ビョークが語るロザリアとの共演秘話、環境問題に挑みながらハッピーな希望を歌う理由
Rolling Stone Japan / 2023年11月22日 17時30分
ビョーク(Björk)とロザリア(Rosalía)のデュエット曲「Oral」がリリースされた。母国アイスランドにおける商業的規模のサケ養殖が生態系に与える深刻な影響を懸念するビョークは、新曲の収益を養殖場造成の反対運動にあてたいと考えている。米ローリングストーン誌による最新インタビュー。
ビョークは、ここ数年の間に何千匹もの「フランケンシュタイン・フィッシュ」なる生物がアイスランドの河川に生息するようになったことに、激しい憤りを感じるという。
フランケンシュタイン・フィッシュとは、ビョークがつけた養殖サーモンの別名である。パニック映画『ピラニア』(1978年)の肉食魚ピラニアを想起させるこの不気味な魚は、ここ数カ月にわたってアイスランド西部のフィヨルドのそこここに造成された沖合の養殖場の囲いから逃げ出し、同国の河川に流入している。この侵入者たちが殺虫剤や排泄物を河川に持ち込み、野生のサケと交配することで、野生のサケの個体数が減少するのではないかと危惧されている。世界的に見ても、野生のアトランティックサーモンの個体数は、20年間にわたって激減している。主な原因は、気候変動とアニサキスをはじめとする寄生虫である。アイスランド野生生物保全基金(IWF)のデータによると、アイスランドの野生のアトランティックサーモンの個体数は、1970年と比べて4分の1にまで減少した。
かねてより地球——特にアイスランド——の環境保全への取り組みを公言してきたビョークは、新曲「Oral」を通じてアイスランドのサケ養殖問題にスポットライトを当てようとしている。スペイン出身の世界的ポップスター、ロザリアとのコラボレーションによる新曲の歌詞自体は、サケとは無関係である。だからこそ、ビョークの想いはより切実にリスナーに伝わるのかもしれない。
このたびリリースされた「Oral」という曲は、もともとはビョークが90年代後半に作曲&レコーディングしたものである。だが、この曲が日の目を見ることはなかった。『Homogenic』(1997年)や『Vespertine』(2001年)といったアルバムに収録するには、あまりにもポップでメインストリームすぎると考え、リリースを控えたからだ。その未発表曲が11月21日(現地時間)にリリースされる。一瞬にしてリスナーを虜にしてしまうストリングスとかすかなレゲエのビートにのせて、ビョークとロザリアは「理想と現実」とを結びつけることの難しさと、愛しい人への想いを歌い上げている。サビの部分で”それは正しいことなの?”(Is that the right thing to do?)と問いかけるふたりは、”私にはわからない/わからないの”(I just dont know/I just dont know.)と答える。この曲が収められたマスターテープは、今年の3月までビョークのアーカイブの中で眠っていたという。それを改めて聴いたビョークは、今回のリリースに踏み切ったのだった。
アイスランドの野生のサケが危機に瀕していること——さらには、今年の夏にかけて事態が悪化し、養殖サーモンを駆除するために政府が”サーモンハンター”を派遣したこと——を知ったビョークは、「Oral」をチャリティ・シングルとしてリリースすることを決意。楽曲に新鮮味を与えるため、ロザリアに声をかけたのだった。楽曲の収益は、アイスランド東部セイジスフィヨルズルの近隣住民たちの反対運動の支援金となる。フィヨルドに囲まれたこの場所に、商業的規模のサケ養殖場の造成が予定されているのだ。残りの収益は、新しい法律の制定やアウェアネス喚起のための活動にあてられる予定だ。
IWFのヨン・カルダル氏は、「野生のアトランティックサーモンの生息地は、気候変動と海洋酸性化によって減少し続けています」と本誌に語った。さらにカルダル氏は、次のように続ける。「だからこそ、野生のアトランティックサーモンへの悪影響や脅威を最小限に抑え、新しい環境への順応を妨げないようにすることが急務なのです。寄生虫や養殖サーモンとの交配、沖合のいけすで養殖されるサーモンの感染症などは、野生のサケにとってもっとも危険な人為的脅威です」
ビョークは、ビデオ通話アプリを介して本誌に次のように語った。「私は、事態を変えられると思っています。だからこそ、こうした活動を行なっているのです。科学者や環境法を専門とする弁護士に話を聞いたところ、いまからでも被害の修復は可能であることがわかりました。大切なのは、環境関連のニュースにはハッピーエンドが待っている、と人々に思ってもらうことです」。
サケ養殖反対運動に触発された理由
—何がきっかけで、サケ養殖の危険に目を向けるようになったのでしょうか?
ビョーク:アイスランドの環境活動家たちは、数年前から(沖合設置型のサケ養殖の)危険性を認識していました。実のところ、こうした養殖方法に対して不満を抱いていました。でも、2月に(アイスランドの会計検査院から)重大な発表がなされると、事態が思っていたよりも深刻だったこと、それどころか、10倍は深刻だったことに気づかされました。その結果、今年の夏にアイスランド国民の怒りが爆発したのです。
アイスランドは、ヨーロッパの中でも最大規模の手つかずの自然が残っている場所です。この国の人々は、千年にわたって大地を耕し、自給自足の生活を営んできました。放牧された羊は、夏の高地を4カ月間自由に駆け回ります。「オーガニック(有機栽培)」や「フリーレンジ(放し飼い)」という言葉が生まれる前から、私たちはこうしたことを実践していたのです。
ですから、沖合設置型の養殖場の実態を知ったとき、私たちは大きなショックを受けました。サーモンの成長を促進させるために薬物が投与されていたのです。サーモンの骨格は、通常の2、3倍のスピードで成長していました。そのせいで、養殖されているサーモンの約60%が変形していたのです。さらには、約20%がいけすの中で命を落としていました。それほどまでに養殖環境が劣悪なのです。そのうえ、何トンもの殺虫剤が撒かれています。あまりの劣悪さに、(ノルウェーの)医師たちは、「養殖サーモンを食べてはいけない」と妊婦や子供に警告しているほどです。こうしたサーモンが「天然アトランティックサーモン」としてスーパーで売られている状況を想像してみてください。実際は天然物なんかではありません。これらのサーモンは、たとえるなら、アウシュヴィッツのような環境で養殖されているのです。
【※補足情報:「すべての養殖サーモンは、心臓に問題を抱えています。それだけでなく、成長のスピードがあまりに速いため、背骨と頭蓋骨が変形しているのです」とIWFのカルダル氏は語る。「さらに、その半数以上は、耳が聞こえません。これは、いけすという養殖環境によるストレスからくるもので、このほかにも寄生虫の問題があります。原始の美しい北大西洋でサステナブルな方法で養殖されているはずのサーモンが、動物虐待とほぼ変わらない方法で養殖されていた、と知った人たちが受けるショックは計り知れません。それに、魚は悲鳴をあげることができません。虐待は、私たちの目に見えない海の底で行われているのです。このようなことは、いますぐにでも止めなければいけません」】
—養殖サーモンを食べるなと医師たちが警告しているとなると、スーパーでは何らかの”しるし”が付けられているのでしょうか?
ビョーク:いいえ、そのようなことは行われていません。だからこそ私たちは、こうした区別化は何としてでも必要だと思っています。これは、スキャンダル以外のなにものでもありません。「北極海産天然サーモン」だなんて、よく言えたものです。天然でもなければ、「北極海産」でもないのに(苦笑)。言うなれば、人為的につくられたミュータント……モンスターのようなものです。【※カンダル氏は、次のように語を継いだ。「アイスランドの最高峰のレストランでは、陸上養殖(訳注:水質、水温、エサなどがコントロールされた屋内の施設で魚介類を育てること)のサーモンだけを使用しています。大手スーパー2社でも、販売されているのは陸上養殖のサーモンのみです」】
—どうしてここまで深刻なことになってしまったのでしょうか?
