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ヤングブラッドが語る、日本での特別な体験、愛とユニティを広げるパンク・ロック

Rolling Stone Japan / 2023年10月17日 19時15分

ヤングブラッド

初来日となった昨年のサマーソニックで、エモーショナルかつハイエナジーなライブを披露し、大きな話題を呼んだヤングブラッドが11月に2度目の来日をする。

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今回は日本では初となる単独公演を開催するとともに、ブリング・ミー・ザ・ホライズン主宰の「NEX_FEST」にも出演する。ブリング・ミー・ザ・ホライズンとは、2020年の「Obey with YUNGBLUD」で客演した仲だ。ヤングブラッドはこれまでに2枚のアルバムを出し、今年に入ってからは「Lowlife」「Hated」と新曲をリリースしているが、さらなる新曲も予定されているという。今回の来日でもいろいろサプライズを用意しているとのことだ。



ー昨年8月のサマーソニックが初来日だったんですよね。初めての日本はどうでした?

ヤングブラッド:素晴らしかったよ! 僕の人生、ずっと日本に行くのが夢だったんだ。オアシス、ブラーが日本に行った時のビデオを観てたから、僕も早く日本に行って、日本の文化を体感したかった。日本のポストパンクも大好きだし、見たいものがたくさんあるんだ。日本に僕のファンベースがあったのには驚いたよ。早くまた日本に行って、本物のロック・ショーを披露したいね。

ーサマーソニックでは、オーディエンスに何度もモッシュピットを勧めていましたね(笑)。

ヤングブラッド:クレイジーだったね! サマーソニックのメインステージでライブを始める前に、MCがステージに登場してスピーチを始めたんだよ。当然だけど、僕たちには日本語はわからない。でもMCが話した内容は、「次のパフォーマーが何を言おうとモッシュは禁止」っていうことだったんだ(笑)。そんなことがわからないまま、僕がステージで「モッシュピット!」って言ったら、オーディエンスはめちゃくちゃクレイジーになったね。でもしょうがないよね。僕には日本語がわからないんだから(笑)。

ーしかもステージ上で日本語っぽく「モッシュピット」って言っていましたね。

ヤングブラッド:バックステージにいる時、日本語で「mosh pit」ってどう言うのか聞いたんだよ(笑)。それで、サマーソニックの後は東京に5日間いたんだけど、そのときのステージで僕が「モッシュピット!」って煽ったビデオがバズったみたいで。街を行く人たちが僕を止めて、「ヘイ、モッシュピット」って声をかけるんだ(笑)。最初大阪にいた時は、街を歩いてても僕が誰なのかわかる人はいなかった。それが「モッシュピット」って声をかけられる人気者の「モッシュピット・ガイ」に変わったんだ(笑)。


ロック・ミュージックの入り口

ー今回の来日では、単独公演とブリング・ミー・ザ・ホライズン主催のNEX_FESTの出演がありますが、NEX_FESTに誘われた時はどう思いましたか?

ヤングブラッド:最高にクレイジーなことになると思ったね。僕とブリング・ミー・ザ・ホライズンが共演した曲がもうすぐ出るんだよ(「HAPPIER」YUNGBLUD+OLI SYKES of BRING ME THE HORIZON)。NEX_FESTはその曲を最初に披露するステージになるんだ。これは大きな出来事になると思うね。僕自身すごくワクワクしてるよ。ブリング・ミー・ザ・ホライズンは僕が子供時代に聴いて育ったバンドなんだ。彼らとその曲を初めて披露するフェスが日本で行われるんだ。これから先もずっと忘れられない思い出になると思うよ。

ーNEX_FESTと単独公演とでは違うセットになりますか?

ヤングブラッド:違うものになるね。NEX_FESTの方は、スゴい速さでめちゃくちゃエネルギーを放出した、ワイルドなものになる。単独公演の方は、1時間40分のフルのセットリストで、本当のショーだから、ありとあらゆる曲をやるよ。バラード、エネルギー、モッシュピット、クレイジーなものがすべて詰まってるんだ。NEX_FESTの方は、バンバンバンバンバンバン!! ウワッ!!って感じ(笑)。どっちも観なきゃダメだね。

ー子供時代にブリング・ミー・ザ・ホライズンを聴いていたとのことですが、ロック・ミュージックの入り口は何でしたか?

ヤングブラッド:僕のおじいちゃんが60年代にバンドをやってて、ギターショップを経営してたんだ。だから子供時代はギターショップで育ったようなものだ。生後6時間の僕がおじいちゃんのギターショップのカウンターにいる写真があるんだよ。だから僕に選択の余地はなかったんだ。常にロックンロールだったんだよ。

ーロック・ミュージックには何十年もの歴史、アーカイブがありますが、最初に自分が好きで選んだのはどこですか?

ヤングブラッド:今でも覚えてるけど、セックス・ピストルズのジョニー・ロットンのビデオを観たのが始まりだね。ジョニー・ロットンはエネルギー、怒り、スピリットのかたまりで、それが僕の奥深いところで共鳴したんだ。プロディジーのキース・フリントも大好きだよ。あと、デヴィッド・ボウイ、レディー・ガガも好きだ。

ー子供時代、学校の友達はロックを聴いていました?

ヤングブラッド:いや、全然。僕は北イングランドの小さな町の出身で、自分の着たい服を着てたし、周りは僕のことを理解しようともしなかったから、すごく大変だったんだ。当時僕が望んでたのは自分の拠りどころを探すことだった。それを与えてくれたのは音楽とバンドだったんだよ。音楽とバンドが僕にアイデンティティをくれたし、僕にホームをくれた。だから、僕がヤングブラッドとして活動を始めた時、僕がやりたかったことは、僕と同じように疎外感を感じ、孤独を感じ、何かに恐れてるような人たちに僕の音楽を届けることだった。この記事を読んでる人にも伝えたいよ。ヤングブラッドのライブに来てくれたら、僕たちは君を受け入れるし、君を愛するし、一緒にめちゃくちゃクレイジーになれるってね。





オリーとの絆

ー出身はドンカスターですよね? ブリング・ミー・ザ・ホライズンのオリー(オリヴァー・サイクス)の出身はシェフィールドだから、ほぼ同じ地元になりますか?

ヤングブラッド:そうそう。20分しか離れてないところで2人は育ったんだ。初めてオリーに会った時、ピピッと来たんだよ。同じ地元だし、同じような経験をしてきたし、同じような嫌なことを乗り越えてきたからね。だからすぐにウマが合って、仲良くなれたんだ。さっき話した、もうすぐ出る共演曲だけど、ブリング・ミー・ザ・ホライズンがアルバム作りで忙しい中、僕からオリーに曲を送ったんだ。「これに乗っかる? 僕と一緒に曲を作る?」って聞いたら、「今とても忙しいから、普通だったら断るところだけど、この曲はすごく気に入ってるし、一緒にやりたい」って答えてくれたんだ。うれしかったね。オリーはこの世界のパイオニアだし、僕は今再びロックのシーンが大きくなってきてるのを目にしてる。僕はその一部でいれることにすごく感謝してるんだ。

ーオリーは常にロックを今の時代の音楽として、モダンで最先端なものとして進化させていますよね。2人のアプローチは違うけれど、根底にある考え方には共通するものがあると思いますが。

ヤングブラッド:100%その通りだよ。オリーはハードコア、メタルが好きだけど、僕はパンクが好きで、セックス・ピストルズ、ザ・クラッシュ、ザ・ダムドがルーツにある。そういう違いはあるんだけど、僕たち2人が目指してるところは同じだと思うんだ。僕自身、エレクトロニック・ミュージック、ドラムンベースも好きだし、プロディジーも大好きだ。大切なのは何を感じるのかじゃないかな。僕はクレイジーなエネルギーが大好きだから、めちゃくちゃクレイジーにやりたいんだ。

ーヤングブラッドのエネルギーの源は何ですか?

ヤングブラッド:ドクターペッパーだよ!(笑)

ー(笑)今、ロックのシーンが再び大きくなってきていると話しましたが、自身では今のロック・シーンをどう見ていますか?

ヤングブラッド:若い子たちがロックに何かを感じてるんだと思うよ。TikTok、InstagramといったSNSで、ロック・ミュージックを新たに知った子が多いんだ。例えば、デフトーンズなんて、彼らの歴史の中で今が一番ビッグな存在になってる。新世代のキッズがネット上で新たに知って、共感を覚えたからなんだ。今の時代、ネットで過去のディスコグラフィをチェックするのなんて、10分もかからない。今はそういうムーブメントの波が起こってるところなんだ。


ソングライティングは「釣り」

ー曲作りについても聞きたいのですが、いろいろな音楽が好きだし、いろいろ歌いことがあるだろうし、アイデアにあふれていると思います。1曲作る時に、それをどうやってまとめて形にするんですか?

ヤングブラッド:今自宅にいて、スタジオもあるんだけど、夜だからキャンドルに何十本も火を灯してるんだ。やり方としては、まずラップトップを取り出して、ビートを見つけて、目を閉じてマイクに向かうんだよ。そうすると始まるんだ。それだけだよ。それで走り出すんだ。あらゆる手を使ってね。

ーいつもそうやって作るんですか?

