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ブリング・ミー・ザ・ホライズンのオリーが語る、ロックやメタルの「今ある姿」と飽くなき好奇心

Rolling Stone Japan / 2023年10月13日 17時31分

ブリング・ミー・ザ・ホライズン:中央がオリヴァー・サイクス(Vo)

11月にバンド主宰の音楽フェス「NEX_FEST」で来日が決まっているブリング・ミー・ザ・ホライズン。4枚のEPシリーズである『POST HUMAN: SURVIVAL HORROR』に続く、2作目のEP『POST HUMAN: NeX GEn』のリリースが待たれる中、先行でリリースされた「DiE4u」「sTraNgeRs」「 LosT」「AmEN!」に続く新曲「DArkSide」も解禁になった。オリーことボーカルのオリヴァー・サイクスに、今追求している音楽性について語ってもらった。

【写真を見る】2019年の来日公演の様子

ー「AmEN!」の客演にグラスジョーのダリルを呼んだのは、オリーにとってスゴく意味のあることだったんですね。

オリー:すごく特別なことなんだ。昔から、もし自分のバンドができたら、いつかダリルをゲスト・ボーカルに呼びたいと思ってたんだ。当時、グラスジョーはツアーでイギリスに来る予定があったんだけど、ダリルがクローン病で3回もキャンセルになってしまって。そのたびに僕は泣いたよ。今回、ダリルをゲストに呼んだことをママに伝えたんだけど、ママは当時僕がどれだけ動揺して泣いてたのかを覚えてたくらいだ。今のキッズがどれだけグラスジョーのことを知ってるのかわからないし、多くのバンドはシングルにはビッグネームをフィーチャーしたがるけど、僕は意味のあることをやりたかったし、自分自身もワクワクしたかった。大好きなバンドにオマージュを捧げることで、ノスタルジアを感じたかったし、トリビュートをしたかったんだ。でもその一方で、リル・ウジ・ヴァートのような新しいアーティストも入れたかった。リル・ウジ・ヴァートは僕にとっては新しいロックスターだからね。ファッションもロックスターだし、行動もロックスターだし、エネルギーも怒りもスワッグもあるロックスターなんだ。ダリルとリル・ウジ・ヴァートの二人をゲストに迎えることによって、ノスタルジアも新しさも入れることができたと思うんだ。



ー実際、「AmEN!」という1曲の中に、ロックアンセムらしい素晴らしいフックも入っているし、ラップもあるし、デスコア、ポストハードコアもあって、本当にありとあらゆる要素が詰まっていますね。

オリー:ありがとう。制作でPaleduskのDAIDAIが手伝ってくれたことも大きくて、すごくインスピレーションをもらってるんだ。Paleduskもそうだけど、日本のアーティストって、ロックの曲を誰にも予想のつかないようなところに持っていって、リスナーをとらえて放さない、そういうエネルギーを持ってるよね。僕は「AmEN!」という曲を音楽のローラーコースターにしたかった。リスナーをワクワクさせたかったし、自分自身もワクワクしたかったんだ。2年前のブリング・ミー・ザ・ホライズンだったら、ポップな側面を追求することも大切だったろうけど、今はワクワクするものなら何だってやりたい感じなんだ。リスキーだと思うことや、これどうかなって思うことだって、やってしまいたい。だって、好きなことをやらなきゃ意味がないからね。


『POST HUMAN: NeX GEn』アートワーク

ー良いと思ったものは恐れずにやるモードになっているんですね。

オリー:例えば、今ではもう1stアルバム(『Count Your Blessings』)の曲はライブではやらないんだけど、僕はあのアルバムをリスペクトしてるし、あのアルバムを好きな人もリスペクトしてる。今聴いてもクレイジーだとは思うけど、自分にはあまり語りかけてこないんだよ。ただ、あのアルバムの中にある要素、混乱具合、危ない感覚、次に何が起こるかわからない感じは大好きなんだ。バンドがビッグになって、メインストリームに行って成功すると、良い曲は書けるようになっても、より大きなオーディエンスにアピールすることで、自分たちの中にあった要素は薄まっていく。1stアルバムは今の自分には語りかけてこないけど、僕は今でもブラストビートもスクリームも好きだし、ヘヴィネスもエクストリームも好きさ。今の僕たちはアクセスしやすいメインストリームのロック・バンドになったけど、自分たちがかつてやってきたことを見せて、それが今なお有効であることを見せたいんだ。それが僕たちがまた音楽でワクワクするために必要なことでもあったから。





日本で成功するアーティストになるのは、昔からの夢だった

ー音楽的には今はどの辺を追求していますか? 前にインタビューした時は、ハイパーポップ、フューチャーポップにハマっていて、メタルというジャンルの境界線から抜け出したいと話していましたよね。今後出す新曲についてはどのような方向性を考えていますか?

