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Awichが語る、ジェイ・Zとの邂逅、コミュニティの底上げと自身の成長、フジロック出演

Rolling Stone Japan / 2024年7月24日 17時0分

Awich Photo by Masato Yokoyama、Styling by Marie Higuchi (home agency)、Hair by Tomohiro Kogure (bloc japon)、Make-up by Akiko Sakamoto

ラッパー、Awich。2017年にリリースしたアルバム『8』をきっかけにその名は地元・沖縄を飛び越えて日本全国に轟いていった。リスナーは彼女のアティチュードや言葉一つ一つに心を揺さぶられ、マイクから放たれるラップそのものが放つエネルギーに取り憑かれるように魅了されていった。Awichが背負うステージは年を追うごとに大きなものになり、2022年には国内の女性ソロラッパーとしては初めての快挙となる日本武道館での単独公演まで漕ぎ着けた。そしてわずか1年後、「次に目指すのはアリーナ」と告げたAwichはKアリーナ公演を成功させる。2024年に入ると、全米最大規模の音楽フェスであるコーチェラ・フェスティバルにYOASOBIや新しい学校のリーダーズ、Number_iらと共に出演し、翌月にはニューヨークで開催された88risingが主催するフェス、Head In The Cloudsのステージも踏んだ。

【撮り下ろし写真を見る】Awich

37歳のシングルマザー。夫は銃弾に倒れ、何度も暗闇を潜り抜けてきた。大きなステージに立ち、煌びやかな衣装をまとい、最新のLED照明を浴びるAwichの背後には、幾つもの語られるべきストーリーがある。彼女が潜り抜けてきたタフで個人的な経験たちは、そのままリスナーのストーリーとして大きな共感を呼び、国境を超えて幾人もの精神的支柱になっている。さらなる大きなストーリーを描こうとするAwich。海外で経験した出来事や個人の成長について、GREEN STAGEヘの出演を控えるフジロックへの意気込みについてなど、率直な思いを聞いた。

※この記事は現在発売中の「Rolling Stone Japan vol.28」に掲載されたものです。

ジェイ・Zとのディープな邂逅

ーこの間、息子と一緒にGREENROOM FESTIVAL 24に行ったんですけど、小さな子供と一緒に来ているオーディエンスがすごく多くて。Awichさんの「Bad Bitch 美学」のイントロが流れた瞬間、それまで芝生の上で子供のお世話をしていたママたちが一斉にニョキニョキって立ち上がったんですよ。もちろん私自身もそうだけど、「この曲にパワーをもらっているママたちがこんなにいるんだ!」ってすごく嬉しくなりました。

Awich 本当ですか、ヤバい。それはすごく嬉しいですね。



ー最新アルバム『THE UNION』を引っ提げて全国7都市を廻ったツアー『THE UNION TOUR 2024』を終えられたばかりですが、その前後も海外を飛び回っていてかなりお忙しそうでした。

Awich ツアーの前にアメリカでのコーチェラの出演があったんですけど、さらにその前には、(3月に)来日していたジェイ・Zに会う機会があって。ジェイ・Zは相当パワーがある、歩く神社みたいな人。直接会って話した回数は少ないですけど、会ったことを振り返って改めて(ジェイ・Zの)本を読んだり音楽を聴いたりしたら、気づくことがめっちゃあったんですよ。

たとえば、東京で会った時は私とゆりやん(レトリィバァ)とジェイ・Zという「夢!?」みたいな3人で喋っていて。その時に、ゆりやんは拙い英語でジェイ・Zに対して「In our future, You are living.」って言ったんですよ。私は「ヤバい、ジェイ・Zは意味が分からないかもしれない」って思ってたら、ジェイ・Zが「Thats deep.」って答えたんです。その時思い出したのが、私はジェイ・Zの『Decoded』(2010年)という本を読んでいて、その中に「詩人(poets)とハスラーには共通点がある。単純明快な言葉の表現方法だけを使って話をするとキャリアが終わることがある。だからこそ俺たちの会話は謎かけみたいな内容になっているんだ」っていう文章があるんです。その時のゆりやんの言葉も謎かけみたいだったし、そのやりとりを見て「この人は本当に、本に書いていたような心意気で毎日生きているんだ」って思って。「何言ってんだこいつ?」っていうジャッジじゃなく、相手を受け止める度量があるし、物事に関してそれを深く考察しようと常にしているんだな、と感じたんです。

次の日、ジェイ・Zに再度1OAKのパーティーで会った時にそのことを伝えて、「感銘を受けました」と言ったら、また「Its deep.」と言ってくれて(笑)。そのあと私が「グラミーを獲りたい」って話をしたら、「大丈夫、獲れる。You got it」と答えてくれたんです。

