I Don’t Like Mondays.がJAPANツアーファイナルで魅せた、祝祭感と緻密なアレンジ
Rolling Stone Japan / 2023年12月5日 17時0分
5枚目のフルアルバム『RUNWAY』をリリースしたI Dont Like Mondays.(アイドラ)のリリースツアーファイナルが2023年12月2日(土)、Zepp Divercityにて行なわれた。一見、華やかで祝祭感のあるステージだったが、緻密な楽曲アレンジの妙と、彼らの高い演奏技術が凝縮された2時間半でもあった。
【写真を見る】I Dont Like Mondays.、ライブ写真(全19枚)
SEのなかCHOJI(Gt.)、KENJI(Ba.)、SHUKI(Dr.)が登場。SHUKIの4カウントで演奏がスタートした。オープニング用のアレンジを加えて、アルバムでも冒頭を飾る「Umbrella」から始まった。「メイクサムノイズ!」の声とともにYU(Vo.)が登場すると、満員のフロアから歓声が上がる。2曲目、「WOLF VIBES」でフロアを横に揺らしたかと思えば、ムーディーでメロウな「Mmm...」はしっかりと聴かせる。落ち着いた立ち上がりだ。この日は3曲目まで撮影が許可されており、ここまでたくさんのスマホがステージに向けられていた。
YU(Vo.)
YUの「今年は日本だけでなく世界中回ってきました。飛行機乗りすぎてケツが爆発するかと思ったよ(笑)」というMCを挟み、「Strawberry Night」、「美しき世界」を披露。DJプレイのように前曲のビートを残しつつ繋いだこの2曲はカッコよかった。さらりとこなしてしまう感じも痺れる。続く「Girlfriend」は、4人のコーラスで曲が始まった。サビの前半部分をアカペラでイントロに転用したアレンジだ。既存曲のこうした遊びは、オーディエンスを飽きさせない。
メンバー全員のMCを挟み、次に演奏されたのが「Dynamite」。アルバムでも異彩を放つディスコ・チューンだが、80sの洋楽をルーツに持つアイドラ的にはむしろ王道で、この演奏は前半のハイライトのように思えた。打ち込みのシンセとKENJIのベースが同じ拍で音を鳴らすのがAメロのメインフレーズなのだが、これが、前に出るフレーズではないのに印象に残る。それを4つ打ちで支えるSHUKIのビートは頼もしく、安心して身体を委ねることができる。
KENJI(Ba.)
SHUKI(Dr.)
この曲のキモは、2回目のサビ後の展開がギターソロではないところだと思う。1小節ごとにコードが変わるシンプルな8ビートのセクションに、80年代のテクノのような、キャッチーなシンセがメインフレーズになる。普通ならギターソロを乗せたくなるような展開だが、あくまでも強調するのはビートなのである。CHOJIは一貫してバッキング的な役に回り、ビートに色を添える。このあたりが、アイドラが持つ音楽性の幅広さだ。こんなに簡単に、ロックバンドにディスコをやられたら困る。
CHOJI(Gt.)
ドラマチックなレーザー光線の照明に気を取られていると、アルバムのリード曲「Summer Ghost」が始まった。音源よりも長く尺を取ったアウトロではYUがピアノに向かい、アンサンブルに加わる。アウトロ終わりでYU以外のメンバーが捌け、そのままピアノ弾き語りによる「FEELING」へ。リズムレスで聴くYUのボーカルは、より色っぽい。照明もシンプルにYUを後方から照らすのみの、聴かせる演出だ。
「『RUNWAY』は、コロナから徐々に普通の生活が戻ってきて、改めて僕ららしい音楽を作ってみんなに届けたいと思って作りました。みんなが好きな音楽を聴いて、その音を纏って自分らしい人生を歩んでほしいなと思っています」(YU)
長めのMCを挟んで後半戦。引き続きYUのピアノボーカルスタイルで鳴らされたのは「HONNE」。1コーラス目はピアノ弾き語りで、2コーラス目からバンドインするアレンジに仕上げてきた。音源ではロボットボイスなども入った打ち込み重視の1曲だが、恐らくこの日唯一メンバーの持つ楽器以外の音が入っていない演奏だった。サビで重低音を突き抜けてくるKENJIのスラップが気持ちいい。
YUのラップがふんだんに盛り込まれた「conversation」、メンバー紹介を兼ねたセッションタイムを経て、「特別な夜にしたいと思います」(YU)というセリフのあとに登場したのは、なんと最新シングル「Whats going on?」でコラボしたセリーナ・シャーマ! はるばるロンドンから、ツアーファイナルにやってきてくれた。会場はこの日いちばんの大歓声が上がる(ちなみに、セッションに「Whats going on?」のキメが使われていたので、勘のいい観客は予感できたかもしれない……!)。セリーナの伸びやかで芯のある歌声はさすがのひと言だった。ものすごい歓声を上げるフロアに、メンバーも興奮していた様子。そして、そのまま披露されたのはセリーナのオリジナル曲「24/7」だ。この曲は同じくイギリスの男性シンガー、ハリス・Jとのコラボ曲で、ハリスのパートをYUが歌うというレアな一幕となった。
「ありがとうございます。お疲れ様です!」と、日本語で挨拶しセリーナが捌け、ここからフィナーレに向かう。「Sin City」、「TONIGHT」、「Freaky boy」が立て続けに演奏され、最後までフロアを縦に横に揺らしまくる。
高い演奏力がウリのアイドラだが、とくにこの日、ベースのKENJIのプレイが冴えわたっていたように思う。とくに記者の印象に残ったのは「Sin City」だ。音源ではエレキベースのスラップの音と、打ち込みのシンセベースの両方が録音されているのだが、ライブでもその両方が鳴っているかのように「1人2楽器」を再現していたのだ。遠目からなのであくまで憶測だが、人差し指と親指で持ったピックで硬質なゴリゴリとしたシンセベース的な音を出し、空いた中指or薬指でスラップを行なっているように見えた。これで、アーバンかつファンキーなリズムを生み出すことに成功している。さまざまな音楽性を持つ、アイドラのベーシストKENJIならではの、非常に柔軟な発想である。
本編ラストは「Beautiful Chaos」。「ライブで最後にやりたいと思って作った」というスタジアムナンバーだ。後半に向かうにつれてどんどん大きくなっていくエネルギーが最後に一気に放たれたような、壮大な締めくくりだった。
アンコールで「LEMONADE」が演奏されたあと、誕生日が近いというCHOJIにケーキがプレゼントされる一幕も。「実は今日もしかしたらこういうのあるかもとちょっと思ってた(笑)」(CHOJI)。
そして本日20曲目となるオーラスは「PAINT」。SHUKIのスティックさばきも少し大振りになっているように見え、エモーショナルなプレイに胸が熱くなる。サビでフロアに向けられたマイクに、観客もこの日いちばんの声量で応えていた。
デビュー10周年となる来年、2月の2nd SELECTION TOURの開催も告知された夜。これからアイドラがどんな深みを増してくるのか楽しみだ。
I Dont Like Mondays.