オリー:前に話した時は、ロック・ミュージックに幻滅してたんだよ。ロックは停滞してると思ったからね。ロック、メタルとはこういうものであり、ここからは動かない、そういうイメージがあったんだ。アルバム『amo』はそういう考えを反映した結果、伝統的なロック、メタルのアルバムとは違うものになったと思う。当時の僕はロックに対するネガティブなコメントをいろいろ残してるんだけど、僕たちはもっと先を見据えた新しいものを作りたかった。でも今のロックはその傘下に抱えるいろいろな要素がさらに大きくなってきて、エレクトロニック、オルタナティブの要素がますます増えてるし、女性アーティストのアーバンの要素も増えてる。よりハードだし、挑戦的だし、攻撃的でエキサイティングだ。例えば、スリープ・トークンとかバッド・オーメンズみたいなバンドは、間違いなくロック・ミュージックをやってるんだけど、どこか違う感じがするし、僕たちが『amo』でやろうとしてたことを、独自のやり方でやってるように思えるんだ。ザ・ウィークエンドがメタルになったみたいな感じがあるんだけど、キッズは夢中になってるし、彼らはどんどん大きくなってる。エキサイティングだと思うし、もしメタルがそういう方向に開かれていくのであれば、ロック、メタルは再び大きなジャンルになり得ると思ったんだ。もちろん、リンキン・パークが出てきた2000年のような状況にはならないと思うし、ロックはメインストリームに対するオルタナティブを感じたい人のためにあるものだから、それはそれでかまわない。でも彼らが扉を開いたことで、ロックはスクリームとヘヴィネスだけじゃないんだというのが、みんなにもわかるようになったと思う。それがこの2年間で起こったことだ。

同じように、僕のアパレル・ブランドであるDrop Dead Clothingにも新しいことが起こってる。4~5年前から、どういうキッズがDrop Deadを着てるのかわからなくなったんだけど、それが今はまたわかるようになったんだ。オルタナティブな人たちのコミュニティがあって、あらゆるジェンダーの人たちがいて、若いキッズから僕たち世代の人たちまでいろいろいる中、どういう人がDrop Deadキッズなのかがわかる。僕はファッションにしても、音楽にしても、みんなに求められてるものをやりたいし、それが今また楽しくなってきてる。バンドも同じことで、みんながワクワクしてくれる音楽を作りたいんだよね。僕たちにはそれができるし、同時に新しくてクリエイティブなこともやっていきたい。僕は誰も聴かないような音楽を好きで聴くし、そういう音楽の要素も、みんなに期待されてる音楽の中に入れることだってできる。そういうところまで行き着いた時に、こう考えたんだよ。もしアクション映画を観に行きたくて、例えば『ワイルド・スピード』を観に行ったつもりで、それがアクション映画じゃなかったら、ガッカリするよね。僕たちも同じことで、地球上の最後の数少ないメインストリーム・ロック・バンドなんだから、みんなからすると、「頼むからスクリームをやめないでくれ」「頼むからブレイクダウンをやめないでくれ」って感じだと思うんだ。僕が他のアーティストとコラボをやる時もそうで、僕が普通に歌うと「いいね」って感じなんだけど、僕がスクリームとか激しい歌い方をすると、「Oh my God!! ヤバいね!」ってなる。「そういう歌い方は今まで聴いたことがない」とか「そのスクリームはどうやってやるの?」って。そこで、これが僕の得意なことなんだなって、改めて思い知らされるわけだ。だからこそ僕はこれをやらなきゃって思うんだよね。

ーTikTokでも「Can You Feel My Heart」がバズりましたけど、今また若い世代が求めている感じがありますよね。オリー自身、何故TikTokでバズったのか、理由はわかりますか?

オリー:全くわからないよ。あれは僕たちにとってはすごい衝撃だった。ゲームチェンジが始まった感じだよ。僕たち自身、20歳ぐらいの新しいバンドに生まれ変わったような気がするんだ。若いキッズが僕たちのバンドを発見してくれたわけだけど、「Can You Feel My Heart」は10年も前の曲なんだ。この曲は僕自身大好きな曲だし、特別な曲だから、この曲がみんなに何かしら与えられるものがあったのならうれしいことだよ。普通にポップ・バンドを聴いてきたキッズが、ポップ・バンドが歌わないような、何かを感じさせるリリックに惹かれて、エモーションを感じ取ってくれたと思うんだ。僕自身、昔リンキン・パークを聴いた時に、他のロック・バンドが歌わない、人間の根源にあるエモーションを歌ってると思った。俺は怒ってる、俺はムカついてる、俺は両親が嫌いだ……そういう感情を見事に詩に変えて歌ってたんだ。その歌は僕に寄り添って語りかけてくれたんだよ。「Can You Feel My Heart」でも同じようなことが起こってるんだと思う。僕たちはTikTokバンドじゃないし、全く違う世界にいるけど、新しい世界に入れたと思うし、新しいオーディエンスにも出会えた。こういう機会に恵まれたことには感謝してるよ。



ー最後に日本のみんなにメッセージを。

オリー:日本に行くのが待ちきれないよ。いつも言ってることだけど、日本は世界の中でも大好きな場所なんだ。今度共演するアーティストにもファンにも感謝を伝えたい。日本で成功するアーティストになるのは、昔からの夢だったんだ。以前よりも僕たちの音楽が日本のみんなに伝わってるかと思うと、感謝の気持ちしかないね。本当に純粋な気持ちで、日本で戻れることを楽しみにしてるし、待ちきれない。僕にとっては今年最高のハイライトになると思ってるよ。



【関連記事】ブリング・ミー・ザ・ホライズンのオリーが語る「NEX_FEST」の全貌、エモの原体験

<INFORMATION>


「DArkSide | ダークサイド」
ブリング・ミー・ザ・ホライズン
配信中
https://SonyMusicJapan.lnk.to/bmth_darksideRS

【関連サイト】  
●海外オフィシャル・サイト:
http://www.bmthofficial.com       
●日本オフィシャル・サイト:  
http://www.sonymusic.co.jp/artist/bringmethehorizon     



<NEX_FEST>  *SOLDOUT!
●開催日程:11月3日(金・祝)  OPEN 10:00 / START 11:00 
●会場:幕張メッセ 
●出演アーティスト: 
BRING ME THE HORIZON / BABYMETAL / YUNGBLUD / マキシマム ザ ホルモン/ YOASOBI / I PREVAIL  
PALEDUSK / CVLTE / 花冷え。/VMO / KRUELTY / Alice Longyu Gao
 
<NEX_FEST -Extra-> 
■兵庫 
●開催日程:10月31日(火)  OPEN 15:00 / START 16:00 
●会場:神戸ワールド記念ホール 
●出演アーティスト:BRING ME THE HORIZON / BABYMETAL / YUNGBLUD / I PREVAIL 
●チケット情報:GOLD自由 ¥14,000 / 一般自由 ¥9,500 (各税込) 
<問>キョードーインフォメーション:0570-200-888 
 
■愛知 
●開催日程:11月1日(水)  OPEN 15:00 / START 16:00 
●会場:日本ガイシホール 
●出演アーティスト:BRING ME THE HORIZON / BABYMETAL / YUNGBLUD / I PREVAIL 
●チケット情報: GOLDスタンディング¥14,000 / 一般スタンディング¥9,500(各税込/ブロック指定) 
スタンド指定席 ¥9,500(税込) 
<問>キョードー東海:052-972-7466 
 
■東京
●開催日程:11月4日(土)  OPEN 14:00 / START 15:00 
●会場:幕張メッセ 
●出演アーティスト:BRING ME THE HORIZON / BABYMETAL / HYDE / Crossfaith / coldrain
●チケット情報:GOLDスタンディング¥14,000 / 一般スタンディング¥9,500 (各税込/All Standing)
<問>クリエイティブマン03-3499-6669
 
<チケット発売情報>
★神戸、名古屋Extra公演:各プレイガイドよりチケット一般発売中
★11/4(土) 東京Extra公演:10月21日(土)〜各プレイガイドよりチケット一般発売開始
 
オフィシャル・サイト:http://nexfestjapan.com/ 
企画・制作・招聘:クリエイティブマンプロダクション

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