ビョーク:原因は、養殖場を運営する複数の会社——どれもノルウェーの会社です——の社内規定にあります。それによると、いけすの点検は60日に1回しか行われていませんでした。個人的には、それでは不十分だと思います。少なくとも、毎日点検するべきなのに。誰もいけすを点検しないまま、94日が過ぎました。その結果、何千匹ものフランケンシュタイン・フィッシュが、野生のサケが生息するアイスランドの河川に侵入してしまったのです。実際、侵入者を駆除するためにスキューバダイバーたちが銛(もり)を片手に川に潜りました。そういうわけで、9月は大災難の月でした。
実際の黒幕は、(これらの会社を経営する)ノルウェーのふたりの億万長者のようです。皮肉なことに、彼らは、10年前にまったく同じことをノルウェーでやっていたのです。ノルウェー国民の多くは、こうした養殖業が環境に悪影響を与えることを知っていましたから、反対していました。政府も規制を見直し、より一層厳格にしました。その結果、億万長者たちは「それなら、アイスランドに行こう。あそこなら、やりたい放題できる」と考えたようです。
だからこそ、私たちは心の底から怒りを感じています。魚が虐待されているだけでなく、それによってふたりの億万長者が大金をせしめているのですから。それに、養殖場がある町や村が潤っているわけでもありません。雇用創出という意味では、まったく恩恵がないわけではありませんが、ノルウェーにいる億万長者たちの懐に入る金額に比べると微々たるものです。【※カンダル氏は「ノルウェーの会社は、母国の人々の反感を買った結果、アイスランドに拠点を移したわけではありません。本当の目的は、事業拡大でした。ノルウェーのフィヨルドは、文字通り”完売”状態なのです」と訂正した】
Photo by Veiga Grétarsdóttir
—「Oral」の収益をどのように活用したいと考えていますか?
ビョーク:今回問題になっているのは、アイスランド西部のフィヨルドです。東部のフィヨルドは、まだこうした被害を受けていません。でも、セイジスフィヨルズルという東部の町で養殖場造成の計画が持ち上がっています。ふたりの投資家がこの地に養殖場をつくろうとしているのですが、フィヨルドの近隣で暮らす人々は反対しています。実際、住民たちは通りに出て抗議活動を行っています。裁判もはじまりました。
私は、裁判を闘う住民たちに「Oral」の収益を贈りたいと考えています。2、3年はかかるでしょうが、勝訴すれば、ほかのフィヨルドで暮らす人々にとって——願わくは世界にとっても模範を示すことができます。
ロザリアと私が発表したプレスリリースはスペイン語にも翻訳され、南米をはじめ、世界中に発信されました。アルゼンチンやチリでも(養殖業は)問題視されています。私は、教育や情報が足りていないからだとは思っていません。人々は、魚たちが置かれた劣悪な環境を知らないだけなのです。
—ノルウェー政府が行ったような規制の厳格化をアイスランド政府に求めますか?
ビョーク:現時点でこのスキャンダルの真っただ中にいるのは、アイスランドの閣僚たちです。ひとりは、環境大臣。もうひとりは、英語で何ていうのかわからないけれど、食品安全を取り仕切る省の大臣です。彼らは、「グリーンレフト」という左派政党に所属しています。ですから、一見、環境保護に取り組んでいるかのような印象を受けるのです。
彼らが左派であろうが、右派であろうが、私にはどうでもいいことです。(ほとんどの)アイスランド国民も、私と同意見だと思います。これがスキャンダルであるということには、誰もが賛成しています。でも、閣僚たちは、新しい法律を施行しようとしているのですが、とにかくスピードが遅いのが問題です。「来年の夏に5%変えましょう」のようなペースなのですから、なんともスピード感に欠けているのです。
私たちは、セイジスフィヨルズルの裁判の費用を負担したいと考えています。それよりも高い収益を上げられたなら、何らかの方法で新しい法律の施行のサポートにあてるつもりです。あるいは、この問題を大々的に報じてくれる機関を支援したり。いずれにしても、長期的に携わっていくつもりです。
ロザリアとタッグを組んだ背景
—「Oral」を作曲したのは、いつ頃でしたか? いまになってリリースを決めた理由は?
