Borisと明日の叙景が語る、連帯関係と届けること、Merzbowとの交流
Rolling Stone Japan / 2023年7月14日 19時15分
前編に続き、Borisと明日の叙景の対談をお届けする。後編となる本記事では、7月19日のBoris with Merzbow単独公演に絡めた国内シーンの話や、欧州ツアーを経た明日の叙景メンバーの意識の変化、ジャンルの枠や世代を越えて繋がり届けることなど、前編とはまた別の興味深い話題が満載になっている。特に、全編を貫くDIY(Do It Yourself)姿勢の話は、メタルとか音楽といった枠を越えて多くの人に訴求するのではないだろうか。今後の展開に思いを馳せつつお楽しみいただけると幸いだ。
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・Merzbowとの交流、活動を繋いでいくこと
ーそれでは、ここからは日本での活動についてもお聞きします。まずBorisは、7月19日にBoris with Merzbow名義での共演ライブがありますね。こちらが日本でも実現した経緯はどんなものだったのでしょうか。
Atsuo これは、ヨーロッパツアー中でしたね。秋田さん(Merzbow=秋田昌美)とやるタイミングって、自分たちが仕上がってる時というか、けっこうピークにいるような状況でやることが多くて。それで、アメリカ行ってヨーロッパ行って、セットリストの流れもあって、ここで今一度やろうってことになりました。
Takeshi 最後にやったのが3年前のオーストラリア(2020年2月29日、メルボルン)。日本は5年ぶり(2018年5月8日の代官山UNIT以来)になりますね。
ー自分は2014年6月24日のDOMMUNE現場(渋谷東の旧スタジオ)で観ることができたのですが、爆音の限界に挑みつつ美しい音響を実現するような、本当に凄まじいライブでした。今回の共演は、そちらとも2020年のスタジオ作(『2R0I2P0』)とも違う感じになるのでしょうか。
Atsuo 全然違いますね。コロナ以降の、Heavy Rock Breakfastセットからの流れになるかと。(等力と布に向かって)来てね(笑)。
布 行きます! 等力はMerzbow好きだよね。
等力 そうですね。最近またリマスター盤で聴いてます。古典的ですけど、『PULSE DEMON』あたりはやはり好きですね。
ーBorisとMerzbowは何枚くらい一緒に制作されてきましたか。
Takeshi 最初の共演が1997年のライブ(1月25日、高円寺20000V)で、音源としては、『Megatone』(2002年)、ライブアルバム(『04092001』2005年)、『Sun Baked Snow Cave』(2005年)、『Rock Dream』(2007年)、ビートルズとクリムゾンのカバー(『Warlus / Groon』2007年)、『Klatter』(2011年)、『現象』(2016年)、そしていまだに読み方がわからないアルバム(『2R0I2P0』2020年)ですね。
一同 読み方わからない(笑)
左からBoris、Merzbow
ー過去のインタビューを読むと、秋田さんに昔のロックを教えていただいたという話も出てきます。
Atsuo そうですね。何度も遊びに行かせていただいて。『Megatone』の時も秋田さんのお宅に行ってレコーディングしてたし、帰りの道中でアメリカの同時多発テロのニュースを聞いた。その前後に70年代のヘヴィロックをたくさん教えていただきました。膨大なラインナップを次々にターンテーブルに乗せていただいて、生のレコードをどんどん積まれていく。当時、Second Battleというブート再発専門のレーベル(ドイツ拠点)があって、気に入ったのはNight Sunとか、Hairy Chapterとか。かなり隅っこのほうですね(笑)
Takeshi あと、Spooky ToothとかJaneとか、そのあたりも。
Atsuo そうやって聴かせていただいたものが、Boris自体の方向性にもかなり影響を与えましたね。
ーそういったハードロック方面とはまた別に、秋田さんは先鋭的なブラックメタルやデスメタルも聴き続けているという話もインタビューではよくお見かけします。
Atsuo そうですね。本当にすごい。
ー双方との関わりが深いSunn O)))などもそうですが、伝統的なメタルの枠からは外れているけれどもシーンと密接に関わってきたバンドがいくつもあって、そこになかなか光が当たらない期間が長かったのが個人的にはもどかしく思えていました。しかし、最近はそういう状況もかなり変わってきたような気がします。
Atsuo 大きい括りのメタルね。俺らもメタルなんだな、という自覚が本当にここ最近できてきて。和田くん(本記事の筆者、『現代メタルガイドブック』監修・執筆)のおかげかもしれないけど(笑)
一同 (笑)
ーいえいえ(苦笑)。