2023 A/W TOUR ”RUNWAY”
2023年12月2日(土)Zepp DiverCity
開場 17:30/開演 18:30
収容人数:2400人
TICKET SOLD OUT
■セットリスト
Umbrella
WOLF VIBES
Mmm...
Strawberry Night(Prod. by ESME MORI)
美しき世界
Girlfriend
Dynamite
Summer Ghost
FEELING
HONNE
conversation(Prod. by DPR CREAM)
Band Session
Whats going on? feat. Celina Sharma
24/7 feat. Celina Sharma
Sin City
TONIGHT
Freaky boy
Beautiful Chaos
ENCORE
LEMONADE
PAINT
I Don't Like Mondays. "2nd SELECTION TOUR"
福岡公演
【日時】2024年2月3日(土) 開場 17:30 / 開演 18:00
【会場】BEAT STATION
〒810-0004 福岡県福岡市中央区渡辺通4-11-4
【お問い合わせ】キョードー西日本
0570-09-2424 (平日・土 11:00〜15:00)
http://www.kyodo-west.co.jp/main.php
名古屋公演
【日時】2024年2月11日(日) 開場 17:30 / 開演 18:00
【会場】ボトムライン
〒464-0850 愛知県名古屋市千種区今池4-7-11 メトロビル
【お問い合わせ】サンデーフォークプロモーション
052-320-9100
http://www.sundayfolk.co.jp/
大阪公演
【日時】2024年2月12日(月・祝) 開場 17:15 / 開演 18:00
【会場】梅田CLUB QUATTRO
〒530-0051 大阪府大阪市北区太融寺町8-18
【お問い合わせ】キョードーインフォメーション
0570-200-888 11:00〜16:00(日曜・祝日は休業)
http://www.kyodo-osaka.co.jp
東京公演
【日時】2024年2月18日(日) 開場 17:15 / 開演 18:00
【会場】ザ・ガーデンホール ※全席指定
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿4-20
【お問い合わせ】HOT STUFF PROMOTION
050-5211-6077 (平日 12:00〜18:00)
https://www.red-hot.ne.jp/
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
GACKT YELLOW FRIED CHICKENzが12年ぶりに氣志團万博2024で復活!
PR TIMES / 2024年11月11日 10時45分
-
YOASOBI「アイドル」をデビュー5年目DKBが披露し1位に「鳥肌が立った」「Re:Born」#6
cinemacafe.net / 2024年11月5日 19時0分
-
アーカイブ配信実施中!「旅するクラシック ピアノとヴァイオリンによる名曲コンサート in 浜離宮朝日ホール」公演レポートが到着!
PR TIMES / 2024年11月4日 15時15分
-
デビュー10周年を迎えた「I Don't Like Mondays.」のラジオ特別番組をオンエア!FM AICHIで11月3日(日)19:00~20:00放送!
PR TIMES / 2024年10月30日 13時15分
-
オアシスの名曲TOP40
Rolling Stone Japan / 2024年10月29日 17時40分
ランキング
-
1韓国ガールズグループ「NMIXX」、竹島の領有権主張する歌で「炎上」 日本公演反対署名が5万人突破
J-CASTニュース / 2024年11月25日 18時30分
-
2「エビ中」星名美怜 ドライすぎる「契約終了」の表現にファン困惑「卒業(転校)とかじゃなく?」
スポニチアネックス / 2024年11月25日 22時58分
-
3清原弁護士 東国原氏と激論 斎藤知事の問題めぐり「収賄とか…」「収賄とは言ってない」かみ合わず
スポニチアネックス / 2024年11月25日 19時1分
-
4「私立恵比寿中学」メンバーが異例の謝罪動画 星名美怜の電撃契約終了受け9人が涙目で25秒以上頭下げ…
スポニチアネックス / 2024年11月25日 23時9分
-
5「ほんとズレてる」岡村隆史、不倫発覚の盟友を“中学生レベル”の擁護発言で炎上
週刊女性PRIME / 2024年11月25日 17時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください