましたが、今作『DOG』は『Melody』から続く流れではどういった作品になるでしょうか?
内山:前に作っていた曲も色々考えて作っていたつもりではいたんですけど、新しく作った「Kid」「Soft」では、より考えられる視野が広がったと思いますね。曲を新しく作っていく上でコーラスワーク、編曲、曲の展開に関してちょっといつもと違うことをやってみるように意識しました。そういう意味で今作は広がりを感じられるものになったんじゃないかなと思います。
ー今作に収録されている楽曲の中で、サウンドやアレンジの新しさはどういったところに見られますか?
ほりたいが:前作の『Melody』に「すべて」という曲があって、その曲のアウトロでギターのハモりを2本重ねて作ったんです。今回の『DOG』ではそれをもっと使えるんじゃないかなと思って、ギターのハモリで伸ばせる部分を伸ばしてみました。「Kid」では割り切ってほとんどハモリのフレーズにしました。その結果フレーズの印象が強くなるので耳馴染みが良い。なんで前作をより昇華させたようなEPになったかなと思います。
りゅーいち:ドラムに関しては、このEPでは結構バラバラな曲調の曲が入っているので、それぞれの曲調に寄り添ったドラムのフレーズを付け加えて良いビートを叩くっていうことを意識しましたね。ちゃんとドラムにもフォーカスして聴いて欲しいなと思います。
みつ:ベースは今まで通りですね。今作で進化というよりは、今までやってきたようなシンプルなものを楽曲に落とし込んでいます。そのシンプルな部分をいかに気持ちよく落とし込むかみたいな部分は少しずつ進化していると思うんですけど、根本は変わってないと思いますね。音作りに関しても少しずつ良くなっていると思うんですけど、説明はできません(笑)。
ーバンドの制作スタイルが、最初に内山さんを中心にギター、ベース、ドラムのスリーピースで曲の土台となるデモを作った上で、たいがさんがリードギターをつけ加えるというやり方なんですよね。
内山:そうですね。今回のEPも全曲そのやり方です。リフとかギターのフレーズでフックになるところは僕とたいがの2人で考える時もあります。でもギターに関しては丸投げなことが多いですね。それ以外は割と僕が基盤を固めて作っていますね。
ーギターソロとかフレーズは内山さんの中にあるイメージをたいがさんに伝えながら作っていくんですか?
内山:ここはギターソロ弾きたいだろうなっていうところをあえて用意して空けておく時もあります。逆に歌の裏で鳴っているギター、イントロのリフとか重要なフレーズに関しては、求めているイメージを具体的に伝えていく時もあります。何パターンか作ってきたものを聴き比べて一緒に判断することが多いですね。
たいが:僕が丸投げされたものを弾きすぎやろって言われるぐらいまでとりあえず弾いてみて一旦返すという感じですね。そしたら逆にもっと弾いてって言われる時もあるんですよね(笑)。「Soft」のサビ前でシューゲイズっぽい音を入れ込んでみたんですけど、そしたら「ここはもっとぐちゃぐちゃにしちゃって!」みたいに言われたりしましたね。
ー確かに「Soft」のサビ前のノイズギターの感じはなかなか思い切ったアレンジだなとは思いました。
内山:そうですね。僕は高校生ぐらいの時によくボーカロイドの楽曲を聴いていて、米津玄師さんが楽曲の上でギターの面白いフレーズや、ギターの変わった扱い方をしているなって思うことがあったんですよね。もしかしたらそういったところからも影響受けているかもしれないです。
ー米津玄師さんの楽曲の面白みはどういった部分にあると思いますか?
内山:彼は楽曲の中でサンプリングなど、色んな音を落とし込むっていうのも魅力の一つですし、とはいえギターもしっかり鳴っていて、バンドサウンドでなるべく完結させられるところは完結させようとしている。それでいて常に新しいことをやっていこうとするチャレンジ精神が見えるのには、すごくワクワクさせられますね。僕たちはバンドなんで、やっぱりギター、ベース、ドラム、ボーカルの4つで完結させたいなと思っています。
ー楽器の制約があるからこそ面白い発想が生まれる部分もあるんじゃないですか。音源からも、楽器が少ないことでより各楽器の存在感が強まっているなと感じました。
たいが:「Kid」のギターに関しては、スリーピースのビートがかなりノリノリのビートだったので、なるべくそこを崩さないように意識してかつギターソロは変わらずうるさくかっこ良くというか。自分の中の出せるものを出して作った曲です。逆に「Soft」は静と動のメリハリをつけることを意識しましたね。さっき言ったサビ前のうるさいシューゲイズっぽいパートとか、その後のギターソロは自分のルーツの引き出しを奥まで探して、これはハマるんじゃないかと思ったものを色々試してみました。この2曲は割と挑戦的にやれた曲かなと思います。
りゅーいち:僕は元々「Kid」みたいなハネた曲調のドラムを叩くことがあまり得意ではなかったんですけど、内山くんが作ってくれる曲は色んなジャンルの曲があるので、いずれこういう曲調もやるんだろうなとは思っていましたね。「聴いている人を踊らせるぞ!」くらいの気持ちで叩きました。
ー色んなジャンルの音楽をインプットしていくことで、ご自身のドラムプレイの幅を広げていったんですか?
りゅーいち:他のバンドの楽曲を聴いてうまく自分に落とし込んでアウトプットしていきたいですね。前までは同じような曲ばかりを聴いていたんですけど、バンドを組んでからおすすめの曲をメンバーから聞いたりして徐々に広がっていきましたね。
みつ:ベースに関して言うと、うっちー(内山)から送られてくるスリーピースの音源に入っているベースパートって本当に無駄のない限りなくシンプルなものが多いんですよね。「Soft」って楽曲では、そこにどうやって自分の色を足すかって考えた結果、自分のやりたいフレーズやアイデアを楽曲の中にうまく落とし込めたんじゃないかなと思っています。例えば、サビ前のシューゲイザーっぽいところでベースはハイフレットポジションのフレーズを入れてみましたね。
ードラムやベースのアレンジに関しても内山さんが指揮を取っていくことが多いんですか?
内山:そうですね。僕がわがままな部分もあるんですけど、ベースとドラムに関してはシンプルが故の奥深さみたいなものを大事にはしています。ただ難しいことをすればいいわけではなく、シンプルなものをどう整えていくかってことの方が重要な気がして。
みつ:例えば常に半下げのベースにすることで、一番低い音でEbの音を出せるようにしているんです。
内山:うちのバンドはベースだけチューニングが違うんですよね。例えば「情けな」って曲ではベースがどこでオク下の音を鳴らしてオク上の音を鳴らすかっていう部分にこだわって、シンプルなものを追求していきましたね。
ー「情けな」はどういったメッセージが込められた楽曲なんですか?
内山:「情けな」の歌詞は、今までで1番自分から離れているものだと思います。普段はなるべく嘘のない言葉、自分がリアルに思っていることを書こうと意識しているんですけど、この曲は1番フィクションに近いかもしれないです。昔、愛し合う男女が心中することを「情死」と言って、その情死の情から「情けな」というタイトルになったんです。もちろん僕は死んだことはないですけど、もし「情死をする」というゴールしかなかったらどんなことを考えるだろうかと想像して、この曲を書いたんです。歌詞という部分で、新しい試みだったのがこの「情けな」という曲ですね。
ーバンドメンバーの皆さんそれぞれに今作の中で思い入れのある楽曲についてお話しをお聞きしたいです。
りゅーいち:「飛んで日にいる夏の俺」という曲は結構思い入れ深いですね。この曲は前からライブで良くやっていたんですけど、それを今回レコーディングすることになって。いざレコーディングでクリックを聞きながら叩いてみると、ライブでよく叩いていたのに全然上手く叩けなくなってしまって。そしたら内山くんから「クリックなしでやっちゃえば?」っていう提案をもらって、勢い任せにレコーディングしてみたんです。むしろクリックを聞かないで叩いた方がBPMの変化があっても面白いんじゃないかなと思って。
ーパンチインはせず、1発録りみたいな形でレコーディングしたんですか?
