ヌードの代役が私に教えてくれた、出会い系アプリについての教訓 米
Rolling Stone Japan / 2023年8月25日 21時45分
2020年1月5日、カリフォルニア州ロサンゼルスで行われたHBO主催ゴールデングローブ賞オフィシャル・アフターパーティに出席したダイアン・ファール(MICHAEL TRAN/FILMMAGIC/GETTY IMAGES)
女優ダイアン・ファール(ドラマ『Fire Country』)が、ヌードの代役を雇った奇妙な経験とそこから学んだ教訓を米ローリングストーンに寄稿した。
【画像を観る】Facebook本社前に掲げられた「乳首の写真」
ヌードは仕事ではやりたくない。でも職業上わりとよく打診を受ける。あまりにもしょっちゅうあるので、一度だけ私の代わりに脱いでくれるヌードの「代役」を要求したことがあった。ちょうど双子を出産したばかりのころで、まだ授乳していた。視聴者以上に私自身が、こんな時期に自分の裸体をTVにさらしたくなかったのだ。
それから15年後、気づけば独り身だ(双子は大きく成長したが、結婚生活は終わった)。自分でもびっくりだが、代役を雇った経験がオンラインデートで知っておくべきことをすべて教えてくれた――誰もが出会い系サイトで楽しい思いをするとは限らないので、私にとっては大収穫だった。同時に私の顔はそれなりに知られているので、私のプロフィールを見ていいなと思った人が、今日Rayaアプリで女優さんを見つけたと友人に話すケースも出てくる。そしてその友人は元ダンナだったりする。本当の話だ。あるいは、Hingeアプリの私のプロフィールを写真に撮って、Instagramのストーリーにタグ付きであげたりする。これまた悲しいかな、本当の話だ。
さらに最悪なことに(実はまだ続きがある)、そういう人たちが私の仕事にいちいち口出す場合もある。それも、気に入らない役どころについてだ。
その中でもとくに私のお気に入りは、
「TVであなたの乳首を見たことがあるけど、吸ってみたいもんだね」
あらそう、でも私の乳首じゃないんですよね。あれは代役なんですの。私も最初に目にした時、自分のだったらいいなと思いましたから、気持ちは分かります。事の次第はこうだ。
私がトレーラーに1人でいると、大きな封筒がドアの下から滑り込まれた。中を開けてみると、女性の裸体の写真が入っていた。正確には顔の部分が見切れた、首から下だけが映ったA4サイズの写真だ。うっかり『The Idol』の養成所に紛れ込んだかと思っても不思議ではない。だがすぐに、写真を依頼したのが自分だと思い出した。ここから私のふりをしてくれる身体を選ぶのだ。さあ、どうぞ。
CBSのドラマシリーズ『Fire Country』でシャロン・レオニを演じるダイアン・ファール(SERGEI BACHLAKOV/CBS VIA GETTY IMAGES)
他の女性の裸体を見るのはなんとも奇妙だった。だがもっと奇妙だったのは、自分がすぐに慣れてしまったことだ。女性たちの筋肉のラインや脱毛した肌はとても勉強になった。だが驚いたのは、顔や服装で差別化しなくても個性が光り輝いていることだった。みな美しい身体をしていた――唯一違う点は足首から下の部分だった。1人はハイヒールを履いていて、もう1人は裸足。別の1人も裸足だったが、ハイヒールを履いているかのようにつま先立ちしていた。
だが私が選んだ女性は、これぞ裸の戦士という感じだった。彼女も素足でつま先立ちも厭わない様子だったが、片方の脚がやや外側に向いていて、ヌードのオーディションにも動じず、むしろうんざりしているような印象だった。とくに私の気を惹いたのが背中のカーブだ。実に見事な曲線美だった。あばらを前に突き出し、直感に忠実。自分の身体に自信を持っていた。私自身もそうだった。
その女性が撮影セットに到着すると、私は一目散に駆けて行った。とてもきれいな女性だと今更ながらに気づいた(ここまでだと思っていただろうか?)。すると彼女が口を開いて話し始めた。出てきたのは蚊が泣くような細い声――近づかないと聞こえないほど小声。しかも手ときたら繊細で、こんにちはと握手しただけでへし折ってしまいそうだった。
「戦士」とはまるで正反対だ。
私は逃げ出したくなった。だが契約があったので、そうもいかなかった。ハイヒールの女性とチェンジしようかとも思ったが、それも無理だった――彼女の方も契約があったからだ。こんなか弱い人間がTVの撮影セットで食い物にされるなんて、それも私のせいで。そんな恐怖に打ちのめされ、私は何も言えなかった。だが彼女は礼儀正しく小声で私に話し続けた。今日ここで裸になって、発掘されることを期待する無垢な人間だということがありありと見て取れた。人選ミスに気が遠くなりそうだった。
ダイアン・ファール(PAUL ARCHULETA/GETTY IMAGES)
出会い系サイトで最初の頃にマッチングした人からも、同じような反応をされた。あのTVの役は良くなかったとか、あの役柄は合ってなかったから引き受けるべきじゃなかったとか。ええっ?! デートの相手として言ってるんですか? それとも役を演じる女優としてですか?
答えは両方。みな典型的なイメージにはめていたのだ――私たちはみな、もっとも原始的かつ直感的な型に自分自身や他人を当てはめる。私が顔の見切れた裸の女性の写真を見た時もそうだ。「戦士」だと思った女性は、いざ撮影セットに現れてみると「ミューズ」だった。そこではたと気が付いた。これは自分の問題なのだ。彼女の裸体は私がヌードの代役に彼女を選んだ理由とは無関係なのだから、私自身が母になる自分についてセラピーで掘り下げるべきことなのだ。のちに私に言い寄る男性もおそらく同じ理由で、私にはFBI捜査官(「あの時ぐらいの豊かな長髪がいいな」)、消防士(「僕を持ち上げられるほど力持ちじゃなさそうだね」)、大学教授(「あなたを想定してあの役を書けるのは男性だけだ」)のイメージに合わないと思ったのだろう。
少なくとも、私は自分の判断を胸にしまっておいた。その方が私にとっても、その日雇った囁き声の代役にとっても好都合だった。撮影セットの彼女は、服を着ても脱いでも輝いていた。彼女に自分自身(私)を投影していない人たちは、真のミューズ(彼女)に魅了されていた。この時の経験は、次に出会い系アプリをやるときの役に立ちそうだ。投稿する写真を選ぶときも、自我を振り回すのは辞めにして、次の恋愛でどんな役回りを演じたいかをベースに――すなわち典型的な型にはめて選ぶことにしよう。
悪女。誘う女。美魔女。(セクシー、でも私らしくない)
読書好き。内向的。母親。(そういう時もあるが、今はそうはなりたくない)
看護婦。妻。弁護士。(すでに経験済み、もう結構)
戦士。女王。賢女。(実生活はありだけど……出会い系で?)
実際のところ、1枚の写真でどの役にもハマりそうだ。ただ役によって、デート/経験/性生活/ライフスタイルが極端に違ってくるというだけの話。つまり、出会い系アプリの写真がイケてるか、スリムか、賢そうかと悩むのは自分を貶めるだけでなく、時間の無駄だったということだ。
※この記事は、現在行われている俳優組合のストライキ以前に執筆されました。
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