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edhiii boi、傷も痛みも昇華し突き進むことを予感させる初ワンマンライブ

Rolling Stone Japan / 2023年11月27日 16時0分

edhiii boi(PHOTO BY : SATOSHI HATA)

BMSGレーベルに所属する現役高校生ラッパー・edhiii boiが、11月18日(土)東京Studio Freedom、11月24日(金)大阪LiveHouseANIMAにて、初のワンマンライブ『満身創意』を開催した。チケットは両公演ともにソールドアウト。2024年1月26日(金)、東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて、追加公演の開催も決定している。本ページでは、11月18日(土)のオフィシャルレポートを掲載する。人生初のワンマンライブであった本公演は、edhiii boiの多面的な魅力が凝縮された内容となった。

【画像】edhiii boi、ライブ写真(全8枚)

会場が暗転し、オリエンタルな音色と昂るビートが鳴り始めると、フロアからはクラップが湧き、「edhiii―!」「イェーイ!」などの声が行き交う。音が止まると次は雨音が流れて、照明が稲妻のように光る。そうしてオーディエンスの期待を高めたところで、パンキッシュなギターを突き刺し、ついにedhiii boiが登場。青と黒を基調にした衣装にシルバーネックレスやサングラスを身に纏い、マイクスタンドを前に両手を広げた姿は、ロックスターの輝きを放っていた。自身の登場を告げるように「edhiii boi is here」からスタート。そこからライブ全編を通してedhiii boiとは、ロックスターやラップスターの精神性を引き連れながらも、完全に新しいスター像を作り上げる存在であることを示していく。

☆Taku Takahashiプロデュースによる「Uiteru」、Iimori Masayoshiプロデュースによる「カメレオン」とつなげて、磨き上げた低音、1曲の中で次々と変わっていくビート、スキルフルに畳み掛けるラップで、フロアにいる全員の身体を突き動かしていく。「Whats up、東京!」と挨拶し、「僕、決めていることがあって。音楽では嘘をつかないということなんですけど」という言葉だけを挟んで、胸の内を吐露する「Non Fiction」へ。冒頭の3曲のように漲る自信をラップにのせて堂々とパフォーマンスしオーディエンスを圧倒させることも、その裏にある不安や恐怖を隠さずにさらけ出すことも、edhiii boiの魅力的な表現である。


edhiii boi(PHOTO BY : SATOSHI HATA)

「神戸からひとりで上京してもうすぐ2年になります」という話から上京した頃に書いた「TOKYO」、「コロナ、大変だったじゃん。でもこうやってライブができるようになってめっちゃ楽しい」という言葉とともに歌い始めた「Only God Knows」と、1stアルバムからの楽曲を続けていく。そして、この日バックDJを務めたYackleとともに作った「Higher Up」へ。アグレッシブなハイパーポップ調のトラックでオーディエンスの脳内をかき乱していく。《大人になるのが怖かったりもしている》ような10代の心の内に渦巻く混沌とした感情や、自由を手に入れようともがく様、そして身体から溢れ出る熱に、激しいビートミュージックが見事にはまり、そこにedhiii boiの矢継ぎ早のラップがのると曲自体に高い温度が宿る。しかし16歳である彼は、アルコールと抜群に合う音楽を作っていることにはまだ気づいていないのだろう。だって次に披露した「NO」では、《Smokeや酒はNO》とも歌っているのだから。

「NO」からは「友達」をテーマにした楽曲が続く。《俺がしたくてする事は教科書には載ってない》と自分のスタイルを主張したかと思えば、高校生らしく友達との日常も歌うのがedhiii boiである。「僕は『THE FIRST』というオーディションを受けて、3次審査で落ちたんですけども、日高さん(SKY-HI)にずっと音源を送って今日この場所にいます」と語ると温かい拍手が湧き、契約の決め手となった”Forever Friend”を披露。この曲の中で書いた《2年後俺はステージの上》という言葉は、今この瞬間に叶えてみせている。さらに「一人でご飯を食べるのがすごく嫌なので」とかわいい一面も見せて、ローカルカンピオーネによる振付がTikTokでバズり始めている「おともだち」へ。「友達って形だけじゃないから。まじで大事だから。みんなもお友達を大切にしてください」といったメッセージとともに、中華を食べきれなかった日のことや江ノ島に遊びに行った日のことを日記のように書いたラップを届ける。フロアからは合唱が起こり、edhiii boiもさらにテンションを上げて、新しいネックレスが壊れるほどの勢いでステージを駆け回る。