ー実際にジェイ・Zと言葉を交わして、Awichさんにも彼のパワーが宿ったような。

Awich そうなんです。そういう会話しかしていないけど、その時の今まで積み上げてきた私の彼に対する尊敬の気持ちもあったし、本を読んでずっと憧れてきた「(彼のことを)知りたい」という気持ちを募らせてきたんです。だから、会っただけで爆発するぐらい想いを伝えることができた。彼は本当に、ちゃんとヘッズやヒップホップのキッズのことを考えてくれていると思う。最終的に、曲さえ売れればいいはずなのに、『Decoded』は本当にすごい本だし、わざわざ書いて私たちに教えてくれている。昨年はブルックリンの公立図書館で『The Book of HOV』というエキシビジョンも開催していたんですけど、展示の内容は全部オンラインで観れるようになっていたんですよ。



ー展示品の写真に加えて、解説のテキストも丁寧に全て公開されていました。

Awich そう、オーディオブックまで公開していて。そんなことまでしなくてもいいのに、全てカルチャーのためにやっているんですよ。そういうところも”歩く神社”みたいだし、ジェイ・Zがこれまでに積み重ねてきたこと自体が、彼をそういうパワーハウスにしていて。それに触れた瞬間にビリビリ!って感電するようなことが絶対に起こったんですよね、私の中で。そのパワーをもらってコーチェラにも出演したし、日本に帰ってきてツアーが始まる時にも意気込みました。

私はいつも、ライブが始まる前に一瞬瞑想をして、先祖やライブをする土地のスピリットに対して自己紹介して、お願いを伝えるんです。「私はこういう者で、今日はここにお邪魔します。今後、お見知り置きをお願いします」みたいに。今回のツアーの最中、そうやって瞑想している時に「もうお前は宇宙に登録されているから」って言われたんです。スピっていると思われるし、書き方が難しいかもしれないけど(笑)。「自我を消して、宇宙が人間に伝えないといけないメッセージを通すだけだ」って伝わってきた。だから、「分かりました。無我の境地に行きます」と思ったんです。これが起こったのが福岡公演の時でした(5月9日)。実際にステージに立つと「うわあ!」って圧倒されて、「これがゾーンに入るってことなんだ」と実感したんです。エゴとか自我を取り除けば、自分がかっこよく見られるかとか、今日のメイクとか衣装とかを気にすることってまじでどうでもいいなって。


Photo by Masato Yokoyama



ワンオクTakaの言葉とツアー総括

ーツアーの最終日(5月23日)、Zepp Haneda公演の時も客席に向かって「かわいいとかどうでもいいんだよ」って言ってましたよね。

Awich ずっと「かわいい」って言ってくる奴がいたから、「今、それはどうでもいいから! 黙れ!」って(笑)。それは冗談で、もちろんそれが大事なのも知っている。ヘアメイクや衣装をやってくれている人たちがいるから助かるし、みんなの目を楽しませるように努力もしている。これはONE OK ROCKのTaka君が言ってたことなんですけど、「アーティストはみんなの心にリーチしようとしている。でも、直接みんなの心にたどり着くことは難しいから、五感で感じさせるようにするんだ。そうしたら心にも届くから」と。だから、私もいつも衣装とかヘアメイクとか筋トレとか、自分を見て「いいなあ」って思われるような努力をしないといけないと思ったんですよね。Taka君は料理にもこだわりがあって、オーガニック食品を扱うスーパー(15/e organic)を経営しているんです。Taka君は音楽以外のところでも、視覚や味覚を満たせるようなプロジェクトをやっているんですよね。最終的には「村とかも作りたい」って言ってて、「私も村、作りたいです」って話しをしていて(笑)

ーアーティストとしては、”気持ち”と”音楽”に魅力や価値観をプラスして伝えることが大切、ということでしょうか。

Awich Taka君の言葉には「なるほどな」って思いましたね。私はみんなの心に音楽を届けたいんだけど、そのためには見た目も含めて準備していくことも大事なんだなって。だけど、ステージに上がる時にはそれを捨てるぐらいの勢いで行くっていう心意気とエネルギーがないと本当に伝わらない。自分がどう見られているかをずっと気にしながらライブしても、「まあ、よかったよ」ぐらいにしか伝わらないんです。でも、全て捨てて噛み付くくらいの勢いで挑んだら、「何なんだ、これは……!」くらいに伝わる。今回のツアーでは、それを学びました。

ーオーディエンスにも、Awichさんの想いが伝わっているな、という実感はありましたか?

