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ピーナッツくんが語る、POP YOURSとヒップホップ

Rolling Stone Japan / 2024年7月30日 17時15分

ピーナッツくん(Photo by Masato Yokoyama)

6月14日に4作目となるフルアルバム『BloodBagBrainBomb』をリリースしたピーナッツくん。プロデュースにはAutomatic(ゆるふわギャング)やピーナッツくん本人も名を連ねており、話題沸騰中! 5月にはPOP YOURSに2度目となる出演も果たす中、ヒップホップ側の観点から最近の活動について訊いてみた。

※この記事は現在発売中の「Rolling Stone Japan vol.27」に掲載されたものです。

【画像】『POP YOURS 2024』ライブ写真(全87枚)

「期待に応えてやるよ!って感じです」

ーピーナッツくん、こんにちは。

ピーナッツくん どうも、ピーナッツくんです!

ーPOP YOURS、2回目の出演となりましたがどうでしたか?

ピーナッツくん 相変わらず緊張しました! ピーナッツくんはいつも視界が良くないので、観客のリアクションがあまり分からないんですよ。でも後から見返したら、盛り上がっていたので嬉しかったです。

ーPAS TASTAのメンバーをステージに呼んでのブチ上げテンションが最高でしたね。

ピーナッツくん ピーナッツくんのライブステージに人がいたら、もっとカオスになって面白くなるだろうなと前から思ってたんです。ちょうど「Squeeze」という曲でダンサーが欲しいなということになって、そこでひらめきました。6人ともノリノリで。hirihiriくんがあのダンスで首を痛めたみたいで、バックステージでtofubeatsさんに「労災おろしてもらいなよ」って言われてました(笑)。



ー(笑)。ヴィジュアルも、黄色の被り物で統一されていましたね。

ピーナッツくん インターネット感、いわば匿名性みたいなものをPOP YOURSに持ち込もうという狙いです。

ー改めて、ヒップホップフェスに出る心境というのはどんな感じでしょう? 戦いを挑むような気持ちですか?

ピーナッツくん また試されるのかぁ……という感じですね(苦笑)。ピーナッツくんはよく分かんない存在だから賛否両論あると思うんですけど、「否」の人たちに向けてもがんばってパフォーマンスするしかないです!

ー「否」の意見を聞くと、やっぱり凹みますか?

ピーナッツくん はい。でも、「否」の意見が出るのも当然だと思います。自分自身ずっとヒップホップが好きなので、初めて呼んでもらった時から舞い上がる気持ちと僕が出ちゃっていいの?という気持ちと両方ありましたし……。

ーYouTube番組「漢 Kitchen」のピーナッツくんについては、マスコット的で可愛いという声も多かったです。でもPOP YOURSでは「笑われるんじゃなくてカマしに来ました!」というMCもされていました。

ピーナッツくん 自分ではマスコット的に可愛いと思われている印象もないです! よく分からない着ぐるみのやつがキッチンとかステージをウロウロしてるくらいにしか思われていないだろうなという認識です。だからこそ、POP YOURSでは知らないラッパーがカマしてる姿を皆観たいだろうし、その期待に応えてやるよ!って感じです。



ーピーナッツくんはヒップホップが大好きですよね? そのピーナッツくんから見て、自分の存在とヒップホップが重なる部分ってどのあたりだと思いますか?

ピーナッツくん 新しいところ、です。ヒップホップって、次々に新しい音楽性や価値観を取り入れていくところが好きなんですよ。あと、DIYなところも。ピーナッツくんも新しいことをDIYでやっているので。音楽性も新しいものを取り入れられるよう、頑張っています!

ー最新アルバムはダンスミュージックの要素が増して、全体的にテクスチャもハイパーになった印象です。音楽性の変化は、どういったきっかけがあったのでしょう?

ピーナッツくん ヒップホップをやっている方たちは皆さん感じてると思うんですが、トラップ的なノリがだいぶ飽和してきてる中で、次のフェーズを模索していたというのが大きいですね。



ーPAS TASTAとの出会いも大きい?

ピーナッツくん そうですね。PAS TASTAが自らの音楽をJ-POPって言ってるのって、すごいなと思うんですよ。僕も影響は受けてると思います。それこそ今はDIYで全部自分で作るのがクール、みたいな空気があると思うんですけど、それで僕もビートを作るようになったんです。「Liminal Shit」と「Dance for What?」は自分で作りました。





ーいつ頃からですか?

ピーナッツくん 去年の秋頃です。毎日毎日作って、もういいや~ってなってなんとか完成させた曲がその2曲。人から提供してもらったビートって中途半端なことはできないというか、全部本気なんですよ。でも今回自分でビートを作って、ラフにラップを乗せられることに気づきました。いい感じに力を抜けます。

ー確かに。「Liminal Shit」とか、今までのピーナッツくんにはない赤裸々なことを歌ってますよね。

ピーナッツくん POP YOURSフレックスをカマしてしまいました!(笑)。自己責任です。人のビートではあんなこと言えません!

ーあと「not ok」も、フロウにピーナッツくんの本来の人格が出てきているというか。すみません、表現が難しいですね……ピーナッツくんはピーナッツくんです。

ピーナッツくん いや、それはあると思いますよ。「not ok」は、ラップをカマそうと思って作った曲です。



ー今作で、インスピレーション源となったアーティストはいますか?

ピーナッツくん アンダースコアーズ。この前の来日公演も行きましたけど、今作では影響を受けました。

ー「Dreamworks」では、ゆるふわギャングのAutomaticさんがプロデュースで参加されていますね。

ピーナッツくん 大好きでいつか一緒にできたらと夢見ていたんですが、ついに実現することができました! 今回のアルバムって元々「生と死」がコンセプトだったんですよ。それを、Automaticさんは形にしてくださった。



ー「生と死」というコンセプトはどういったところから出てきたんでしょうか?

ピーナッツくん 今回、曲作るの大変すぎて死んじゃいそうだったんです。そっか、じゃあもうこれでピーナッツくんは綺麗に死のう! 最後のアルバムだ!と思って「生と死」というテーマで作りました。でも結局、死生観を問うようなカッコいい作品は作れなかった。泥臭いものにしかならなかったです! Peterparker69みたいなお洒落なものは作れない!

ーそこがピーナッツくんらしくて良いところです! 今作のダンスミュージックは確かに、最期の狂騒感がありますよね。ビートの幅も広くて、走馬灯のように色々な音楽性が駆け巡る感じというか。

ピーナッツくん 明るすぎて怖い、うるさすぎて心配になる、といったハイパーポップの過剰性みたいなものを、死生観に盛り込めたらいいなと思ったんですよ。

ーそうか、だからかもしれない。ピーナッツくんの身体性を今までで一番感じました。

ピーナッツくん あぁ、それはめちゃくちゃ嬉しい。

ー最後に、リスナーの方にメッセージを。

ピーナッツくん ピーナッツくんってアーティストというよりは変なことやってるキャラクターと捉えている人も多いと思うけど、今回メインストリームに殴り込みにいけるアルバムができたし、みんな胸を張って聴いてほしいです。僕も、胸を張っていく!

ピーナッツくん
2017年、ショートアニメ「オシャレになりたい!ピーナッツくん」の主人公として登場し、同年からバーチャルYouTuberとして活動開始。5歳。『ゆるキャラグランプリ2019』王者。2020年にラッパーとして1stアルバム『False Memory Syndrome』をリリース、以後定期的に曲を発表。「POP YOURS」「森、道、市場」などのライブにも多数出演。


『BloodBagBrainBomb』
ピーナッツくん
配信中
配信リンク:
https://linkco.re/UbXM5pcn

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