s**t kingzが次世代へ繋ぐ、希望と興奮
Rolling Stone Japan / 2024年7月13日 13時15分
s**t kingz、edhiii boi、ぺろぺろきゃんでー、JIMMY(PSYCHIC FEVER) Photo by Satoshi Hata Hair and Make-up = Mika Hayamizu (KIDMAN CREATIVE/s**t kingz) Megumi Kuji (L&Co./edhiii boi) Midori Fukuda (Luana/JIMMY) Styling by Akiyoshi Morita (s**t kingz)
日本のダンスシーンにおいて未知なる領域を開拓し、次世代に夢と可能性を与え続けている4人組ダンスパフォーマンスグループ、s**t kingz。次に彼らが仕掛けるのは、SNSから多くの人の耳をキャッチし現場ではこれまでにない種類の熱量を生んでいる新世代3組とのコラボレーション。「s**t kingz feat. edhiii boi, ぺろぺろきゃんでー, JIMMY(PSYCHIC FEVER)」として楽曲「MORECHAU」を完成させた。誰かの言葉、世の中の風潮、メディアやSNSプラットフォームの上で「踊っているのか? 踊らされているのか?」――今の時代の心の揺れ動きを、巧みに、可笑しく、表現し尽くす。
※この記事は現在発売中の「Rolling Stone Japan vol.27」に掲載されたものです。
s**t kingzが切り拓いた道
ダンスシーンとSNSに思うこと
ーs**t kingzは下の世代のダンサーに新たな選択肢を増やしてくれている開拓者で、「ボーカリストを招いてオリジナル曲を作る」ということもそのひとつだと思います。そもそも2020年から、「見るバム=見るダンス映像アルバム」と題して楽曲制作の企画を始めた理由について聞かせていただけますか。
shoji それまでは世の中にある音楽に踊りをつけて発表していたんですけど、著作権の問題とかで、作品を世に出せなかったり残せなかったりすることがすごく多かったんです。コロナ禍で、アーティストの方々はライブ映像の無料開放とかをしていた中で、自分たちは「みんなに少しでも元気を与えたい」と思っても権利的に自由に扱えるものがなくて。「このまま行くと、自分たちは何も世の中に残せないんだ」と思って、それはやっぱりすごく寂しいなと。自分たちが作っているダンスのエンターテインメントが、100年後の子どもたちも当たり前に見られるものであってほしいという想いから、素晴らしいアーティストの皆さんと一緒に音楽を作らせてもらって、そこに踊りを乗せて届ける活動を始めました。
ーそれをやろうとした時、ヒントとなったダンスグループなどはいましたか?
shoji そういうものはなかったんですけど……他の人がどうというよりも、とにかく自分たちがかっこいいと思う音楽を作りたいという想いでした。誰かモデルがいたわけではないですね。
ーなぜそんな質問をしたかというと――今はGANMI、Dr.SWAGなどボーカリストを入れてオリジナル曲を作るダンスグループが少しずつ増えていますけど、やはりs**t kingzこそが先駆者であったということですよね。
kazuki 昔から著作権問題みたいなものはなんとなくあって。たとえばダンスコンテストがDVD化される時も、全部差し替えられるじゃないですか。その曲に合わせて振付を作っているのに、ちょっと似ているだけで全然違うトラックになって世にばら撒かれるのは嫌だなって、みんなどこかで絶対に思っていたんですよね。ただその解決方法に辿り着くことがなかった中で、「これだ!」っていう。しっかり自分たちでこだわってトラックに合わせた振付を作る、というよりむしろ「こういうダンスがしたいからこういう曲を作ろう」というところから始まって、誰にも邪魔されずにそのまま世の中に出せる、残せることは本当にデカいし、やっぱりそれはみんなやりたがるよなって思います。
ー(大きなリアクションをとっていたedhiii boiに対して)edhiiiさん、今の話を聞いてどう思いました?
