ブリング・ミー・ザ・ホライズンのオリーが語る「NEX_FEST」の全貌、エモの原体験
Rolling Stone Japan / 2023年10月13日 17時30分
2019年のアルバム『amo』、2020年のEP『POST HUMAN: SURVIVAL HORROR』と2作連続で全英チャート1位を獲得し、ロック・シーンのトップに登り詰めたブリング・ミー・ザ・ホライズン。4枚のEPシリーズである『POST HUMAN: SURVIVAL HORROR』に続く、2作目のEP『POST HUMAN: NeX GEn』のリリースが延期になる中、11月3日にはバンド主催の音楽フェス「NEX_FEST」が日本で行われる。オリーことボーカルのオリヴァー・サイクスに、NEX_FESTのこと、新作のことを語ってもらった。
【写真を見る】英ローリングストーンで表紙を飾ったブリング・ミー・ザ・ホライズン
ー前回の来日からコロナ禍を挟んで、4年振りにやっと日本に戻って来れますね。
オリー:前回日本に行ったのは2019年だからね。すごく楽しみにしてるよ。今回、日本にはライブの前に2週間プライベートで行く予定で、京都、富士山とかいろいろ回ろうと思ってる。日本という国をもう少し体験してみたいんだ。もちろんライブの方もめちゃくちゃ楽しみにしてるよ。1日目のショーはソールドアウトになったらしいね。BABYMETALのような人気バンドを迎えて、日本でヘッドラインのフェスをやるのは夢だったんだ。他にもいろいろなバンドが出てくれるから楽しみだよ。イベントで出演アーティストを選ぶのって大変なことなんだけど、日本には僕が好きで聴いてるバンドはすごく多いから、「このバンドをラインナップに入れたい」「このバンドも入れたい」って感じで、すぐに決めることができたんだ。
ーNEX_FESTですが、イベント名の中に「NEX」を入れたのはこれが初めてですか?
オリー:このイベントが最初だ。今度出すレコードのタイトルが『POST HUMAN: NeX GEn』だからね。ダウンロード・フェスティバルでやった時もそうだけど、NEX_FESTは普通のライブにはしたくないんだ。よりインタラクティブな要素を入れたいし、EPのストーリーだけでなく、EPの背景に込められた記号論とか、よりディープな意味も盛り込んでるんだ。ファンにはそういうものを見つけてほしいね。イベントの名前に「NEX」を入れることで、『POST HUMAN: NeX GEn』を表現したかったんだ。
ーダウンロード・フェスティバルの話が出ましたが、ステージ上には巨大な2階建てのプラットフォームを設置して、教会の内装のようなビジュアルでしたね。日本でやる時も同じようなステージを考えていますか?
オリー:できる限りダウンロード・フェスティバルのビジュアルに近いものを持っていきたいし、さらに違う要素も入れたいと思ってる。今ライブで見せてるストーリーは去年スタートしたもので、ツアーをやりながらこのアイデアを広げていって、「AIが悪の存在になる」というコンセプトを試してるところなんだ。だから、その意味をもっと理解できるように、『POST HUMAN: SURVIVAL HORROR』のストーリーと『POST HUMAN: NeX GEn』のストーリーをまとめて持っていこうと思ってる。
ーNEX_FESTのアイデアが出てきた時、出演アーティストはどのように選んでいきました?
オリー:さっきも言ったように、ラインナップを選ぶのは簡単だったよ。BABYMETALとは長い間一緒にライブをやろうという話をしてたんだ。Paleduskは大好きなバンドだし、メンバーのDAIDAIはイギリスに来て、僕と一緒に曲を作ってる。DAIDAIの作る曲は好きだし、日本で会えるのを楽しみにしてるんだ。I PREVAILはアメリカから呼ぶんだけど、日本で一緒にライブをできたらいいなってずっと思ってた。YUNGBLUDは仲がいいし、曲もライブも一緒にやってきた仲でもある。YOASOBIはすごく人気のあるJ-POPのアーティストだよね。マキシマム ザ ホルモンは僕たちが初めて日本に行った時に(2009年)、彼らのアリーナ・ツアーをサポートしてるんだ。彼らに出てもらえるのもすごくうれしい。
「AmEN! (Feat. Lil Uzi Vert And Daryl Palumbo Of Glassjaw)」 ※DAIDAIが編曲を担当
ーYOASOBIのAyaseさんはブリング・ミー・ザ・ホライズンの大ファンらしいですよ。
オリー:そうそう。PaledukのDAIDAIから話は聞いてる。それもうれしいよね。このフェスはどの出演者もオルタナティブなんだけど、多様なスタイル、多様な音楽を表現してるし、ヘヴィなものからライトなものまでいろいろあるんだ。でも、それこそがフェスのあるべき姿だと思うんだ。面白いことになると思うよ。
ー2021年に「DiE4u」を出した時、この曲は『POST HUMAN』シリーズの第2章の始まりだと話していましたが、「DiE4u」「sTraNgeRs」「LosT」「AmEN!」と、これまでに4曲新曲を発表していますよね。この4曲は次の新しいEPに収録されるんでしょうか?
オリー:どの曲も次の『POST HUMAN: NeX GEn』に入るよ。「DiE4u」を出してからずいぶん時間が経ってしまったけど、「DiE4u」も新しいEPのストーリーとヴァイブスの一部なんだ。それにもうすぐニュー・シングルのリリースも控えてる。制作に時間がかかってるのは、いろいろ行ったり来たりしてるからなんだ。3カ月間スタジオにこもって制作するのと違って、僕たちはずっとツアーに出てるし、フェスの主宰もしてるし、時間を見つけて制作を終えるのが難しいんだ。どの曲も特別なものだし、どの曲にも立ち位置みたいなものがある。ライブでやらないような曲は出したくないし、ライブでやる時はやる価値のある良い曲でなくてはならない。歳を重ねて曲が増えてくると、難しくなってくるんだよ。常に新しい要素を入れ続けなきゃいけないし、前に進み続けなきゃいけないから。
『POST HUMAN: NeX GEn』アートワーク
新曲「DArkSide」について
ー新曲の話が出ましたが、もう少し詳しく教えてもらえませんか? どういうタイトルで、どういう音楽スタイルなのでしょうか。
オリー:曲のタイトルは「DArkSide」になる。タイトルから想像がつくと思うけど、ダークなロック・ソングなんだ。「AmEN!」を除いて、『POST HUMAN: NeX GEn』から先行でリリースしたどの曲よりもダークになってる。ファンにはおなじみのブリング・ミー・ザ・ホライズンらしさもあるよ。「Sleepwalking」とか「Can You Feel My Heart」みたいなフィーリングがあって、『POST HUMAN: NeX GEn』ではまだ出してなかったような曲になってる。エモの要素もあるし、今のフューチャリスティックなサウンドも他の曲と同様に入ってる。ちょうど昨夜、この曲のミックスを終えたばかりなんだけど、ミックスを15回やり直してるし、リリックは100回ぐらい書き直してる。曲自体はユニバーサルでありながらもパーソナルなことを歌ってるし、リリックはすごくリスナーに寄り添ったものになってる。「DArkSide」という曲のテーマに対する僕のエモーションも込められてるから、是非そこも聴き取ってほしいね。
ー「DiE4u」を出した時、『POST HUMAN: NeX GEn』の音楽性はエモ、ポストハードコアに向かっていると話していましたよね。今年出した「LosT」を聴くと、すごくエモ、ポップパンクを感じさせるけれど、エレクトロニックも入ったモダンな曲になっているし、2000年代を彷彿とさせる、激しいブレイクダウンのパートがあるのもヤバかったです。
オリー:そうそう。テーマとしては、『POST HUMAN』に沿ったものになってるんだけど、フレッシュで新しいものだけでなく、当時を思い出させるノスタルジックなものも感じ取ってほしいんだ。テイキング・バック・サンデイ、マイ・ケミカル・ロマンスあたりを思い起こしてくれるとうれしいよ。この曲には彼らからの影響が強く反映されてるんだ。「この曲はマイ・ケミカル・ロマンスっぽいね」とか「『AmEN!』はグラスジョーっぽいところがあるね」って言われることも多いよ。間違いなく僕たちが若い時に好きだったバンドへのトリビュートになってるからね。それで、どうやってこういう曲を今のモダンなものにできるのか、どうやってフレッシュで新しいものにできるのか、でも同時に、古き良き日々を思い出させるものにできるのかというのをすごく考えたんだよ。エモはある意味、一度終わったジャンルなんだ。エモはSoundCloudラップに引き継がれたけど、新しいエモ・バンドは出てきてないからね。僕たちはエモをモダンなものに変えて進化させたいんだけど、サウンドで大切なのは、当時の音と今の音との間で良いバランスを見つけることにあると思うんだ。制作に時間がかかっているもう一つの理由はここにあって。とにかくフレッシュにするためのやり方をずっと探してるんだ。
ーちなみに、当時好きだったエモ・バンドは何でしたか?
オリー:グラスジョーは僕がエモ、ポストハードコアに夢中になったきっかけを作ったバンドだね。テイキング・バック・サンデイ、ザ・ユーズド、ブラン・ニュー、ノーススター、スライス、サーズデイも好きだし、ハードコア・バンドだと、アメリカン・ナイトメア、カムバック・キッドも好きだ。この辺のジャンルのバンドはどれも好きで聴いてたよ。
ーそれで、「AmEN!」ではグラスジョーのダリル・パルンボを客演で入れたんですね。今の質問で最初に名前が挙がったバンドもグラスジョーでした。
オリー:初めてグラスジョーを知った時のことはハッキリと覚えてるよ。僕はロックを聴き始めるまで、それほど音楽に夢中ではなかった。それがある日、リンキン・パークを見つけて、この音楽は何なんだ?ってなって。そこからすぐにロック・ミュージックにハマっていったんだ。当時は今のようにインターネットでバンドを知ることはなかったから、最初はリンキン・パークとかリンプ・ビズキットのようなメインストリームのバンドしか知らなくて、どれもTVで観て知ったバンドばかりだった。ある日、ロードランナー・レコードのビデオを入手したんだけど、そこにはレーベルのいろんなバンドのMVが入ってて。その中にグラスジョーの「Siberian Kiss」のMVがあったんだけど、ライブをハンディカメラで撮ったような映像で、シンガーのダリルが飛び跳ねて、クレイジーに歌ってた。
それまでに僕が観てきた映像は、リンキン・パークの予算をたっぷりかけたようなMVで、自分にもできるとは思えないような映像だった。だけど、グラスジョーは小さな会場で演奏してて、超クレイジーだったんだよ。そこで僕はピンと来てね。「僕にもできるんじゃない?」って思ったんだ。僕は若い時、めちゃくちゃエネルギーがあったし、めちゃくちゃ怒ってた。でもそのエネルギーをどう使っていいのかわからなかった。まだ14歳だったし、自分の人生すらどうしたらいいのかわかってなかったんだ。でもそのMVでダリルがジャンプして、ステージを転げ回って、スクリームして、めちゃくちゃクレイジーにやってるのを観て、自分でもやりたいと思ったんだよね。グラスジョーがきっかけで、僕は全く新しい世界を知ることになった。自分の部屋でスクリームとシャウトの練習も始めた。だから僕にとってグラスジョーはすごく大切な存在なんだ。あのMVを観てなかったら、僕はシンガーになってなかったからね。
【関連記事】ブリング・ミー・ザ・ホライズンのオリーが語る、ロックやメタルの「今ある姿」と好奇心
<INFORMATION>
「DArkSide | ダークサイド」
ブリング・ミー・ザ・ホライズン
配信中
https://SonyMusicJapan.lnk.to/bmth_darksideRS
【関連サイト】
●海外オフィシャル・サイト:
http://www.bmthofficial.com
●日本オフィシャル・サイト:
http://www.sonymusic.co.jp/artist/bringmethehorizon
<NEX_FEST> *SOLDOUT!
●開催日程:11月3日(金・祝) OPEN 10:00 / START 11:00
●会場:幕張メッセ
●出演アーティスト:
BRING ME THE HORIZON / BABYMETAL / YUNGBLUD / マキシマム ザ ホルモン/ YOASOBI / I PREVAIL
PALEDUSK / CVLTE / 花冷え。/VMO / KRUELTY / Alice Longyu Gao
<NEX_FEST -Extra->
■兵庫
●開催日程:10月31日(火) OPEN 15:00 / START 16:00
●会場:神戸ワールド記念ホール
●出演アーティスト:BRING ME THE HORIZON / BABYMETAL / YUNGBLUD / I PREVAIL
●チケット情報:GOLD自由 ¥14,000 / 一般自由 ¥9,500 (各税込)
<問>キョードーインフォメーション:0570-200-888
■愛知
●開催日程:11月1日(水) OPEN 15:00 / START 16:00
●会場:日本ガイシホール
●出演アーティスト:BRING ME THE HORIZON / BABYMETAL / YUNGBLUD / I PREVAIL
●チケット情報: GOLDスタンディング¥14,000 / 一般スタンディング¥9,500(各税込/ブロック指定)
スタンド指定席 ¥9,500(税込)
<問>キョードー東海:052-972-7466
■東京
●開催日程:11月4日(土) OPEN 14:00 / START 15:00
●会場:幕張メッセ
●出演アーティスト:BRING ME THE HORIZON / BABYMETAL / HYDE / Crossfaith / coldrain
●チケット情報:GOLDスタンディング¥14,000 / 一般スタンディング¥9,500 (各税込/All Standing)
<問>クリエイティブマン03-3499-6669
<チケット発売情報>
★神戸、名古屋Extra公演:各プレイガイドよりチケット一般発売中
★11/4(土) 東京Extra公演:10月21日(土)〜各プレイガイドよりチケット一般発売開始
オフィシャル・サイト:http://nexfestjapan.com/
企画・制作・招聘:クリエイティブマンプロダクション
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