Awich ありました。そして、それはもちろん大事ですし、お客さんのリアクションを感じ取ろうという気持ちはもちろんあるんですけど、そこにあんまり自分を左右されないように、ということも心がけています。それはコロナ禍の公演で学びました。武道館公演(「Awich Welcome to the Queendom at 日本武道館」/2022年3月)もそうでしたが、その時ってお客さんはマスクを着けて、拍手しかできない状態じゃないですか。歓声すら口に出せなかったし、「めっちゃ修行だな」ってずっと思っていましたね。でも、あの時期を乗り越えて着いてきてくれた人たちもいる。それに、あの時期のライブではお客さんの反応やアクションに頼ることもできないし、お客さんに伝わっていると信じるしかない。自分からリアクションを求めにいくだけじゃダメなんですよね。お客さんがくれるエネルギーはボーナスだと思った方がいい。それを絶対にもらえるものだと思って臨んでいたら、もらえなかった場合に、「何でくれないの!」となってしまうから。恋愛と一緒で、「自分は自分で大丈夫だけど、もし側にいてくれたらめっちゃ嬉しい」っていう関係がいいのかなと思うんですよね。何事も求めすぎると切なくなるから、(自分からは)求めないようにしています。



ー実体験から得た教訓ですね。ツアーが終わった後の達成感はどうですか?

Awich めっちゃあります。ライブごとに毎回しっかり達成感があるから、怒涛のスケジュールなのに眠れないんです。朝までみんなで飲み明かすんですよ(笑)。まず、乾杯に次ぐ乾杯からカラオケが始まって、自分の曲の「GILA GILA」の後にMONGOL800とか、それからBEGINの「島人ぬ宝」を歌って……ずっと歌ってます。まじで意味が分かんないですもん、本当に(笑)。でも、人間のアクティビティにはエネルギーを吸い取られるアクティビティと、エネルギーをもらうアクティビティがあると思っていて、吸い取られる方には「ストレスを溜める」とか「怒ること」とかがあって、エネルギーをもらう方には「新しい学びを得る」とか「喜ぶ」とかがある。私はどんなに忙しくても後者のアクティビティの方が多いから、どんどんエネルギーが溢れてくるんですよね。ライブでは毎回新しい学びがあるし、いいライブができて心から喜んでる自分がいる。目に見える行動が同じだとしても、学びを感じ取れる人は多分余裕で「まだいける」って思うし、その行動にストレスや苦痛を感じている人は「やめたい」「退屈だな」と思うだろうし。私は毎回、学びや喜びを得ているから、エネルギーが消耗するどころか、次から次へと溢れ出てくる。

ーZepp Hanedaのライブの時、MCでジェイ・Zやローリン・ヒル、そしてMFドゥームらのリリースで知られるRhymesayersに所属しているプア・ライチャス・ティーチャーズ/ワイズ・インテリジェントの名前を出して「ヒップホップに敬意を示そう」とオーディエンスに呼びかけている姿がすごく印象的だったんです。ここまで直接的にヒップホップのルーツも含め、わざわざメッセージを発信している姿は珍しいのでは、と。

Awich ワイズ・インテリジェントとは20年ぐらい前から知り合いなんです。結婚している時に、旦那がファイヴ・パーセンターズにいたから、そのつながりでSNSでフォローをしたのがきっかけで、一緒に作った曲もあるんです。でも、そのMCは前もって考えていたものではなくて、その時に出てきたんです。ツアーの福岡公演以降は、細かいMCも考えていなくて、その時に出てきた言葉を発していたので。ライブ中に「Link Up」を歌っていて”Thanks to Hip-hop”という歌詞を歌い終わった時に、その歌詞の意味について説明しようと思ったらそのメッセージが出てきたのかな、と思います。





コーチェラ初出演で掴んだ手応え

ー時系列を遡って、今年4月に出演されたコーチェラの話についても聞かせてください。今回は88risingが主催する特別ステージ「88rising Futures」にフィーチャーされるという形での出演でした。そこに至るまでの経緯はどのようなものでしたか。

Awich 88risingの代表であるショーン(・ミヤシロ)とは、彼がけっこう前に日本に来ていた時に一度挨拶をしたことがあったんです。だけど時間が空いて、数年前にショーンから連絡が来て、それから色々話していました。ショーンの苗字である「ミヤシロ」は沖縄に多い苗字なんです。だから「沖縄でしょう?」って聞いたら、ファミリーのルーツが沖縄だというので、そういう話題で盛り上がったんです。「RASEN in OKINAWA」がめっちゃホットだって連絡をくれたこともありました。そういうやり取りを続けながら、「曲をやろう」って話も出ていたんですが、スケジュールが合わなくて。一度、私がLAに行った時に「会おう」ということになり、その時に「コーチェラはどうだ」って話をもらって「まじ?」って。出ますよね、そりゃ。そこから、88risingが手掛けるフェスであるHead In The Cloudsにも「出てよ」って言ってくれたりして。



ー実際に踏んだコーチェラのステージや現地での雰囲気はいかがでしたか。

Awich 本当にベイビーステップをちゃんと踏めているな、という感覚がありました。たとえば、YOASOBIや新しい学校のリーダーズは、「88rising Futures」以外にも自分たちの単独パフォーマンス枠があるんですよ。実際に(ステージを)観たけど、そこでもマジでかましてるんですよ。「彼らもその枠をもらえる前には小さい枠をもらって、ちゃんとそれをこなしてきて、ここまでたどり着いているんだな」っていうお手本を見せてくれた。なので私も、今回、コーチェラの中の「88rising Futures」の一枠という機会をいただいて、しかも(客演の)みんなを連れてきてもいいっていうめっちゃ恵まれているステップにいる。いきなり大きな舞台に立ったわけではないけど、コーチェラはコーチェラだし、瞬間的なライブかもしれないけど、ちゃんとそれを感じることができる。自分のことを120%で見せることができる機会をいただけてる……ということを感じましたね。安心して地に足をつけてできる段階のライブでした。もちろん、めっちゃ大変だったし緊張もしたけど、すごく勉強になりました。「こういう感じか……だったらもう次は単独の枠くれよ! フライヤーに名前載せてくれよ!」みたいな感じですね(笑)。今はもう怖くない。

@awich098 thank you @coachella @JP THE WAVY @IAMREALNENE @LANA @MaRI @YURIYAN.RETRIEVER @新しい学校のリーダーズ ATARASHII GAKKO! ♬ オリジナル楽曲 - awich098

ー限られた時間の中でのライブでしたが、JP THE WAVYさん、そして、「Bad Bitch 美学 Remix」に参加したNENEさん、LANAさん、MaRIさん、そしてゆりやんレトリィバァさんを引き連れたステージでした。Awich一人でコーチェラでパフォーマンスする、という選択肢もあったかと思うのですが、今回、こうして仲間たちとステージに立った、ということも意義深く感じました。

Awich やっぱり私は、『Queendom』(2022年)を作った時ぐらいから、みんなのためにこのコミュニティの底上げをしたいなという気持ちがあって。自分がかっこよくなるとか、人気が出ること以上に、時代を作るとか新しい考え方を作るとか、よりアイコニックなことをやりたいんですよね。だからそのために”女性”のコミュニティ、”沖縄”のコミュニティを持ち上げる作業をしています。もちろん1人でも行こうと思えば行けると思うし、「裸一貫!」みたいなものも好きなんですけど、そもそもの考え方が変わったのは『Queendom』ぐらいからですね。引っ張るというよりは、底上げをしないと、と思っていて。1人でやったら絶対消えるのも早いし、楽しくないんですよね、多分。そのつもりで全部のことをやっています。



もともとは、そんなことおこがましくてできないと思っていたし、むしろ、私は友達がいない方なので一匹狼な感じなんです。けど、「GILA GILA」の歌詞でも言っているようにYZEERから「姐さんがやらないと誰がやるんですか」って言われた時ぐらいから、「もう、人生のそういうフェーズに入ってるんだ」って思ったんです。色んな経験を経て、私も成長しないといけない時なんだなって思って。「じゃあ、みんな一緒にいこう」みたいな感じの役目を引き受けることにしたし、自分の人生のポイントとしてどっちがいいか考えた時に、1人でずば抜けて別格、みたいな存在になるよりは、みんなが一緒に「これが時代だ」みたい場面を作った方がいいし、死ぬ時もそれを思い出して「みんなでやべえことしたわ」「思い出がいっぱいある」って思える方が絶対楽しいなと思います。




2024年4月14日、米カリフォルニア州インディオで開催された世界最大級の音楽フェス「Coachella Valley Music and Arts Festival」。Awichは”88rising Futures”のステージに登場(Photo by HIROAKI FUKUDA @hirozzzz)

ーコーチェラで観た、印象に残っているステージはありますか?

Awich (ヘッドライナーだった)ドージャ・キャットのステージを観たんですけど、やばかったですね。彼女の歌唱スキルとダンススキルもすごかったし、後から演出やコンセプトについて調べたら、筋肉と骨と髪の毛がテーマだったらしいんですよ。「人間の原点を表現したかったのかな」と思いながら、私はめっちゃくらいました。どちらかというと、ステージのパフォーマンスにおいて私は根底にあるコンセプトみたいなものを決める係で、全体の演出だとか、レーザーや映像についてはそれぞれの巨匠が考えてくれるんです。だから、その人たちの助けがないと絶対にパフォーマンスはできない。私の根底にあるものは、彼らが聞いてくれるから、むしろ「何をどういうテーマで表現したいか来週までに考えてきて」って宿題みたいに言われる(笑)。でも、毎日そういうことを考えているので、だんだん考えることが簡単になってきてはいますね。一貫性を持って自分のストーリーやナラティブを伝える、みたいなことが固まってきているなと感じています。



ーコーチェラとは別に、LAのダウンタウンで『PLANET A』と題してAwichさんが主催する単独のイベントも開催されていました。その行動力もすごいし、どのような狙いでイベントを開催したのでしょうか。

Awich 「イケてる日本人のアーティストが来てるぜ」っていうのをしっかりLAの人たちに見せたいと思ったのと、コーチェラという大きなステージとは別に、現地にいるファンの方がしっかりAwichを観に来ることができる場所を作りたかったんです。あとは、ストリートのイケてる奴らが集まる場所みたいなのを作りたくて、HABUSHもたくさん振る舞うという計画で。LAのBABYLON、Sister Midnight、Mr.Brothers Cut Club、PIZZANISTA!など、現地に根ざして活動しているブランドの方々に協力していただいて作ることができたパーティーだから、それも含めて意味のある場所になりましたね。めっちゃ楽しかったです。もう、ベロベロ(笑)。

ー実際に、どんなオーディエンスが集まったのでしょうか。

Awich びっくりしたんですけど、LAにもめっちゃファンがいたんですよ。みんな、すごく歌ってくれて。かっこいいアーティストもいっぱい来てくれたし、ローラや(堀米)雄斗、ジャクソン・ワンたちも遊びに来てくれたんですよ。


Photo by Masato Yokoyama



何度転んでも立ち上がるのがAwich

ーツアー期間中の5月には、88risingが主催するHead In The CloudsのNY公演にも出演していましたよね。まさにライブとライブの合間を縫って渡米するようなスケジュールで。

Awich スケジュール的にはギリギリだったけど、ツアーの仙台公演が終わった瞬間に行きました。(ライブDJの)DJ U-Leeと一緒に飛行機に乗り込んでNYに向かったんですけど、今回の経験で、U-Leeもめっちゃ成長してますね。それも超嬉しい。

ー常に相棒のように隣にいる存在だと思うのですが、どのような場面でその成長ぶりを感じますか?

Awich 「大丈夫か?」とか「大丈夫だからな」って言葉をかけてくれたり、私に気を遣ってくれたりするんですよ。今まで、そういうことしなかったのに(笑)! 私のことを気にかけてくれることもめっちゃ嬉しいんですけど、「反省会しよう」と呼びかけてくれて、もっと音楽に真剣に取り組んでいる姿勢を感じますね。ツアーを経て、みんなで一緒に成長できている感じがします。


88rising主催フェス「Head In The Clouds New York Music & Arts Festival」でのステージ。2024年5月12日、米ニューヨークのフォレストヒルズ・スタジアムにて(Photo by HIROAKI FUKUDA @hirozzzz)

ーそうなんですね。沖縄のAwichから、日本をレプリゼントするAwich、そしてアジアをレプリゼントするAwichというふうに、立っているステージがどんどん大きくなっていっていると思うのですが、特に「88rising Future」の一員としてのコーチェラへの出演、Head In The Cloudsへの出演などを経て、”アジア人のアーティストとして活動している”という意識は前よりもさらに強くなってきていますか?

Awich そうですね。強くなってきました。だけど結局、レプリゼントするためにはアジア人としての自分のルーツがどういうものなのかという自分の中の理解と、それを紹介することが肝になると思っていて。もちろん、みんなが人生の中でどんな体験をしているのかを勉強することにも努めているんですけど、それと並行して、自分自身の苦悩や生まれ育った環境や境遇を話すことも大事だと思っています。それによって、「自分と似ているな」って共感することもあるし、苦悩を通して自分たちをユナイトすることもできる。「アジア人のエクスペリエンスって、こういうものなんだ」と感じることが大事だから、やっぱり自分のルーツがわからないと上辺だけの付き合いになるんですよね。”うわべだけの付き合いやめて”ってモンパチ(MONGOL800/「琉球愛歌」)も言ってたんで。だからやっぱり、一回自分をディグっていかないと、深いところで相手と繋がることができない。自分がこんなに自分のことを知っているということが、相手も自分のことを知ろうとしてくれるインスピレーションに繋がっていくと思うんです。そうやって繋がっていくのが、リアル・リレーションシップなんですよね。

ー海外でライブパフォーマンスをする時に工夫していることはありますか?

Awich ありますね。MCを多めにして、ちゃんと自分を紹介しています。私がどういう経験をしてきて、次に歌う曲がどういう歌なのかということも多めに、落ち着いてちゃんと喋っています。

ー海外のステージは、やはり緊張しますか?

Awich 緊張します。だって、NYのライブで緊張して「GILA GILA」の歌詞を間違えたんですよ(笑)。

ーあんなに何度もパフォーマンスしてるのに!

Awich ね(笑)。だけど、「緊張とかもういいや」って思わないとだし。「私、やっぱり緊張するんだ」って一回受け入れて、「どうなってもいいんだから」って自分に言い聞かせてどんどんモードに入っていくことが大事なんですよね。緊張していても、観客のみんなとコミュニケーションを取りながら、「私はこういう人間だよ」「NYは私の亡くなった旦那の生まれ故郷で、今日は娘もいて、2人でここに帰って来てみんなの前に立てることは、本当に意味があることだよ」ってMCで言ったら「わっ!」って反応がありましたし。それをもって、次の曲の紹介をしていくんです。

NYのライブに関してもっと言うと、最後に「Remember」を歌った時に転んだんですよ。サビの部分でモニターの転がしに引っかかって、すってんころりんって。「転けたー!(I fell)」って言って歌い続けたんですけど、終わった後に「さっきこけたけど、私は何回も人生の中で転けたこともあるし、傷だらけになったこともある。顔を地面にくっつけたままずっと立てなかったこともあるけど、それでも立ち上がった」「The show must go on, You have to keep on singing and you keep pushing yourself. Now you see this is the metaphor of life. This is Awich and see you again.(ショウを止めることはできない。それでも歌ってトライし続けなければいけない。これは人生のメタファー。これがAwich、またね)」みたいな感じで締めたら「うぉーー!」って盛り上がって。その時は「自分を捨てる」って決めているからできるんですけど、もちろん終わった時には「やってしまったー!」って後悔もする。もう、それの繰り返しですね。

ーNYのステージで転んだら、そこで頭が真っ白になって一生悔やんでしまいそう。

Awich でも、「切り替えたことが意味のあることなんだから」って自分に言い聞かせました。とは言っても、「すってんころりんだぜ? あそこだけ(ネットで)切り抜かれたらどうしよう、恥ずかしすぎる」って言葉も、頭の中をぐるぐるぐるぐる(笑)。だけどそれも、次にNYでライブをすることがあったら、その時のことを思い返して「5年前のあのステージで転んだんだぜ?」って言えるのもいいヒストリーになるかなって。

ー昨年、Kアリーナ横浜で行われた単独公演でも、「2024年は海外に向けていく」ということをお話しされていました。実際にインターナショナルな活躍の場も増えてきていると思うのですが、ご自身の実感や手応えみたいなものはどうですか?

Awich それこそ「THE UNION」に”憧れのレジェンド達の名前も今では並んでいる電話帳”って歌詞があるんですけど、まじでそうなんですよ。だから、だんだん繋がってきているなという感覚はもちろんあります。その一方で、そうした状況を明確に測る力みたいなものはあんまりなくて。自分の人気とかを評価する力はもっと勉強しないといけないなと思っているんですけど、そういう力はチームのスタッフが長けているのでめっちゃ助かっています。私自身は「めっちゃイケてるやん!」って思う日もあれば、次の日は「全然ダメだ」って思う時もある。人にどう見られているか、どう思われるか、売れるとか人気のこととかを考えると、心がどんどん疲れてくるんですよね。そうしたことを真剣に読み取ろうとすると、私のキャパシティには収まらない分析になってきてしまうんです。だからこそ、私のことを心から考えてくれるチームがいる。周りの反応や反響にばかり気を取られると、実際に自分が何をやりたいかが全く分からなくなっちゃう時があるから、そのバランスは気をつけるようにしています。





フジロックの大舞台に挑むことの意味

ーそして、今年の7月にはフジロックのGREEN STAGEに立つこともアナウンスされました。GREEN STAGE といえば約40,000人のキャパシティを誇る最大のステージということで、まさにヘッドライナー級でもあります。

Awich やばいですよね。ダッチ(演出を手掛ける山田健人。RADWINPSや藤井風らのステージ演出も手がける)にも「大丈夫?」って言われて(笑)。でも、チームもそれなりの仕事をやってくれると思うし、私もそれに応えるパワーを持っていけると思うし。このステージが今までの最大、最高レベルなんだとしたら、さらにその上を作っていく挑戦もできるし。チームのみんなは本当に大変だろうし、感謝しています。私もプレッシャーを感じますが、キャリアでそういうレベルに来ているっていうことは本当に嬉しいし、本当に感謝です。

ー世界中のオーディエンスが集まるフェスでの大きなステージ、ということですが、意気込みはいかがですか?

Awich さっきもお話ししたように、コーチェラのヘッドライナーも見てきてめっちゃインスパイアされたし、みんなで人の心を動かして揺さぶるような、ステージを観た人が自分自身のことを「もっと知りたい」とか「もっと表現したい」と思えるようなステージにしたいと思っています。そこに関してはずっと変わらないことなんですけど、(オーディエンスの)規模が大きくなると、こっちもモンスターを作り上げないといけないから、どんなモンスターを作り上げるか、ということになってくる。私はただ、それの真ん中にいるだけで、本当にみんなで作り上げているものだから、協力しあって猛獣を作り上げようと思ってます。

ー初めてAwichのステージを観るオーディエンスも多そうですし、ぜひ圧倒してほしいなと思います。

Awich ライブそのものもそうですけど、丁寧に私という人間の存在を伝えることをしようと思っています。初めて観た人は、そこからまた飛び火していってほしいですね。もちろん私をずっと観てくれている人たちやツアーに来てくれたみんなには、「俺たちがいくぜ」って自分も一緒にステージを作り上げてるっていう気持ちで見てほしい。本当に、私1人じゃ無理だから。

ー少し前にはONE OK ROCKとの対バンもあり、2021年にはRADWIMPSとの共演も果たしています。他にもROCK IN JAPAN FESTIVALやVIVA LA ROCKへの出演があり、DEAD POP FESTiVALにもラインナップされている。ヒップホップのコミュニティを越えてロックのステージにも果敢に立っている印象がありますが、表現者として、そこはどのように認識していますか。というのも、この二つのステージを行き来しているラッパーはまだ珍しいのかなと思って。

Awich それについては、アーティストとしてのキャリアや、ヒップホップ全体のキャリアのことをチームと話し合って、決めたことでもあります。もちろん今、若い人たちの間では(ヒップホップが)カルチャーとして根付いているし、実際にちゃんと食っていけるヒップホップのアーティストも増えていると思うし、ヒップホップのフェスも増えていますけど、それがロッキンくらい根付くかどうかって、どれだけそのパイを大きくするかに掛かっていると思うんです。今のままだったら、消えてしまう可能性も十分にあると思う。

ラッパーの収入源として、クラブでのライブは大きいと思うんですけど、クラブはもともと人が来る場所だし、ラッパーにしてみたら簡単にギャラがもらえるイージーギグなんですよ。でも、例えばクラブの流行がEDMになった時に「ヒップホップのアーティストはいらないよ」って言われたら? ずっとクラブでしかライブをやっていなかったり、クラブだけのライブツアーしか経験していないアーティストたちはどうすればいいか分からなくなってしまいますよね。それに、日本で根付いているフェスにも認知されていないっていう事態になる可能性もある。そうならないためにも、そして、自分のキャリアを広げていくためにも、ロック側のファンにも「こういう音楽があるよ」という感じで、自分でパイを置きながらどんどん人を増やしていって……ということをやっていますし、そうした役割をしないといけないなとも思っています。

ー先ほども「自分がこのコミュニティの底上げをしていく」と仰っていましたが、こうした姿勢にも繋がる話だったのですね。

Awich 本当だったら、もっとたくさんのラッパーにロッキンやビバラ、フジロックも出てほしいし挑戦してほしいけど、まだそういうことをしているラッパーは少ない。でも、私がやり続けていることによって、「自分も挑戦しようかな」って思う奴らが増えてほしい。言っても分からないし、「アリとキリギリス」みたいな話ですよ。コツコツ地方行って出演してるのをみて「何であいつあんなフェス出てんだ? クラブでやる方が楽なのに」って言うキリギリスもいるかもしれない。でも今やっておけば、来る停滞期に備えられるかもしれないでしょ。そのキリギリスの分もね。

ー今の若いラッパーは、SNSの追い風もあってインスタントにヒット曲が生まれて、初めて訪れる地方のクラブに呼ばれてもみんなが自分のことを知っている、というところからライブがスタートすることも少なくないんですよね。そうなると、いかにライブを盛り上げるかというテクニックやコントロールの仕方も変わってくるわけで。

Awich そうなんですよね。消費されやすくなってしまうし、自分が自分のキャリアをコントロールすることが難しくなってしまう。クラブでのパフォーマンスは、自分のマイク一本でどれだけ勝負するか、という裸一貫のパフォーマンス・スキルを磨くことはできますけど、それより洗練されたステージまでにはなかなか辿り着けない。アーティストとして芸術を作り上げたいんだったら、クラブに来るお客さん以外の人が見た時に「何だこれは」と思うものを作っていかないといけないと思っています。

ーAwichさんも次世代、年下のラッパーの子達に、直接そういう考えやアイデアをシェアすることってありますか?

Awich ついてきてくれている奴には言ってるし、同時に「一緒に来てくれてありがとうね」っていうことをめっちゃ伝えています。それが自分もいけるって思うことに繋がると思うので。今回のツアーに参加してくれたチコ(CHICO CARLITO)やオズ(OZworld)たちも、Zeppや武道館でワンマンもできると思うし、ロッキンみたいなフェスにも出れると思う。あとは、「どうしたらこんなライブができるんですか」って聞いてくれる人には言っています。あんまり求められてもないのに人に助言ばっかしてると、うるさいオバサンになっちゃうから。でも、まずは私から見せないとダメなんですよ、ほんとに。それに、私は本当にチームの助けというか、「こういう考え方があるんだよ」みたいなことをみんなで話し合っているし、みんなが言ってくれる。言ってくれるまで気づかないんですよ、自分では。


Photo by Masato Yokoyama



頂点に立ち続けるための肉体と精神力

ー普段の生活や内面といった部分も伺っていきたいのですが、Awichさんのタフなフィジカルとメンタルはどうやって作られているのでしょうか。

Awich 脳みそだけが一人歩きして、身体が置いていかれることはありますね。今はNIKEにサポートしてもらって、周りの環境にケツを叩いてもらいながら一緒にトレーニングをやらせてもらっています。運動は本当に大事だなって思います。身体はちょっと運動するとちゃんと応えてくれるんですよね。運動のサイクルを、あんまり長く休まないようにすることが大事だなって。

ーツアーの前は特にトレーニングを増やすとか、特別なルーティンを加える、みたいな習慣はありますか?

