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君島大空 合奏形態インタビュー この4人で演奏することが特別な理由

Rolling Stone Japan / 2023年8月15日 17時45分

君島大空 合奏形態(Photo by Kana Tarumi)

うだるような暑さのなか、フジロック初日(7月28日)のFIELD OF HEAVENに登場した君島大空 合奏形態の4人は、出番直前のサウンドチェックから音の実験に取り組んでいた。君島(Vo, Gt)、西田修大(Gt)、新井和輝(Ba)、石若 駿(Dr)の4人がフジロックに出演するのは2019年のROOKIE A GO-GO、2021年のRED MARQUEE以来となるが、今回のステージには心底驚かされてしまった。

シンセやドラムパッド、エフェクターなどの機材を駆使した大胆なリアレンジに加えて、メタル的でテクニカルなギターソロ、空間を捻じ曲げるようなループやコラージュ、人力ハイパーポップのような演奏など「そこまで攻めるか!」と言いたくなる展開のオンパレード。おまけに、君島ならではの詩情、この4人だからこそのアンサンブルもこれまで以上に冴え渡る。今年1月リリースの1stアルバム『映帶する煙』に安住せず、その先の未来へと猛スピードで突き進む60分間だった。

そして、ライブ終了後すぐに、合奏形態の4人を取材。フジロックで見せつけた最新モードへの手応えと、このバンドにまつわるエピソードの数々を語ってもらった。いまや日本の音楽シーンに欠かせない重要人物からなるバンドだけあり、ライブ/レコーディング以外で揃う機会は多忙ゆえに限られ、合奏形態でのインタビューは今回が初となる。この翌日には独奏形態としてPYRAMID GARDENに出演するなど、2つのスタイルを使い分けながらライブ活動を行なう君島だが、彼とメンバーにとってこのバンドで演奏することの意味とは? 缶ビールで乾杯してから大いに語ってもらった。


─最高のライブを終えて、まずはみなさんの感想を聞かせてください。

君島:ヘヴンでやるのは夢だったんですよね。ルーキーで初めて出演したのが2019年(2日目の深夜)だったんですけど、その年にこれまで知り合ってきた友達とか、SNSだけで繋がっていた人たちとフジロックでようやく会う、みたいなことが結構あったんです。それで翌日の夜、ジェイムス・ブレイクをWHITE STAGEを観る前にヘヴンに行ったらクルアンビンが出てたんですけど、あのときの雰囲気がメチャクチャ狂ってて(笑)。みんな気持ちよさそうで最高だなと思ったんです。

そのときのイメージがすごく強くて、あそこに自分も出れたらなって当時からぼんやり思っていたので、こうして出演することができて嬉しかったですし、内容も今までで一番……やりたいことが形になっていたような気がします。新しく試したことがかなり多かったんですけど、思った通りにうまくいったと思える瞬間が多かった。そこがよかったですね。


君島大空(Photo by Kana Tarumi)

─「新しく試したこと」というのを具体的に言うと?

君島:なんて言うんだろうな。かなり過激な……回線の使い方?(笑)。

西田:シンプルに説明すると、まずは君島大空がCharvelのロック式エレキギターを買ったんですよ。

君島:そう、フジロックのために買いました。

西田:あのギターを使った過激なアーミングダウンとアーミングアップ。まずはこれをやりたかった。なんなら、そのために(曲間の)インタールートを作った。さらに、駿にSimmonsのドラムパッドを導入してもらったんですけど、これも今回が初。もちろん普段は使ってないけど、フジロックでは頼むよってことで。

石若:初登場!

西田:あと、和輝のシンベ(シンセベース)は最近登場していたけど、今回はそのシンベを別回線に分けて、俺たちのラインを一台のミキサーに突っ込んだんですよ。だから、(バンド演奏のピッチが)いきなり全部上がったり下がったりしたところがあったと思うんですけど、あれをやりたかったんです。

君島:僕の声とギターも、駿さんのパッドも、和輝さんのベースもすべて修大メンのミキサーで操作することで、こう……。

西田:グニャグニャするっていう。あれがやりたくて。

君島:新しく試したのは、大きくその2つですね。

─あそこは強烈だった! 「過激な回線の使い方」をしてましたね。

西田:今日のライブは、自分たちとしても面白いと思えることをやれた確信が結構あって。しかも、「どうですか!」と反応してほしいポイントで、お客さんが「イエイ!」となってくれてたのもすごく嬉しかった。頑張ったらいいことあるなって。


西田修大(Photo by Kana Tarumi)

─新井さんは過去のフジロックで合奏形態のほかにも、King GnuでRED MARQUEE(2018年)とGREEN STAGE、millennium paradeでWHITE STAGE(共に2021年)に出演していますよね。

新井:ヘヴンに出るのは初めてだったんですけど、まずはロケーションに感動しましたね。(観客としての視点では)見たことあるけど、ステージ側からの景色は初めてだったので。グリーンともホワイトともレッドとも違う景色というか。ここが最も一体感の生まれやすいステージなのかもしれないと思いました。

というのも、ヘヴンは自然の膜が張られているような感じがして。レッドは(屋内なので)物理的に膜があるじゃないですか。ホワイトはもっと視覚がドーン!と開けた感じ。グリーンも自然に囲まれているけど、とにかく広い。そういう意味で、ヘヴンはお客さんとの距離も近いし、野外なんだけど閉じているというか。その感じがすごく合奏形態に合ってるし、出てみてすごく感動しました。

君島:ライブハウスっぽいよね。

西田:別世界って感じがする。


新井和輝(Photo by Kana Tarumi)

─石若さんはどうですか。

石若:個人的な話で言うと、合奏形態が始まってからたくさんライブをしてきたなかで、今日が一番精魂こめて演奏することができたというか。脳みそで考えてることと体が分離しているような感じ。いつもは(その2つが)合わさって伝達している感覚なんですけど、それぞれバラバラの状態で、しかも新しいシステム(Simmons)もあったので「不思議だな」みたいな。新感覚でした。

西田:今日の駿はアガって叩いてたよね。それは見ていて思った。

─たしかに、いつにも増して気合が入っていた。

石若:あと、2019年のルーキーで「遠視のコントラルト」をやったとき、映像も残ってますけどオーディエンスもすごく盛り上がってくれて。あの頃を経て、今日の「遠視」の1サビでバーン!って一発目が入ったときに、いろんなことをふと思い出して。すごくエモーショナルな気持ちになったんですよね。

君島:僕も「遠視」をやってるとき、あの曲で駿さんのドラムをレコーディングしたときのことを思い出した。「おわー!」みたいな(笑)。

石若:今日の「遠視」はそういうふうに、このバンドの記憶や思い出みたいなのが詰まった演奏だったなと。それがすごく気持ちよかったです。

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石若駿(Photo by Kana Tarumi)

─Simmonsの導入については意外すぎるというか、石若駿が使ってるのを初めて見ましたけど。

石若:僕はエレドラ(電子ドラム)やパッドを使うことが全然なくて。だから、「できないです」「持ってないです」「得意じゃないです」と、いろんな現場で言ってきたんです。音を鳴らしても楽器感がなくて、人力でやる方がやっぱり好きなんですよね。

でも、Simmonsは楽器感がすごくあって。ちゃんとスネアの音がサブスネアに聞こえるし、楽器であるという重み、楽器として演奏している感覚があって。それで導入してみたらすごくよかった。

西田:見た目もかっこいいしね。駿には基本的に生ドラムでやってもらいたいというのはこの先も変わらないけど、今回やりたいことを踏まえたとき、生音ではどうしてもダメで、駿にもチャレンジしてもらう必要があった。そこで、何を使おうかとなったとき、「Simmonsがよくない?」ってことで、借りることにしたんだよね。

新井:ウチのドラムから。

─そうか、勢喜遊さん(King Gnu)のSimmonsだったんですね!

石若:いい楽器だなと思いましたね。「ああ、ついにSimmonsをセットできた」と感動しました。実は夢だったんですよ。誰か友達のドラマーが買ったら「どうなの?」って聞いたり、ずっと気になってたので(笑)。

西田:去年、このバンドでフェスに出るときは、出演時間が短かったのもあって「フェスだったらこういう曲、こういうセットをやらなきゃ」というのを変に意識していたんですけど、そういうふうに続けていると合奏形態がちょっとずつ弱っていくから。頑張ってチャレンジすることで強くなっていくバンドなんですよね。そういう意味では、今回は普通ならワンマンでやるようなことに挑みました。

新井:これはフェスに持っていくセットやサウンドシステムじゃなかったね。

君島:こんなこと言うのもアレかもしれないけど、(フジのセットリストには)全然練習してない曲もいっぱいありました。「そういえばこの曲、2回ぐらいしかやってない」みたいなのとか(笑)。 でも、新しい要素を取り入れながらスタジオで詰めた、普通にフィジカルで(生演奏するのは)難しい曲を4人でやると、なんか勝手に良くなってたりする。それが合奏の……。

