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JO1のメンバーと制作チームが語る、8TH SINGLE『HITCHHIKER』のすべて、表現への想い

Rolling Stone Japan / 2024年7月8日 19時10分

左からJO1の川尻蓮、河野純喜、與那城奨 ©LAPONE Entertainment

数多くのダンス&ボーカルグループが生まれ、それぞれの個性を輝かせている昨今。2019年に放送されたサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』により誕生したJO1も、そんな時代を突き進んでいるグループの1つだ。

【動画を見る】8TH SINGLE『HITCHHIKER』HIGHLIGHT MEDLEY

デビューは、2020年3月とコロナの流行と同時期。長い間、JAM(JO1のファン呼称)と直接会うことは叶わず、コロナ禍での活動は手探りの状態。思い通りにいかないことも多かったというが、それでも腐らず愚直に音楽と向き合い続けてきた。そんな彼らも、今年でデビュー5年目。5月29日にリリースされた8TH SINGLE『HITCHHIKER』では、これまで描いてきた作品のストーリーが新章へと突入する(同曲は初週売上70万枚超えの大ヒット作となっている)。

今回の取材では、JO1からリーダーの與那城奨、パフォーマンスリーダーの川尻蓮、ボーカルリーダーの河野純喜が集結。4年間のパフォーマンスとの向き合いかたの変化を語ってもらうと共に、今作の表現についても深く切りこませてもらった。

また、このインタビューとは別に『HITCHHIKER』プロデューサーの정유진(ジョン・ユジン)氏、「Love seeker」の作曲担当Kevin_D(D_answer)氏&コレオ担当BBTRIPPIN、「Test drive」の作曲担当NATHAN氏&コレオ担当KAITA氏にメール取材を敢行。

いかに11人が表現と本気で向き合ってきたか、感じていただけることだろう。

―8TH SINGLE『HITCHHIKER』は、デビュー5年目の第1弾作品となっていますが、この4年間で歌やダンスとの向き合いかたは、どのように変わっていきましたか。

與那城:最初の頃は、コンセプトが決まっている作品をドンドン作りあげていっていたイメージだったんですが、最近はライブ中心に変わりましたね。

川尻:デビューしてから少しの間は、コロナ渦真っ只中。この期間は、「目で観る音楽が主流だな」と無観客ライブをしていた時期は特に感じていました。実際に会えないからこそ、ただ歩きながら音楽を聴くというよりかは、映像を目で観ながら音楽を楽しむ時代なのかなって。当時、振り付けを揃えたり、プラクティスビデオをいっぱい出したりしていたのは、より目で楽しんでもらいたかったから。有観客ライブが出来るようになってからは、目と耳だけじゃなく、さらに体感がプラスされたような感覚がありますね。

與那城:ライブを何回もやらせてもらうなかで、メンバーそれぞれが「観てくれている人に楽しんでもらえるようなライブをしたい」と思うようになっていって。そこから、ライブでしっかりとパフォーマンスを魅せられる「ライブで楽しめる」や「ライブでみんなが歌える」に重きを置いた曲調に変わっていった印象があります。

川尻:よりライブに特化したというか。もちろん、聴くだけで楽しめる曲も準備しているんですけど、よりライブで映える曲が増えてきたなって。

―ライブに重きを置いた楽曲に変化していったのは、いつ頃になりますか。

與那城:『KIZUNA』以降かな。

河野:僕たちは、すごく歓声に憧れを抱いて育ってきたので。コロナ禍があったからこそ、盛り上げる工夫をしたり、一発ワッとなる瞬間を作ろうと考えたり、ライブに対する意識がどんどん強くなっていったんじゃないかなと思います。

川尻:いま思えば、コロナも悪いことだけじゃなかったというか。残念なことではあったんですけど、あの期間があったからこそ、今の考えかたができているとは思いますね。

2ND ALBUM "KIZUNA" HIGHLIGHT MEDLEY



―京セラドーム公演での河野さんの呼びかけも、コロナ禍がなかったら生まれてませんもんね。

河野:そうですね。

川尻:「JAMどこだー!」って。

河野:オンラインだった『JO1 1ST Live Streaming Concert「STARLIGHT」』のときに、画面の向こうにしかJAMがいなかったから「JAMどこだー!」って言っていて。

1st Live Streaming Concert 『STARLIGHT』ダイジェスト(河野コメントは2:05頃〜)



與那城:あ、だから京セラドームで言ったのか。

川尻:わかってなくて、聞いてたの?