Awich そうだな……。歌う時に横隔膜のコントールが重要になるので、コア(体幹)のトレーニングを意識しています。あと首の柔らかさのストレッチとか、後頭部とか背骨が固まると喉がうまくコントロールできなくなるんで、そこの部分のストレッチとかも。それと興奮したり過活動をすると眠れないんで、ヨガの先生に来てもらってリラックスや呼吸の方法を教えてもらったりしています。

ー食事面はどうですか?

Awich 食べ物は、「美味しいものを食べることが一番大事」って104歳まで生きたおじいちゃんが言ってたんですよね。

ー説得力があります。

Awich はい。私のお父さんは今83歳なんですけど、めっちゃ元気だし、お酒も大好きなんですよ。だから大丈夫だろうなって(笑)。もちろんお酒が合わない人もいるから強制とかは絶対しないですけど、私にはお酒も合っているかな。あとは、楽しむことが何よりも一番大事なんですよね。お父さんが「俺はアル中じゃねえ、何でか分かるか」って言っていて、何でか聞いたら「悲しい時には飲まないからだ。楽しい時だけ飲むんだぞ」って言ったんです。なので、そういうところも大事なのかなって(笑)。

ーアルコールに依存しているわけじゃないぞ、と。素敵なお言葉ですね。

Awich 悲しい時とか悩みがある時に、それを忘れるために飲むと依存してしまうけど、楽しい気持ちで飲むとならないって。本当かどうかはわからないですけど。それが我が家流のアルコールとの付き合い方というか、お酒で神の御心を自分に宿すっていう意味なのかな、と。

ーなるほど。忙しい時のマインド面やメンタル面はどうですか。

Awich キツいなって時はありますね。忙しいこと自体は全然大丈夫なんですけど、たとえば問題が発生したとか解決しないといけないことがあると、キツくなってしまう。そうなってしまうと、全然眠れなくなってしまう。

ー当たり前だけど、眠れないと次の日にも響きますよね。忙しい中、そこのマイナス分はどうやって帳尻を合わせますか。

Awich 一旦、一日中寝る日を作ります。一回めっちゃ眠ってリセットや調整をしてます。

ーご自身のタフさも、この数年でパワーアップしたと感じますか?

Awich 絶対してますね。しかも、年齢もあるかな。あと3年で40歳になるし、この人生の長さを生きてきて、「これだ」みたいな。私のやり方は合ってると、けっこう自信があります。

ー歌詞にもたびたび年齢について触れている箇所があります。年齢を重ねていくことについては、どのように感じられていますか?

Awich 30代の始まりの時は「30代なんて嫌だー!」って思っていたけど、今となっては、これからは「え? 40代?! 嘘でしょ?」って言われるようになりたいんですよね。

ー私も今年で40歳になるんですけど、自分の40代がどうなるのかすごく楽しみなんです。

Awich やっぱりそうですよね。10代や20代の時は「30代? 死じゃん!」って思っていたんですけど、実際30代になってみると、そこにはちゃんと楽しい世界があった。それに、10代や20代の子も羨むような、目を楽しませられるようなフィジカルをもっていれば、ちゃんとクロスオーバーできる。クロスオーバーというか、お互いの良さを伝えられるブリッジみたいな存在になれるのかなって思います。若い奴らは見た目を気にするから、例えば私が見た目とか全部を捨ててメッセージを伝えても「はいはい、オバサンが何言ってるんですか」みたいになりかねない。そこも「……まじ?」って思わせるには、ちゃんと目を楽しませることを心がけつつお互いのブリッジになりたいです。というか、なります。


Photo by Masato Yokoyama
ジャケット、トップス、ショーツ、パンツ、ブーツ(以上すべてRick Owens/EASTLAND TEL:03-6231-2970)
ピアス、イヤーカフ、リング(以上すべてTOMWOOD/TOMWOOD 青山店 TEL:03-6447-5528)

FUJI ROCK FESTIVAL 24
7月26日(金)~28日(日)
新潟県 苗場スキー場
※Awichは7月26日(金)に出演
https://www.fujirockfestival.com/


『THE UNION』
Awich
and music / Sony Music Labels Inc.
発売中

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