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LUNA SEA、約30年の時を経て現代に再現した『STYLE』ツアーライブ

Rolling Stone Japan / 2023年10月12日 18時0分

LUNA SEA

LUNA SEAが2023年10月7日(土)、神奈川・Kアリーナ横浜より「LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023」と題した全国アリーナツアーをスタートした。

【画像を見る】「UN ENDING STYLE」でのLUNA SEA(全8枚)

このツアーは、2大名作アルバム『MOTHER』(1994年)と『STYLE』(1996年)発表当時に行われたツアーを、約30年の時を経て現代に再現するというコンセプトで行われるもの。全国各地で2日間にわたってそれぞれのアルバムに特化した内容のライブが開催される。そのキックオフとなる公演が、10月7日(土)に 「MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE」、10月8日(日)に「UN ENDING STYLE」として神奈川・Kアリーナ横浜にて行われた。このレポートでは、8日に行われた「UN ENDING STYLE」の模様をお届けする。

『STYLE』は、4thアルバム『MOTHER』で人気・実力ともにロック界の頂点に立ったLUNA SEAが、音楽シーンの大きな期待の中でリリースした5枚目のアルバム。27年の歳月を経た今もなお、影響を与え続けているLUNA SEAの代表作のひとつだ。当時のツアーは、同年の7月~8月にかけて「LUNA SEA CONCERT TOUR 1996 UN ENDING STYLE」として開催された。さらに10月~12月にかけてはアンコールツアーとして「LUNA SEA CONCERT TOUR 1996 UN ENDING STYLE 〜TO RISE〜」が、12月23日には横浜スタジアムでのライブ「LUNA SEA UN ENDING STYLE TOUR FINAL Christmas STADIUM 〜真冬の野外〜」が行われている。翌1997年は活動休止に入りソロ活動を行うことでそれぞれの世界を広げていくことになる、LUNA SEAにとって最初のターニングポイントとなった年でもある。


RYUICHI

Kアリーナ横浜は9月29日にこけら落としが行われたばかりの新会場ということもあり、開演前に多くのSLAVE(LUNA SEAファンの総称)が記念撮影を行う姿が見られた。開演時刻を過ぎた頃BGMが大きくなり、客席は総立ちとなり拍手で主役の登場を促す。場内が暗転すると、「プツ…プツ……」と、レコード針を思わせるノイズが聴こえてきた。オープニングは、『STYLE』の1曲目と同じ「WITH LOVE」だ。RYUICHI(Vo)の歌い出しと共に照明が一斉に明るくなり、ステージ上にSUGIZO(Gt.Vn)、INORAN(Gt)、J(Ba)、真矢(Dr)の姿が。5分割された映像の中に映し出されるメンバーに大声援が送られる。3拍子のオーセンティックなメロディと演奏だが、終盤に激しくなる展開ではサーチライトが飛びかい興奮を呼ぶ。SUGIZOのリフを合図にステージ前から火花が炸裂して、「G.」へ。尖ったギターリフがリードするハイスピードのロックチューンは、11月29日にリリースされるセルフカバーアルバム『STYLE』からの先行配信曲。エッヂの効いたビートで突っ走ると、客席はオーディエンスが腕に付けたリストバンドが光り出して、アリーナ、スタンドを赤く染めた。


SUGIZO

「UN ENDING STYLE」ツアーへようこそ。Kアリーナ横浜! おまえらに会いたかったぜ! 飛ばしていくぞー!」。RYUICHIの第一声から、「END OF SORROW」へ。バスドラに合わせてオーディエンスから拳が突き上がる。激しいサウンドに乗せた美メロ、ウェットなRYUICHIのボーカルはまさにLUNA SEAの真骨頂といえる。「LUV U」では、裏打ちのダンサブルなリズムが体を揺らす。曲の終わりのフィードバックもそのままに、SUGIZOがギターをかき鳴らすと、「SLAVE」ではハイテンポな8ビートで突き放すような音の塊が広がって行く。サビでマイクをアリーナに向けて「カモン!」と合唱を促すRYUICHIとそれに応えるSLAVEたち。その一体感にRYUICHIは「今夜も最高だな!」と満足そうな笑みを見せた。



レーザーが飛び交い、怒涛のリズムセクションが唸りを上げた「1999」から、「RA-SE-N」へと続く。INORANのアルペジオを中心に延々と続く5拍子の演奏が不気味にすら感じる。映像の中で形を変えていくリキッドアートも中毒性あり。ド迫力のアンサンブルでバンドの結束力を見せた。鐘の音が響き、「SELVES」へと世界観が引き継がれる。真矢が叩くリムショット、Jのうねるようなベースラインと共に妖しげに歌うRYUICHI。スクリーンにはモノクロームの映像が流れ、SUGIZOがバイオリンで美しくも狂おしい音色を掻きむしるように奏でた。


J

20分間のインターミッションを挟み、大声援の中で真矢のドラムソロがスタートした。スティックを叩いて手拍子を求めると、Jがステージに上がり、2人で重点を響かせるリズム・アンサンブルを披露。耳に手を当てて歓声を促すJ。声出し可能となったライブの喜びを存分に満喫している姿は無邪気ですらあった。「横浜ー! まだまだいけるか!? もっとこいやー! この後、もっと飛ばしていくぜ!」と煽りたてる真矢のMCに応えたJが「いくぞー! 1、2、3、4」とシャウトしてハイスピードのリズムで疾走すると、SUGIZO、INORAN、RYUICHIがステージに姿を現して始まった「Déjàvu」で、客電が一斉に点いて大合唱へと掻き立てられる。背後には時計の針とかつての5人の映像が映し出される演出も。