與那城:なんでJAMどこだって言ってんだろうって思ってた。目の前にいるじゃんって(笑)。それは、ごめん!

川尻:マジやったんや。「ボケる媒体さんじゃないでしょ」って言おうと思ったのに(笑)。

與那城:伏線回収してたんだね、今知った。

川尻:奨くんだけです、あの空間で。

與那城:俺だけポカンとしてたかも(笑)。そっかー、いい話ですね。

河野:奨くんさすがやわ。

―話をもとに戻すと、歓声への憧れがあったからこそ、ライブや楽曲づくりに気持ちが向いていったと。

與那城:そうですね。あとは初めての有観客ライブ『2021 JO1 LIVE "OPEN THE DOOR”』のときに、ずっと連続でパフォーマンスをやった結果、「これだとプラクティスビデオと変わらないんじゃないか」という話になったのもあって。そこから「ライブとしてやる意味はなんだろう」と考え始めましたね。

[JO1 BEHIND] 2021 JO1 LIVE "OPEN THE DOOR"



河野:ずっと言ってたよね。「これじゃあMVを観るのと変わらないじゃん」って。

川尻:もちろんやっとできたオフラインライブで、いいこともたくさんありましたが、ライブとしてはダメだったなと。来てくださったかたには失礼になるかもしれないんですけど、実際にやってみてそう感じて。

與那城:MVやプラクティスビデオとは違う楽しさ、ライブ感を大事にしようと思ったのは、それがきっかけ。なおかつ、ライブ感を強くすることで「また来たい」と思ってもらえるようなライブができるんじゃないかと考えるようになっていきました。

河野:制作には韓国のかたも入るので、その良さも取り入れつつ、今では僕たちのライブへの想いを混ぜて、JO1独自のパフォーマンスを作っていってる感じですね。

―『2021 JO1 LIVE "OPEN THE DOOR"』にも、メンバーの意見は反映されていますか。

與那城:たぶん、まだあんまり。あのときは、すでに枠組みが決まっていて、僕たちはそれを一生懸命やるような感覚だったな。

川尻:準備していただいたものを精一杯やるっていう。

河野:たしかにね。もちろん、頑張ってはいたけど。

與那城:ライブ感というよりは、踊る歌うで精一杯だったような気がしますね。「ライブとはなんぞや」って考えだしてから、みんなで「こういうライブにしたいよね」って話しあうようになり、韓国チームに伝えて。でも、なかなか意見が通らなかったり、僕たちのキャリアも浅いからこそ、そこの折り合いはすごく難しかったですね。

河野:何回もぶつかったよね。

與那城:本当に話し合いながら、回数を重ねながらだった気がしますね。

―だからこそ、『2023 JO1 2ND ARENA LIVE TOUR 'BEYOND THE DARK』では、みなさんで細かく意見を出して作り上げていったんですか。

川尻:「BEYOND THE DARK」が初めての歓声OKの単独ライブでしたね。公演するたびに、何か出てくるんですよ。毎回ちょっとずつ変わっていったよね。

2023 JO1 2ND ARENA LIVE TOUR 'BEYOND THE DARK' Digest



河野:けっこう困らせてしまいましたね。

與那城:スタッフさんには申しわけないんですけど、メンバーの「もっともっといいものを」っていう探求心がすごくて。

川尻:照明もめっちゃ言ったな……。

與那城:言ったね。

川尻:暗転と明転のタイミング。「Born To Be Wild」とか、ずっと言ってたもん。あと、最初の予定だと「OASIS」が撮影可能曲だったんですよ。でも、1番ではサブステージで横になって、2番になったら交差して歌いきるっていう演出の曲を撮影したとして見返すかな?と思って。それなら、もっと動きがある曲にしようということで、お客さんの導線のところへ降りる「Touch!」を撮影OKにしました。前日か当日に変えたよね?

與那城:もともとは客席に降りる予定もなかったしね。

河野:ギリギリまで「これどうしよう」って言いながら、細かく考えてやっています。自分たちも韓国側のスタッフさんもやりたいことがありますし、言語も入り混じるから、時間がかかるんですよね。

與那城:言葉の壁が正直大変で。僕たちは「ここはこうしたほうがいいんじゃないですかね?」っていうニュアンスで伝えているんですけど、「これが嫌だから、こっちがいい!」っていうニュアンスで伝わっちゃってないかなとか。本当に限られた時間のなかで、いろいろやらせてもらうために話し合いました。


與那城奨 ©LAPONE Entertainment



パフォーマンスの変化について

―4年間のパフォーマンスの変化についても、お伺いさせてください。先ほど川尻さんから「音楽を目で観る時代だから、揃えることを意識していた」といった旨のお話がありましたが、最近のJO1は徹底した群舞に固執しなくなりましたよね。

與那城:群舞を売りにしていた時期もあったんですけど、面白みがないと感じることも。いざライブでやってみると揃ってはいるし、すごいはすごいんですけど、ライブって楽しいから来るわけじゃないですか。自分が「また来たい」って思えるものにするには、群舞だけじゃ足りないと思って。

河野:僕たちも揃えることをやめたわけではないんですよ。

川尻:効果的に使える瞬間のために、しない瞬間を作っているというか。湧く瞬間のために、揃える瞬間を作るみたいな。デビューしてからの4年間でいろんな曲をやって、いろんなステージに立って、いろんな経験をさせていただいたからこそ、武器の持ち替えができるようになりました。戦いかたの変化なのかな。

與那城:柔軟になったよね。そのほうが、イキイキとできるメンバーもいるし。揃えることに重きを置いて、縛っていた側面もあったので、今はいろんな魅せかたを試したいなと思っています。

―この4年間でボーカルもスキルアップしていると思うのですが、それはダンスに柔軟性が出たことも関係していますか。

川尻:俺は、ただ慣れだと思う。

與那城:たしかに、それはあるかも。

川尻:正直、踊りながら歌うって、めっちゃムズイなって体感したんですよ。

與那城:最初の頃は、ずっと言ってたもんね。ダンスをやっていたから、余計に感じたんだろうし。

川尻:今でも全然完璧じゃないんですけどね。でも、それぞれバランスやコツが少しずつ見えてきたのかなって。

與那城:ひとりひとりがいい具合を自分で見つけ出してきたからこそ、歌いかたも変わってきたのはあります。そこから、みんな伸びたんじゃないですかね。最初って、何もわからないから何事も100でやるんですけど、歌もダンスもそれでは無理なこともあるので。みんな、それなりに練習もしていますしね。「もっと上手くなりたい」や「もっと歌いたい」といった気持ちに、徐々に実力が追いついてきた感じです。

河野:本当に、11人全員自我が強いし、主人公は自分だと思っているので。「自分のパートで爪痕を残そう」みたいな感覚をみんな持ってるから、パフォーマンスを観ていて「やるやん!」ってなる瞬間もいっぱいあるんですよ。それは、個々の努力の成果だなって思いますね。

與那城:11人もいるから、11パートあるわけじゃないですか。自分が魅せられる時間は短いので、そこで一発かます能力がついたんだと思います。1フレーズに対しての気持ちも上がってきたのかなって。

河野:俺らって、全員で歌を練習することがないんですよ。個人レッスンを受けたり、踊りながら歌ったりっていうスタイルなので、個々が魅せたいものを魅せてる感じで。

川尻:俺は昔から「純喜が仕切ってまとめて」って言ってるんですけど、なかなか難しくて。

河野:歌って決められてやるものじゃないし、歌いかたに正解がないから、あまり言いたくないっていうのは、ずっと思っていて。一応、ボーカルリーダーなので、何か気になったら言おうとはするんですけど、あまり口出ししたくないのが本音。その人が歌いたいように歌うのが正解だと思うし、JO1はみんな「こうしたい」っていうのを持ってやっているから、何も思わないですね。だからこそ、ボーカルに関しては、全員がやりたいように成長していっている感覚があります。


