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のん、「バンド」としてのドライブが更にかった5年ぶり仙台ワンマンライブ

Rolling Stone Japan / 2024年4月1日 12時33分

Photo by Kentaro Minami (Focus Studio)

のんが3月30日(日)、仙台darwinにて春のワンマンライブ「SPRING SESSION -春よ受けて立つ!!!-」を開催した。オフィシャルレポートを掲載する。

【ライブ写真】のん、仙台でのライブの様子(全14枚)

仙台でのワンマンライブは実に5年ぶり。

この日のステージ衣装は真っ白なフリルスタイル。手首からフリルが連なるのんが手を広げた姿はまるで天使のようで、スパンコールのミニスカートからスラリと伸びた長い脚が美しい。足元も真っ白なロングゲートルを付けたカバーロングブーツ。まるでアニメから抜け出したようなロックスターの登場にオーディエンスが一段と響めく。近年ハイブランドからの熱いラブコールも印象的な彼女なら頷ける衣装。だがそれが「カッコいい」のだ。これだからのんのLIVEは目が離せない。

1曲目「この日々よ歌になれ」から、パワフルなエネルギーを放出するのんに呼応し、オーディエンスものんと共に力強く拳を振り上げる。2曲目久しぶりの披露となる「正直者はゆく」では、更にロックなバンドの個性が光るアレンジを披露。続く「ナマイキにスカート」でオーディエンスの心をしっかり掴んでいった。第二の故郷・東北での念願のワンマンに、のんのトークも弾む。ライブタイトルを引用した「春よ受けて立つよなぁ!」のコールにレスポンスする客席のテンションは更にヒートアップ。

4曲目は堀込泰行作詞曲「Oh! Oh! Oh!」。ミュージックビデオでも披露したサビの振り付けで、オーディエンスとの一体感がさらに高まる。和やかな空気は束の間、「さぁいこう」ではバンドマスター・ひぐちけいの軽快で芯の通ったギターにつられ、のんはシンボルの真っ赤なテレキャスターをかき鳴らす。

「むしゃくしゃ」ではすっかり定番のオーディエンスとの寸劇もお楽しみのひとつ。曲中で倒れ込んだのんは、「春といえば?」と問いかける。花見、卒業、新学期、などが来るかと思いきや渋谷では「のんちゃん!」と分かりすぎているオーディエンスの反応に壇上のひぐちが「一発で出ちゃったね」とツッコむ一幕があった。これを受けてか仙台では一発目から「のんちゃん!」とぴったり揃ったコールが飛ぶ。「なんで知ってんの?知らないはずだよね?」のんのツッコミに笑いが起こる。このアットホームさも、のんライブの醍醐味だ。

リラックスムードに訪れた静寂の中、のんがギターを交換。ひぐちけいとのツインギターで始まるのは、のんが脚本・監督・主演を手がけた映画「Ribbon」のインスパイア曲「鮮やかな日々」だ。先ほどまでの激しいナンバーに力いっぱい拳を振り上げ手拍子やコールで応え続けたオーディエンスを労わるような優しく美しい旋律で仙台・darwinを包んでいく。



「ゆったりした気持ちで聞いてください」と客席に微笑みかけたのんは、8曲目「エイリアンズ」をしっとりと歌い上げ、オーディエンスを一気に月夜へといざなう。続く「荒野に立つ」は、のんの自叙伝のような楽曲。第二の故郷・東北での初披露を考えると実に感慨深く、客席もグッと噛み締めて耳を傾けていた。その後元GO!GO!7188ノマアキコとユウ(チリヌルヲワカ)の作詞曲「涙の味、苦い味」で、のんの十代バンド時代へプレイバック。11曲目はのんのライブでは定番のカバー「タイムマシンにおねがい」。ひぐちけいのギターが、パワフルでクールなソロプレイを披露しオーディエンスを煽りまくる。「Beautiful Stars」、「やまないガール」、「こっちを見てる」と、のんの正直な生き様が刻まれた楽曲たちが繰り出される。

その後のMCではメンバー紹介のち、先日公開されたばかりの新作ミュージックビデオについて語る。自ら監督、出演、編集、演出を手がけたMVはこれで三作目。「夢が傷むから(Inspired by 東京百景)」は、本日のステージでも隣に立つ盟友・ひぐちけいと協力して作ったメロディアスなロックナンバー。フィナーレは「わたしは部屋充」。ハンドマイクに戻ったのんが縦横無尽に駆け回り、ライブハウス全体を見事に”部屋充”させてしまった。


Photo by Kentaro Minami (Focus Studio)

注目すべきは前回のPURSUE TOURから「バンド」として更にドライブがかかっている事だ。のんだけでなく、ひぐちけい、ナガシマタカト、なかむらしょーこ、メンバーそれぞれもオーディエンスからの歓声に応えるように客席を煽る場面が増えた。ナガシマのタイト&アグレッシブで大砲のような重低音ドラム。なかむらの多彩なベースのグルーブ感。特に岡村靖幸のツアーに参加したなかむらしょーこは更にテクニックが大胆になったように思える。そしてバンマスから作曲までひぐちが奏でる、様々なギターパフォーマンスは圧巻。数々ののんとの競作もあってか、楽曲のLIVE編曲に統一感が生まれ二人の目指すサウンドに深みとパワーが増幅している。それら全てを包み倍化して力強くオーディエンスへと送り出すのん、会場を圧倒するバンドの音がライブハウスの壁に打ち付けられていくような疾走感が気持ちいい。

それらの完全証明となったのはアンコールで披露した新曲だ。今回のライブのため、のんとひぐちけいが会話を重ねながら完成へ漕ぎつけたというこの曲は、キャッチーなイントロやポップロックな旋律・サビなど、これまでのんがバンドメンバー達と歩んだ音がフルに入っており、のんの代表曲になること必至な一曲に仕上がっていた。エンディングでのツインギター直後、手応えを感じたのんとひぐちが珍しくハイタッチをした姿が印象的だった。次作は是非、このバンドでのフルアルバムを期待したい。

3月28日(木)に行われた東京公演の配信視聴チケットは4月7日23時59分まで販売中。視聴チケットを購入すれば、4月10日23時59分まで何度でもアーカイブの視聴が出来る。

<セットリスト>
1.この日々よ歌になれ
2.正直者はゆく
3.ナマイキにスカート
4.Oh! Oh! Oh!
5さぁいこう
6.むしゃくしゃ
7.鮮やかな日々
8.エイリアンズ
9.荒野に立つ
10.涙の味、苦い味
11.タイムマシンにおねがい
12.Beautiful Stars
13.やまないガール
14.こっちを見てる
15.夢が傷むから(Inspired by 東京百景)
16.わたしは部屋充
17.新曲(タイトル未定)

配信視聴チケット https://nondesu.jp/22159/

のん2ndアルバム『PURSUE』リリースツアーが待望のBlu-ray化 https://nondesu.jp/22203/

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