りゅーいち:そうですね。結果、音源に疾走感が出ていてライブ音源とはまた違うけど、ライブ感を感じる曲になったかなと思います。
みつ:特に思い入れがある曲は、5曲目の「あいつ」かもしれないですね。この曲はうっちーの楽曲の中で、4年前に僕が初めて聴いたものになるんです。それに初めて僕が弾いた曲でもあるので、思い入れは強いです。「あいつ」はうっちーの前のバンドで音源があったから、この曲のベースをどうやって自分の音にして、シンガーズハイの曲にしていくかっていう部分は色々と考えました。結果、自分なりに表現できたんじゃないかなと思います。
たいが:「Kid」は、最初に内山くんからスリーピースで作ったデモが送られてきた段階で、僕の方でリフを何パターンか考えていたんです。そしたら内山くんから曲の雰囲気に合わせた仮のリフがポンって送られてきて、聴いてみたら僕が考えていたフレーズと全く一緒のものがあったんですよ。「もうこれしかなくね。やっぱそうなるよね」みたいな感じで意思疎通ができたというか。しっかり曲を理解して良いものができたっていう達成感がありましたね。
内山:僕は常に曲を作り続けていると、常に少し自分ができないことをできるようになってみようという挑戦をしてみたくなるんです。そういう意味では、1番新しく作った「Soft」はすごく好きですね。今まで循環コードが好きで割と同じコードを繰り返していたんですけど、この曲では「ここはちょっと外してセブンスのコードを入れてみよう」みたいに変化を持たせることができるようになりました。コーラスワークに関しても、上と下で入れるタイミング、逆に消えるタイミングとかは、自分がやったことない新しいことをしたなと思います。歌詞に関しても、今まではこういうものを作ってみようってイメージを固めた上で作ることが多かったんですけど、「Soft」はあまりそういうことは意識せずに、そのままの自分らしさを出せればいいなと思って書きましたね。
ー内山さんの自分らしさという部分は、「Soft」の歌詞のどういったところに表れていると感じますか?
内山:歌詞の中で自己嫌悪に近いところがあったり。あとサビで「雪解け」とか季節を感じさせる言葉を入れているんですけど、季節の歌で描かれるものって綺麗な情景が多いと思うんです。でも実際は雪が降った後は、色んな人に雪が踏み潰されて泥がついて黒く濁った色になってしまう。自分が起きた頃には綺麗じゃなくて雪が道でぐちゃぐちゃになっている。「Soft」では、そういうリアルで汚いところを描いているので、理想ばかりを歌っていないところは自分らしいなと思いました。
ーありのままの自分を表現したいという思いは歌詞を書く際に常に頭の中にあるものなんですか?