edhiii boi びっくりしました。僕ももともとダンサーだったんですけど、逆に僕はSNSが完全に普及された時代に生まれているので(2007年生まれ)、たとえばInstagramに個人的に載せたりするのは自由で。今、ダンサーとアーティストの距離がすごく近くなっていると思っていて、今回のプロジェクトに参加させていただけたこともすごく嬉しいですし、今後またいろんなプロジェクトができたらもっと面白い時代になっていくんじゃないかなと思います。
ーダンサーがアーティストとして扱われるようになったことも、s**t kingzの功績や貢献が大きいと思うんです。
Oguri 音楽を作るとフェスや音楽番組に出させていただけるようになって、「ダンサーとしてこんな場所にも立てるんだ」というような経験がどんどん増えていきました。初めてフェスに出た時は既存曲を使って舞台に近いパフォーマンスをやったんですけど、最近はお客さんと一緒に盛り上がって踊る「ライブ」ができて、自分たちならではの楽しませ方を見つけられている気がします。
NOPPO ダンサーって、メディアとかでも色物として使われることがあるんですよ。「頭で回れるんですよ」とか、そういう機会が多かったりして。それはそれで入口としては絶対にいいと思いますし、ダンサーとして盛り上げるためのひとつではあるんですけど、そうじゃなくて、ちゃんとアーティストとして見られるきっかけとして「音楽」という活動は大きいなと感じます。最近は「もともとダンサーだったけど、アーティストになった」という人も増えてきたし、それが当たり前になってきていて、環境が変わってきているような気もします。
shoji 本当に僕たち、ちょうどいろんな時代の転換点にいたんですよ。s**t kingzを組んだ時にYouTubeが盛り上がり始めて、海外の人たちが動画を見てくれて、それがきっかけで海外に呼んでもらっていろんな国でダンスすることができて。「自分たちの音楽を作って音楽番組に出ました」「自分たちの音楽があるからこそライブができるようになりました」「だから武道館で初めてダンサーとしてワンマンができました」とか――いろんな時代の転換点があって、その中でダンス&ボーカルグループが増えてきたり、TikTokやSNSでダンスというものがみんなにとって身近になったり。いろんなタイミングが合っているところで活動をさせてもらっているので、すごくいい時代に生かせてもらっているなと思ってます。
ーそれこそYouTubeを早い時期から活用していたs**t kingzの皆さんは、今TikTokやSNSと向き合いながら切磋琢磨しているこの3組を見てどんなことを思いますか。
kazuki 僕は個人でYouTubeをやってますけど、ただやっているだけで戦略とか何もないですし(笑)。俺らは見ていただけで、いまだに全くうまく使えてないんですよ。
shoji 自分たちでYouTubeをやっていたというより、自分たちが踊ってるのを勝手に誰かが載せてくれて、それをきっかけにいろんな人が知ってくれたので(笑)。
kazuki 今の若い子たちって、実力プラスそこの頭のよさや知識が必要になってくるから、広がりやすい世界に見せかけて、逆に入り込むのが難しいんだろうなって思います。SNSをやればいいわけではなくやっていて当たり前な中で、実力もありつつ、みんなに惹かれる魅力もありつつ、なおかつSNSの使い方がうまいっていう、全部揃ってないとダメじゃないですか。僕らはそういう時代じゃなかったので、逆にラッキーではありました。だから御三方は本当にすごい。授業開いてほしいです(笑)。
shoji 歴代の音楽が全てアーカイブ化されていてすぐに聴ける時代に、新しいものを作り続けなきゃいけないっていうのは――音楽作ってる人たちって、今が一番大変なんじゃないですか? でもだからこそ、波に乗っている人たちは本物なんだろうなって。ちゃんと自分たちの音楽をやってる人たちだと思うので、かっこいいなと思います。
edhiii boi ちょうど最近JP THE WAVYさんのライブを見て――多分あの方って「バズる」とか考えずに、単純に自分のやりたい音楽とか自分が楽しくてブチあがる曲を作っていると思うんですよ。それであれだけヒップホップリスナー以外の若い子たちにも知られていて、ライブでもブチあがり方が全然違って、しかもコーチェラとか海外にも出られていて。研究する部分もありつつ、自分を信じて、ちゃんと自分を持ち続けていくことが大事な法則なのかなって改めて思ったところでした。
kazuki 「MORECHAU」のテーマに結びつくところですよね。SNSの使い方、SNSに合わせた曲作りとかも、それはもしかしたら見えない糸で操られているのかもしれなくて。「本当に自分はそれをやりたいのか?」と聞かれた時にちょっとウッとなるというか。でも、そこで流行ることが自分のやりたいことではあるっていう。みんながその絶妙なラインを生きてる時代だよなって感じます。
【写真を見る】s**t kingz、edhiii boi、ぺろぺろきゃんでー、JIMMY(PSYCHIC FEVER)
s**t kingz、edhiii boi、ぺろぺろきゃんでー、JIMMY(PSYCHIC FEVER) Photo by Satoshi Hata Hair and Make-up = Mika Hayamizu (KIDMAN CREATIVE/s**t kingz) Megumi Kuji (L&Co./edhiii boi) Midori Fukuda (Luana/JIMMY) Styling by Akiyoshi Morita (s**t kingz)
時代に葛藤しながらも尖りを研ぎ澄ます4組
ー「MORECHAU feat. edhiii boi, Janet真夢叶(ぺろぺろきゃんでー), JIMMY(PSYCHIC FEVER)」には韓国のプロデューサー・GRAYもビートメイカーとして参加していて、実際にGRAYが日本へ来てセッションから作り始めたそうですね。テーマについて深掘る前に、まず人選の理由から聞かせていただけますか。
Oguri 攻めの曲を作りたいなと思って。SKY-HIが作ってくれた「Oh s**t!! feat. SKY-HI」(2020年発表)という攻めの曲があるんですけど、あれに続くような、でもあれとはまた全然違う雰囲気で世間に対して針を刺せる曲を作りたいなというところから始めました。ダンサーとして繋がっていて、なんならkazukiとNOPPOは同じチームで活動していた人が今「J.E.T. MUSIC」というレーベルをやっていて、そこに相談したらGRAYさんを紹介してくれて。そこからどんな人に歌ってもらおうかってなった時に、勢いがある、かつ、視点が面白い人がいいなと思って。それなら若い人で、今すごく乗ってる人たちがいいなと。しかも「s**t kingz feat. 誰か」ではなくて、さらにフィーチャリングの中でコラボが生まれたら面白いんじゃないか、しかも男女ごちゃ混ぜでいろんな色が出せたら今までの自分たちにもなかった曲が生まれるんじゃないか、というところでこの3組を選びました。
ーさきほどkazukiさんが話してくださったように、「踊っているのか? 踊らされているのか?」「自分で選んだと思っている道やスタイルが、実は誰かが敷いたレールや世間から選ばされているものなのではないか?」といったテーマが軸になっていて。アーティストにとって深い本心の部分であり、SNSと密接な場所で活動しているedhiiiさん、ぺろぺろきゃんでー(以下、ぺろきゃん)、PSYCHIC FEVERが今の時代にこれを歌うのは、まさに”いいとこ突く”なあと思いました。
Oguri 自分たちが悩んでいることや、モヤモヤしているものから生まれたのだとは思います。ただ「かっこいいことをやろうぜ」ってチームを組んで自分たちで活動していたところから17年経って、助けてくれる人や協力してくれる人たちがいっぱいいることでここまで来られたのもありつつ、そもそも自分たちが抱いていた「かっこいいことをやろうぜ」というものをちゃんと維持できているのだろうか――時には「助けてくれる人たちが喜んでくれるから」という理由でやってることもあるのかな、とか。s**t kingzを応援してくれる人たちや、まだs**t kingzを知らない人たちに振り向いてもらうために活動しているのか、「そんなことはどうでもいいから自分たちがやりたいことやろう」なのか、そこは常に行ったり来たりグラグラしていて。でもそれを迷いとして表現するとどうしても弱みを見せる感じが出てしまうなと思った時に、「いやでもさ、俺ら毎回カマしてるよね?」というところに辿り着いたんですよね。「別にどっちでもいいから、すごいものを見せ続ければそれでいいんじゃないかな?」という想いに辿り着いて、そういう曲にできたらなと。「最終的にかまして前に進み続ければいいじゃん」というテーマは、アーティストやダンサーみたいに表に出る仕事じゃなかったとしても、いろんな方に共感してもらえるかなと思います。
Oguri(s**t kingz) Photo by Satoshi Hata
パンツ¥19,800(MAISON SPECIAL/MAISON SPECIAL AOYAMA TEL:03-6451-1660)、その他スタイリスト私物
ーその葛藤はきっとどのアーティストも、表には出さなくとも胸の奥で抱えているもので――。
Oguri 永遠にあると思いますし、それはあるべきものだとも思うんです。それがあるからこそ、いろんな角度から作れるのかなと思うので。その迷いを大事にしつつ、でもちゃんといいものを出し続けるっていう、そこは絶対に担保できたらなという想いです。
ーそういったテーマをJIMMYさん、edhiiiさん、ぺろきゃんはどのように受け止めたのでしょう。
JIMMY いろんな人が聴いて共感できるような曲にしたいなと思いながら、僕はめちゃめちゃエゴというか、自分の視点を12小節に詰め込みました。僕らも普段歌詞を書いたり何かを作ったりする時に、「この人はどう思うんだろう?」「この言葉選びはどうなんだろう?」「こう表現したいけど、こっちの方がいいかな?」とか、そういうのってどうしてもあるんですけど、今回はあえてリミッターを外して自分の純粋な言葉を書きました。聴く人によっては「めっちゃ核心突いてるな」と思うかもしれないですけど、自分の中では今までで一番素でフレッシュな歌詞になったので、もしこれがリスナーの方に超刺さったら「カマせたな」って自分の中で一番思える作品かもしれないです。僕の視点と、edhiiiみたいに17歳で若いけど勢いがあって「めちゃめちゃカマせるんだぞ」という視点もあれば、自分たちでインディペンデントでのし上がってきたぺろきゃんの皆さんの視点もあるので、一人ひとりの歌詞を見てほしいですね。
JIMMY Photo by Satoshi Hata
shoji 「MORECHAU」というタイトルをくれたのはぺろきゃんの二人で。このテーマがサビの中でダイレクトに出てきちゃうと、逆にありきたりかもみたいな話があって。「じゃあどういう状況がカマしてるということなのだろう」というところから、「そういう時は声漏れちゃうよね」とか、すごく考えてくれたんですよね。s**t kingzがもともと「見てるお客さんが興奮して思わず失禁しちゃうようなパフォーマンスをしたい」というノリで始まったグループだという話もして、「漏れちゃう」というところから「盛れちゃう」「他の才能が埋もれちゃう」とか、どんどん出してくれて。そのおかげで「踊ってるのか、踊らせれてるのか」「レールの上を走ってるのか」みたいな、僕たちの揺らぎとか心の中でモヤモヤしてるものを表現する曲でありながら、「漏れちゃう」っていうある種ギリギリなワードで攻めていけたことがすごく嬉しいです。すごくいいワードをいただいたなと思ってます。
shoji(s**t kingz) Photo by Satoshi Hata
ジャケット¥63,800、パンツ¥52,800(ともにATTACHMENT)、シューズ¥66,000(VEIN/ATTACHMENT TEL:03-6868-8938)、その他スタイリスト私物
Oguri (考えている時)お兄ちゃん(SUNNY-PLAY)がずっと覚醒してましたもん。
Janet真夢叶 スーパーSUNNYモードでした。
Janet真夢叶 Photo by Satoshi Hata
SUNNY-PLAY フックのリリックはGRAYさんとセッションに入ったその日に現場でできたんですけど、最初に核となる言葉をどうしようかという話を皆様とさせてもらって。「MORECHAU」という単語はちょうど、見る人が見たらひっかかるし、ちょっと滑稽やし、これしかないなって。ヴァースでお二方に自由にしてほしかったからフックはあまり詰めずに極力ラフに作ろうと思った中で、行ごとに僕が思う皆様の色を出してみました。
SUNNY-PLAY Photo by Satoshi Hata
JIMMY ”ソロでもチームでもハモれちゃう”が僕ですね(笑)。
shoji でも全部(”ダル着にサンダルでも盛れちゃう”、”ごめんなさい 皆が埋もれちゃう””あれこれそれどれしてもモテちゃう”)、s**t kingzにもハマっているんですよね。サビの数行にマジで全てを詰め込んでくれたなって思うし、ヴァースの2人の強いメッセージがより際立ってくるっていう、本当にいいバランスになったなと思います。とんでもない才能と一緒にできて嬉しいです。
NOPPO 存在もオンリーワンな人たちが集まったよね。
NOPPO(s**t kingz) Photo by Satoshi Hata
シャツ¥49,500、パンツ¥45,100(ともにbeautiful people/beautiful people 渋谷パルコ店 TEL:03-6452-5622)、ベスト¥35,200(th products/TARO HORIUCHI Inc. contact@a-tconcepts.com)、その他スタイリスト私物
JIMMY 本当にそれぞれの特徴が強すぎて。僕も尖った部分を100%出さないとs**t kingzの皆さんも踊りにくいだろうし、それこそ僕が尖れば尖るほどedhiiiの尖りも刺さりやすくなると思ったので、いい感じに丸いものを投げるのではなく僕もぶっ刺すつもりでやりました。
ー真夢叶さんはその重要なフックの歌唱を任されてどうでした?
Jane真夢叶 GRAYさんが作ってくれたビート含め、皆さんそれぞれの想いが強くあって、フックは「この歌はこうです」というところでもあるのでプレッシャーがやばかったんですけど……歌う瞬間は降りてました。
一同 おお~!
Oguri スタジオに入る時とか、ずっとこうやって(背中を丸めて)どきまぎしてるんですよ。それなのにブースに入って声が聴こえてきた瞬間……「え? 同じ人?」みたいになって。
shoji スタジオがどよめいたもんね。
Oguri でもブースから出てくるとまた小さくなってて(笑)。
shoji 扉開けるところで人格が変わってた(笑)。
Oguri めちゃくちゃかっこよかったです。みんなの瞬発力に驚かされました。
ーedhiiiさんはこのテーマ、フック、ビートから何を感じてリリックを書いていかれたのでしょう。
edhiii boi 普段の制作スタイルとしては日常で起きたことや自分の話を日記感覚で作ることが多いんですけど、テーマをいただいて曲を書いたことはほぼ経験がなくて。最初は難しいなと思ったんですけど、今までs**t kingzさんのライブをめちゃくちゃ見に行っていたり、現場でもご一緒させてもらっていたおかげで、勝手に言葉が出てきました。プラス、自分なりの苦労も書いてみると、止まらないくらいエピソードが出てきちゃって。ダンサーだった時の苦しさと、アーティストなりの苦しさを入れてもいいかなと思って――s**t kingzの皆さんはダンサーというよりアーティストに近いし、そもそも「ダンサー」ってジャンルで区切るのも違うなと僕は最近思うんですけど。パッと見では「めっちゃ自由に歌ったね」ってなるけど、ちゃんと見ると「正しいことを言ってるな」ってなるような歌詞を作りたくて、でも「楽しい曲にしたい」ということが大前提だったので、宇宙語で遊びました(※どの言語でもない言葉でラップしている)。
edhiii boi Photo by Satoshi Hata
kazuki あそこ素敵! めっちゃお気に入り。ああいう遊び心が本当に最高。
kazuki(s**t kingz) Photo by Satoshi Hata
シャツアウター¥12,980(UNFILO/オンワード樫山 TEL:03-5476-5811)、パンツ¥49,500(DIGAWEL/DIGAWEL1 TEL:03-5722-3392)、その他スタイリスト私物
edhiii boi 大丈夫でした? 全然自信がなくて、ギリギリまで「これ大丈夫ですか? 怒られないですかね?」とか言いながら社長(SKY-HI)やCoreくん(Novel Core)に相談していたくらいだったので……安心しました(笑)。GRAYさんとのセッション中も、言葉が通じなくても「もうちょっとこうしたいな」ということを声で伝えられたり、それこそ宇宙語で表現したら「それいいね」って言ってくれたり、そういうコミュニケーションが生まれていたんですよね。ダンスは言葉がなくても身体で伝わるのと一緒で、言葉が通じなくてもいいものって作れるし、「かっけえ」ってなると思うので。「自由」ということを題材にした曲は自分もずっと作りたかったですし、その曲の中でめちゃくちゃ自由にできて、面白い曲になったんじゃないかなと思います。
ーこの曲のコレオグラフはすでに考えられているんですか?(※取材は5月末)
Oguri まだこれからです。大事すぎて手をつけられない(笑)。
shoji ちょっとまだ触れたくない感じはあります(笑)。(振付を作ると)形になってしまうじゃないですか。今はまだ自分たちの中でただキラキラした音楽で、それが目に見える3Dとして固まっちゃうのがもったいないなって、そう感じるくらいにこの曲が好きですね。
ーこの曲もまた、ダンサーやアーティストにとって新しい何かを切り拓くものになるのではと思います。
shoji s**t kingzは、今年久しぶりにまた海外に行ったりしていて。10年くらい前は1年の3分の1くらい海外にいる時期があったんですけど、最近はずっと日本にフォーカスを置いていたんですよね。でも「もうちょっと広い目線で自分たちの活動を見てみようか」というところから、改めて海外でも色々できたらいいなという想いがあって。今回は海外の人が聴いてもかっこいい、なおかつ日本語のサウンドが刺さる、すげえかっこいい曲ができたと思っているので、そういった強い武器をみんなからもらえて嬉しいです。
JIMMY PSYCHIC FEVERは1年の3分の2くらい東南アジアを中心に海外にいるんですけど、僕がアジアで学んだことって、海外の人にとって日本人の音楽を聴く価値というのは、日本をレペゼンしていたり日本の楽器を使っていたりという部分で。そういう意味で、「MORECHAU」の音はアジアでも評価されると思いました。ロートーンで日本語を知らない人からしたらお経みたいに聴こえると思うんですけど、それがいいのかなと思って。いい意味で、誰が聴いても「日本語のかっこいいところが出てるね」と思われたかったので、こういうふうに作ったところもありました。このチームで日本の強さを改めて感じたので、ぜひ海外でパフォーマンスしたいです。アジア、タイでやったら絶対盛れると思います。
Text / Editor by Yukako Yajima
『MORECHAU feat. edhiii boi,
Janet真夢叶(ぺろぺろきゃんでー), JIMMY(PSYCHIC FEVER)』
s**t kingz
Amuse Inc.
配信中
s**t kingz
世界が注目するダンスパフォーマンスグループ。振付から演出まで幅広く手掛けるshoji、群を抜く振付力・演出力で大規模ライブの演出の数々と手がけるkazuki、海外やダンス業界内のファンも多いNOPPO、見るものを惹きつけるグルーヴが魅力のOguriの4人組。最近ではBLACKPINK、Number_i、BE:FIRST、THE RAMPAGEなど、国内外450曲以上の振付を担当。7月27日、28日、横浜BUNTAIにて音楽フェス『s**t kingz Fes 2024』を主催。
edhiii boi
ラッパー。SKY-HIに送ったデモ一曲で心を撃ち抜き、14歳にしてアーティスト契約を掴み取る。独特の声、ワードセンス、テクニカルなフロウから、ダンスやトラックメイクまでハイレベルでこなす。様々な音楽を経由してきたことを感じさせるハイブリッドな音楽性で、唯一無二の存在感を放つ異端児。「おともだち」はTikTok週間チャート5週連続1位を獲得、TikTok総再生数6億超えを記録。
『満身創意DX』
(Album)
edhiii boi
BMSG, Inc.
発売中
ぺろぺろきゃんでー
SUNNY-PLAYとJanet真夢叶による、大阪出身の兄妹ポップラップユニット。Rolling Stone Japanが選ぶ「未来の音楽のあり方」を牽引する日本代表アーティスト「Future 25」、渋谷トレンドリサーチによる「高校生が選ぶネクストトレンド」に選出されるなど、注目の次世代アーティスト。「話題のGAL」がバイラルヒット。11月4日に大阪・心斎橋ANIMA、11月16日に東京・代官山SPACE ODDにてワンマンライブを開催。
『CANDY POWER』
(EP)
ぺろぺろきゃんでー
配信中
JIMMY(PSYCHIC FEVER)
PSYCHIC FEVERとは、LDHが運営するダンススクール「EXPG STUDIO」の精鋭が全国から集まった7人組のグループ。2022年7月デビュー。2022年9月から約半年間、活動拠点をタイに移して武者修行。"IGNITE YOUR DREAMS”をパーパスとして掲げ世界に通用するグローバルアーティストを目指し、「ビルボードチャートグローバル1位」の目標を実現するべく挑戦を続けている。JIMMYはグループ内にてラップを担当。
『PSYCHIC FILE Ⅱ』
(EP)
PSYCHIC FEVER
from EXILE TRIBE
LDH Records
発売中
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