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STARKIDSが宣言した世界への道、ボーダレスに共振する仲間たちとブチ上げた渋谷の夜

Rolling Stone Japan / 2024年2月28日 20時0分

STARKIDS(Photo by @karlifetz)

STARKIDSが2024年2月25日(日)、ソロライブ『STARKIDS: Year of the 9』を東京・Veats Shibuyaにて開催した。

本公演は本来1月に開催されるべく年末から準備されていたものだが、元日に能登半島地震が発生したことを受け、STARKIDS及びレーベルの〈guntai9〉は急遽日程を2月に変更。代わりにYouTubeでのネット配信型ライブを1月27日(土)に実施し、配信から得られる利益は全て復興支援金に充てられた。そうした経緯を経て開催された本イベントの様子を独自レポートでお届けする。

関連記事:SoundCloud発の次世代クルー、STARKIDSが語る音楽ルーツ

STARKIDSの主催イベント「Year of the 9」。高速のビートに乗って時代を駆け抜けるSTARKIDSと共振する同志たちが次々と登場した一夜だった。

まずは、キッズたちでぎゅうぎゅうになったフロアにlilbesh ramkoとhirihiriによる142clawzが登場。早速オーディエンスがスマホを片手に熱狂。新曲を3連発し、右肩上がりに盛り上げた。

続いてはメジャーデビューを発表したばかりのSATOH。LINNA FIGGが「今日を楽しみにしてた」と言って両手を広げて挨拶すると、フロアから絶叫が上がった。今日という幸せな日が永遠に続くための願いを込めた「TOKYO FOREVER」まであっという間に駆け抜けた。

いよいよSTARKIDS。まず、BENXNIが現れ、メロウな「Blue Sky」を歌い始めると、leviが姿を見せ、「1年ぶりの主催イベントで、こんな暗い曲から始まるの嫌でしょ」とオーディエンスに呼びかけて一斉にフロアから手が上がった瞬間、他の4人が勢いよく登場。ヘビーなラップがさく裂する「POP」を繰り出すとたちまち熱狂の渦が巻き起こる。Space Boy、espeon、TAHITI、levi、ROAR、BENXNI、6人それぞれのヴィヴィッドなラップで次々と場内を染め上げていく。


Photo by @karlifetz

スペイシーなイントロが流れる中、BENXNIが「俺たちに不可能なことはないからっていう気持ちでこの曲を作ったんだよ」と口にした後はもちろん「Nothing Is Impossible」だ。〈俺らにかかれば 出来ないことなんてない〉〈俺たち無敵 cuz there aint〉と、それぞれがこの6人の無限の可能性をスピットしていく。

「LIKE THIS」では、ダークさを宿したエレクトロニックなトラックの上で英語と日本語のラップがカラフルに混じり合う。〈こんな夜は二度とこない〉という刹那と〈仲間と達成するミッション/同じだ目指す場所〉という永遠が交錯した上で、〈STARKIDSレベルいつも満点〉と最高の今を確認した後は、ROARが「2024年、俺たちはもっともっと大きなものを引き寄せていくから」と言って、特に歌メロが強い「PARAPULL」へ。〈まだ無い物手にする俺らstarkids 止まらないよ〉というラインにオーディエンスは歌が重ねて賛同した。



6人が一旦捌けた後、「STARKIDSやばくね?」というお決まりのSEが流れ、オーディエンスが「これで終わり?」と戸惑っていると、BENXNIとTAHITIが再登場し、2人で「TENGOKU」を披露。BENXNIが「ここで終わるわけないじゃん!」と叫び、Space Boy の「KINISHINAI」、espeonの「i dnt wna fall in luv with u !」と続け、STARKIDSがリスペクトするkuudereが登場。そしてheaven11にバトンタッチし、ROARも参加しての「Any Day」。

その後、Space Boyが「次はpinponpanpon。日本のトップアイドル」と紹介し、pinponpanponの3人が現れ「PinPonDash」を披露したり、ROARが「今から南国にしましょうか」と言って、同じ石垣島出身のSERIと共に「Old & New」をパフォーマンスしたり、leviが、「STARKIDSは冗談抜きで世界に行こうとしてる」と宣言した後、アメリカから招いたlil ricefieldが登場する一幕もあった。そもそもSTARKIDSは言語の壁を音楽とヴァイヴスであっさりと越え、クルー結成に至ったわけだが、そのボーダーレスぶりはグループの内外問わずだ。「Year of the 9」のビジュアルには大きく「全年齢」というコピーが付記されていたが、性別もジャンルも国籍も関係なく、STARKIDSという概念で繋がるアーティストたちが続々と現れた。


Photo by @karlifetz

終盤は再びSTARKIDSのブロックに。ROARの呼びかけによって、スマホライトが沖縄の星空のごとく煌めいた「STAR ISLAND」は、leviがフラッグを振る中、大合唱が巻き起こった。ROARが「お前ら最高。おかげでこんなに最高のライブができて感謝しかないです」と伝えると、BENXNIが「最高のままでいて」と続け、leviが「最高のお前らのために俺たちアルバム作ってるから」と宣言した。

ハードテクノ調の新曲「Back2Back」でコール&レスポンスが決まった後は「HORIZON」。STARKIDSに〈星までに行こう〉と歌われると、本当にどこにだって行けるような気がするから不思議だ。BENXNIが「熱いのは誰のせい?」と問いかけてからの「STARKIDS NO SEI」は、SERIも参加し7MC編成で、最高の俺らについてきたらすべてが変わるよ、とオーディエンスをアジテートした。


Photo by @karlifetz

Space Boyが「みんな来てくれてありがとう」と言って、最後は「FLASH」。イントロでOiコールが轟く中、今日の出演者がステージ上に勢ぞろいし、大勢が入り乱れてのフィナーレになった。鳴りやまないアンコールの声に応え、TAHITIが「お前らのために新曲用意したよ」と言って、最後の最後でさらなる新曲を披露し、イベントは終演。STARKIDSが放つ全能感はファンダムが拡大すればするほど強力になる。本格的に海外も視野に入れた今、どこまでそのパワーが届くのか。楽しみでならない。

STARKIDS
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