真矢

RYUICHIが「次のナンバーは思い切りみんなのことを愛してみたいと思います。横浜、飛ばしていくぞ!」と叫んでから歌い出したのは「DESIRE」。間奏では、INORANとRYUICHIがソロを弾くSUGIZOを挟み、3人でじゃれ合う姿が微笑ましい。「TIME IS DEAD」ではスクリーンに表示される文字に合わせてオーディエンスが”TIME IS DEAD”と連呼してカオスに。パンキッシュな演奏の中、何度もキレキレなブレイクが決まり、SUGIZO、INORANは広いステージを縦横無尽に行き交いながらギターを鳴らす。続く大ヒット曲「ROSIER」で、色とりどりのレーザー光線が飛び交い、激しく点滅するライティングに包まれる場内。終盤、演奏が終わったかと思いきや、RYUICHIが「スタンドの奴らも、アリーナの奴らも、Kアリーナ横浜、全員で飛ばしていくぞー!」と叫んで、「ウォー!!」と物凄い歓声と共に再びサビへと突入して、興奮は最高潮となった。

「約30年の時を経て蘇ったこのツアー。俺たちは当時、ファン、メンバーたちと共に80'sからムーブメントを起こしてきました。もちろん、歴史や思いもたくさんあるけど、ここから先の未来を、今日ここにいるみんなと刻んでいくから。いいね、みんな!」と語り掛けるRYUICHIのMCに、温かな拍手がステージに向けられた。そんなムードから一転、「いけるかー!?」と「HURT」へ。熱く情念の籠ったボーカル、ラウドなサウンドは圧倒的な迫力だった。爆音のフィードバックとリフレインを残し、5人はステージを後にした。



アンコールでは、スクリーンでセルフカバーアルバム『STYLE』のジャケットが公開された。「かっこよくない!? LUNA SEAはツアーをやって、またこうしてみんなと新しい扉を開いた。なんでかって言うと、レコーディングするとすげえ新しいんだよ。昔の曲なんだよ!? 約30年前に作った曲が、めちゃくちゃ新しい。本当にすげえアルバムが2枚できたし、このツアーもスタートしたので、もう1度俺たちにしか作れない世界、俺たちにしか見えない景色を作りに行こうぜ!」。そうRYUICHIが叫ぶと、INORANの清廉なアコースティックギターが心地良く響く「IN SILENCE」が演奏された。SUGIZOのエフェクティブなギターソロと、伸びやかなRYUICHIの歌声が、空を翔けるように広大なサウンドスケープを見せて、LUNA SEAのこれまでの長い歩みを連想させた。


INORAN

メンバー紹介から、初の試みとなる観客の写真撮影がサプライズ解禁され、会場中からステージにスマホのカメラが向けられた。そんなこともあり、「PRECIOUS...」ではRYUICHI 、SUGIZO 、INORANがセンターでポーズをキメるシーンも。「Kアリーナ横浜、全員でかかってこいや!」と、銀テープがステージから放たれた「WISH」で、ライブはいよいよクライマックスヘ。RYUICHIがオーディエンスに歌を委ねると、大合唱となった。

しかし、ライブはまだまだ終わらなかった。白い衣装に着替えてステージに戻ったメンバーたち。「今夜は、本当に良い眺めを見せてもらったんで、最後に俺たち5人から想いを込めて、魂を込めて、次の曲を贈りたいと思います」(RYUICHI)。ラストに披露された曲は、バラードナンバー「FOREVER&EVER」だった。ゆったりと噛みしめるような丁寧な演奏のバックには、かつてのライブ映像が中央に、左右に今の5人の演奏が映し出され、感動的なエンディング曲となった。

演奏を終えた5人に、万雷の拍手がいつまでも鳴りやまず。エンディングでは、RYUICHIの「本当に最高でした! どうもありがとう! 最後にKアリーナに集まってくれた全員と、もう一度一つになって帰りたいと思います。準備は良い!? せーの!」の掛け声から、手を繋いだ5人のメンバーと共にオーディエンスがジャンプ。「みんな、愛してるよ! バイバーイ!」と、手を振りながらステージを去って行くメンバーたち。ステージと客席が最初から最後まで1つになった、激しくも温かいライブだった。

写真:田辺佳子、上溝恭香、清水義史

LUNA SEA『LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023』
「UN ENDING STYLE」
2023年10月8日(日)神奈川・Kアリーナ横浜
〈セットリスト〉
1. WITH LOVE
2. G.
3. END OF SORROW
4. LUV U
5. SLAVE
6. 1999
7. RA-SE-N
8. SELVES
【Intermission】
Drum solo
Bass solo
9. Déjàvu
10. DESIRE
11. TIME IS DEAD
12. ROSIER
13. HURT
アンコール
14. IN SILENCE
15. PRECIOUS...
16. WISH
17. FOREVER&EVER

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