西田:特徴だよね。リハの初日が終わってからキミ(君島)と電話して、 「やっぱり合奏はこうだよね」って。この感じ。しんどいけど。

君島:脳が焼き切れるぐらい色々やらないと、充足感が得られない。

西田:そういう場だね、このバンドは。

1人で作ったものが、4人の演奏で生まれ変わる

─でもたしかに、2019年にルーキーに出たときの合奏形態はギター、ギター、ベース、ドラムというシンプルな編成だったけど、今日のライブはあの頃に比べると機材もかなり増えているし、「マジで!?」という展開がすごく多かった。

西田:よかった。


Photo by Kana Tarumi

─その変化を強く感じたのは、7月半ばに発表されたニューシングル「˖嵐₊˚ˑ༄」。エレクトロニックミュージックの要素が強いので「この曲はライブでやるのかな?」と思ったら、合奏形態の演奏でとんでもない形に生まれ変わるという。もともとは君島さんが一人で作った曲なんですよね?

君島:そうです。1月にアルバムを出したんですけど、その後もとにかく曲を書いていて、それらを物凄い速度でまとめる作業を最近やっていて。そこから修大メンと「なんかさ、スクリレックスがさ」みたいな話になって。そういえば昔聴いていたな、みたいな。



─意外(笑)。

君島:相模大野にメチャクチャ暗い喫茶店があって、2人でよくそこで会議をするんですけど、「スクリレックスいいよ」みたいな話になって。僕は20代前半、本当に音楽活動を始めたての頃にそういう(EDMっぽい)BGMを作る仕事をしていたんですよね。だから「ちょっと待って、意外に得意なんじゃないの」と思って。

西田:あれからすぐ作ったよね?

君島:そう、次の日に1日で全部作った。

新井:そうだったんだ。すげぇ……。

西田:それこそあのとき、フジの話をしてたんですよ。セットリストを考えながら「どんな曲やろうか?」と話し合っていて。で、今日のライブで「˖嵐₊˚ˑ༄」の次にやった「花降る時の彼方」に転調して2段階(キーが)上がるところがあるから、「あそこでいつもと違うサウンドで上げたくない? ダブステップっぽい感じでドンドン!みたいなのどう?」と提案したら、次の日には「˖嵐₊˚ˑ༄」が完成していた。

君島:そういえば俺、ダブステップやってないわと思って。フジもあるし、なんか用意できたらとは考えていたんです。それでそういう話があって、 気持ちがアガって1日で作った曲ですね。

西田:だから、ライブでやるためにキミが作った曲とも言えるよね。その結果「ライブでどうすんの?」って曲になっちゃったわけだけど。

─(笑)。

西田:「回転扉の内側は春?」という曲も、もともとキミが一人で全部構築した曲だから、今年1月のZepp(KT Zepp Yokohama)で初めてやったんですけど、ライブでやるのが難しすぎて。でも、そういう曲を4人でやると良くなるのが合奏のシステムとしてあるんですよね。「散瞳」とかもそう。





君島:このことで悩んだ時期は正直ありました。合奏に照準を合わせて曲を作るっていうのは難しすぎるし、でもそうしないとライブができない。色々考えたんですけど、最近そこが一周して。僕が何も考えないで一人で作ったものを、みんなに渡せば意外に形にできるぞっていう。すごく乱暴な考え方なんですけど(笑)。でも、1回そうしないと自分の作品にならないので。

西田:結局、合奏でやることで(原曲と)違うサウンドになったとしても、同じような純度でアウトプットされるじゃん。それが面白いから、このまま続けてほしい。

君島:だからやっぱり(合奏形態は)進化してると思うし、その一方で変わらない「確実な良さ」みたいなものもあって。そこはずっと心配しなくていいんだろうなって、今日のライブで思いました。

メンバーが考える、合奏形態で演奏することの意味

─君島さんは一人で曲づくりもできるし、独奏形態でのライブも並行して行っているわけですよね。他のお三方も言わずもがな、いろんな現場で日々演奏している。そのなかで、この合奏形態というバンドで演奏することは、みなさんにとってどういう意味を持つものなんでしょう?