等力 でも確かに、ちょっと話は脱線しちゃうかもしれませんけど、Borisがメロイック・サインをやるのが意外だったというか。ツアーでみんながサイン掲げてるのを見て面白いなと思ってました(笑)みんなで写真を撮るとき、わりとメロイック・サインなんだ、そこに意味があるんだなと思いました。
Atsuo Heavy Rocks(2002年)の頃からかな。メロイック・サインも、自分たちが「Yeah!」と言うようになった頃から登場し始めた印象があるかな。
布 スタン・ハンセンもメロイック・サインしてますよね。
Takeshi あれは違う(笑)。あれはテキサス・ロングホーンなんで。
布 あれも悪魔のツノ的なアレだと思ってたんですが(苦笑)。
Takeshi 違う、形は似てるけど文脈が違う(笑)。
布 勉強になります(笑)
明日の叙景
ーただ、プロレスとメタルも伝統的にすごい近いところにある印象はありますね。
Takeshi うん。
Atsuo 僕らも『あくまのうた』(2003年)ってアルバム出してるけど、悪魔っていうものの僕らにとっての意味合いは、日常を異化したりとか、変化を訪れさせるものの象徴みたいなニュアンスが強いですね。
ー「Yeah!」についても、2002年版『Heavy Rocks』をリリースした頃、活動10年目にしてロックの”空気を切り裂く一言”としてのYeah!を言えるようになったというお話はよく伺います。いろんな方向から繋がるように思えますね。
Atsuo そう。挨拶みたいなもんですよ。
ー世代を超えた共通言語みたいなものですね。
Atsuo そうですよ。明日の叙景ってENDONよりも下の世代だよね。
等力 ひと回り歳下ですね。
Atsuo だから、僕らにしたら、ENDONをアメリカに連れてったり、他の日本のアーティストとのスプリットを海外でリリースする架け橋になったり、もっとごちゃ混ぜにしたいんですよね。
Takeshi 触媒ですね。
Atsuo だから、こうやって繋がっていくんだなと思いますね。本当に縁とフレンドシップだけでやってきたので。それでいて、パーティー・ハードがないからツアーが楽というのもあるね。海外でも。
等力 確かに! Borisと明日の叙景の相性が良いなと思ったのは、お互い淡々としてるんで(笑)いい意味で。
一同 (笑)
等力 もちろんウェットな部分もありますけど、ライブ終わっても「次のライブは」みたいな、ツアー終わってからも双方そのまま制作に移行とか、そういうドライな感じがお互い良いなと思いますね。
布 「先輩の酒が飲めねぇのか」みたいなのがない(笑)
等力 そういうバンドマンイズムみたいなのが出てこないので、そこはすごいありがたいです。
Atsuo 僕らはもともと海外での活動が多いから、日本のそういう先輩後輩関係みたいなのもあまりなくて。それから、女性のメンバー(Wata)もいるから。ま、でも根性論は言うかな。根性論でしか行けないからね長期の海外ツアーなんて。
一同 (笑)
布 大事なことは最終的には言語化できないんじゃないか、最後は言葉じゃない部分で行かなきゃいけない、というのは感じますね。
Atsuo そう。ロックって、「のるかそるか」じゃなくて「のるしかない」から。明日の叙景がのってくれたのはすごい良かった。生きて帰れたのも良かったね。
等力 そうそう、大ごとにはならなかったんだけど、交通事故もありまして。ロンドンの田舎道で、前の車が急ブレーキして僕らの車が突っ込んじゃって。で、うちの車も急ブレーキしたので物とかいろいろ落ちてきたんですけど、車自体は大丈夫だったんですね。ただ、後ろの車が玉突き事故起こして潰れちゃって、救急車来るみたいな展開になって。そこで「俺らのツアーは終わるかもな…」と思ったら、意外にすぐ返されて(苦笑)。あれは人生の中でも本当に「終わったな」と思った瞬間の一つでしたね。
布 360度見渡しても、森と平原だけだから。
等力 何もない空間に人が倒れてるような状況でした。
Atsuo ツアードライバーもプロなんだけど、こういうこと起こるんですよ。うちもヨーテボリ(スウェーデン)で、ものすごく用心してバンを駐車してたんだけど、少し経って戻ったらドリルで穴あけられて車上荒らしに遭ったし。(ツアーから)生きて帰れて良かったね、って本当にその言葉が象徴してると思いますよ。
布 物販担当で、Dog Knights Productionをやっているダレンという人が、ツアー最終日に「これだけ何も大きな問題がなくて、普通は10人か20人しか入らない会場もザラにあるものなのに、明日の叙景はヘッドライナーでたくさん入ってる。大成功だと思うよ。」って言ってて。物販は売れ残っちゃってペイしない感じだったんですけど。
Takeshi 一箱忘れてったでしょ? イタリア(一緒に回った最後の会場)で。
一同 (爆笑)。
Atsuo 明日ロングドライブなんで先に帰ります、って言っていなくなって、そしたらマーチテーブルに物販の箱が一つ残ってて。うちのドライバー兼ツアーマネージャーが「やつら一箱忘れてった」って、ボソって言ってた。