ビョーク:『Homogenic』と『Vespertine』の間にレコーディングしました。ほかの曲と違いすぎていたというか、あまりにもポップだったので、どちらのアルバムにも合わないという結論に至りました。でも、この曲の存在を忘れたことはありませんでした。いつも、頭の片隅にあったのです。
でも、当時のレコーディングはデジタルではなくアナログでしたから、音源もマスターテープという、磁気テープに保管されていました。3年おきに、マネージャーに「あの曲、探してくれない?」と頼んでいたのですが、見つけることはできませんでした。なくしてしまったのは、私のミスだと思いました。タイトルも忘れていましたから。
今年の3月、ある男性——経済界のエリートだったと思うのですが——のセックス・スキャンダルがニュースになりました。その人と、ふたりの息子の裁判関連のニュースが大々的に報じられたのです。その頃、私はツアーでオーストラリアを訪れていました。CNNのニュースを観ていたある日、画面の下のヘッドラインに「オーラルだったのか? それともオーラルではなかったのか?」という文字が映し出されていました。それを見た瞬間、「そうよ! あの曲のタイトルは、Oralじゃなかった?」とひらめきました。それからすぐ、マネージャーに「アナログのマルチトラックに保管されている『Oral』という曲を見つけて」とメッセージを送りました。3日後にメールで返事が来ました。トラックが見つかったのです。
不思議なことに、見つかった曲は、何から何まで私が記憶していた通りのものでした。その曲自体は好きなのですが、やはりどのアルバムにも合わなかったのです。それ自体が独立した存在のようでした。でも、それからほどなくして、サケ養殖の問題が世間を騒がせました。そこで、「環境保護活動のために使おう」と思ったのです。
—ロザリアとのデュエット曲にしようと思ったのは、なぜですか?
ビョーク:最初は、「歌のパートをレコーディングし直したほうがいいかな?」と思いました。でも、それも変かな、と考え直しました。この曲のノスタルジックな雰囲気が気に入っていましたから。この曲には特別な雰囲気があるけれど、録り直すことでそれが失われてしまうような気がしたのです。そこで、「となると、2023年を象徴するゲストボーカル、それもふたつの時代を対峙させる、トンネルないし望遠鏡のような役割を果たしてくれる人はいないかしら?」と候補を探しました。
この曲のアレンジもビートも、私がつくったものです。当時は、ジャマイカ発祥のダンスホール・ミュージックから大きな影響を受けていたので、ダンスホールのビートを下敷きにこの曲を書きました。折しも、ロザリアが実験的なレゲトン風のアルバムをリリースしたことを思い出しました。「考えてみると、ダンスホール・ミュージックはレゲトンの祖母のような存在かも」と思いました。ロザリアとは数年前から友人でしたから、「この曲を歌ってくれない? 環境保護のために」とメッセージを送りました。すると、どんな曲かも聞かないうちに、ロザリアは快諾してくれました。
—初めて「Oral」を聴いたときのロザリアの反応は?
ビョーク:すぐに好きだと言ってくれました。彼女の中で一番大きかったのは、環境のために何かしたい、という想いだったのではないでしょうか。曲自体を気に入ってもらえなければ、今回のプロジェクトは難しそうだなと心配していたのですが、とても気に入ってもらえたようです。
「Oral」は、ロザリアが歌っているのをイメージしやすい楽曲でした。でも、最初はどのように取り組んだらいいのか、わかりませんでした。ロザリアが「どういうふうに歌ってほしい?」と訊いてくれたので、「好きなように歌って」とだけお願いしたのです。ロザリアが曲の半分を彼女なりのアレンジメントで歌ってくれました。オリジナルのビートと同じパターンを使いながら、ふたりで曲を仕上げていったのです。当時のビートを忠実になぞりながらも、2023年らしさを添える方法を一緒に模索していました。
—ロザリアと知り合ったきっかけは?
ビョーク:5年前のことでしょうか。ロザリアのデビューアルバムを聴きました。フラメンコがベースになっているアルバムです。とても気に入りました。すっかりのめり込み、ノンストップで聴き続けたほどです。そこで、パブロ(・ディアス・レイシャ)と連絡を取りました。パブロは、「エル・グインチョ」という名義でも活躍しているアーティスト兼プロデューサーで、ロザリアとも仕事をしている人物です。パブロは、2010年頃には、わざわざブルックリンまで来て、『Biophilia』(2011年)に収録された2曲のビートづくりを手伝ってくれたこともあります。
その後、バルセロナでパブロとロザリア、そしてアレハンドラ(・ゲルシ・ロドリゲス)と会いました。ご存知の通り、アレハンドラとはアルカのことです。ロザリアは、バルセロナに住んでいるのです。4人でまったりしながら、何か一緒にレコーディングしたいね、と話していたのを覚えています。でも、そのためにはしかるべき楽曲とタイミングが必要でした。
—今回のコラボレーションのロザリアの歌唱の中で、特に気に入っているところは?
ビョーク:この曲を歌ったとき、私はたしか33歳でした。ロザリアも33歳です(実際は31歳)。要するに、私たちは同じ年齢でこの曲を歌っているのです。声オタク(voice nerd)の観点から見ても、これはとてもおもしろいと思いました。屍体愛好癖とはいわないまでも、それに近いものが……
—記憶に残っていることは……すみません、お話を遮ってしまいましたね。
ビョーク:いいの。屍体愛好癖に関するくだらない冗談を言おうとしただけだから。
—なんですか、それ? 気になります。
ビョーク:想像にお任せするわ。そもそも、屍体愛好癖とは無関係だから。
—そうですか。では、続けます。作曲プロセスで記憶に残っていることはありますか? 個人的には、ある人に想いを打ち明けようとしているような内容の歌詞だと解釈しています。ひょっとすると、歌詞の主人公は夢の領域から踏み出そうとしているのかもしれません。33歳の自分の歌声を聴いて、思い出したことはありますか?
ビョーク:そう、まさにその通り。この曲は、誰かと出会ったことで、ある感情が芽生える瞬間、それが友情なのか、それ以上のものなのか、自分でもわかりかねている瞬間を歌ったものなんです。だから、欲情を誘うというか……自分自身の唇にはっとさせられるような感覚です。だから、口を表す「Oral」というタイトルにしたのだと思います。行動したところで、どんな結果が待っているかわかりません。時には、幻想も大切なんです。何もしなくても、ただ夢想するだけで十分なこともあるのではないでしょうか。
同時に、とても遊び心のある曲でもあります。胸が傷むような悲しい曲ではありません。魚たちのために書き下ろした曲ではありませんが、ハッピーな曲なので満足しています。
—しっとりと歌っていたかと思うと、急にうなるように低くなるビョークさんの歌い方が昔から大好きです。この曲でも、そうした歌い方をされていますね。
ビョーク:正直なところ、計算しながらわざとやっているわけではないんです。それに、私の歌声のように聴こえるうなりの一部は、実はロザリアの声なのです。私の歌声が彼女にインスピレーションを与えたことをとても誇らしく思っています。実際、ロザリアは一生懸命歌ってくれました。私たちの歌声が融け合っている感じがとても好きです。
—4月には、コーチェラ・フェスティバルに出演されました。来年は、Cornucopiaツアーを超えるような全米ツアーの予定は?