そして次は「恋愛」をテーマにしたゾーンへ。「おとぎ話」、「Kawaii」、「不思議な国のアリス」、そして最新アルバム収録の「青い春」と、出会いから別れまでを描いた4部作を展開。自身の失恋経験から書いた「青い春」を歌う前には「やっぱり僕は病むより歌にしないとダメなんですよ」とこぼし、「僕は音楽を作っているときに、完成したときに、音楽しかないんだなって思っちゃう」という言葉も。最後は《もう一度だけ「ごめんね ありがとう」って伝えたいよ それだけ》の歌詞を「ほんまごめん 愛してる」と変えてアカペラで歌った。

最後は、最新で最高のedhiii boiを見せつける「GALAXY」で締めくくった。この頃には、小学生から大人までが集まったフロアの熱狂がものすごい状態に。歓声はみるみる大きくなり、いろんな言葉が飛び交っている。それはこの熱狂の渦がこの先さらに大きくなっていくことを確信させるものだった。


edhiii boi(PHOTO BY : SATOSHI HATA)

アンコールに呼ばれたedhiii boiは、自身のキャラクターが描かれたTシャツに着替えて登場。1曲目に歌われたのは「StAR」。オートチューンを使わずに剥き出しの声で、ひとりの夜に溢れてくる言葉にならない感情を紡ぐこの曲は、SoundCloudでしか発表されていないものの、リスナーの心の奥深くにまで刺さっている。「宇宙」を挟んで、「アンコールって普通だと面白くないなと思って、今日はスペシャルなスペシャルなスペシャルなステージを持ってきたんですよ」と言うと、BMSGのロゴと自分の名前が刻まれた黒いパーカーを着用。準備されていたのは「118」〜「The Moon in the WEST」〜「Nightmare」〜「New Chapter」〜「Anytime, Anywhere」〜「14th Syndrome」〜「Brave Generation -BMSG United Remix-」をつないだ特別メドレーだった。そして名残惜しそうな表情を見せつつ、感謝の気持ちを丁寧に伝えた上で、「大変なときは僕の曲を聴いて心を癒してもらえたらいいなと思っています。つらいな、しんどいなと思うとき、心にお花を添えられるような曲を最後に持ってきました」と語って、「Flower」を届けた。

圧倒的なスター性を見せつけながら、一人ひとりが生活の中で抱えるしんどさにも共感し、自分も同じように強くなれないときがあることを偽りなく伝えるのがedhiii boiだ。様々なボーカリゼーションを操りながら、自信も、その裏にある不安も、かっこつける様も、かっこつかない様も、友情も、恋愛も、すべて音楽の中でリアルに表現する。ニューアルバム『満身創意』は《頭からつま先まで 誰も真似できないって》という言葉から始まるが、日々の経験から得た感情を全身の肉体を使ってアウトプットしているからこそ、「edhiii boi」という表現は誰も真似できないものになっている。タイトル『満身創意』の通り、これからもedhiii boiは傷も痛みも創作に昇華して突き進んでいくことを予感させる1stワンマンライブだった。

テキスト:矢島由佳子


<ライブ情報>

edhiii boi 1st ONEMAN LIVE ”満身創意”追加公演
2024年1月26日(金)duo MUSIC EXCHANGE(東京・渋谷)
開場18:00 / 開演19:00
チケット:前売り ¥6000(税込、オールスタンディング、整理番号有り、ドリンク代別途必要)
※未就学児入場不可、小学生以上チケット必要
B-Town先行抽選販売中
https://bmsg.shop/pages/b-town
B-Townご入会はこちら
https://bmsg.shop/pages/b-town
一般抽選販売:12/21(木)~12/24(日) 
https://e-ticketbook.com/edhiiiboi-add/2311-tb/
一般発売:2024/1/6(土)10:00

Instagram:https://www.instagram.com/edhiiiboi_is_here/
TikTok:https://www.tiktok.com/@edhiiiboi
SoundCloud:https://soundcloud.com/user-48052443
BMSG:https://bmsg.tokyo/

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