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BALLISTIK BOYZが語る6年目への覚悟、新作に込めた「もがいてきた自分たち」

Rolling Stone Japan / 2024年2月21日 19時0分

BALLISTIK BOYZ(Photo by Jumpei Yamada)

ボーカリスト&パフォーマーというグループ形態が、EXILE TRIBEのスタンダードだった時代に、メンバー全員が歌もダンスも披露するグループとして走り出したBALLISTIK BOYZ。2019年5月に華々しいデビューを飾ったものの、翌年にはコロナ禍へ突入。なかなか思うように活動ができないなか、腐ることなく愚直に歩みを進めてきた。

そんな彼らが、約2年ぶりとなるアルバム作品『Back & Forth』を2月21日にリリースした。もしかすると、”行ったり来たり”という意味を持つタイトルに、ネガティブな印象を持つ人もいるかもしれない。しかし、そんな心配は無用だと、本稿を一読すればわかってもらえることだろう。

今回の取材では、『Back & Forth』について触れると共に、現在のダンス&ボーカルグループシーンにおける自分たちの立ち位置や胸の奥へ秘めてきた想いなど、赤裸々な胸中を語ってもらった。

【撮り下ろし写真を見る】BALLISTIK BOYZ

―たくさんのグループが活動している、現在のダンス&ボーカルグループシーンのなかで、BALLISTIK BOYZはどのような存在、立ち位置だと思いますか。

松井:自分たちがカッコイイ、イケてると思うものを追求して、唯一無二を磨き続けているグループ。なおかつ、日本のボーイズグループのなかでは、けっこうクリエイティブな集団なのかなって思います。そういえるのは、楽曲やダンスの振り付け、ライブの構成に至るまで全部を自分たちで考えているからです。SNSやファンクラブの内容も、会社の人たちと話し合って自分たちで決めています。先日もシンガポールまで行って、Instagramを運営しているMetaの会社の人たちと戦略を話し合ってきました。

砂田:とはいえ、まだEXILE TRIBEのグループというイメージが世間では強いかなと思っていて。より深く知っていくと、LDHのなかで全員がマイクを持った最初のグループだったり、語学が堪能な人がいたりっていう面もあるんですけど、まだそこを知ってもらえるまでには行ってないと思います。それが現状の立ち位置かなと感じます。


砂田将宏(Photo by Jumpei Yamada)

日髙:海外で活動するときも、EXILEさんって本当に偉大なんです。BALLISTIK BOYZは知られていなくても、EXILEだったら認知されていることもありますし。先輩方が築き上げた道を辿って、活動させてもらっていることばかり。BALLISTIK BOYZとして活動していけばいくほど、その大きさをすごく感じています。でも、自分たちで新しい道を切り開いて、新しいレールを作っていきたい思いもあります。

砂田:何か1個でも、突き抜ける年にするのが今年のテーマですね。僕らのなかでは。



―もはやEXILE TRIBEのなかでも中堅ですもんね。

松井:ちょうど真ん中になったくらいだと思います。

砂田:去年だけで4グループデビューして、俺らのときじゃ、考えられないくらいです。

奥田:ちょっと前までは、自分たちが1番後輩のグループとして「会社、LDH、EXILE TRIBEの底上げをしよう。頑張ろう」って話していたんですよ。でも、気づいたら後輩グループが4つ5つと出来てきて。ちょっと焦りというか。自分たちも「道を作っていかなければいけない」というプレッシャーもあります。とはいえ、一番強いのは「自分たちが一番飛躍して、EXILE TRIBEを代表するくらい活躍したい」という気持ちなので。後輩たちには、絶対に負けたくないですね。


奥田力也(Photo by Jumpei Yamada)

松井:正直にいうと、悔しさもあります。僕らがデビューしたときって、THE RAMPAGEさんもFANTASTICSさんも、ある程度できあがっていたというか。一方で今のBALLISTIK BOYZは、活動している規模が後輩グループとそんなに変わらない。僕らの5年間と彼らの1年間の成果で、あまり差がないように感じて悔しいです。やれることはやってきたんですけど、思い通りにいってないなという気持ちがあります。

加納:活動初期の僕らは、デビュー前からLAでMVを撮ったり、先輩方とMVで共演したり、デビュー2カ月後には先輩方と同じにステージに立ったりと、新人アーティストとして、なかなか考えられないような経験をさせていただいていました。だけど、想像以上の現実を歩んでいるさなかで、コロナ禍に突入してしまい、僕たちが本当に力を入れていた全国ツアー『BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2020 ”BBZ”』は、たったの3公演で中止になってしまった。何か状況を変える術があったわけじゃないけど、あのまま進んでいたら想像していた未来があったと思えるからこそ、やるせないというか。思い描いていた未来と現実のギャップが、すごく悔しかったです。


加納嘉将(Photo by Jumpei Yamada)

砂田:でも、俺らだけじゃなくて、みんなが経験したことだしね。

日髙:あの期間があったからこそ経験できたことも、メンバーの結束力もより深まりましたし、活動への本気度も増したというか。コロナが流行るまでは、とにかく良い流れだったから、あのまま行ってたら変な勘違いをしちゃっていたかもしれない。そのままいってたときと、そうじゃないとき。きっとどっちにも、ちゃんと何かがあると思うので。すべてに意味があると、僕らは思っています。

―全部を受け入れたうえで、悔しさもあるけど進むしかないと。

日髙:本当にその通りです。

砂田:悔しいで終わらせず成功に繋げて、「あのとき、あんなことがあったから」って僕らは言いたいので。みんなで一致団結して、ポジティブなモチベーションで進んでいく。たとえ選択が間違っていたとしても、最終的には間違っていなかったと思えるように必ず夢を掴む。とにかく後悔なく、BALLISTIK BOYZの活動をしたい。ただただ、その想いです。

―みなさんのマインドは、王道少年マンガを地で行くスタイルなんですね。

日髙:たしかに。

砂田:気づいちゃいました? 主役は誰なのっていう。

奥田:少年マンガもそうじゃないですか。

日髙:最初っから、上手くいくわけないじゃないですか。でも、最後に逆転するんですよ。結局は最後に勝ったやつが正しいじゃないですけど。「勝つまでやれば負けない」っていうHIROさんのお言葉もありますし、何も負けてないです。全然負けてないです。


日髙竜太(Photo by Jumpei Yamada)

加納:繰り返していって成功すれば、失敗は失敗じゃない。

砂田:それを語っているのが「N.E.X.T.」ですね。



―4月からスタートする『BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2024 "HIGHER EX"』で、ヘッドセットと生バンドを導入することになった経緯を教えていただけますか。

日髙:リアルな話、予算の関係でステージだったりバンドだったり、どこにお金をかけるかを選ぶ必要があり……。ずっとバンドスタイルでやりたいといっていて、今年ようやく実現できることになりました。

砂田:ツアーはバンドで行きたいねってずっと話してたんです。

日髙:やれることが増えて可能性が広がるので、本当に楽しみです。

深掘:3公演で中止になった『BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2020 ”BBZ”』も生バンドだったんですよ。


深堀未来(Photo by Jumpei Yamada)

日髙:ね、実は。

深掘:リベンジってわけじゃないですけど、あのときもすごくよかったので。しかも、同じバンドメンバーです!

日髙:エモ!

奥田:エモスティックっす、マジで。

深掘:全然上手くないけどね(笑)。

―ヘッドセットを使うことにしたのは、なぜでしょうか。

砂田:タイのイベントで、ヘッドセットを使うタイミングがあったんですよ。そのときに「なんかよくない?」みたいになって。

日髙:やっぱりいいな、って。

松井:リハーサルで使ったんだよね。ハンドマイクを使えないって言われて。

砂田:しょうがなく。

松井:そしたら、運命の出会いだった。


松井利樹(Photo by Jumpei Yamada)

砂田:初めてヘッドセットを使ったのが、ちょうどダンスが難しい曲のリリースタイミングで、マイクを持って踊ると良さが半減してしまうように感じていた時期だったので、「次のツアーからは導入しよう」という話になりました。

松井:あのイベントで経験できて、よかったよね。

日髙:ヘッドセットにすることで、パフォーマンスでやれる幅が広がったり、踊りをしっかり魅せきれたりするので、新たな可能性を感じてもらえるかなと思っています。

奥田:ヘッドセットとハンドマイクを、曲に寄って臨機応変に使い分けていくつもりです。



―続いて、アルバムについてもお伺いしたいのですが、その前に。みなさんは、2ndアルバム『PASS THE MIC』のリリース時に「第1章が完結した」とお話されていましたよね。今振り返ってみても、あのときに第1章は完結していたと思いますか。

深掘:ももも、もちろんですよ!

全員:(笑)。

日髙:言ってたな。

奥田:たしかに、今になって考えるとどうなんだろうね。

日髙:正直な話、ここまで経験してきたからこそ、全然そんなこともなかったなって思っちゃう自分たちもいるかもしれないですよね。

深掘:いろいろな経験をさせていただきすぎて。

日髙:でも、あのときは本当にそう感じていたんだと思います。気持ち的には、何かが切り替わってたんだと思います。

―では、今のBALLISTIK BOYZは第何章を歩んでいるモードなのでしょうか。

砂田:ターニングポイントみたいなものは、けっこういっぱいあったんですよね。それこそコロナもそうだし、タイに行くときも「新たなスタートだ!」と思っていました。はたまた、次に目指しているステージに辿りついたときが、本当の第2章になるような気もしますし。でも実際は、大きなくくりでいうと、まだ1stステージなのかもしれません。

日髙:大きなくくりでいうとね。

松井:今年を終えて、どう感じるかというか。

深掘:BALLISTIK BOYZは、行ったり来たり。”Back & Forth”でもがいている最中なので。

砂田:とはいえ、『PASS THE MIC』のときよりも、地に足をつけながらもっと先のことを考えられるようになったのは間違いないです。あの頃は、目の前のことに必死で余裕もなかったですし、3年後や5年後を逆算した動きかたはできていなかったように思うので。点と点を繋いで、ひとつのストーリーにしていくってことが、やっとちょっとずつできるようになってきたかなと思います。

深掘:自分たちが掲げている目標は、着実にクリアしていってると思います。常に次を見ているからこそ、目標を達成したときに満足していない部分もあるので。まだまだ先があると思って、諦めずに進めているのは確かですね。



―ズバリ『Back & Forth』のテーマは、なんでしょうか。

日髙:行ったり来たりで、もがいてきた自分たちです。『PASS THE MIC』からの2年間を振り返って、こうだったよなって。

砂田:実はアルバム自体も、完成するまでけっこういろいろあって。

日髙:ありましたね。

砂田:「N.E.X.T.」をリード曲にして、アルバム名も『N.E.X.T.』にするとか、本当にいろんなアイデアがあったんですよ。結果的に「こういうリード曲を作りたい」という案が出たので楽曲を集めてもらったら、2023年中ではリリースが間に合わなくなって。アルバムタイトルも、そこから決め直しました。



松井:何カ月もかかりましたね。

奥田:まさしく行ったり来たり。

―先ほどのお話からすると「In My Head」は、明確なイメージがあって作られた楽曲のようですね。

日髙:昨年からの「Drop Dead feat. TRINITY」「Ding Ding Dong」「All I Ever Wanted feat. GULF KANAWUT」といった流れを汲みつつ、ツアーも控えていることを考えたときに、「In My Head」のような曲があったらいいんじゃないかと。今後を見据える必要があるし、時代の流れもありますし、どんな曲にすべきがすごく悩みました。そういう時代なのかなとも思うんですけど、ぶっちゃけ本当に難しいです。自分たちなりに一生懸命考えて、ベストを尽くしていくのは変わらないんですけどね。

砂田:その結果が、今回は「In My Head」でした。



―作詞はどういった感じで進めていったのでしょうか。

松井:7人でこの曲のデモを聴いたあと、最初に出てきたのが”失恋”というワードでした。そこから、曲を聴いて湧き上がってきたストーリーを歌詞にして、ひとつの物語を作った感じです。今作ではドラマや映画、音楽など、いろんな失恋作品からもヒントを得ていて。”まるで俺ロミオ そして君ジュリエット”のフレーズは、映画「タイタニック」から引っ張ってきました。

深掘:また、今回は変に捻らず真っすぐな歌詞でいこうという話になったので、わりとド直球な”愛してるよ”という言葉を使ったり、あえて自分を責めるようなネガティブな要素を入れたりしています。そこは、今まで見せてこなかった、BALLISTIK BOYZの新しい一面なんじゃないかな。この曲の世界観や雰囲気を僕らが作ったって感じですね。



―コレオグラフは、どなたが担当されたんですか。

奥田:俺らと同世代のダンサーの方に作ってもらいました。「In My Head」は、今までのBALLISTIK BOYZの曲とちょっと違うので、新たな振付師に依頼してみるのもありだなと思い、ハマりそうなかたにお願いしたら、めちゃくちゃいいのを作ってくれました。でも、めっちゃ難しいよね。

加納:新しい振付師だと新しいエッセンスがある分、単純に慣れていない部分も多いですし。それに楽曲のテーマに基づいて作ってくれているので、今回は感情系というか。ひとつひとつの動きに感情がこもっているような感じだったので、形通りになぞるだけでは感情がでないのが、すごく難しかったですね。表情も使わなきゃいけないし、腕の広げかたひとつにしても全然違って見えるので。どれだけアーティストになれるかの勝負というか。ダンスの上手さだけじゃない部分が、すごく難しかったです。

海沼:以下同文です。すべて言ってくれました。


海沼流星(Photo by Jumpei Yamada)

奥田:「In My Head」をやってみて、もっとこういう楽曲をやってみたい気持ちも増えました。MVでもダンスがすごく揃っていて、いい意味でめちゃくちゃ映えていたので。自分たちの強みであるダンスを、もっと魅せていかなきゃですね。これからもどんどん挑戦していきたいと思います。

―そもそもBALLISTIK BOYZは、アクロバットもできるかたたちですからね。

日髙:今年はやります。

奥田:言っちゃった(笑)。

砂田:おニュー?

日髙:おニュー。改めて気合いをいれます。

松井:マジで勝負の年ですね。

―みなさんにとって、2024年は”勝負の年”といった感覚なんですね。

松井:今までで一番、「今年にかかってる」って思ってるかもしれないです。

日髙:BALLISTIK BOYZとしての進化を問われる1年になりそうな気がしています。

奥田:今後に大きく響きそう。

砂田:行き切るか、また留まるかの。

深掘:もう今まで通りじゃダメっすね。

松井「今年無理だったら、もう無理くらいの気持ちでやる」って僕らは決めました。

日髙:絶対にそれは、いいことなので。もしかすると2、3年後にインタビューしたときには、また「あのときはこう思ってたけど」ってなるかもしれないですけど。今の僕たちは本気で思っているので。



―コロナが明けて日常が戻ってきたこともあって、「今年が勝負の年だ」と思っているボーイズグループは多そうですよね。

日髙:本当に戦国時代ですよね。でも、いいことだと思います。

奥田:刺激があって。

日髙:みんな「上等じゃねえか! おもしれえじゃん!」って感じていると思います。こんなことをいうなんて、尖ってるんだろうね(笑)。でも、いいと思うんですよ。自分自身で思うんです、いい意味でも悪い意味でも自分たちがすごくまとまっちゃったなって。結成当初のぎらつきや勢い、なんでもやっちゃえって感じは、やっぱりあったほうがいい。こうすべきとか、これが普通だよねっていう変な固定観念を、いい感じに壊していきたいと思ってます。守るところは守りつつも、壊しちゃっていいところは壊していかないと。今まで通りじゃダメだからね。変化を起こさなきゃ。

松井:去年のツアーを終えて、タイから帰ってきて、覚悟が決まったと思うんですよね。決まったというか、7人でタイに住んで毎日のように目標を語りあったことで、絶対にやってやろうという気持ちになってる。もう次は行くしかないよねって。



日髙:自分らで自分たちのケツを叩いてる感じですよね。こうやって、どんどん発言して。

砂田:HIROさんに火をつけていただいた部分もあります。「もっとBALLISTIK BOYZならいける。絶対にできる」って。僕らの覚悟が決まり、最近ではHIROさんや会社のかたとコミュニケーションを取る機会も増えて、チーム全体として「これはいけるぞ!」っていう空気感ができあがっているんです。僕らも「来た!」って感じなので、みんなを巻きこんでやっていきたいと思います。

―では最後に、2024年中の野望を教えてください。

松井:大きいところで、ライブをやります。

砂田:やりたいね。

奥田:やりたいっすね。

日髙:今まで以上の場所で。

奥田:とはいえ、まずはホールから。これからやる『BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2024 "HIGHER EX"』で、しっかりといい作品を作って、国内にいるファンのみなさんに届けて、今後に繋がるライブにしていきたいと思います。

松井:ひとつの夢を叶えたら、おのずと次の夢が見えてくると思うので。その次に向かって頑張りたいと思います。

海沼:行ったり来たりな人生を5年弱歩んできたから、今年こそは行くだけの人生にしたいですね。6年目は、次のステージへ這い上がります。見ててください、期待しててください!


<リリース情報>

BALLISTIK BOYZ
『Back & Forth』
2024年2月21日(水)リリース
https://m.tribe-m.jp/news/detail?news_id=45869

BALLISTIK BOYZ HP https://m.tribe-m.jp/Artist/index/195

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