ビョーク:そうですね、Cornucopiaツアーは不思議なプロジェクトでした。ツアーをはじめて1年が過ぎた頃にパンデミックがはじまりましたから。2年の中断を経て、クリスマス頃にファイナルを迎える予定です。中断期間はありましたが、4年というプロジェクトは前代未聞でした。
2019年5月にニューヨーク公演を、2022年1月にカリフォルニア公演を行いました。ここだけの話ですが、本当に移動が大変でした。私のツアーの中でも、もっとも野心的なプロジェクトだったと思います。たとえば、ステージでは24もの回転式の幕を使うのです。こうした大規模なツアーは今回が最後になると思います。来年は、新しいアルバムの制作にも取り掛かる予定です。あと、Cornucopiaの映画も公開されますね。
—先ほど、ハッピーな曲に満足しているとおっしゃっていました。その理由は?
ビョーク:私は、環境に関するすべてのことに希望を届けたいと思っています。呼吸もままならない荒廃した世界の生存者や「どうせみんな死ぬんだ」といって人々が殺し合う、文明滅亡後の世界を描いた映画やドラマを次から次へと世に送り出すハリウッドの姿勢には、大反対です。こうしたアプローチは、偏狭であるだけでなく、臆病で自己憐憫に満ち満ちているようにしか思えません。私は、楽観的でソリューションをベースとした方法で環境問題に取り組みたいと思っています。具体的には、勝訴が見込まれる裁判を支援したり変化を実現したりすることです。
21世紀には、数多くの動物種が地球上から姿を消すでしょう。実際、すでに多くの種が消滅しました。それでも私は、生物学に大きな信頼を寄せています。私たちの中には、いつか突然変異によって植物のようになってしまう者もいるかもしれません。SF作品で見るようなヒト型の植物のようになるかもしれません。でも、大切なのは、たくましい想像力とクリエイティビティ、そして肥沃な頭脳を持つことです。未来を思い描き、それを生きなければいけません。最悪のシナリオばかりを想像するのは、怠惰以外のなにものでもないのですから。
From Rolling Stone US.
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【ふるさと納税】暖流と寒流が交わる絶好の漁場! 北海道白糠町の返礼品ランキングトップ3【2024年11月版】
Jタウンネット / 2024年11月20日 20時10分
-
今年の「ふるさと納税」はまだ間に合う! 鮭・サーモンの返礼品ランキングトップ5【2024年11月版】
Jタウンネット / 2024年11月15日 7時20分
-
脱炭素化支援機構がアトランティックサーモンの陸上養殖事業を推進する8F Aquaculture Fund JapanILPに対して出資を決定
PR TIMES / 2024年11月9日 13時40分
-
ノルウェーサーモン「サーモンなら、ノルウェー」キャンペーンを本日より開始
PR TIMES / 2024年11月1日 11時0分
-
フレンチラーメン『サーモンnoodle3.0』と世界No.1サーモンメーカー『MOWI』の第2弾コラボ!秋限定・環境に優しいサーモンラーメンが2024年11月より販売開始
PR TIMES / 2024年11月1日 11時0分
ランキング
-
1「私立恵比寿中学」メンバーが異例の謝罪動画 星名美怜の電撃契約終了受け9人が涙目で25秒以上頭下げ…
スポニチアネックス / 2024年11月25日 23時9分
-
2【韓国スターの招聘に失敗】チョン・ヘインがTBS大作ドラマへの出演を辞退、企画自体が暗礁に乗り上げる危機 W主演内定の坂口健太郎も困惑
NEWSポストセブン / 2024年11月26日 7時15分
-
3韓国ガールズグループ「NMIXX」、竹島の領有権主張する歌で「炎上」 日本公演反対署名が5万人突破
J-CASTニュース / 2024年11月25日 18時30分
-
4吉高由里子、茶髪変貌の〝サイン〟大河主演終え長期の充電期間突入か 昨年6月の熱愛報道もありプライベートに注目
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月26日 6時30分
-
5「エビ中」星名美怜 ドライすぎる「契約終了」の表現にファン困惑「卒業(転校)とかじゃなく?」
スポニチアネックス / 2024年11月25日 22時58分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください