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モー娘。15期メンバーが語る、躍動と成長の理由

Rolling Stone Japan / 2023年8月30日 12時0分

モーニング娘。’23:左から山﨑愛生、北川莉央、岡村ほまれ(Photo by Rika Tomomatsu)

5月には17期メンバーの井上春華と弓桁朱琴が加入、秋にはリーダーの譜久村聖が卒業という激動の狭間にいるモーニング娘。23が、正に「シン・モーニング娘。ここにあり!」と言わんばかりの凄味を見せつけたのが、6月の「モーニング娘。23 25th ANNIVERSARY CONCERT TOUR glad quarter-century~at 日本武道館」だった。結成25周年を記念し、1998年のメジャーデビューから各年1曲以上をセレクトしたメドレーを含め、全45曲を披露。そのなかでも強烈に印象に残った15期の3人、北川莉央、岡村ほまれ、山﨑愛生に今回インタビューを実施。誕生25周年を記念したアルバム『モーニング娘。ベストセレクション〜The 25周年〜』の話も含めて、15期の「今」を掘り下げた。

【写真を見る】北川莉央、岡村ほまれ、山﨑愛生

—6月26日に開催された武道館コンサートを拝見しましたが、15期が躍動していたことに感動しました。

一同:ありがとうございます!

—15期で加入して1年経たずにコロナ禍になり、ツアーが中止になったり、声出しできなかったり、普通じゃない状況が長く続いていましたが、先日の武道館で「やっと戻って来た、モーニングが!」と心の底から実感しました。当事者である皆さんものびのびと力強くパフォーマンスしていたと思いますが、まず武道館を振り返ってみてどうですか?

北川:50%とか85%の収容率ではなく、久しぶりに100%のキャパでお客さんを迎えることができました。武道館の100%は、私たち初めて観たんですよ。ペンライトが密集している感じとか、今までライブ映像で見ていた景色をやっと生で観られて、ファンの方の大きな声援がイヤモニをしてても聞こえて。素直に立てたことがうれしい!っていうのが、まず一番にありました。

岡村:私は普段のハロー!プロジェクトのコンサートの、メインステージからセンターステージに出て行く姿がかっこよくて好きだったんですね。その状態にようやく戻ったというか、ツアーファイナルっていう点で言うと、コロナ禍前の代々木(「モーニング娘。19コンサートツアー秋 〜KOKORO&KARADA〜FINAL」)以来のステージセットで。あと、誰も卒業しない武道館が初めてでした。最近は先輩を見送ってたイメージがあったんですけど、今回はそれも違ったのがうれしかったです。

山﨑:ステージの場所によってはお客さんとの距離が近くて、マスクも外せるから表情を間近で見ることができたのもすごく楽しかったです。声援が解禁されたときも「愛生ちゃん〜」ってコールが入るとうれしかったんですけど、会場が倍の広さになって、お客さんの大きい声を聞くことができました。個人的にはコンサートの2日後が誕生日だったので、17歳最後のステージが武道館ってかっこいいなと思いながらやってました。



—武道館では久しぶりの、段差を使ったステージのフォーメーションも見られたし、コロナ禍の360度ステージももちろん良さはありましたけど、従来のステージセットの方がモーニングのカッコよさが活きるなと思いました。

岡村:通常のステージだったら、後ろを向いて段差を上がる時とか、ひどい顔をしてる時が時々あるんです(笑)。でも360度ステージだと、全部お客さんに見られてしまうので、いつでも可愛い顔をしていなきゃいけない。あとはリハーサルが本当に大変でした。自分がどこにいるのか分からなくなってしまうので。

北川:いつもはセンターステージの自分の番号を覚えればいいだけなんですけど、360度だと、例えば「2番」だけでも8カ所あるので、どこにいるか分からなくなってしまうんです。だからライブを楽しむっていうよりは、位置を間違えないってことに意識が向いてしまって、でもそうすると今度は歌詞や歌割を飛ばしちゃったりするので、「気をつけなきゃ」って緊張感が凄いんです。ファンの方ともうちょっとコミュニケーションがとれるはずのステージだったのに、それが十分できなかったと思ってます。だから今回従来の形に戻れて自分の気持ちも軽くなりましたし、お客さんとのコミュニケーションをいっぱい取れるようになってよかったです。

—コロナ禍では、武道館でやるときは360度ステージで、地方公演では普通のステージだったんですか?

