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ジョン・レノンの未完成作品が有力か、ポール・マッカートニーがAI使用し最後のビートルズ作品制作

Rolling Stone Japan / 2023年7月5日 6時45分

1967年N当時のビートルズ(HULTON-DEUTSCH COLLECTION/CORBIS/GETTY IMAGES)

ポール・マッカートニーが人工知能(AI)の手を借りて、ビートルズを(ある意味)全員集合させた新曲を制作した。

【動画を見る】故ジョン・レノンとバーチャル・デュエット

最初に言っておくと、ジョン・レノンおよび/またはジョージ・ハリスンの素材をAIにたっぷり読み込ませ、コンピュータがはじき出した気味の悪い陳腐なイリュージョンもどきを、リンゴ・スターと形に仕上げた、というわけではない。そうではなく、マッカートニー本人もBBCに説明しているように、AIの技術で昔のデモ音源からレノンのボーカルを「抽出」し、それをもとに曲を完成させたという。

マッカートニーいわく、新作の制作にはピーター・ジャクソンのおかげでもある。壮大なドキュメンタリー3部作『ザ・ビートルズ:Get Back』の肝となった、AI主体の「デミックス」技術が使われているのだそうだ。この映画の見どころは、ジャクソン率いる製作陣がオリジナル音源から各メンバーの声や演奏、雑音などを分離・抽出して、山のような会話や演奏を効果的に再現した点だった(同じ技術は昨年再版された『リボルバー』でも使われている)。

「ピーター・ジャクソン監督が『Get Back』でやったことを使わせてもらった」とマッカートニーは語った。「監督はジョンの声とピアノが収録された音質の悪いカセットテープからジョンの声だけ抽出した――AIを使ってね。AIに向かって、『これが声、これがギター。ギターの部分だけ抜いて』と言うと、その通りにやってくれる。ものすごく便利だよ」



マッカートニーが「最後のビートルズ作品」と呼ぶ楽曲の制作は、「AIを使ってジョンの声を取り出し、ノイズを取り除いてきれいにした。後はいつも通りミキシング……素晴らしくもあれば恐ろしくもある――最終的にどうなるかは見てみないとね」。

マッカートニーいわく、楽曲は「年内中にリリース」予定だそうだが、具体的な日付は明らかにされなかった。タイトルも未定だが、1978年にレノンが手がけた黙示録的な未完成作品「Now and Then」と考えてほぼ間違いないだろう。

この曲は、レノンが1980年に亡くなる直前にカセットに吹き込まれた作品のひとつ。90年代にオノ・ヨーコがマッカートニーにテープを託し、そのうちの2曲――「フリー・アズ・ア・バード」と「レアル・ラヴ」――がマッカートニー、ハリスン、スター、プロデューサーのジェフ・リンによって復活し、「再結成作品」として『ザ・ビートルズ・アンソロジー』コンピレーションに収録された。当時は「Now and Then」も制作候補にあがっていたが、後にマッカートニーが明らかにしたところでは、レノンのボーカルの音質が「最悪」なのでハリスンが反対したそうだ。

だがマッカートニーはつねづね曲の完成を切望していた。2012年にはBBC 4のドキュメンタリーでこう語っている。「あの曲は今も頭の片隅にある。ジェフ(・リン)と相談して取りかかるつもりだ。いつかきっと完成させる」。

関連記事:ザ・ビートルズ解散劇の裏側 メンバー4人の証言と映画『Get Back』が伝える新発見

from Rolling Stone US

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