1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 音楽

奥田民生、King Gnu井口、浦沢直樹など総勢50名以上が語る、ザ・ビートルズ来日公演の熱狂 

Rolling Stone Japan / 2023年9月6日 11時0分

映画『ミスタームーンライト~1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢~』に出演するKing Gnu井口理、奥田民生、浦沢直樹 ©「ミスタームーンライト」製作委員会 

ザ・ビートルズ来日公演の熱狂と裏側を描いた『ミスタームーンライト~1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢~』。当時の映像と総勢50名以上のあらゆる年代の各界著名人の証言と想いをまとめた本作がBlu-rayで登場する。日本における新たなビートルズ史ともいえる本ドキュメンタリーの魅力に迫る。

1962年10月5日にシングル「Love Me Do」でデビューを果たし、わずか8年足らずの活動期間にポップミュージックの歴史を塗り替えた英国はリヴァプール出身の4人組ザ・ビートルズ。彼らが極東の地・日本でどのように伝わり、どのような経緯で日本武道館公演を成し遂げたのか。その舞台裏で活躍した立役者や、当時の様子をリアルタイムで目撃してきた人たち、そしてビートルズ解散後に彼らの虜となった著名人らの証言により、「ザ・ビートルズ」という巨大な存在を改めて捉え直す、ユニークなドキュメンタリー映画『ミスタームーンライト~1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢~』 が9月6日にBlu-ray発売される。なお映像特典として漫画家・浦沢直樹と、本作の監修を務めたビートルズ研究家・藤本国彦による対談も収録されている。

ビートルズのドキュメンタリー作品は、これまでにも様々な切り口で製作されてきた。アップル・コア公式作品では、4人の誕生から解散までを追ったアルバム、ドキュメンタリービデオ、ドキュメンタリーブックの3部構成となる『ザ・ビートルズ・アンソロジー』プロジェクト(1995年)や、ライブバンドとして活躍していた時期のビートルズに焦点を当てたロン・ハワード監督による『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK - The Touring Years』(2016年)、そして曰く付きの「ゲット・バック・セッション」を再構成したピーター・ジャクソン監督による合計約8時間の長編ドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ: Get Back』がある。これらは「公式作品」だけあり、ビートルズの楽曲や映像など、未発表の素材を含めてふんだんに使用されているのが特徴だ。


©「ミスタームーンライト」製作委員会 

それに対し、いわゆる「非公式」のドキュメンタリーは、限られた素材を用いていかに「ザ・ビートルズ」の輪郭を浮かび上がらせるか? が腕の見せどころとなってくる。最近では、インド滞在中のビートルズに偶然遭遇したカナダ人の青年ポール・サルツマンが、4人とアシュラム(僧院)で過ごした8日間について、その半世紀後に振り返ったドキュメンタリー映画『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』(2020年)が記憶に新しい。オフィシャル作品のように、ビートルズの楽曲や映像を自由に使うことはできないが、サルツマン自身が撮影したファブフォーの貴重な写真、ビートルズ研究の第一人者マーク・ルーイスンをはじめとする関係者へのインタビューを交えながら、独自の切り口によって「新しいビートルズ像」を作り上げることに成功している。

本作『ミスタームーンライト~1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢~』も、まさにそうした手法によってビートルズの知られざる一面を紹介している。



デビューしてすぐ、本国イギリスではすでに熱狂的なファンを生み出していたビートルズも、日本ではまだ無名の存在だったという。「ビートルズに最も近いジャーナリスト」として知られる『ミュージック・ライフ』の元編集長・星加ルミ子でさえ、デビュー曲「Love Me Do」を聴いたときには「ピンと来なかった」と本作の中で証言している。そんな中、日本で最初にビートルズに夢中になったと自負するのは、東芝音楽工業(現ユニバーサルミュージック)の高嶋弘之。ビートルズの初代ディレクターに就任した高嶋は、あの手この手で4人をお茶の間に浸透させていく。

今となってはもう時効だろうが、自社の宣伝担当スタッフをマッシュルームヘアで揃え「今、日本の若者たちの間でビートルズの髪型が流行っている」と各メディアにアピールしたり、ラジオ局にビートルズの楽曲をリクエストさせる「サクラ」のバイトを雇ったり(そのバイトを、なんと松本隆もやっていたという証言には驚かされた)、いわゆる「ヤラセ」をも含めた草の根運動的なプロモーションを彼は行っていたという。


松本隆 ©「ミスタームーンライト」製作委員会 

一方、1966年にビートルズが日本武道館公演を実現したとき、その放送権を獲得した日本テレビの佐藤孝吉 ディレクター(当時)は、彼らが何人組かさえ把握していないプロデューサーの指示により楽屋への直撃を試みる。ビートルズの広報担当トニー・バーロウと丁々発止の末、なんとか独占インタビューを取りつけた当時のエピソードを、本作の特典映像で佐藤ディレクターが臨場感たっぷりに語るくだりは必見だ。

今でこそビートルズは誰もが知る普遍的な存在であるが、当時はまだ(少なくとも日本では)何やら一部の若者たちが熱狂している「得体の知れない連中」であり、それでもその「得体の知れなさ」を、どうにか日本に伝えようと奮闘していた人々がいたのである。

そんな「得体の知れない」ビートルズが、実際に会うと非常にウィットに富んだチャーミングな若者たちであったことも、多くの人々が口々に証言している。例えば加山雄三は、ビートルズが滞在する東京ヒルトンを訪ね「すき焼き」を一緒に食べた、かの有名なエピソードをユーモアたっぷりに披露。そのときにジョン・レノンが、「俺は今、日本の文化を学んでいるんだ」と椅子から降りて床であぐらをかいて食事をした話などは、いかにもジョンらしくて思わず頬が緩む。

そんなリアルタイム世代の証言だけでなく、King Gnuの井口理や奥田民生、銀杏BOYZの 峯田和伸ら後追いの世代が、ビートルズの音楽と出会ったきっかけや彼らの魅力、影響を受けたところについて熱く語るセクションも見逃せない。ビートルズの話題はいつしか「自分語り」となり、そこから彼らの生きざまや、クリエイティブに対する考え方までもが浮き彫りになってくるのだ。


King Gnu 井口理 ©「ミスタームーンライト」製作委員会 


奥田民生 ©「ミスタームーンライト」製作委員会 


銀杏BOYZの峯田和伸 ©「ミスタームーンライト」製作委員会 

エンドロールでは、100人近い老若男女がビートルズの好きな曲を1曲ずつ挙げていくショットが挿入されるのだが、彼らの表情を見ているだけでもこみ上げるものがある。人にはそれぞれの「ビートルズ観」があり、彼らが語るビートルズのエピソードはもちろん、ビートルズを通して垣間見えるその人たちの「生き方」や「考え方」そのものに、きっと僕は感銘を受けているのだろう。

『ミスタームーンライト~1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢~』



【キャスト】
語り:満島ひかり
出演者(敬称略・五十音順)
井口 理/浦沢 直樹/奥田 民生/加山 雄三/きたやま おさむ/黒柳 徹子/康 芳夫/財津 和夫
ジュリア・ベアード/髙嶋 弘之/高橋 克彦/野地 秩嘉/尾藤 イサオ/フリーダ・ケリー
星加 ルミ子/堀 威夫/松本 隆/ミッキー・カーチス/峯田 和伸/湯川れい子 他、総勢50名以上の関係者

【スタッフ】
監督:東 考育
監修:藤本 国彦
撮影:吉田 誠
編集:大川 義弘
製作:石垣 裕之 竹澤 浩 富田 朋子 島田 浩一
企画・プロデューサー:杉田 浩光
プロデューサー:加茂 義隆 金 山
メインアート・ドローイング:浦沢 直樹
制作プロダクション:テレビマンユニオン
製作:「ミスタームーンライト」製作委員会

https://mr-moonlight.jp/

商品情報 Blu-ray 9/6(水)発売

【発売日】
2023年9月6日(水)

【価格】
Blu-ray 5,720円(税込)

【映像特典】
・浦沢直樹×藤本国彦(ビートルズ研究家) 特別対談+未公開インタビュー
・予告編


【封入特典】
ポストカード

※商品の仕様は変更となる可能性がございます。

発売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング

©「ミスタームーンライト」製作委員会

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください