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「あらゆる意味で、悲劇的な動画だ」警察が黒人女性を射殺、ボディカメラ映像を公開 米

Rolling Stone Japan / 2024年8月9日 21時30分

2024年7月6日、娘のソニア・マッセイさんが自宅で射殺され、悲しみに暮れるドナ・マッセイさん(Thomas J. Turney/The State Journal-Register/USA TODAY NETWORK/IMAGN)

7月6日、空き巣らしき者がいると緊急通報したソニア・マッシーさん(36歳)がショーン・グレイソン保安官補から射殺された事件で、米イリノイ州ソンガモン郡保安官事務所は発砲の様子をとらえたボディカメラの映像を公開した。

【動画を見る】「あんたの頭を撃ち抜くぞ」発砲の様子をとらえたボディカメラの映像

映像の中でグレイソン保安官補は、黒人女性のマッシーさんに、キッチンでコンロにかけられていた鍋から離れろと指示している。「イエス様の名にかけてお断りします」というマッセイさんに対し、グレイソン保安官補は「ばかなことはやめろ、さもないと神に誓ってあんたの頭を撃ち抜くぞ」と返答。保安官補が銃を抜いて銃口を向けると、マッシーさんは「おあいにくさま」と言い放った。その間、コンロに身をかがめて鍋を持ち上げたようにも見える。

「鍋から手を放せ」と保安官補が叫ぶやいなや、銃声が3度響いた。3発とも発砲したのはグレイソン保安官補で、そのうち1発がマッセイさんの頭に当たった。その場にいた別の保安官補が救急箱を取って来ると言うと、グレイソン保安官補は「いや、女はもう手遅れだ。取って来ても構わないが、頭に1発だ……まったく、熱湯を頭に浴びせられてたまるか。みろよ、足元まで飛んできてるぜ」。

グレイソン保安官補は3件の第1級殺人罪と火器による加重暴行罪1件、公務濫用罪1件で起訴された。被告は予審までの保釈を申請したが却下され、罪状認否では無罪を主張した。予審開始日時は8月26日午前9時に設定された。「保安官補の行動が訓練通りではなく、警察規定も遵守していなかったことは明らかだ」とジャック・キャンベル保安官は声明を発表した。「したがって、保安官事務所はショーン・グレイソンを解雇した」。

CNNが報じているように、裁判資料によるとグレイソン被告のボディカメラはマッシーさんを射殺するまで起動していなかった。もう1人の保安官補は深夜0時50分ごろ、現場に到着した時点で撮影を開始していた。発砲があったのは午前1時21分ごろだった。

7月6日午後、サンガモン郡保安官事務所はソーシャルメディアに声明を発表し、事件の詳細を明らかにした。「保安官補はただちに、救急隊が到着するまで応急措置を施した」と保安官事務所は述べた。「女性はセントジョン病院に搬送され、死亡が宣告された。この事件で負傷した保安官補はいなかった」。

マッシーさんの葬儀は7月19日(金)に執り行われた。市民権を専門とするベン・クランプ弁護士は葬儀に先立って報道陣の取材に応じ、事件のようすを収めた映像は「エメット・ティルが集団リンチされた後の写真と同様、アメリカの良心を震撼させる」だろうと語った。マッセイさんの遺族の代理人を務めるクランプ氏は、これまでタイリー・ニコルズさん、ジョージ・フロイドさん、ブリオナ・テイラーさんらの遺族の弁護人も務めた経歴を持つ。

「なんとも無意味で、不必要だ。正当化できない。憲法に反している」とクランプ氏。「あらゆる意味で、悲劇的な動画だ」。

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from Rolling Stone US



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