北川:そうなんですよ。地方では、今回のメインステージみたいな感じでやってました。

山﨑:武道館だけ違う感じでした。

岡村:ほぼ1から作り直さなきゃいけないんですよね。

山﨑:段差があると同じ番号でいいわけじゃないですか。1階の3番と3階の3番、同じ3番でフォーメーションが組める。それが360度になって平らなステージになると同じようには行かないので、頭がこんがらがってました。

—ツアーの集大成を武道館でお披露目するってことが多いと思いますが、武道館だけステージセットが異なると大変そうですね。集大成というより、新たな公演というか。

北川:新しいコンサートみたいな感じでした。

—今回はそうではなく、武道館でも他の公演と同じセットでできて、本当の意味でのツアーの集大成を見せられた。

岡村:はい。余裕を持ってできた気がします。

—MCで岡村さんが「今日ステージに立って声援の中でライブをして、自分はアイドルなんだって実感を持てた」といった内容のことを言っていましたが、やっぱり特別な気持ちになりましたか?

岡村:自分がお客さんの声を聞けたのは、バースデーイベントが最初だったんです。今回、歌にコールがあるのを聞いたときに「久しぶりだな」って思って。アイドルをしててコールがないって、普通だったらあんまりないじゃないですか。やっぱりそれってちょっと寂しいんですよね。ハロー!プロジェクトの曲はコールありきの曲が多いので、それがないだけで全然雰囲気が変わるし、自分たちだけが歌っててお客さんは拍手でしか応えられない状況に、どこかもどかしさを感じていたというか。でも今回はファンの皆さんの声からも、前へ前へって姿勢からも、いい意味で圧を感じて。それありきのアイドルだなっていうか、皆さんと一体感が作れてこそ素敵な光景になるのかな、と思いました。心で一つになれた感があって、すごく素敵な思い出になりました。

山﨑:コロナ禍の間に発表した曲もあったから、どういうコールになるんだろうって思ってたけど、声援ありでやってみて、「ここで名前のコールが入るんだ」とか、「ここは拍手のままなんだ」とか、新たな発見がありました。今回初めて聞けた有名なコールがあったり、今まで感じたことのない感情になって楽しかったです。


コロナ禍を経て

—コロナ禍の約3年間があったことで、成長した部分もあると感じますか?

山﨑:「表情が大人っぽくなったね」とか「いろんな表情ができるようになったね」って言ってもらえることが増えました。声が出せないときはしっとりめのバラードとか、あまり笑わないクールな曲もやっていたので、そういうところで表情の表現の幅が広がったんじゃないかなって思います。それが今にも生きてて良かったです!

北川:15期とアンジュルムの橋迫鈴ちゃん、Juice=Juiceの工藤由愛ちゃんと松永里愛ちゃんが同期の世代なんですけど、そこが一番、いろんなコンサートを経験できた世代だなって思ってて、その経験を強みに生かせてると思いました。通常のコンサート以外にも、新メンバーが初めてハロコンに出たときにみんなで自己紹介をしたり、初参加もやり遂げた中でバラードをやったり、ハロー!プロジェクトのグループをごちゃ混ぜにしたり……。他のグループの先輩から学べることもたくさんありましたし、先輩方が経験してこなかったであろうコンサートを、加入してからの1〜2年でたくさん経験できました。あと”花鳥”と”風月”に分かれて、それぞれ歌とダンスを専門的に突き詰めることもできましたし、そういうところでもこの時期に入れて良かったなって思います。自分もコロナ禍でパフォーマンスに対する意識が変わったし、少人数制のイベントが増えたことで先輩と深く関わることもできて。パフォーマンスについての考え方や、どういう風に普段研究しているのかを聞けて、私は良かったなって思います。

—最近のライブを見ると、北川さんの歌唱力の安定感が凄いなと思っていて。歌唱に対する姿勢も変わってきましたか?

北川:加入してから、長い目で自分がどうなりたいかをずっと考えてて。1年目はここまでを目標にしよう、2年目はこうなろうっていうのを、加入当初から考えていたんです。以前はリズムが得意じゃなかったので、とりあえずバラードを突き詰めて曲の表現を学ぼうと思って、いろんな先輩から吸収して真似したり、家で踵(かかと)をつけないでリズムを刻む練習をしたり、そういうのを2、3年かけてコツコツ練習してきて、今やっとこれまで培ってきたものが報われ始めてきたかなって思ってます。その姿勢は先輩の佐藤優樹さんから学ぶことが多くて、(佐藤さんの)昔のライブ映像とか、今やられてるソロを見て、そこから学んだことを自分にどう落としていくか研究しています。



—日々そうやって意識しているからこそ、フィードバックも自然とできてるんですね。

北川:そうですね。自分の現状を知って目標を立てることを定期的にやるようにしていました。3カ月に1回くらい、だいたい1ツアーが終わったくらいで振り返って、「次のツアーはこうしていこう」とか、「今度こういう歌い方でレコーディングしてみよう」とか。一番試行錯誤してたのは2020〜21年くらいで、今はそれを経て自分なりの歌い方を確立できましたし、割と満足いく声が出せるようになってきました。でもまだまだです。



—岡村さんは昨年のインタビューで、「私にしかできないこともあると信じながら、譜久村さんたちが一番上の代にいらっしゃってくださるうちにたくさん教えてもらって、後輩が入ってきた時に教えられるようにするのがお仕事だなと思います」と話してくれましたが、今はどのように考えていますか?

岡村:コロナ禍で、ハロー!プロジェクトの皆でいろんな企画に挑戦したじゃないですか。初めてやることが多くて、求められてるものが難しくて、私的には悩む時もあったんです。モーニング以外のグループの曲も覚えなくちゃいけなくて、頭の中がいっぱいいっぱいになってきて。だけどだんだんモーニングの活動が以前のように増えてきて、去年あたりからパフォーマンスをすること自体がより楽しくなってきたんです。歌い方とかリズムとか、考えなきゃいけないことはもちろんあるんですけど、楽しいが勝つんですよ。楽しいときが一番自分は輝けるって思うし、楽しいのって見てて伝わるじゃないですか。他のグループのライブを見てても、「この子、楽しそうにやってるな」とかって伝わるんですね。そうするとファンの皆さんも楽しい気持ちになってくれるかなって思うので。

—武道館もめちゃめちゃ楽しそうでした。

岡村:楽しいって言葉でしか表せないんですけど、あの空間が素直に楽しかったです。「自分、ここで輝けてるな」とか、「生活している中で今が一番笑ってる時間だな」とか。そういうことを考えたときに楽しい気持ちになれたし、それって素敵なことだと思うので、後輩にもそういうふうに思ってもらいたい。考えることはいろいろあると思うんですけど、楽しくやってほしい気持ちが強いです。

—楽しい気持ちがあると、自分の歌唱やダンスにも影響はありますか?

岡村:あると思います。私は一回失敗すると、「ここ絶対失敗する」って思っちゃうタイプなんですけど、そういうのって表に出るじゃないですか。でも楽しいとやる気がみなぎるというか、踊ってて全然違うなって。それはファンの皆さんが一番分かってくださるんじゃないかなって思います。


Photo by Rika Tomomatsu



3人の繋がり

—山﨑さんは、例えば「わがまま 気のまま 愛のジョーク」の最後の”愛されたい”のパートとかに象徴されるように、ボーカルで締めるべきところをビシッと締める、みたいな役割を任せられることが多くなってきたのかなと思うのですが、ご自身ではグループにどういう貢献ができてると思いますか?

山﨑:パフォーマンス以外では、癒しの存在になれてるのかなと思います。先輩方もいっぱい可愛がってくださるし。18歳なのに可愛がってくださるってことは、癒される存在でいられてるのかなって思って。ファンの皆さんはもちろん、メンバーのこともスタッフさんのことも笑顔にできてるんじゃないかなって自分では思ってます。



—パフォーマンスの部分はどうですか?

山﨑:不得意なことは分かるんですけど、自分は何が得意なのかはよく分からなくて。でも最近、唸り声っぽい感じのパートをいただくことが多くなってきたので、そういうことを求められてるのかなって思います。今は自分に何が求められてるんだろうって考えて、その求められてるものに応えようとしてるところです。まだ得意なことが何かは見つけられていないので、それを見つけられるように頑張ってます。

—不得意なことは何ですか?

山﨑:今まで高い音程を地声で出してたんですけど、本当は出しちゃダメなところまで出してたっぽくて。それを今、裏声で出るように修正してます。大体直ってきたんですけど、そうしたら今度は地声が出なくなっちゃって、いろいろ難しいなと思ってるところですね。ダンスはしなやかな動き、ニョロニョロ、みたいな動きはできるんですけど……。

北川:ニョロニョロ(笑)。

山﨑:止めるところは止めるっていうのが、自分ではできてるつもりだったんですけど、できてないって言われたり、確かに自分の踊ってる動画を見ると先輩方よりもできてなかったりして。キレキレ?  キリキリ? パキパキだ! パキパキ踊るのも、今頑張ってます。


Photo by Rika Tomomatsu

—山﨑さん、前回インタビューしたときに比べて、なんかオーラが増したというか……。

北川 :見た目はすっごく大人っぽくなったなって思います。中身は変わってないかも(笑)。

山﨑:髪切ったからだと思います。

北川:スタイルもめちゃめちゃいいし、最近髪切ったからかパンツスタイルの衣装も増えてくるようになったんですよ。それが1年前と比べると大人っぽくなったなって思いました。

—15期の3人はグループに加入してから大変な時期を過ごすことが多かったと思うんですけど、だからこそこの3人にしか分からない繋がりみたいなものも感じますか?

北川:めちゃめちゃ仲いいですね。

岡村・山﨑:うん。

北川:お互いがお互いを必要としているっていうか。3人で15期っていうのがそれぞれ心の中にあるんじゃないかなって最近感じることが多いです。何でも相談し合えて、例えば「明日、靴持ってくよね?」とか、そういうことも(笑)。

山﨑:さっきも言ってた(笑)。

北川:そういう細かいことから、パフォーマンスの話とか、深い話までできるようになりました。今ではいないとダメな存在なので、日々感謝しながら活動してます。

岡村:全然違う3人なので、一見まとまってないふうに見えるかもしれないんですけど、まとまりすぎてて。

一同:(笑)。

岡村:すごく仲がいいし、3人で固まりたくなるような安心感がある。隣にいると安心するし、頼りになるところがたくさんある2人で、たくさん相談できる。パフォーマンスのこともプライベートのことも何でも言えるので、私は2人が同期で良かったなって思います。

—確かに似たようなタイプの3人じゃなくて、全然違うからこそ補い合ってるところはあるかもしれないですね。

岡村:誰かが卒業しちゃったら、ちょっとバランス違うなって思いますね。

北川:リハーサルとかでお互いのパフォーマンスを見てると、加入したときからずっと一緒にやってきてるので、「こんな歌い方も習得してる」とか、「こんなきれいなダンス踊れるんだ」とか、学びになることも多いですし、それを見て「今こういうことを頑張ってるんだな」とか「こういう部分に特化してるんだな」って感じます。

—いい意味でライバルとして刺激になっている部分もありますか?

岡村:ライバルなんですけど、戦闘モードではない。バチバチしすぎてると雰囲気悪いのがお客さんにも伝わるじゃないですか。頑張ろうとしてるときって周りが見えなくなっちゃうから、どうしてもギスギスしちゃうこともあると思うんですけど、それを出しすぎず、でも自分がこうしたいって気持ちはしっかり持ってるところが、15期の良いところかなって思います。


25年の歩みを歌で辿ってみて

—そういう15期の相乗効果がモーニングのグループ全体にもいい影響を与えているかもしれませんね。今回のアルバムに収録される新曲「HEAVY GATE」もライブ映えする曲だなと、武道館で見て感じました。

北川:「HEAVY GATE」は17期はまだ参加してなくて、この12人体制でやった最初で最後の曲なので、今回のツアーをやってきたメンバーの完結編みたいな曲だなって思ってます。モーニングってみんな声質が違うじゃないですか。シングルだと歌割に偏りが出てしまうときもあるんですけど、アルバム曲にはそれがないイメージがあって。みんなにソロパートがあって、2人パートも多いイメージがあるから、いろんな人の声を聞けるなって率直に思いました。レコーディングしたときはどんな歌割になるのか全く想像できなかったんですけど、私は1番のBメロでほまれと一文字ずつ歌うパートもあるので、声の変化も楽しめるし、集大成も見せられるなって思いますね。

山﨑:信頼してるからこそできるフォーメーションの移動があって。間奏で、手を回しながら交差する振りがあるんですけど、「このタイミングで行こう」とか、「ここは私たちが待ってるから先に行って」とか細かく話し合いました。それぞれが信頼し合ってできるものだし、一年くらい一緒にツアーを回ったメンバーだからできるものかなって思います。

岡村:一体感がある曲だなって思いますし、武道館の時の衣装もギンギラ銀の衣装だったんですけど、モーニング娘。っぽいなと思って。モーニング娘。は、ここぞってときにギンギラ銀のイメージがあるんです。つんく♂さんもモーニング娘。っぽい歌だっておっしゃってましたし、今のモーニングを見せながら「これからさらに新メンも入ってくるんだ」って皆さんに期待も持ってもらえるような一曲なんじゃないかなって思います。



—17期加入後の新シーズンへの序章でもあるということですね。もうひとつの新曲「なんざんしょ そうざんしょ」はどんな曲ですか?(※取材時は完成前で未聴)

山﨑:題名からは想像できないんですけど、ポップで明るくてかわいい感じの曲です。

岡村:ちゃんとかわいいかわいいしてて、うれしい。

北川:珍しいなって思います。

岡村:モーニングのかわいい曲って、かわいいけど元気だったり、大人っぽかったりするんですけど、今回は超王道です。

—これもつんく♂さんですか?

岡村:はい。

—つんく♂さんが毎回曲に携わってくれてる安心感も、ファンとしてはやっぱり感じて。つんく♂さんの世界観がモーニングのDNAだと思うし、コンサートで新曲を発表するときにスクリーンにつんく♂さんの名前が作曲クレジットで出ると、「よし!」って思います。武道館では25年の軌跡を辿るセトリで、これまでの曲がバランスよく披露されていた気がしますが、あらためてそれらの曲をやってみてどうでしたか?

北川:意外とやったことない曲が多いんだなっていうのを、セットリストが配られたときに思いました。最近やってたモーニングの単独コンサートって、その時期に発売してたアルバムとか、自分たちがオリジナルメンバーとして出てるシングルを多めにやってたので、プラチナ期さんの頃の曲をやったのは初めてだったんですよ。例えば「なんちゃって恋愛」とか「青春コレクション」をやったのも初めてですし、やりながら、時代によって求められてる像が違うなって思いました。「Happy summer wedding」とか「LOVEマシーン」辺りは元気で、しっとり大人っぽい曲もある。いろんな表現を学べましたし、ツアーでたくさんの曲ができてシンプルにうれしかったです。

山﨑:莉央ちゃんが言ってるのと似ちゃうんですけど、やっていく中で、昔はこういう曲調が流行ってたんだとか、こういうのが人気だったんだってわかってきて。最初の方は元気でかわいい曲が多くて、どんどん音数が増えてかっこよくなって、フォーメーションダンスが出てきて、今になっていく。歴史を感じられるし教科書を見てるみたいだなって思いました。やる側じゃなくて一回お客さん側になって客観的に見てみたいと思いました。個人的には「The Vision」から「ジェラシー ジェラシー」の繋ぎが特に好きです。しなやかなメロディからラップが入ってきて、全然違う曲調になるじゃないですか。

—トラップっぽい感じのリズムになりますよね。

山﨑:そうですそうです。そこがめっちゃかっこよかったなって、やりながら思ってました。

—僕も「ジェラシー ジェラシー」のアレンジはかっこいいなと思いました。岡村さんはどうですか?

岡村:私たち、このアルバムに入ってる曲はほぼやったことあるんですね。

北川:確かに。

岡村:「気まぐれプリンセス」以外やったことある。ユニット曲とかは自分が参加してない曲もあるんですけど、ほぼやったことあると思って、それに感動してます。普通のツアーだと、新曲やって、ちょっと前の新曲もやって、定番の盛り上がる曲も入れちゃうと意外とやる曲がなくて。覚える曲も最近少なくなってきたところだったので、25周年のセットリストをいただいて、このメドレーを見たときに「まだまだだな」って思いましたし、これだけの曲をつんく♂さんが書いてらっしゃって、全部聴いたことがあるっていうのがシンプルに素晴らしいことだし、才能にあふれすぎていて、次元が違うなとかいろんなことを考えました。でもたくさんの曲ができてシンプルにうれしかったし楽しかったし、後輩につないでいきたいものがたくさんあるなって思いました。

—武道館のセトリは、「モーニングっていい曲がいっぱいあるんだ」ってことがあらためて伝わるメドレーでした。今回のアルバムのDisc2収録曲も全部歌い直してるんですよね?

岡村:そうですね。23バージョンです。

—ライブで披露するのとレコーディングの歌入れだと、また違う感じですか?

北川:「​​LOVEマシーン」と「恋愛レボリューション21」は割とやり慣れてはいたんですけど、がっつりレコーディングするのは初めてだったので、あらためて歌うと「リズム難しいな」とか「ここの裏の音ってこうなってるんだ」って思いました。

—歌入れで難しい曲はありましたか?

岡村:「ちょこっとLOVE」が難しかったです。楽しい感じだし、雰囲気的には「難しい」とはならなさそうじゃないですか。でも音程の上がり下がりが意外と激しいし、コーラスのニュアンスとかセリフっぽい言い回しがけっこう難しくて。自分が想像してた以上にやることも多かったですし、こんなに難しいことを先輩の皆さんはやってたんだとか、前からそれができるのってすごいなってあらためて思いました。

山﨑:ちゃんとレコーディングするってなると、音程もリズムも難しくて。「ここにいるぜぇ!」の最初に、がなるところがあるんですよ。「ん」にアクセントをつけて歌った次にがならなきゃいけなくて、それが難しかったです。「そうだ!We're ALIVE」も、「COME ON(カモンナッ)」ってがなるところがあるんですけど、そこが難しくて、ディレクターさんとたくさん特訓しました。

—「updated 23 Ver.」と付いてるものは、過去に出たupdatedバージョンをさらに今のメンバーで歌い直して、音も変えてるんですか?

北川:音は一緒です。

山﨑:ガヤとかも、メンバー全員で同じ日にマイク一本に向かって一緒にやりました。歌割も今まで歌ってたものからシャッフルされてるので、ボーカルに関しては新しいです。


17期加入後の心境

—2013年にupdatedがリリースされた頃(『The Best!〜Updated モーニング娘。〜』)、過去曲たちがいわゆる「これぞEDM!」って感じでバキバキにアレンジされていて、それはそれでカッコよかったけど、先日の武道館で披露したメドレーはそれとはまた異なるカッコよさがあって、モーニングの曲ってリズムやメロディの核がしっかりしているからこそ、いろんなアレンジやリミックスに柔軟に対応できるのかもしれない……と思いました。

北川:例えばハロコンとかで別のグループの曲を歌ったときに「こんなにゆったりなリズムなのか」って思うこともあって。リズムに関しては25年間変わらない部分だと思うのでこれからも大事にしていきたいですし、小田(さくら)さんですら「自分のリズムが完璧だと思ってない」っておっしゃってるので、永遠の課題なんだなって思います。


Photo by Rika Tomomatsu

—さっき山﨑さんが言ってた「COME ON(カモンナッ)」ってところも、グルーヴ感がないとカッコ悪くなっちゃいそうですよね。

山﨑:そうですね。人から「こういうリズムで歌うんだよ」って教わっても、自分の中にリズムがないと実践できないじゃないですか。しっかり基礎をやらないと応用できないなって思ったので、基礎はすごく大事なんだなって実感しました。

岡村:ハロー!プロジェクトに入った当初は、(リズムの)裏を取って歩くレッスンとかをやらせていただいてたんですけど、5年目くらいになってくるとそういう機会もなくなってくるので、普段のリハーサルで自分が歌わないところは踵をつけないでリズムを取ったり、そういうところで意識して鍛えてます。

北川:つんく♂さんの楽曲はリズムが独特なので、一人でカラオケに行って、踵をつけないでリズムを取りながら歌ったりすることもあります。あとはソロが長いときにどうやって抑揚をつけて歌おうとか、他のアーティストさんを参考にさせていただいていて。最近は宇多田ヒカルさんの曲をカラオケでいっぱい歌ったりaikoさんの曲をよく聴いたりして、「こんな歌い方もあるんだ!」って学んでます。

—15期としては、これからどうしていきたいですか?

岡村:15期って後輩だった期間が短くないと思うんですよ。気づけば私ももう18歳だし、莉央ちゃんも次は20歳になるけど、後輩として見られてきた時期が長いなという気がしていて。でも今は、年齢が下の後輩も入ってきたし、社会人の感覚で言えば5年目だし、そういう面でもしっかりしなきゃいけないなって意識があります。先輩からたくさん教わったことを、次は後輩に繋いでいかないといけない。まだ未熟なところは多いんですけど、先輩としてどうあるべきかという見方をするようになってきました。例えば「この人はこういう伝え方をするんだ」とか「自分だったら、こういう風に伝えたいな」とか、未来に繋いでいけるように考えないとなって思います。

—以前のインタビューでも「次につないでいきたい」という話はしてくれましたが、17期が加入したことで、意識もまた変わったんじゃないですか?