内山:割とどの楽曲にもそういう思いは入っていると思いますね。人間って年を取れば取るほど色んな人との出会いや色んな経験をすることで、考え方が改まったり、少し許せるものが増えたりすると思うんです。歌詞では、自分の思っていることをそのまま書いているつもりではあるんですけど、少しずつ自分の変化が感じ取れたりするんじゃないかなとも思っていますね。
ー同時代のミュージシャンやバンドの方でリスペクトされている方がいれば教えてください。
たいが:僕がギタリストとして影響を受けた先輩は、ハンブレッダーズのukicasterさんです。ハンブレッダーズの楽曲って僕らと近い部分が多い気がするんですよね。スリーピースの土台があって、ギターはめっちゃ暴れているフレーズが多い。新曲出るたびに「こんなアプローチがあるんだ!」って勉強させてもらっています。そういう面で憧れであり、目標ですね。
りゅーいち:僕の今のドラムは、かなりKEYTALKに影響を受けているなと思います。KEYTALKの楽曲って昔から今までの振り幅がすごく広いなと個人的に思っていて。高校時代からKEYTALKの楽曲をよくコピーしていたので、それが土台にあって今シンガーズハイでドラム叩けていると思いますね。
みつ:最近割と本気で考えていたのは、演奏面とか楽曲面のことではなく1人1人のメンバーの在り方を見て、嵐になりたいなと思って(笑)。
内山:あー言いたいことは分かる気がする(笑)。
みつ:全然顔面とか追いついてないんですけど(笑)。僕らってどのバンドに近いのかなって考えた時にどのバンドもしっくりこなかったんです。そう考えた時に、ロックバンドとしての目標みたいなことが4人で定まってないところとか、4人の個性の強さを含めて嵐みたいになりたいんじゃないかなって思ったんですよね。
内山:仮面ライダーというよりかは戦隊モノみたいな感じだよね。
みつ:僕が影響受けたアーティストはもちろんロックバンドなんですけど、僕らが目指すグループとなると嵐、YouTuberであれば東海オンエアとかを最近は意識しちゃいますね。
ー嵐の名前が出るとは思っていなかったです(笑)。でもグループ像として4人の個性を発揮しながら活躍している点は、確かに目指すべきバンドの在り方ではありますよね。内山さんは目標とする存在のバンドは誰かいますか?
内山:今の時代で活躍されている人だと、King Gnuかもしれないですね。僕はSrv.VinciからKing Gnuに改名してすぐの頃にYouTubeで知って、そこからずっと聴いているんですよね。King Gnuも米津玄師さんと同じように、「次はどんな曲を出すんだろう」っていうワクワク感を感じさせてくれるバンドだと思います
ーKing Gnuも4人それぞれの個性が強いグループですよね。それに嵐もですけど、4人が集まった時の存在感、強さをすごく感じますよね。シンガーズハイの今後目指していくバンド像が少し分かってきた気がします。最後に、シンガーズハイは6月17日に「ツタロックDIG」にてトリとして出演されます。ライブへの意気込みをお聞かせいただきたいです。
内山:去年O-EASTで行われたツタロックのフライヤーを見た時に僕たちの知っているバンド、仲の良いバンドが出演していて「いいなぁ」って思って出てみたいイベントだったので、今回トリをやらせて頂けるということで嬉しいです。出演者の中には一緒にやったことがない人もちらほらいるので、そういった人たちに刺激を受けた上で自分たちがトリとしてどう立ちはだかろうかなって気持ちですね。ラスボスになりたいです。
<リリース情報>
シンガーズハイ
EP『DOG』
発売中
=収録曲=
1. Kid
2. 情けな
3. 飛んで火に入る夏の俺
4. Soft
5. あいつ (Bonus track) ※CDのみ収録
シンガーズハイ Official HP:https://www.singershigh.jp/
<イベント情報>
「ツタロックDIG LIVE Vol.12-EXTRA-」
2023年6月17日(土)Shibuya WWW
料金:3980円(全自由・入場整理番号付・ドリンク別・税込)
開場 15:00 / 開演 16:00 / 終演 20:40 ※変更可能性あり
主催:CCCミュージックラボ(株)/ライブマスターズ(株)
企画:CCCミュージックラボ(株)
制作:ライブマスターズ(株)
協力:Rolling Stone Japan
問い合わせ:ライブマスターズ 03-6379-4744(平日12:00-17:00)
一般発売【5月21日10時~】
専用URL:https://eplus.jp/tsutarock/
公式HP:https://cccmusiclab.com/tsutarockdigex
公式SNS
Twitter:https://twitter.com/tsutarocklive
Instagram:https://www.instagram.com/tsuta_rock_live_official/
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