Takeshi それで、その箱の中から「Takeshiはさっき明日の叙景のマーチもらってただろ?他のメンバーの分はここから取ってあるから」って。
等力 今日帰ったら連絡します(苦笑)。
布 連絡します。
Atsuo ツアーはね、終わってからも大変なんですよ。
等力 清算が大変で。
Atsuo なんか全部言いたいよね。トラブル自慢大会したい。
布 ツアーやるのはこれだけストレスだし、これだけ大変なんだよっていう。
Atsuo 総じて楽しいんだけどね。
−こういうお話を聞くと、ツアー生活に疲れたからミュージシャン辞めるという人の気持ちが窺われますね。
Atsuo 確かにバンド解散の理由としては多いかも。
Takeshi いろんな手続きとかも大変で、細かい届出みたいなのをすっ飛ばすこともできるんだけど、あとあとツアーの規模が大きくなった時のことを考えると、今からちゃんとやってノウハウを持ってたほうが絶対に後に繋がるよね。
Atsuo ツアーマネージャーとかツアードライバーがあっちでは職業として成り立ってて、アンダーグラウンドなシーンだけど堅実にツアーライフを送っている人たち、そういうカルチャーを営み、育んでいる人たちが世界中にいて。音楽のジャンルとかじゃなくて、同士とかファミリーみたいな繋がりがあるんですよね。コミュニティとして。それで、サポートバンドと一緒にツアー回ると家族みたいな感じになったりとか。音楽って、それ単体としての概念だけじゃなくて、音楽を軸とした生き方や、それを共有できる人たちが世界中にいる。それがカルチャーを作っていくという感じですね。
ー実際にあんなコアな音楽性で活動を続けられているBorisが言うと、すごい説得力がありますね。
Atsuo いや、苦労は多いからね(苦笑)。
布 それでも、Borisは音楽一筋でちゃんと生計も立てて、自分たちの存在を文化の一つとして、杭をバーンと打つように刻んでいて尊敬します。
Takeshi 本当にみんなのサポートと、人との縁のおかげ。
Atsuo 等力くんにはツアー中に言ったんだけど、僕らをサポートしてくれる人たちを明日の叙景にも引き継いでほしいという思いもあったし。どんどん次の世代にも引き継いでいって。
等力 ツアーしている時にふと思ったのが、対バンイズムの是非というか、対バンって感覚はあまり良くないのかなということで。自分もツアー行く前は「明日の叙景、やってやるぜ!」と思ってたんですけど、実際にBorisと一緒に毎日ライブやってると、「2バンドで盛り上げるぞ!」というふうになってくる。お互いやることやって、1日をいい感じにする、みたいなのって大事だなと思ったんですね。誰が一番イケてるかみたいな闘争心も必要かもしれないけど、なんかそういうのじゃないな、と感じました。
布 「このイベントでは、この日こいつらが一番ヤバかった」みたいなのじゃなく。
等力 そう。それで、「一番音を大きくしたい」というのもあったりするわけだけど、「海外のバンドが来たとき、日本のオープニングアクトのほうがやれてた」みたいな伝説を作りたい的なのよりは、2バンドで良い1日を作っていくのが大事じゃないか、という感覚になった。それも自分の中での変化でしたね。
Atsuo そういう感じですよね。
明日の叙景(Photo by @vvvydmy)
Boris(Photo by @vvvydmy)
ー本数の多いツアーでなければそういう発想には至らないですよね。
等力 そうだと思います。単発のライブならどうしても自分が自分がってなってしまうのが、そうじゃないんだよなとなる。
Atsuo 歴史の中で自分たちがどう在るべきかという感覚になっていきますよね。
等力 本当にそう思います。
アートワーク、「届ける」ということ
ーここで、「音楽そのもの」以外ということと話を絡めて、アートワークなどについても伺いたいと思います。明日の叙景については、この間のアルバムでアートワーク的なところが特に印象に残った人も多いと思うんですね。ああいう方向性を選んだきっかけやマインドセットはどういうものだったのか、ということを改めてお聞きしてもよろしいでしょうか。
等力 マインドセット的には、やりたいことをやろうという気持ちがメインで。好きなイラストレーターさんの名前を並べて話し合ったとき、この人(陽子)がいいんじゃない、という感じで。直感というか、本能で惹かれる部分でそうしたのもありましたね。
Atsuo 一番タブーで、一番ベタでもあるところなわけでしょ。
等力 そうですね。でもどうなんだろう。自分をメタ認知するのは難しい。
布 少なくとも最初の候補としては、日本画の人も挙がりましたし、写実画の人も挙がったり、ポリゴンとか、3Dと実写を合わせたアーティストさんもいたり。いろいろ挙げて、自分たちの中でこの「夏」って季節感もいいよねって言ったり、自分たちはどういう子供時代を過ごしたり、J-POPやゲーム、アニメに触れてきたか、というのを確認し合ったりもしました。
