tonun、ボーダーレスなラブソングで映し出した「J-POPの分岐点」
Rolling Stone Japan / 2023年6月19日 20時30分
2020年10月、「最後の恋のMagic」をYouTubeに投稿し、活動をスタートさせたシンガーソングライターtonun(トヌン)。メロウなシティポップテイストの色濃いトラックに乗せ、恋におけるマジカルな感覚を甘く歌った楽曲は早速大きな反響を呼んだ。2022年1月には、藤井風、あいみょん、Official髭男dism、King Gnu、Vaundy等、今の音楽シーンを担う顔ぶれが選出されたことでも知られる「RADER:Early Noise 2022」に選ばれたことも。
tonun【ツタロックフェス2023】速報ライブ写真(写真10点)
6月14日にリリースされた1stアルバム『Intro』のアルバムタイトルには、「今作こそがJ-POPの分岐点となり、シティポップムーブメントのその先を示すきっかけとなる作品になると確信した」というtonunの思いが込められているという。
サウンドプロデュースを手掛けたのは、Nobuaki Tanakaとして、様々なアーティストの楽曲のアレンジやプログラミングを手掛けているknoak(ノーク)。ちなみにtonunとは、ギターをきっかけに音楽にのめりこんでいったという共通点がある。
これまでのtonunの楽曲は、”ひとりで作るベッドルームミュージック”という色合いが濃かったが、アルバムにはknoakの他にも、Yaffle、小川翔、MELRAW、dawgssの上原俊亮といった名うてのミュージシャンが多数参加していることもあり、グルーヴィーなバンドサウンドがベースになっている。
全10曲が収録。華やかなホーンと艶やかなコーラスで一気に高揚感を高めるオープニングナンバー「Sugar Magic」で、まず「君しかいない 何も見えていない 燃え盛っていく愛」という熱烈な宣言をし、ハイトーンで伸びやかな歌声を聞かせたと思ったら、小気味いいリズミカルなラップ調の歌を挟み込み、いきなり歌い手としての幅広さを見せつける。
続くメジャーデビュー曲「Friday Night」では、熱狂を呼び起こすハミングのような歌を皮切りに、ジャジーなバンドサウンドが軽快なグルーヴを紡ぐ。眠気を押し殺し、電車に揺られていくいつもの憂鬱を通し、心弾む”金曜日の夜”に思いを馳せる。灰色の感情が、軽快なグルーヴによって煌めき、「全てを照らして」という光のメッセージに帰結するポジティヴィティ溢れる楽曲だ。
その後、まどろむ様なボーカルゼーションから始まるスローテンポの「嘘寝」へ。微妙で複雑な関係性であることが想像できる”私たち”の距離感を描写しながらも、「目を閉じれば許される気がした」「目を開ければ崩れていく気がした」という切実な思いが紡がれる。
「君は言うから」は、ため息交じりの歌声とブラジリアンなアンサンブルが爽やかな風を運ぶ楽曲。君と一緒に過ごす何気ない時間の尊さをスモーキーな歌声で描くのがtonunらしい。ゴスペル調のサウンド×ラップ調の歌で君と出会えた奇跡と軌跡をチアフルに描く「how many times」、ホーンが高らかに鳴るソウル色の強い「rendez-vous」。その後、代表曲のひとつである、80年代シティポップ感と夏の熱気が匂い立つ「真夏の恋の気まぐれ」でアルバムは一旦ピークを迎える。
後半はtonunが影響を公言しているトム・ミッシュを思わせる、ビートが効いたジャズ×ヒップホップのアプローチによる「eyes」で抜け出せない恋とループ感のあるサウンドをマッチさせ、陽気なファンクチューン「merry-go-round」で追っても追いつけない君の心との距離をメリーゴーラウンドに例える。ラストはアコースティックギターの優しい旋律が印象的な「気持ちの糸」。ひとつの終わりを迎えた恋を切なく歌い上げる。
R&B、ネオソウル、ジャズファンク、ローファイヒップホップを愛聴するtonunの嗜好と、knoakの得意とするEDMやハウスといったダンスミュージックとソウルが混ざり合い、独自のボーダーレスなラブソングがたっぷりと聞ける『Intro』。
SUMMER SONIC 2023をはじめ、いくつかの夏フェスへの出演が決まっており、夏曲を多く持つということを考えても相性はばっちりだろう。さらに支持を広げていきそうだ。
<INFORMATION>
『Intro』
tonun
ユニバーサル ミュージック
発売中
https://tonun1.lnk.to/Intro
01 Sugar Magic
02 Friday Night
03 嘘寝
04 君は言うかな
05 how many times
06 rendez-vous
07 真夏の恋は気まぐれ
08 eyes
09 merry-go-round
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
艶やかなASKAの声質を追い求めて『SCENE II-Remix ver.-』アナログレコード誕生 12月12日発売
@Press / 2024年11月26日 11時30分
-
ピアノと口笛らが軽やかに響く初音ミク曲『あれるげん』──可愛らしさの中に宿る真剣なメッセージ
ニコニコニュース / 2024年11月22日 15時0分
-
映秀。が語る、新曲「ほどほどにぎゅっとして」のしなやかな新境地
Rolling Stone Japan / 2024年11月11日 19時0分
-
話題のロックバンド・YUTORI-SEDAI、ワンマンライブで魅力発揮 新曲も初披露【on your mark】
モデルプレス / 2024年11月9日 14時1分
-
「TOMORROW X TOGETHER 」、タイトル曲「Over The Moon」のMV追加公開
Wow!Korea / 2024年11月8日 16時53分
ランキング
-
1【独自】「大きいサイズがない」梅宮アンナに聞く、乳がん術後の下着事情と“上がらない”右腕
週刊女性PRIME / 2024年11月27日 9時0分
-
2ドランク塚地「白内障」を公表 手術へ 数カ月前から「モヤがかかったように見えにくくなり…」
スポニチアネックス / 2024年11月27日 9時9分
-
3森且行、SMAP5人へ「僕の宝物」思い明かす!伝説の断髪式秘話も
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年11月27日 7時7分
-
4池田エライザ「海に眠るダイヤモンド」の見惚れるキスシーンが大絶賛!好感度女優に急上昇
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月27日 9時26分
-
5「“生首”が売ってる」アニメ専門店の大谷翔平珍グッズ、“誰が買うんだよ”とじわじわ人気に
週刊女性PRIME / 2024年11月27日 12時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください