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「ツタロックDIG LIVE Vol.13」、注目の若手バンド13組が繰り広げた熱狂のライブ

Rolling Stone Japan / 2023年9月21日 12時0分

the shes gone(Photo by 清水舞)

2023年8月9日(水)、東京・Spotify O-EASTにて「ツタロックDIG LIVE Vol.13」が開催された。今チェックしておきたい次世代のシーンの主役を集結させるという目的で2014年から継続してきた同企画。本公演では、音楽シーンにおいて注目の若手バンド総勢13組が出演した。


VIYON(Photo by 清水舞)

オープニングアクトとしてCOSMIC STAGEに登場したのは、VIYON。本公演の出演をかけたEggオーディションで優勝し、このステージを勝ち取った4人組バンドだ。「はじめまして! どうぞよろしく」と叫び、満員のオーディエンスの拍手が沸き起こると、生々しく激しいバンドアンサンブルで演奏がはじまった。静と動、変拍子などを挟み込み、一曲の中で多面的な顔を見せる「星と熔岩」。ワルツのようなギターリフで軽やかに始まり、アタックの強いドラムのビート、ジャジーなベースラインなどがアクセントで入る疾走感あるロック曲「エイプリル」と続け、「また会おうぜ!」とシャウトし、「SARU PLAN (plan B)」でソリッドなバンドアンサンブルを奏でてトップバッターながら確実に爪痕を残した。


ケプラ(Photo by 清水舞)

ケプラがトップバッターとしてメインステージのMASSIVE STAGEに登場すると、大きな歓声に包まれた。スポットライトに照らされる中、「16」で幕を開ける。柳澤律希(Vo,Gt)がギターを鳴らし独唱したのち、ドラムのカウントとともに4人のアンサンブルが会場の空気を揺らし、サビでは拳を上げて一体感が生まれていく。「おはようございまーす! 一緒に声出してきましょう」と観客とコール&レスポンスを行い「ルーシー」へ。続くリリースしたばかりの新曲「OUR-AWA-HOUR!!」では「ツタロックまだまだ足りない!」とラストのテンポが早くなるパートを繰り返し演奏し、会場をさらに熱くした。「これからのこと」「うわごと」「春が過ぎたら」と披露し、心地よいメロディと、やさしくも芯のある柳澤のヴォーカルで魅了し、会場をケプラ色に染め上げた。


Lym(Photo by 清水舞)

2番手として、LymがCOSMIC STAGに登場。メンバー同士向かい合い息を合わせた後、たかぎれお(Vo/Gt.)の弾き語りから「ランドリー」でライブをスタート。穏やかな歌メロにウワモノのギター短音の音色、空間を埋めるようなリバーヴがかったギターサウンドが心地いい。「フライト」では激しいバンドアンサンブルからはじまり、オーディエンスたちの手拍子の中、たかぎの少し高めの歌声が響き渡る。「見つめあって、そばにいて」では甘くやさしい歌詞と煌めくギターサウンドが絡まり観客たちは聞き惚れた。「全アーティストが楽しみできたと思うんですけど、そういう大切な1日になると思います」とたかぎが語ると「初恋」へ。「March」「変われない私へ」と想いを込めて歌い、ステージを後にした。




KALMA(Photo by 木下マリ)

ドラムカウントと畑山悠月(Vo&Gt)の叫び声でライブをスタートさせたのは、北海道出身の3ピースロックバンド、KALMA。ステージを動き回りながら鳴らす太いベース、躍動感とともに力強く叩かれるドラム、ギターをかき鳴らしながら開放的に歌う畑山。疾走感あるパンク曲「隣」では観客たちの手が一斉に天にあがり、途中マイクを通さず歌い観客たちとシンガロングするシーンも。「俺らが一番格好いいんで、一番になりにきました」と力強く宣言すると、「ねぇミスター」では客席でサーフが起こるほどの熱気に生まれた。「1分間の君が好き」では、途中ベースのシールドが抜け音が出ない場面もあったため、2回演奏し、さらに熱を上げていった。「年上の、お前」「アローン」とエネルギーある演奏とともに聴かせる楽曲でまた違う熱狂を作り、最後は「またライブハウスで会いましょう!」とサマーチューン「夏の奇跡」で再びサーフが起こるほどの熱を生み出し30分のステージを終えた。


ブランデー戦記(Photo by 木下マリ)

続いてCOSMIC STAGには、大阪発の3ピースロックバンドのブランデー戦記が登場。3人で向かい合い拳を合わせると、厚みのあるギターリフから「Kids」でライブをスタートさせた。跳ねるようなベースと蓮月(Vo&Gt)の抒情的な歌い方が印象的な「黒い帽子」をじっくりと聴かせると、「サプリ」「ストックホルムの箱」「水鏡」では蓮月の弾き語りからバンドサウンドへとつながっていき、ノイジーなエフェクトがかったギターがアクセントとなり、疾走感を見せるなど曲ごとに変化を見せた。MCでは、この日、1st EP『人類滅亡ワンダーランド』がリリースされたこととSHIBUYA TSUTAYA店頭キャンペーンなどを発表し、MVが公開1ケ月で100万回再生を突破し、彼女たちを世に知らしめた「Musica」を披露。最後は「僕のスウィーティー」で楽器を思い切りかき鳴らしてライブを締め括った。


bokula.(Photo by 清水舞)

MASSIVE STAGEには、広島県広島市を拠点に活動しているロックバンドbokula.がリハーサル段階から観客を巻き込み全力で演奏を披露、本番さながらの盛り上がりを見せた。準備ができ再登場すると、この日1番の拍手が起こる。「2021年11月6日、あっちの(サブ)ステージでした。今年2023年、こちら(メインステージ)にきました!」とバンドの進化をえい(Gt.&Vo.)が告げると、エネルギッシュなロック曲「愛してやまない一生を. 」「足りない二人」で会場の温度をさらに上げた。ツタロック主催者の名前を述べて感謝を伝えると、「この戴いた30分大切にします。よろしくおねがいします」と「夏の迷惑」へ。彼らの誠実で前向きなエネルギーに観客たちも比例するように熱を帯びていく。「あなたと一緒にライブを作りにきたので一緒に声を出してほしい」と観客に伝え、シンガロングが発生したり、「最高だよ」など声がかかると、それに応える双方向的なライブ空間を創り上げた。最後はギターを客製の観客に渡し、サーフが多発する中で最高潮の熱を更新してライブを終えた。


Organic Call(Photo by 木下マリ)

COSMIC STAGE には、Organic Callが登場。リハーサルで熱をあげると、その勢いのまま「ハッピーエンドロール」でライブをスタートさせた。多幸感のあるサビのメロディとヒラタナオヤ(Vo&Gt)のヴォーカルでのっけから観客たちは手をあげて一体感が生まれている。「気持ちはメイン(ステージ)に1mmたりとも負けてねえぞ!」とヒラタが熱を入れて叫ぶと疾走感に満ちたロック曲「Blue」へ。メンバーのハーモニーの上でのヴォーカルが美しい「海が見える街」、ミドルテンポの「Night Forever」ではラップのような歌い方も混ぜ込み、それまでの雰囲気と一転させた。MCで「いつかメインで呼ばれるまで突っ走ります。俺たちは1人1人の人間であって、全部理解できることはないと思う。でも大事にすべきものを大事にして歩み続けていって、またライブハウスで会いましょう」と語り、「最後の愛」「愛おしき日々たちへ」と歌ってステージを後にした。




クジラ夜の街(Photo by 清水舞)

メインステージには、ファンタジーを創るバンド、クジラ夜の街。SEに大きな手拍子が起こり、メンバーが登場。「最高の夜を作りましょう」と宮崎一晴(Vo&Gt)が語り、「踊ろう命ある限り」とタイトルコールをすると大歓声が起こった。スキャットでは観客たちでシンガロングし、のっけから一体感と盛り上がりを見せる。「O-EAST、はじめて立たせていただきます」と感謝を伝えたのち、大泥棒についての口上を経て「あばよ大泥棒」へ。はねるリズムと、キーボードの様々な音色が重なり、独自の音楽性を奏でていく。観客たちも手を左右に振って、楽曲の世界観に入り込んでいった。三拍子の前奏曲「詠唱」ではじまる「ラフマジック」を披露すると、「ツタロック、今から最高の新曲やるんだけどいいかな?」と宮崎が語り、新曲「Memory」へ。親しみやすいメロディと軽快な演奏で観客たちは手を上げつつ聴き入った。「夜間飛行」「夜間飛行少年」と彼ららしい唯一無二のライブを作り、会場は彼らの世界観に染め上げられた。


プッシュプルポット(Photo by 木下マリ)

COSMIC STAGEに登場したプッシュプルポットは、リハーサルの段階から全力で爆音を鳴らし続けて、いざ本番へ。山口大貴(Vo.Gt)は、「去年は俺たちコロナになっちゃって。この小さいステージから始めます!」と叫んで「最終列車」を歌い出すと、リハで完全に出来上がった状態のオーディエンスはいきなり大合唱だ。途中、昨年コロナで出演が叶わなかった際に代打として出演したmoon dropの浜口飛雄也(Vo&Gt)が呼び込まれてステージへ。プッシュプルポットのメンバーと共に「ダイナマイトラヴソング」でコール&レスポンスして大喝采を浴びた。山口が「もっと遊ぼう!」と呼びかけ始まった「愛していけるように」は、メロディアスなサビが広がって行き、演奏がブレイクするとまたも大合唱が湧き起こる。語りかけるように歌った「13歳の夜」、ステージ前でダイブ、クラウドサーフが起きた「笑って」、ラストは「こんな日々を終わらせて」で、フロアから「サイコー!!」と何度も声が上がるアツいライブを終えた。


moon drop(Photo by 木下マリ)

MASSIVE STAGEのステージに上がったのはmoon drop。先ほどプッシュプルポットのライブに飛び入りした浜口飛雄也が、「みんなもうあったまってますよね!?」と声を掛けて「ボーイズアンドガールズ」からライブがスタート。綺麗な旋律と軽やかな演奏が会場を爽やかに包み込む。「幸せですか、みんな!?」と笑顔で呼びかけるなど、明るくポジティブなムードのパフォーマンスが心地良い。「ツタ”ロック”ですよ? みなさんもっと遊べますか!?」と、自由なロックイベントであることを煽ってから「シーブリーズと君の匂い」を歌うと、「忘れられない夏にしようぜ!」と呼びかけて観客を巻き込んで行く。ミディアムテンポでじっくり言葉を伝えた「ヒメゴト」から、合唱が起きた「アダムとイブ」と、ハートフルな曲が心に沁み込むように聴こえてくる。最後は「去年、プッシュプルポットの代打で出させてもらったんですけど、今回正式に呼んでいただきました! ありがとうございます!」と、念願のツタロックDIGのステージに立つ喜びを伝えてから「ex.ガールフレンド」を演奏してステージを降りた。


Conton Candy(Photo by 清水舞)

3人組ロックバンドConton CandyはCOSMIC STAGEに上がると、紬衣(Vo./Gt.)、楓華(Ba./Cho.)、彩楓(Dr./Cho.)の3人がドラムセットの前に集まり気合いを入れてから「執着」でライブ開始。ハイトーンのボーカルが切実に胸に響いた。疾走するギターに合わせて観客から自然に手拍子が起こった「ロングスカートは靡いて」では、ステージ前に押し寄せた人々とシンガロングでひとつになった。曲が終わると紬衣が「サブステージのトリを任せてもらいました! Conton Candyです!」と自己紹介。フロアから「かわいい!」と声が飛ぶと何故かすかさず「うるせえ!(笑)」と返す絶妙なテンポのやりとりに場内爆笑。そんな和やかな空気を切り裂き、鋭いギターリフによる「baby blue eyes」を新曲としてこの日初披露した。会場のボルテージが高まった中、大ヒットナンバーである、ダンサブルな「ファジーネーブル」でさらに盛り上げると、「私は音楽や人に救われたので、みんなにもそう感じてもらえたら嬉しいです」と熱く音楽への想いを語ってから、最後に演奏したのはパンキッシュに突っ走る「好きなものは手のひらの中」。Conton Candyにしか無い、バンドのエネルギーが溢れまくったライブだった。




the shes gone(Photo by 清水舞)

the shes goneが大きな拍手に迎えられてMASSIVE STAGE へ。スポットライトを浴びた兼丸(Vo.Gt)がアコースティックギターを弾きながら歌う「ラベンダー」でライブが始まった。タイトな熊谷亮也(Dr)のリズムに乗ったマサキ(Gt)のエフェクティブなギターフレーズがノスタルジックな雰囲気を作り出して、オーディエンスは右手をゆらゆらと左右に動かしながら身を委ねている。一転して軽快な「甘い記憶」、夏の終わりを感じさせる抒情的なミディアム曲「線香花火」と、歌の世界観を細やかに表現した演奏が見事だ。「みんなまだいけますか!? 早い時間からずっと残ってくれてたくさんの人の前でライブができて嬉しいです! あなたにとって、”今日があって良かったな”っていう時間にします!」との言葉から始まった「最低だなんて」では、激しく点滅する照明、疾走する演奏、キャッチーなメロディが混然一体となり、その迫力に圧倒された。ラストはオーディエンスの手拍子とバンドの演奏が大きなうねりを生んだ「シーズンワン」。「またライブハウスで会いましょう! ありがとうございました!」と感謝。終始音楽への真摯な姿勢を感じさせたライブだった。


606号室(Photo by 木下マリ)

the shes gone がステージを降りると、すぐにCOSMIC STAGEから歪んだギターの音が聴こえてきた。クロージングアクトの606号室だ。昇栄(Vo.Gt)を中心に、オープニングの「未恋」から「スーパーヒーロー」へと、飛び跳ねながら元気いっぱいなパフォーマンス。「最後まで残っててよかったなって思ってもらえるようにがんばります」と挨拶して、アップテンポの素朴なラブソング「君のことは」を披露すると、ほとんどのお客さんは残って拳を突き上げていた。最後に歌われたパンクチューンの新曲まで、やんちゃで親しみやすいキャラクターが多くのオーディエンスに受け入れられていた。「また会える日を楽しみにしてます!」と、長時間にわたったイベントを締め括った。


<イベント情報>

「ツタロックDIG LIVE Vol.13」
2023年8月9日(水)東京・Spotify O-EAST
料金:4900円(全自由・入場整理番号付・ドリンク別・税込)
開場/開演/終演:12:30/13:30/20:40 ※変更可能性あり
出演者:KALMA、クジラ夜の街、ケプラ、Conton Candy、the shes gone、bokula.、moon drop、Lym、Organic Call、プッシュプルポット、ブランデー戦記
主催・企画:CCCミュージックラボ(株)
制作:株式会社シブヤテレビジョン
協力:Rolling Stone Japan
問い合わせ:03-5458-4681 (Spotify O-EAST) 公式HP:https://cccmusiclab.com/tsutarockdig13
公式Twitter:https://twitter.com/tsutarockliv

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