石若:未来が本当に楽しみなサウンドだと思う。ざっくりしすぎてるけど……。

西田:今日は特にそう思えたよね。

石若:果てしない可能性がどこまでも広がってるというか。ここまで思えるバンドっていうか、音楽の集合体ってそんなにない気がする。そこがすごくワクワクするんですよね。この4人でライブをやりながら、どこにもないサウンドをどんどん生み出している感じがする。特にここ数年はそう感じることが多くて、「どんな景色が見れるんだろう?」みたいな。

新井:僕の場合はやっぱり、メインのバンドがあるのが前提の活動にはなるんですけど、立ち返る場所としてこういうプロジェクトがあるのは、自分にとって本当にありがたいんですよね。今日のライブみたいに、フィジカルとデジタルを行き来する現場は他にないので。King Gnuのライブでは基本的にシーケンスを流すから、その良さもありますけど、そうなるとチャレンジングなことはどうしても制限される。かたや合奏は、限界まで有機的に解体して、この4人で表現していくことに重きをおいているわけで。そういう場に身を置けることが救いにもなっているし、循環をもたらしているようにも思います。ここで得た体験をKing Gnuに転化させることもあるし、King Gnuで得た経験をここで活かすこともできる。そういう循環が生み出されているのは、精神衛生上にもすごくいいし、とにかく楽しくやってます。


Photo by Kana Tarumi


Photo by Kana Tarumi

西田:例えば、キミとコーヒーを飲みに行って「こういうことやってみたいな」って話になると、そこでできるだけ想像して、実現させるために具体的に考えるんですよ。そのために必要なものは何かって。そういうことができる場所があるっていうのが最高じゃないですか。それがまず、自分にとってあまりにも価値のあること。

それで自分がアイディアを持っていくと、駿や和輝がすげぇ演奏をして、「そうだ、こいつら勝手にここまでやってくれるんだった」と感激するわけですよ。そこからまたアイディアを練っていくと。そんなふうに影響を与え合いながら、ずっと面白いことができている。

最初にこのバンドを始めたとき、「遠視のコントラルト」の間奏でグリッチさせてダーン!と入ってくるところで、メチャクチャ新しいことをやってると思ったんですよね。「散瞳」を初めてバンドでやったときもそう。で、今日の「˖嵐₊˚ˑ༄」や「花降る時の彼方」は、あの頃の俺たちよりも全然また面白いことをやっているように感じられた。ずっと前に進めてる感覚があるんですよね。これはすげぇ幸せなことだなって。

─なるほどね。

西田:あとはやっぱり仲良し。友達じゃなかったら無理だなってことがいっぱいあるんですよ。今日のライブも、俺が(ミキサーにある)2つのボタンを押さないと、キミと駿の音が出なくなる瞬間があったんです。つまり、何かあったら二人のミスに聞こえちゃうかもしれない。でも、「信じて飛び込んでね」みたいな。

─西田さんはミュージック・マガジンのインタビュー(2023年2月号)でも、「大前提としてめちゃくちゃ友達だから、自然に思いやれるし、無闇に気を遣う必要もないので、それぞれに負荷をかけた極端なアレンジもやれてしまう」と話していましたよね。

西田:そんな状態でライブするなんて普通はありえないけど、この人たちとだったらやっていいんだなと思える。そういう場面がお互いにあって、友達じゃないとこんなことできない。その信頼関係が制限を外して、新しいアイディアにつながるんですよね。

合奏形態が初めて一緒に音を合わせた瞬間

─その信頼関係を育む過程を振り返るためにも、合奏形態が生まれた瞬間の話も聞いてみたいです。君島さんと新井さんは高校生の頃に福生のライブハウスで知り合い、西田さんとは2017年に三軒茶屋で開催されたギタリスト・セッションを通じて意気投合し、そこから石若さんのSong Book Trio(西田も参加)との対バンにつながっていったわけですよね。その後、合奏形態が始動するのは2019年4月のこと。初めて一緒に音を合わせた瞬間はどんな感じだったんですか?

新井:なんかさ、スケジュールが結局合わなくて。

西田:当日にやったっしょ。

君島:そうそう、初ライブのリハを当日にやったんですよ。

新井:3人のリハは先にあったんだよね、新宿のスタジオペンタで。それで「やってみよう」ってことでバーン!って演奏したら、1回で君島が爆笑して「OKです、これで大丈夫です」と言ってたのを覚えてる(笑)。「都合」か「19°C」をやったんじゃなかったかな。

君島:それで、下北沢THREEでの初ライブ当日(2019年4月19日:1st EP発売記念夜会『午後の反射光』)に駿さんが来て、たしか3〜4時間くらい会場近くのリハスタに入って……。

新井:ANDY'Sだったはず。

君島:それでそのまま(本番を)やったんだよね。だから、リハの記憶があんまりない(笑)。

西田:で、2回目のライブがフジのルーキーなんですよ。この辺も合奏らしいね(笑)。

君島:「この3人に集まってもらえて嬉しい」みたいなことを考える暇もなくライブをすることになり、ルーキー出演が決まるみたいな感じだったから、僕は正直、3人に対してそんなに重い気持ちはなくて。もちろん、それぞれに対して強い気持ちはあるけれど、抱きしめすぎなくてもいいというか。自分がきちんと進んでさえいれば、手を離してもそこにいてくれる人たちだと思っているので。だからこそ、僕は自分の音楽を頑張るしかないし、いい意味で最初の印象はない(笑)。

新井:そのときのANDY'Sでのリハがどんな感じだったかは覚えてないな。

西田:覚えてないよね。

君島:とりあえずテンションが全員高かった。「やっと4人でやれるぞ! 西田がメチャクチャデカい(エフェクター)ボードを持ってきたぞ!」みたいな(笑)。

新井:ステージからちょっとはみ出てたよね(笑)。

石若:話を聞いてたら、だんだん思い出してきた。そのTHREEでのライブがすごく良かったんだよな。

西田:あのとき良かったから、俺ら今でも一緒にやってるところあるよね。

君島:最初は本当に「一回だけでいいかな」と思ってたんですよ。友達を集めて、僕のレコ発を一緒にやってもらうためのバンドというつもりだったから。

新井:一回限りみたいなニュアンスも当時はあったよね?

君島:あったあった。でも、やってみたら悔しかったんです。自分が歌えなさすぎて。それで……(小声で)もう一回このメンバーでやりたいなと思ったらフジが決まって。こうして今も続いていると。

─話を聞いていると、合奏形態にとってフジロックの存在がかなり大きかったんですね。それに、この4人は音楽でつながってるんだなと改めて思いました。

西田:たぶん、人間の相性がいいんです。そういう感じがする。みんなカバーしてるものがそれぞれ違う。

君島:そうだね、違いすぎる。

新井:でも俺が思うには、人間性もありきなんですけど本質的なところで、ステージ上で鳴ってるものがすべてだっていう認識もみんな絶対あるから。そこで信頼できていないと、そもそも成り立たないと思っていて。ステージ上でバーン!とやったときの、あの感覚こそが全てだよねって。

君島:うん、それは本当に強くある。

西田:めっちゃそうだね。だからこそ、安心して友達でいられるところはある。基本的に、すげぇ頑張らないとついていけないメンバーなんですよ(笑)。


Photo by Kana Tarumi

─では最後に、8月16日に合奏形態でのワンマンが控えているのでその話を。なんかすごいイベント名ですけど。

君島:「THE SADDEST TEMPEST」、もっとも悲しい嵐。

─また今回みたいにチャレンジングなライブになりそうですか?

君島:新しい曲が増えると思います。単純にやっていない、どこにもまだ出していないものやるし。今回使った仕組みも使うでしょうし。

新井:フジで僕らを観てから来る人も多いと思うので、今日のいいところをがっつり入れられたらと思ってます。

西田:でも、また絶対進んでるだろうね。今日の面白かったところにプラスして、もっと面白いことをしようと。

石若:フジから8月16日までは短い期間だと思うんですけど、そこでまた何かが生まれる場所が合奏なんですよね。それでまた、新しい景色を見ることができる。

西田:今日、思い描いたとおりのライブができたら、自分たちにとってエポックメイキング、最高だぜって思えるかなと考えていたけど、ちゃんとインフレしていってるんですよね。この流れを止めないようにしなきゃいけないわけだから、すっごく色々考えなきゃいけなくて。最高な人生だなって思いました。キミは当日、何やりたい?

君島:すっごいコピーしたくなるし、コピーするんだけど、絶対にコピーができないツインギターの曲をやります。シンプルな方向性も、最近は回帰的に見直し始めているので。

─そういえば今日のライブで、君島さんがギターを弾き倒してたのも最高でした。「そういえば、もともとメタラーだったんだよな」と思い出したりして。

君島:今もそうなんだなって、笑ってもらえたら(笑)。


君島大空 合奏形態ワンマンライブ
「THE SADDEST TEMPEST」
2023年8月16日(水)東京・渋谷CLUB QUATTRO ※SOLD OUT
公演詳細:https://smash-jpn.com/live/?id=3968


君島大空
「˖嵐₊˚ˑ༄」
配信リンク:https://ultravybe.lnk.to/arashi

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