等力 僕らは『アイランド』を作るとき、アートワークをわりと早めに決めたんですよ。その前に、まず布さんが曲のテーマを決めるから、それにあたってみんなの音楽原体験を集めるみたいなことをやって。みんなで「なんで音楽やってるのか」とか「今までやって良かったと思うこと」「嫌だったこと」とかを書き出していって、その中で結構みんな心を開いていって。その上で、じゃあやりますか。みたいな経緯はありました。
布 そうやって集約されて、まずは一旦、自分たちの好きなことを余すことなく表現しようということになりました。あと、もう一つ言うんだったら、これ等力がよく言うんですけど、メタルとかハードコアのシビアな感じとかシリアスな雰囲気からちょっと脱却したいなって。それだけじゃないんだよ、というのを示したのが、『アイランド』のアートワークに繋がったんだと思います。
Atsuo Deafheavenも、「メタルはピンクのアルバム出さなきゃダメ」と言ってて。
布 なるほど。だから『Sunbather』(2013年)がああなった(笑)。
ーそのルーツにBorisの『Pink』もありそうですね(笑)。
Atsuo そうそう。
Takeshi ちょうどその頃、アメリカ一緒に回ってたんだよね。そういう話を彼らとしてて。
Atsuo メタルのそういうセオリーみたいなのをどう超えるべきか、みたいな話をして。
Takeshi 音楽的には俺らとは一見共通点ないんだけど、新しい見せ方だったり、価値観をどういうふうに更新していくかという点で、シンパシーを感じるところがあったなと思います。
布 Deafheavenは、デモ(2010年)も、1stの『Roads to Judah』(2011年)も、けっこうポストロックとか、アーティスティックなエクストリーム・ミュージックの文脈からはそこまで外れてはいないんですよ。『Sunbather』からなんですよね。
等力 そういえば、『アイランド』のアートワーク決めるとき、Borisのアートワーク並べたよね。
一同 (笑)
等力 ロゴをどうするか問題。アートワークごとにロゴを変えてるバンドというテーマで、BorisとVoivodを並べたんですよ。新ロゴも含めてどうしようか考えて。毎回同じロゴを使うのもけっこう難しい気がしていて。
Atsuo あの雨宮慶太みたいなのは。
ーここもまた世代の差が(笑)。
等力 筆字のやつですか。あれはまだ1stの頃の。
布 あれはまだ、あまり深く考えてない頃のやつですね。かっこいいなと思いあのようにしました。
等力 アートワーク作る際、あれは使えないねってなったときに…
布 毎回そうなってましたね。アートワークとバンドロゴがどうしても合わないという点は毎回課題でした。
等力 アートワークごとにロゴを変えてるバンドってなんだろう?ってなったときに、BorisとVoivodが挙がったっていう。
ーなるほど。ちなみにBorisも『Pink』あたりから、音のヘヴィさには一見結びつかないようなアートワークが多くなってきたじゃないですか。あれは、どういった考えから導き出されたものなんでしょうか。
Atsuo ボーカルにしてもドラムにしても、アートワークにしても、「人に届く」というのがすごい重要なんですね。叫び一つとってみても、キャッチーな叫びとそうでないのがある。なので、すごい感覚的なことかな。届けたいと思うものなので。
ー『Pink』(2006年リリース、Pitchforkの年間ベスト9位に選出された)の話でいうと、あの頃はどういった層に届けたいと考えられていましたか。
Atsuo うーん……、届けたい層のイメージというのは、あまりしないのかも。
Takeshi ただ、色に関しては、一番わけのわからない色ってピンクだよね、という話はしてたよね。白でもなくて、黒でもなくて。
Atsuo セクシーで、毒気もあって。軽薄で。
Takeshi 白とか黒、特に黒だったりすると、やっぱり訴求するところが限られる。なんとなくイメージあるじゃないですか。
ーはい。黒白だったらDischarge系のハードコアとかですね。
Takeshi うん。で、ピンクって本当に訳がわからない。
Atsuo 「届けたいな」って思いが基本的に強くあって、それが手段とか方法論とか、最終的な音の表情とかビジュアルだったりに繋がる感じですね。
Takeshi 外からの捉え方が一番わけわからない色。猥雑だったり、「なんかポップになっちゃって」と考える人もいるだろうし。「なんか仕掛けてきたな」という受けとめ方もあるだろうし。そうやっていろんなところに届けばいいかなって。
布 それをフックとしていろんなところに届くということでしょうか?予想の範囲内に留まるものだとそのままスルーされてしまうけど、意識をこっちにグッと引き寄せるようなもの方がよいといいますか。
Atsuo よく言うのは、身内に笑われるくらいのことやりたいね、という。身内がドン引きするくらい。
等力 それはそう思います(笑)
Takeshi それぐらいが、たぶん外に出たときにちょうど良いんだよね。
国内シーンの繋がり、流動的な連帯関係
ー『New Album』(初出は2011年)とか、特に物議を醸したあのあたりの作品はどうでしたか。
Takeshi ドン引きだよね。
一同 (笑)
Atsuo まあまあまあ。でも、すごくそれを気に入ってくれる人も。
Takeshi そう!新しいファンもできたし。
ー今までのファン層と違うところに刺さる感じだとは思いますね。
Atsuo でも、僕らとしては全然変わってないんですよ。成田忍さんのプリプロダクションで初期ヴィジュアル〜J-ROCK的な音像にしてくださったので、いろんな人に聴いてもらえたけど、基本的には変わってないし。
Takeshi 全然違うジャンルのリスナーの人が聴いてくれたり。
Atsuo あのアルバムに入ってる「Luna」も、あの当時でもうポストブラックメタルだね、という感想をこのあいだ聞いたりもして、
ーそうですね。直接的な関わりがあるかはともかくとして、COALTAR OF THE DEEPERSあたりを介して明日の叙景にも繋がる……。
Takeshi 「Luna」とか、(曲が最初にできたのは)2009年頃だからね。だからもう、15年近く前(笑)。
Atsuo 明日の叙景と一緒にやって、僕らもこういうことやってたな、というのを急に思い出したんだった。
ー叙景も、特に等力さんはDEEPERSから相当影響を受けてますよね。
等力 はい。DEEPERSは大好きですね。
Atsuo ナッキーさん(NARASAKI)も、『New Album』のプロデューサーの成田さんの、極端にいうとお弟子さんみたいなもので。僕もそうなんだけど、成田さんに師事してて。ナッキーさんもURBAN DANCE(成田忍がメンバーとして在籍)大好きで。で、等力くんがDEEPERSに影響受けてたりとか。Takeshiもナッキーさんにすごい影響受けてるし。
Takeshi Atsuoにパクリって言われたからね。
一同 (笑)。
Atsuo DEEPERSの曲聴いてて「これ同じじゃん」「同じフレーズ使ってるじゃん」って。
Takeshi いやいやいやいや(笑)。
Atsuo まあまあまあ。なんか、繋がってるよね。で、等力くんもアイドル(SAKA-SAMAやRAY)に楽曲提供してるし。ナッキーさんみたいに。それで、BorisもSAKA-SAMAのバックバンドやって、それがTRASH UP!!からリリースされたりとか。ほんと、音楽って繋がってるよね。
Takeshi 『New Album』のジャケットと『アイランド』のジャケットも、顔がバーンと出てるのがなんか近いなと俺は勝手に思ってたり(笑)。最初にも言ったけど、短い期間で両者の距離感がブワーって繋がってく感じがありましたね。
ーなんというか、伝統的なメタルの文脈からしたら全部逸れてるんですけど、その周縁のところではたくさん繋がっている感じもあって。それが最近、多くの音楽ファンに自然に注目されるようになってきた印象があります。それはヴィジュアル系とかもですね。日本のメタル的な音の流れとしては非常に重要なんだけど、コアなHR/HMファンからすれば軟弱と見なされていた期間も長かった。
Atsuo みんなは世代的に通ってるんでしょ?
等力 僕はまったく通ってないんですよ。
布 他のメンバー3人はヴィジュアル系大好きで、等力だけは通ってなくて。
等力 DEEPERSのNARASAKIさん経由でそういうエッセンスは取り入れてるけれども。
Atsuo さっき「軟弱」という言葉が出たけど、バンドマンとかミュージシャンからしたら、ヴィジュアル系っていう言葉は、当時はやっぱりアンチにならざるを得なかった背景があって。音楽やってるのになんで一番前面に「ヴィジュアル」が来るんだっていう。なので、アンチ・ヴィジュアルって人はやっぱり多かったんですね。でも、原体験としてヴィジュアル系を通ってきたミュージシャンがどんどん増えてきて、ENDONとかあの年代以降の人たちは公言しだすんだよね。影響元としてヴィジュアル系があるって。そこに世代としての線があるよね。上の世代として僕らはわりと柔軟だったかも。
ーそうですね。2014年頃のBorisインタビューで、ヴィジュアル系を好きと言える世代が30歳あたりで線引きされてしまう、と仰っていたのがすごく印象に残っています。
Atsuo 僕はトランスレコーズ(YBO2やZ.O.A、ASYLUMなど)の影響がすごく大きくて。ヴィジュアルでもない、ハードコアでもない、その間の人たちがすごい好きだったので。
Takeshi 今は無いよね。あの独特な感じ。
Atsuo ないね。MORRIEさんや清春さんが作ってきた美学を僕が共有できたのも、そのあたりが大きいかも。そういう点では、周りとの音楽的な美意識や価値観は違ったかもしれない。
Boris(Photo by @vvvydmy)
ーそういう、シーンが立ち上がるとき特有の何でもありな気風を受け継いでいるのがBorisなのだと思いますし、今の若い世代にはそういうスタンスを持っている人が増えているように感じます。明日の叙景もそうですよね。だから、DEEPERSとの共演なども……。
Atsuo 3バンドでやりたいよね。
等力 機会があればぜひ!