岡村:変わりました。らいりー(櫻井梨央:16期)も後輩なんですけど、ちょっとまた違った後輩なんですよ。私と愛生と同い年ですし、明るい性格もあって、年下という感じはしなかったんですね。新しく入ってくる弓桁朱琴ちゃんは14歳なので特に歳が離れてますし、私はお姉さんだと思われる立場なんだなって思うことも多いので、意識は全然変わったなって思います。

北川:譜久村さんって、愛生の歳のときにリーダーになられたんですよ。そういうところで、上の先輩がいてくれる頼もしさを感じて。あの時期ってガラッとメンバーが変わったので、「自分たちが中心にならなきゃ」って思っただろうし、スタッフさんからもそういう目で見られてたと思うんですけど、私たちはいい意味でそれがなく、のびのびと成長する場を与えていただいたんです。後輩が入ってきたことは自分たちの中で成長しなきゃって思うきっかけにはなりましたけど、焦る必要はないのかなって思っていて。先輩もいるけど後輩も少しずつ入ってきている今、パフォーマンスも内面もどっちも成長できるときだと思うので、与えてもらっている環境を存分に使いたいと思ってます。先輩にならなきゃって意識も芽生えてきたし、後輩が入ってきたことをいい意味で捉えて、この環境で着実に地に足つけて成長できたらなって思います。

—山﨑さんはどうですか?

山﨑:加入してからいろんな先輩にダンスや歌、パフォーマンスやトークを学ばせていただきましたが、後輩が入ってきた今、学びを与える側にならなきゃいけないなって思ってます。憧れられるような夢を与えられる存在になりたいし、「山﨑さんのこういうところが素敵だな」って思ってもらえる部分をもっと増やしていきたいです。私も最初のきっかけはアニメのアイドルだったんですけど、それに憧れてアイドルになったので、女の子でも男の子でも「こういう風になりたい」って思われる存在になっていけたらなって思います。

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<INFORMATION>


『モーニング娘。ベストセレクション〜The 25周年〜』
モーニング娘。23
zetima
8月30日発売

【初回生産限定盤】¥8,800 (税抜価格 ¥8,000)
特典:2CD+BD+豪華LPサイズWジャケット仕様+LPサイズ16Pブックレット+12P歌詞ブックレット+LPサイズ見開キポスター封入

<Disc1>EPCE-7769
1. HEAVY GATE
2. なんざんしょ そうざんしょ
3. Swing Swing Paradise"
4. Happy birthday to Me!
5. Chu Chu Chu 僕らの未来
6. 大・人生 Never Been Better!
7. Teenage Solution
8. よしよししてほしいの
9. ビートの惑星
10. One・Two・Three(23 Ver.)
11. わがまま 気のまま 愛のジョーク(23 Ver.)
12. What is LOVE?(23 Ver.)
13. 悲しくなるようなRainy day

<Disc2>EPCE-7770 
1. LOVEマシーン(updated 23 Ver.)
2. 恋愛レボリューション21(updated 23 Ver.)
3. そうだ!We're ALIVE(updated 23 Ver.)
4. ハッピーサマーウェディング(23 Ver.)
5. ザ☆ピ~ス!(23 Ver.)
6. ラストキッス(23 Ver.)
7. ちょこっとLOVE(23 Ver.)
8. 青春Night(23 Ver.)
9. ジェラシー ジェラシー(23 Ver.)
10. 気まぐれプリンセス(23 Ver.)
11. みかん(23 Ver.)
12. 浪漫 ~MY DEAR BOY~(23 Ver.)
13. ここにいるぜぇ!(23 Ver.)

<Disc3>EPCE-7771 
COUNTDOWN JAPAN 22/23(12月29日 幕張メッセ国際展示場) 


【通常盤】定価 ¥4,400 (税抜価格 ¥4,000)
特典:2CD+W紙ジャケ仕様+32Pブックレット封入
<Disc1>EPCE-7772
同上

<Disc2>EPCE-7773 
同上

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