JO1 ©LAPONE Entertainment



8TH SINGLE『HITCHHIKER』は新章突入の証

―続いて、作品についても訊かせてください。3RD ALBUM『EQUINOX』でJO1の第3章が完結し、8TH SINGLE『HITCHHIKER』から新章突入となりますが、第4章はどのようなコンセプトで進んでいくのでしょうか。

川尻:ライブです。

與那城:「ライブ感を主体にして、みんなで楽しめる」っていうのが、第4章のコンセプト。

河野:プロデューサーさんもこの前、「JO1はライブがすごいから」って言ってくれました。

川尻:「JO1の強みはライブだから」ってね。

河野:それが、すごく嬉しかったんです。正直なところ、僕たちはずっと自分たちの強みを答えられなかった。強みを探すというより、ただ頑張る3、4年間だったので。今はちょっとだけ「俺たちの強みはライブなのかも」って思っていますね。

―”僕たち”ということは、河野さんだけでなくJO1全体として「強みはなんだろう」と感じていたと。

與那城:そうですね。「群舞が強み」とか「個性が豊か」と言ってはいたんですけど、心のどこかでは「何か足りないな」と感じていて。僕ら以外にも、群舞や個性を強みとしているグループはあるだろうし、心の底から120%で「JO1の強みです」と言えるものがなかった。そのなかで、少しずつ言えるようになってきたのが、ライブなんです。

川尻:以前は、人によって違う視点から強みを答えていたように思います。でも今だったら、みんなが共通して「ライブが強み」っていうだろうなっていうのはありますね。

與那城:だからこそ、もっともっと経験を積んで、もっといいライブができるようになっていけたらいいなと思っています。

―そういった現状のなかで、なぜファンクを基調とした1枚になったのでしょうか。

與那城:盛り上がりソングが、僕たちにはあまりなくて。カッコイイとかクール系な曲が多いんですよ。「Trigger」のようにゴチゴチに決める曲も少なかったし。だからこそ、みんなで楽しめるファンキーな楽曲になりました。

川尻:生楽器っぽさも強くなっています。

河野:僕たちのライブは、生バンドなので。ファンクはギターサウンドもすごく特徴的だし、生バンドでやりたい楽曲ばかりです。

―リード曲の「Love seeker」は、どのような楽曲でしょうか。

川尻:ファンクを基調とした、リズムが立つような曲ですし、シングルのコンセプトも”愛を探して旅立つ HITCHHIKER”なので、シングルを象徴する1曲かなと思っています。

'Love seeker' Official MV



―印象的な振り付けもありますか。

河野:あります!

與那城:サビの”Luv Luv Luv Luv Luv”。

河野:もうラブしまくってるという。

與那城:”Luv Luv Luv Luv Luv”でバキューンってするんです。

河野:小演技みたいな振り付けもあるよね。

與那城:めっちゃやった~! 小演技したね。

河野:演技をやっているメンバーもいるので、それが活きてるんじゃないかな。

與那城:ぜひ”叫べ Love”のところの拓実の表情を見て欲しいですね。

河野:たしかに。あそこの拓実、表情いいよね。

―歌うときに、何か意識したことはありますか。

與那城:それでいったら、拓実じゃない?  物凄く遊ぶんですよ。わざとめちゃくちゃ崩して歌うというか。実際は”Yeah catch my love”だけど、”ウワアアア”って聴こえる感じにしてて、それがファンキーさに繋がってますね。拓実は、ファンクとか得意そう。

川尻:得意だね。

河野:「HAPPY UNBIRTHDAY」もファンクだし、まさに。

川尻:拓実は、そういう気質なんやろな。

與那城:聴いていて歌いたくなるというか、ノリがいいっていう意味では、拓実に限らずメンバー全員がわかってきた感じがしますね。そこをみんなに聴いてもらいたい。

川尻:せっかくだから、ボーカルの2人にも聞きたいな。

與那城:ファンクについて?

川尻:そう。俺の体感としてこれまでのJO1の曲で「Love seeker」に一番近いのは、「Move The Soul」だと思ったのよ。いろんなところに”っ”がついてるみたいな。それが俺のなかのファンクなのかなと思って、”さっけっべ/ラッブ”みたいに歌うように意識したんだけど。

'Move The Soul' PERFORMANCE VIDEO



與那城:なるほどね。

川尻:「こういう曲のときは、こんな感じを意識してる」とか「これに気をつけながら歌ってる」とか。勉強させてもらってもいいですか。

河野:ファンクはな~。トゥクトゥクドゥクトゥク、トゥクトゥクドゥクトゥク。これ。

川尻:へ?

河野:他にも16符を感じるジャンルってあると思うんですけど、このトゥクトゥクドゥクトゥクをレコーディング中も感じるというか。録るのは一瞬だけど、その前後で「アオッ!」とか言って、上がりながら曲に入る。

與那城:むずいね~。

河野:ダダダダダダダダじゃ、アカンやん。もう「アオッ!」ってなっとかないと。

―単純な16符を感じているだけではダメだと。

河野:そうなんですよ。ファンクの16符を感じないと。

川尻:リーダーは  ファンクを歌うときのコツとか気を付けてることとかある? やっぱりバラードとは歌い方もアティチュードも違うじゃん。

與那城:たしかに。なんだろうな……。歌えちゃうんですよね(笑)。

川尻:かっけえ!

與那城:なんなんですかね(笑)。ダンスでいうさ、曲を聴いたら体が勝手に乗る感覚みたいなのが、声に出る感じ? 体が乗らないと歌えないというか。蓮だったら、絶対にビートがズレないんですよ。これ、めちゃくちゃすごくて。逆に俺とか純喜は、それができない。たぶん自分流に解釈して、今までの歌いかたのなかから「自分にとってのファンク」を探して、混ぜて歌ってるんだよね。

川尻:へー!

與那城:蓮は、めっちゃ理論的なんです。ダンスも歌も「こうやって声を出せば、この声が出る」ってあると思うんですけど、僕たちはイメージで歌ってるからそれを伝えるのが、すごく難しいですよね。

河野:正確さが出た蓮くんの歌いかたは、JO1のキーだよ。

川尻:でも、俺はバラードがめっちゃ苦手なんですよ。

河野:感情を論理的に解釈してやっちゃうから。

川尻:そうそうそう。この流れのこの言葉は、たぶんさっきよりも寂しいから、ちょっと引いて歌おうってする感じ。

河野:なるほど〜。それはそれで、逆のエモさがあると思うけどね。感情を感情のままでいくか、1回紙に書いてやるかの違いというだけで。

與那城:僕らは感情を歌に乗せて歌ってるけど、蓮は歌を歌として歌ってるんですよね。めちゃくちゃ論理的。正確性でいえば、めちゃくちゃ上手い。16ビートを刻む曲とか、本当に上手いもん。

川尻:本当にボーカリストなんですよ、ふたりは特に。だから、いろいろ教えてほしいんですけどね。

與那城:『THE FIRST TAKE』で「Move The Soul」を撮ったときも、歌い方の違いが如実に出てたもんね。拍感をしっかり取る人と楽しい感じで歌う人と。

JO1(川尻蓮・川西拓実・金城碧海・河野純喜・與那城奨) - Move The Soul / THE FIRST TAKE



―几帳面にビートを感じる人もいれば、大枠の流れを感じる人もいると。

與那城:本当にそうですね。

河野:俺らはアバウトな感じ。ボーカルの先生も2種類の人がいるって言っていました。ハッキリとグッグッと歌っていくOfficial髭男dismさんは蓮くんタイプですし、ふぁーふぁーっとなる感じの藤井風さんは俺たちと同じタイプ。どっちも違った良さがあるんですけど、教えることはできません(笑)。

與那城:ジャンルが違います、と。

川尻:「俺やったら、こういう感じでする」とか「俺やったら、ここはこうせんな」とか。「蓮は別にそれでいいと思うけど、俺やったらこうだな」みたいな意見を聞きたいの。

與那城:なるほどね~。

川尻:ずっと前から言ってるじゃん(笑)。

與那城:今の説明は、わかりやすかったよね?

河野:それを言ってくださいよ~。それならいいます。

川尻:ダンスについて、めっちゃ聞いてくるくせに(笑)。

河野:それは、聞きますよ。

川尻:ズルやん!(笑)。


川尻蓮 ©LAPONE Entertainment



ストーリー性のある歌詞とともに

―歌について、もう1点お伺いさせてください。今作の『HITCHHIKER』は、以前よりも歌詞が聴きとりやすくなった印象があったのですが、日本語で歌うというアプローチに対して何か意識したことはありましたか。

與那城:第4章でライブ感を強めていくにあたり、歌詞についても制作チームと相談しました。日本語の曲なので、改善できるところがあるんじゃないかということで、今作からやっとわかりやすくなりました。今までのJO1の曲って、歌詞で何を歌っているかわからなかった曲もあったじゃないですか。正直なところ、最初のほうは僕たちも「すごく変な感覚だな」と思いながら歌っていましたし。いわゆるJ-POPって、歌詞が前提だと思うんです。「この曲いいな」とか「こういう意味があるんだ」と読み取れるストーリー性が歌詞にある。でも、JO1の曲ってもともとが韓国語だから、翻訳の影響で違和感のある日本語になってしまうこともあって。

川尻:韓国語で作った曲を日本語にするのは、すごく難しいですよね。

與那城:音節が違うから。韓国語を直訳したら、メロディに絶対に合わないんですよ。だから、意訳して当てはめるけど「ちょっとニュアンスが違うな」ってなることもあるし。そこは、難しいよね。

川尻:最近、『ASIA STAR ENTERTAINER AWARDS 2024』で「SuperCali」を披露したんですけど、練習のときに韓国語版を無意識に歌っていたことがあったんですよ。「なんでやろ」と思ったんですけど、もともと韓国語で作っているから、感じもいいし声も出やすいのかなって。

'SuperCali' Official MV



與那城:これはJO1だけじゃなくて、K-POPアーティストの方たちが日本語にして曲を出すときとかも同じように感じているのかもしれないんですけど、やっぱり落としどころって、難しいなと。

川尻:日本語でしか表現できない言葉も、もちろんあるんですけど。

與那城:ボーカルレッスンをしていて、音の数の違いについても「たしかにな」って思ったな。日本語で「こんにちは」は5文字だけど、韓国語だと「アンニョンハセヨ」になるから音の数が違う。なおかつ、「こんにちは」だとリズムが一定だけど「アンニョンハセヨ」は波があるじゃん。それは、やっぱり歌の聴き心地にも繋がってくるよね。それが、韓国語の曲を日本語に直したときに生まれる違和感だと思うし。

川尻:今回はレコーディングのときにも、意見を出したよね。「不自然だと思うから、こんなのどうですか」とか。

與那城:「ここをちょっと変えていいですか」って。

川尻:相談ベースでの改善も、いろいろな歌を歌わせてもらったからこそ、できるようになってきました。

與那城:本当に最近なんですけどね。

―では最後に。次のJO1は、どのような楽曲やパフォーマンスに挑戦したいですか。

與那城:景瑚は「BIGBANGさんみたいな強めでみんなが盛り上がれる曲が欲しい」って、ずっと言ってるよね。

與那城:みんなが「歌いたい」って思うような楽曲を出来たらいいなって常々思います。

川尻:イントロの掴みがある鮮烈な曲かな。世の中には、いろんなエンタメがあるじゃないですか。僕は本当に好きな作品以外、同じ映画を2回観たいとは思わないタイプなんです。話を知っているし、次にいうセリフもなんとなくわかっちゃうから。でも、音楽って何回も聴いたことある曲のイントロが、バーッてライブで流れても「この曲か~」ってガッカリしなくないですか? むしろ「この曲が来た!」ってテンションが上がることが、ほとんどだと思っていて。それって、めっちゃ面白い性質。だから、イントロが流れた瞬間に「うわー!」って一気に熱狂できるような曲があったら面白いんじゃないかなと思ってます。

與那城:たしかに。

河野:賛成です!


河野純喜 ©LAPONE Entertainment



制作チームへのアンケート

【『HITCHHIKER』プロデューサー 정유진(ジョン・ユジン)】

ー『HITCHHIKER』から始まったJO1第4章のテーマは、何になりますか。また、なぜそのテーマとなったのでしょうか。

JO1の音楽はJO1の成長と連動しています。デビューから今まで私たちはJO1を観察&研究しながら(JO1が抱える悩みや考えは何か、彼らが最も得意とすることは何か)音楽を制作してきました。そしてデビューから5年目の今、現実に直面しつつ、自分だけの道を探して東奔西走しながら、一瞬一瞬のロマンを逃さない10代〜20代の頃のような青春の時間を過ごしていると思いました。明るく爽快に、エネルギッシュに「今この瞬間」を楽しむJO1の姿を通して、同世代を生きる人たちに共感してもらえたらと願っています。

ーメンバーに取材した際、プロデューサーから「JO1の強みはライブだと言われた」との話があったのですが、どのような点から「彼らの強みはライブだ」と思ったのでしょうか。

JO1のライブを一度でもご覧になった方ならみんな同意すると思います。様々なコンテンツや番組でもJO1の魅力は伝わっていると思いますが、ステージ上のJO1は誰よりも輝き、抑えきれないほどのエネルギー&テンションで会場の観客と一つになって楽しみます。そして5年間を共にしながら培ったメンバー間の信頼と親密感はライブで新しいケミストリーを発揮します。トークで見せるユーモラスさだけでなく、ユニットパフォーマンスでの一味違った姿、11人で作り出すピッタリと揃った群舞、様々なジャンルのパフォーマンス、ファンを一つにする雰囲気など、一度体験したら忘れられないライブになると思います。

ー英語や韓国語でデモは作られているそうですが、日本語の歌詞に落としこんだときにフレージングや意味に違和感が生まれてしまうことについて、プロデューサーとしてはどのように感じていますか。

デモ曲の歌詞をそのまま借用するケースがほとんどないので、フレージングや意味が元の歌詞と変わるとは思いません。ただ、言語ごとの特徴が異なり、デモ曲でリズム感を担っていた発音やライムを活用するのが難しい場合があります。日本の作詞家たち&メンバーたちとの作業を通じて、日本語だけの感性や日本語が持つ面白さを最大限活用しながら、意図したメッセージを伝えようとしています。

ー第4章のJO1には、どのようなことを期待していますか。

どんな姿を期待するかというよりは現在のJO1が持つ魅力を一番よく見せるために皆と一緒に準備しています。 今となっては若さだけではない、自分だけの魅力を見つけ出し、自由にロマンを楽しむ、まさに「青春」を享受しているJO1とファンが、今この瞬間を一緒に精一杯楽しんでほしいと願っています。


【「Love seeker」作曲担当 Kevin_D(D_answer)】

ー「Love seeker」のテーマやコンセプトは、どのようなものでしょうか。

今回のタイトル曲「Love seeker」は、愛を探して旅立つ青春たちの物語をファンキーなサウンドと楽器のセッションで、JO1ならではの機知に富んだ愉快さを表現したダンス曲です。辛いことばかりの最近の世の中で”心配、悩みなどはすべて吹き飛ばしてStand up!”(韓国語歌詞)のような希望に満ちた歌詞を叫び、愛を求めて旅立つコンセプトを純粋で堂々と表現しました。メンバーたちのグルーヴィーなボーカルが楽しいリズムの中に完璧に調和し、見る人たちの目と耳を虜にすることを期待します。

ー今作で何かリファレンスにした作品(音楽に限らず)は、ありますか。

最近流行っているジャンルだけでなく、皆の思い出の中にあるかつてのファンクの要素に加えて、Billboardチャートで聞けるようなファンキーなポップを意識しました。「青春」という2文字を掲げ、時代に恐れることなく夢や愛を求めて走っていく姿を描いています。

ーこの楽曲を披露するうえで、JO1にはどのようなことを期待していますか。

JO1というグループを初めて知った時は、既にすごい人気とスター性を持ったチームでした。数多くのヒット曲を持ち、多様なジャンルに挑戦していた。毎回、前作以上のクオリティを求められる彼らは大変だと思います。しかし、今回の『HITCHHIKER』を通して見せてくれたメンバーたちの実力と新たな魅力は、作曲家として一緒にやれて光栄でした。明るいエネルギーを原動力に、すべてのステージを楽しんで全世界に羽ばたくことができる、最高のグループになることを期待します。

'Love seeker' LIVE PERFORMANCE VIDEO




【「Love seeker」コレオ担当 BBTRIPPIN】

ー「Love seeker」のコレオグラフのテーマやコンセプトは、どのようなものでしょうか。

恋に落ちた子供たちが愛を探しに出る感じを考えてみました。心臓がドキドキしたり、ときめきいっぱいで体がコントロールできない感じをテーマに、振り付けに落とし込んでいこうと努力しました。

ー一番こだわった振りやフォーメーションは、どのパートになりますか。

コーラス、フックなど重要なポイントに意味を込めようと努力し、メンバーのパートも何度も変わりますが、流れを重視して途切れることなく目立つようにフォーメーションに気を使いました。そしてファンキーさを活かして、全体的にメンバーたちがこの曲を通じてティキタカ(テンポよく会話のやりとりをする様子)するケミ(케미)を見せることができるように振り付けに気を使いました。 例:バース1のTAKUMIとKEIGOのティキタカ

ーこのコレオグラフには、JO1のどのような良さが反映されていますか。

メンバーたちのパフォーマンスはもともと相性が良く、今回も表現の制約なく自由に楽しく作業することができました。



【「Test drive」作曲担当 NATHAN】

ー「Test drive」のテーマやコンセプトは、どのようなものでしょうか。

初めて車を運転する時、どこかに疾走していきたいというような、心の高鳴りがあるじゃないですか。 「Test Drive」は、皆で一緒に「勝利」という目標に向かって疾走しようとする想いやエネルギーを、”Test Driving”に喩えて落とし込んだ曲です。

ー今作で何かリファレンスにした作品(音楽に限らず)は、ありますか。

特にリファレンスはありませんでしたが、普段のJO1のメンバー同士の愉快でふざけ合いながら遊ぶケミからインスピレーションを得て作業しました。 メンバーたちのそのような姿がJO1の長所であり、力強いパフォーマンスと合わされば、とても面白い曲とステージになると思いました。

ーこの楽曲を披露するうえで、JO1にはどのようなことを期待していますか。

この曲には観客とコミュニケーションするチャントの部分があり、ライブパフォーマンスで楽しめそうな要素がいっぱいの曲です。 そのためコンサートでJO1のメンバーだけでなくJAMの方々も一緒になって、まるで一つのフェスティバルのように皆が面白く楽しんで遊べる姿を期待しています。

'Test Drive' PERFORMANCE VIDEO




【「Test drive」コレオ担当 KAITA】

ー「Test drive」のコレオグラフのテーマやコンセプトは、どのようなものでしょうか。

今回は阪神タイガースの勝利試合後に行う【Panasonic presents VICTORY DISCO(ビクトリーディスコ)】でのコラボ楽曲でしたので、野球をテーマに、応援しやすい動きや音どりを意識しつつ、野球ならではの動き、フォーメーションを用いた作品にしました。楽曲の冒頭が試合前、曲を通して試合が進み、終盤では試合に勝利してヴィクトリーダンスをして終わると、いうストーリーでパフォーマンスを進めています。

ー一番こだわった振りやフォーメーションは、どのパートになりますか。

イントロの部分で実際に野球を行っているパートです! 豆原くんがホームランを打った後に各メンバーがホーム上を走り出し満塁にて作品がスタートする流れになっています!

ーこのコレオグラフには、JO1のどのような良さが反映されていますか。

皆の歌パートやコレオで転調が感じやすい分、個性がとても強いJO1ならではの各パートでは歌とコレオを通してメンバーが自分の良さを最大限に発揮していると思います。ミュージカルチックな作品もJO1のキャラクターにとても合っていると思います!


8TH SINGLE『HITCHHIKER』
JO1
発売中
配信リンク:
https://lnk.to/jo1_hitchhiker

『HITCHHIKER』特設サイト
https://jo1.jp/feature/hitchhiker





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