布 そうですね。私たちもこうやって縁を繋いでもらって広まりましたけど、自分たちも自分たちで、横でも縦でもどっちでもいいんですけど、どのバンドやどのアーティストと繋がっていけるのか、っていうのは考えていきたいなと感じましたね。国内でワンマンやった後は「自分たちだけのイベントって最高!」という気持ちになってしまってたんですけど、Borisとのツアーに同行することで、共演することの意味とか、心強さ、得られることの多さに気付きました。
等力 「みんなでやっていき」になったよね。
Atsuo 「シーン」とまでは言えないんだけどね。美意識をシェアできる仲間同士みたいなのがいたほうが心強いからね。
布 逆に、「シーン」みたいに括らないけど流動的に動いていって、こまめに混じり合えるよっていう、そういうのがすごい快適で居心地がいいと思いましたね。
ーかなり良いところに着地しましたね。
一同 (笑)
Takeshi 僕らバンド同士だから、今こういうふうに話して共有できてる部分もあるんだけど、外から見る人ってわからないじゃないですか。でも「なんでこの人たち一緒にやってるの」って調べたりするところで文脈や関係性が繋がってったり。それぞれの過去のインタビュー読んだりしてね。今は情報が拡散して飽和状態でもあるけど、その一方でいくらでも掘っていけるし、辿り着く手段もあるから。そういうのは、僕らがバンドを始めた頃と状況が変わってきてて、むしろ良いのかなとも思いますね。
ーそれはもう、Borisが切り拓いてくださった面も多いと思いますよ。
Atsuo いえいえ、書き手の人たちにも頑張ってもらわないと。流れちゃうじゃん。調べようと思ったら調べられるんだけど、どんどん流れちゃう。
Takeshi そう。流れちゃうから、ピン留めしてください(笑)
布 大量生産、大量消費の時代になっちゃってるじゃないですか。一昔前も今も。情報もそうですよね。
Atsuo 俺らイントロ1分とかあるからな〜。この間クリエイティブマンさんに提供したティーザーがさ、リフ2回で終わっちゃった(笑)
一同 (爆笑)。
Atsuo リフ2回で1分。
ーただ、ファスト動画とかギターソロ不要論みたいなのも本当はどうだろうという話もあって。ギターソロを抜き出してTikTokで使うこともできますからね。
等力 全くもってそうですね。
Atsuo 俺らも、Rate Your Musicってところで取り上げられたりもするじゃない。あれ、俺はけっこう距離を置いてる。反応が玉石混交だし。
ーそれもそうですし、リリース前から点数つけているものも多いですからね。高得点も、低得点も。
等力 めちゃめちゃな人も。
Atsuo あ、そうなんだ。ちょっとあれは静観してる。リツイートしない(笑)。
等力 でも、自分たちはプロモーションの一環でゴリゴリに使ってますね(笑)。
ーただ、ああいったところは、いわゆる音楽ファンの人たちに対するある種の世論形成の一助になっている面もありますね。
等力 はい。すごく足掛かりにはなるので。ありがたい限りですね。
スタッフの役割の大事さ、DIYと協働
ーという感じで、一通り話が出たようにも思います。何か付け加えておきたいことなどあれば……。
布 そうですね。平地が不安だった……。
一同 (爆笑)。
布 川を見るとそれだけで落ち着いたんですよね。川と山を見て、心も体もだいぶ回復していくという。日本食が恋しくなるみたいなことは私はなかったんですよ。ところがどっこい、川と山を見ただけで自分は大丈夫だって思えました。
Takeshi オーストリアからイタリアへの風景はヤバかったね。
等力 良かったですね。僕あのあたり好きでした。
布 そうですね。傾斜が。丘陵地帯になってから。
Takeshi ときどき山の頂上にすごい城があって。
布 そういうの良いですよね。
ーそんなに平地が続いてる感じですか。
布 東欧とかはだだっ広いですね。ポーランドあたりで平地が続いて、徐々に丘陵地帯になっていくっていう。
等力 ウクライナの近くって、本当にウクライナの国旗みたいだよね。黄色と青と。
Atsuo ちょうど春だったからね。菜の花があって。いや、本当に生きて帰れて良かった。
等力 はい。そうそう、話し忘れたこととして、ツアーマネージャーという仕事が存在するという話で。カルチャーとして、バンドもスタッフもファミリーになってというところで。そこが僕もすごく面白いと感じて。明日の叙景も、ツアーマネージャー兼ドライバーの人を現地の会社から一人雇って行ったんですけど、僕と同い年だったんですね。29か28で。彼(機材レンタル、ツアーマネジメント会社Nomads of Praqueのトム)がずっと音楽を流しながらドライブしてたんです。それがすごい良くて。
Takeshi なに流してたの?
等力 基本的には、ハードコアとメタル。コンヴァージ周辺の音とか、Toolやマストドン。それから、クラシックなスラッシュメタルやデスメタルも。それで、僕がずっと助手席に座ってて、流れてくる音に対して「これ、○○だよね」という話をずっとしてたのがすごい良くて。イギリスに入った時にUKグライム流し始めて「マジで!?これ聴くの」みたいなことも。それでブチ上がって、ブチ上がってたら事故ったんですけど。
一同 (爆笑)
Atsuo ドライバーのプレイリスト、めっちゃ重要。
等力 それで、2人で例えば「BrooklynVeganの2022年のBest Punk聴こうぜ」みたいに話して、実際に聴いてたら「全然面白くなくね?」とか。「これどうよ?」「あ、でもこれけっこう好きかな」みたいな。
Atsuo 海外で聴くとすごく良いものと、良くないものが出てきたりするよね。
等力 個人的に普段は「そんなでもないな」と思っていたハードコアが、ドライビングの時に聴いたら「これイケるぞ」となったこともありましたね。なので、他のメンバーはイヤホンして作業したりとかゲームしたりしてたんですけど、僕は基本的には彼が選んだ曲をずっと聴いていようと思って。実際聴いてました。
Atsuo 良いよね。うちもそうだもん。ツアマネ兼ドライバーの。なんか、壮大な風景のときにいきなりアンビエントにするとか。
一同 (笑)
Atsuo あっ、映画みたいになってる!という感じで。あれ、すごく面白いね。
Takeshi あれは、俺らに聴かせてるんじゃなくてドライバー自身の気分だから。そしてその気分が大事。
等力 なるほど今こういうの聴きたいんだ、みたいな。
ー(アンビエントなのは)時間の経過をなんとか誤魔化したいんだ、という感じですかね。
等力 そうですそうです。
Takeshi うちのツアマネ兼ドライバーは、パワーバイオレンスのバンドやってて、ドラマーだから、かけるプレイリストも結局”ドラムがいいバンド”で、しかもすごく幅広いジャンルでかけてるから面白くて。
等力 アレシュ(Borisのツアーマネージャー)は今まで回ったバンドがみんなレジェンドすぎて、僕がデスメタルのTシャツ着てると「ああ、あのバンドは」みたいな話になるんですけど、それが面白すぎて。
Takeshi 彼はなんでも知ってるからね。
等力 「このバンドのツアーは」みたいな。デスメタル・リアル話を聞けたのが個人的にアツかったですね。
Atsuo 演者だけじゃなくて、スタッフも重要人物がいるんだよね。
等力 そうなんですよね。いろんなところに。それで、明日の叙景は今回サポート2人を連れて行って(Gen(Graupel)とGabrielが参加)、僕らよりも若い世代なんですけど、彼らのほうが僕らよりもやんちゃというか、バンドマンぽくて。それで、彼らがいると良い意味でツアーっぽくなる、というのもありましたね。普段の明日の叙景じゃない感じで面白いな、みたいな。
明日の叙景
布 あの2人、すごいツアーに似合ってましたね。明日の叙景メンバーは淡々としてるので、ツアーライフしてる感があんまりないんですけど。
等力 あの2人が来るとなんか事件が起きる(笑)。
Takeshi なんかね、ちゃんとお椀を持ってきてたね。楽屋に来ると、ポットで味噌汁入れるためにお湯が沸くのを待ってて。あっ、お椀持ってきてるんだって(笑)。
Atsuo MUCHIOくん(Borisのサポートドラマー)も持ってきてなかった?
Takeshi 持ってきてたね。
Atsuo うちのドラマーは120食分の味噌汁を持ってきてましたね。でも意外と全部は消費しなかったって。食事がめっちゃ美味しいからねヨーロッパは。俺は4kg太りました。
布 あと、ずっと座ってるからむくんでくるというか、指輪外すのがしんどくなってくるんですね。日本ではすごいきれいに外せたのに。
Atsuo そこは過酷なツアーだったからね明日の叙景は。車にぎゅうぎゅうに詰め込まれて。
等力 いま話すとけっこう美談になるけど、わりとまあまあなこともありましたね。ずっと同じメンバーで一緒にいるし、メンバーできちんと英語話せるのが自分だけだったので、自分をハブに重要な連絡が行き交うのも辛かった。
Atsuo あれイヤだよね。
等力 なので、後半には「もうなんとかしてくれ」みたいになりましたね(笑)。その日の飯を決めるのも自分がみんなのオーダーを取らなければならなかったので。そのくらいは自分で頼んでくれよと。
布 僕は自分で行こうとするんですけど、「お前は動くな」と言われて(笑)。DeepL翻訳を起動してるよ!とは言ってるんですけど(笑)。
等力 でも、みんな英語の勉強始めたとは聞きますね。
Atsuo 偉い。俺たちは全く勉強しないままここまで来ちゃったから。ほんと適当英語喋ってたでしょ?
Takeshi でも現場では音楽の話しかしてないからね。通じる。
ー逆に、これくらいツアーしている人たちがそういうこと言ったら、勇気づけられる人も多いのではないかと(笑)。
Atsuo 行ける行ける。今はDeepL翻訳あるしさ。
布 そうですね。ただ、やっぱりリスニングがしんどいんで、等力いないと厳しいんだろうなというのはありました。
Atsuo 慣れ、慣れ。
Takeshi あと、相性もあって。うちのツアマネ兼ドライバーは、よく話しかけてくる。俺は助手席だったんだけど。ずっと話しかけてくれるから、もう会話せざるを得ない。練習になるっていうか。今こういうフレーズを言ってるんだ、というのもメモったりして。日々勉強です(笑)。
Atsuo どうにかなります。僕らが実証してますから。
ー実際、Borisが一番最初に海外ツアーに行った時は、言語的なことに対する心配はどうでした?
Atsuo 当時はね、電子辞書みたいなのを持参したりとか。まあ結局、使うタイミングはないんですけど。最初は、オーガナイズしてくれた人がずっとアテンドしてくれたんで、毎回「いま何言ってるの?」みたいに聞いてたのを思い返すと、あれ本当にイヤだったろうな、とは思いますね。自分でどうにかしろよ、みたいな。もうね、やっぱり慣れですよ。慣れ。そのうちどうにかなります。これからどんどん海外に行きづらくなるけど、日本の若いバンドとかミュージシャンは、タイミング合ったら頑張ってでも行ったほうが良いよ。
布 ただ、今の日本のバンドに対して思っちゃうのが、Bandcampに登録しているところが少ないということで。サブスクにも登録してなかったりとか、CDも(一般流通では)買える状態になっていない場合も多かったり。
Atsuo Bandcampやってないバンドって、どうやってやり取りしてるわけ(笑)?全然わかんない。
布 分からないですね。いろんなライブハウスのイベントを見て、あっ好きなバンド出るな、対バン3バンドいるけどどういうバンドかな、と思って調べるんですけど、YouTubeにお客さんが撮った動画しか上がっていなかったり。
等力 みんな、騙されたと思ってBandcampやってみてほしいですね。買うから。
Atsuo ほんとそう思う。Bandcampやったほうがいいよ。マジで。
等力 明日の叙景が海外で聴かれてるのも、BandcampとYouTubeがあるから。ただそれだけだと思います。
布 EPの頃もデモの頃も、全部上げてたからね。
等力 神経質な話になっちゃうかなって思って言おうか迷ってたんですけど、外国人に対する嫌悪とか差別感情とか、そういうのがある人ってやっぱり多いんだなと。
Atsuo コンプレックスかな。
布 あと、わからないのってやっぱり怖い。
Atsuo あとはもう、日本の教育とかそういう問題になってきちゃうから。あんな何年も授業やって英語喋れないとか。うちのツアマネはチェコ人なんですよ。でも、英語が喋れることで世界中で仕事ができる。英語を介するだけで、すごいいろんな人に繋がれるわけだから。
Takeshi 伝えようと思えばめちゃくちゃな英語でも通じることがあるし。こっちが逆に気にしすぎだよね。完璧に返そうという。
等力 そういうことをすごい感じるというか。Borisも明日の叙景も、「海外進出できる理由は」みたいなことをよく聞かれてると思うんですけど、根本的にはオープンでいられるかどうか、そこしかないかなという気持ちがありますね。『アイランド』の方向性も、自分たちのやりたいことをやっやっているだけで、日本で人気が出たのがむしろ意外ではありました。
Atsuo 海外で評価されてることって、日本でのプロモーションツールには全然ならないね。いや、話は尽きないね。
等力 打ち上げまだやってなかったですからね。
布 いや、面白かったです。Borisがどういうふうに活動してどうやって生計を立ててるかというのは、みんな聞きたくてうずうずしていたと思いますし。
Atsuo 究極のDIYですよ。僕らは事務所にもこれまで全然所属してないし。
Takeshi 永遠のアマチュアですから。
ーそういう部分を近くで直接見て受け継げるというのも大きいですよね。
等力 仕事観、変わりますよね。
Atsuo 僕らが作品数多いのは、最初の頃に灰野敬二さんやMerzbowと一緒にやって、月に一枚出せば一人暮らしていける、というのを側で見たから。
等力 はい。それは僕もBorisを見てて感じましたね。作品数の多さだ、みたいな。
Atsuo でも、バンドにすごいこだわりがあったから。ソロでの活動みたいなのはあまりしなかったし。それで今みたいな活動の仕方になりましたね。
Takeshi 逆に、一人じゃ何もできないからね。我々は。三人でやるからこそのことなので。それぞれ勝手にソロで、みたいなこともないよね。
等力 明日の叙景も同じ感じですね。
布 等力はソロいけるでしょ。
等力 やんないやんない。曲提供も3年前にやめたので。
ーやめたんですか。
等力 もう完全にやめました。全断りで。単純に、もう自分の作品を作らなきゃなって思ったんで。
Atsuo Borisも、等力くんに曲書いてもらおう。
等力 僕、スプリットもやりたくない派になってたんですけど、最近Borisがたくさん出してるのを見てたら、やってもいいのかもしれないという気はしてきました(笑)。
Atsuo お互いに曲提供してそれをやるというのが面白いかもしれないね。
ーこれからもいろいろな展開がありそうで楽しみですね。本日は本当にありがとうございました。
一同 ありがとうございました。
<INFORMATION>
Boris with Merzbow ”Heavy Rock Breakfast -Extra-”
7月19日(水)東京・吉祥寺 CLUB SEATA
OPEN 18:30 / START 19:30 TICKETS ¥6,000 (税込/All Standing /1 ドリンク代別途必要)
<問>クリエイティブマン:03-3499-6669
<チケット発売プレイガイド>イープラス / チケットぴあ / ローソンチケット / ZAIKO ※チケットの購入には、Zaiko アカウントの登録(無料)が必要となります
※クリエイティブマンの公演ウェブサイトに掲載されている注意事項を必ずご確認いただいた上でチケット購入、来場ください。
※公演の延期、中止以外での払い戻しはいたしません。※未就学児(6 歳未満)のご入場はお断りいたします。
主催:VINYL JUNKIE RECORDINGS 協力:クリエイティブマンプロダクション
https://www.creativeman.co.jp/event/boris-with-merzbow/
明日の叙景 Solo Concert "Island in Full”
7月23日(日)大阪・南堀江SOCORE FACTORY
<問> 南堀江SOCORE FACTORY 06-6567-9852
2023 年8月27日(日)東京・代官山UNIT
<問>クリエイティブマン 03-3499-6669
https://www.creativeman.co.jp/event/asunojokei/
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