ヤングブラッド:曲作りは釣りに似てると思うんだ。魚が釣れる時もあるけれど、釣れない時だってある。しかも無理矢理釣ることなんてできない。僕は音楽は天からの授かりものだと思ってる。音楽は宇宙が与えてくれるものなんだ。これってマジックなんだよ。目を閉じると降りてくるんだ。リリックにしても、僕の魂の中から出てくるものだから、無意識のまま、特に何も考えないまま出てくる。それを僕はまとめて紙に書くだけなんだ。最高の曲というのは僕のハートから生まれるものだ。僕の頭からではなくてね。昔の僕は頭で考えて曲を作ってた。だから好きになれなかった。だけどハートから生まれたもので、自分でも感じるものがあれば、聴いた人だって感じることができるんだ。僕にとってはそれが音楽の一番素晴らしいところだと思ってる。

ー8月25日にリリースした最新曲「Hated」はすごくパーソナルな曲で、過去の性的被害、トラウマ、憎しみを歌った魂の叫びになっていますね。自身にとってもすごく特別な曲になっていると思いますが。

ヤングブラッド:僕はこの世界における破滅的な存在だと信じてる。人々がロック、ポップ・ミュージックで聞きたいとは思わないことを歌う存在なんだ。この曲で歌ってるのはすごく個人的な経験で、そこに込められたメッセージは、過去に起きた経験が何故トラウマになったのかを、世の中の人たちに理解してほしいということなんだ。僕が歌いたいのは、自分に起きた経験と真実で、聴き手にはそれを感じてほしいし、その声は聞いてもらえるもので、受け入れられて、理解されるものであると理解してほしいんだ。僕は自分の人生をかけてこれをやっていきたいし、今度日本に行くのを楽しみにしてるのは、そういうストーリーがいよいよ始まりそうだからなんだ。自分が歳を取っても日本ではライブをやり続けたいよ。できれば永遠にこれを日本でも続けたいんだ。



ーこの後、新曲、ニューアルバムなどのリリース予定はありますか?

ヤングブラッド:もちろん。今いろんなプロジェクトが進んでるところだ。ブリング・ミー・ザ・ホライズンと共演した曲の他に、今はまだ公にできないけど、めちゃくちゃクールなアーティストとの共演をやってる。

ーその曲はどんな曲になりそうですか?

ヤングブラッド:モッシュできるし、泣けるよ。しかも同時にね。それくらいエモーショナルな曲なんだ。歌って、スクリームして、モッシュして、ファイトできる。かなりヤバい曲になってるよ。

ー今後の予定は?

ヤングブラッド:もし火曜に曲が出来たら、金曜には発表する。僕はそういうヤツなんだ。曲を出したくなったらすぐにでも出すよ。ルールなんてもはやないからね。これはパンク・ロックなんだ。パンク・ファッキン・ロックなんだよ!!

ー最後に日本の人たちにメッセージを。

ヤングブラッド:また日本に行けるからめちゃくちゃ楽しみにしてるよ。日本での単独公演は初めてだからね。早くみんなとハングアウトしたいし、日本に行った時はいっぱいサプライズを用意していくつもりだ。それはライブだけじゃない。プランがたくさんあるんだ。歴史的な出来事になると思うよ。

ーモッシュピット・ガイ以外に、日本のみんなからはどのような存在として覚えておいてもらいたいですか?

ヤングブラッド:愛を広げる人だね。僕は愛を広げたいし、ユニティを広げたいと思ってるから。

<INFORMATION>


「HAPPIER」
YUNGBLUD+OLI SYKES of BRING ME THE HORIZON
日本時間10/18深夜配信予定

【YUNGBLUD 来日公演情報】
<NEX_FEST>  *SOLDOUT!
●開催日程:11月3日(金・祝) OPEN 10:00 / START 11:00
●会場:幕張メッセ
●出演アーティスト:
BRING ME THE HORIZON / BABYMETAL / YUNGBLUD / マキシマム ザ ホルモン/ YOASOBI / I PREVAIL 
PALEDUSK / CVLTE / 花冷え。/VMO / KRUELTY / Alice Longyu Gao

<NEX_FEST -Extra->
■兵庫
●開催日程:10月31日(火) OPEN 15:00 / START 16:00
●会場:神戸ワールド記念ホール
●出演アーティスト:BRING ME THE HORIZON / BABYMETAL / YUNGBLUD / I PREVAIL
●チケット情報:GOLD自由¥14,000 / 一般自由¥9,500 (各税込)
<問>キョードーインフォメーション:0570-200-888
 
■愛知
●開催日程:11月1日(水) OPEN 15:00 / START 16:00
●会場:日本ガイシホール
●出演アーティスト:BRING ME THE HORIZON / BABYMETAL / YUNGBLUD / I PREVAIL
●チケット情報: GOLDスタンディング¥14,000 / 一般スタンディング¥9,500(各税込/ブロック指定)
スタンド指定席¥9,500(税込)
<問>キョードー東海:052-972-7466
 
NEX_FEST イベント・オフィシャルサイト:https://nexfestjapan.com/
 
<単独公演>
■東京
●開催日程:11月6日(月) OPEN 18:00 / START 19:00
●Support act : (sic)boy
●Opening act : Jesse Jo Stark ※Opening actの出演は開場時間中を予定しています。
●チケット情報:¥7,500-(税込/All Standing/1Drink別)
<問>クリエイティブマン:03-3449-6669
 
公演ウェブサイト:https://www.creativeman.co.jp/event/yungblud/

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