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テレビ大陸音頭が語る結成秘話 バズりまくりの若きバンドを生んだ底知れぬ音楽ルーツ

Rolling Stone Japan / 2024年8月1日 17時30分

Photo by saylaphotos

2023年に札幌市の高校で結成されたテレビ大陸音頭の台頭は、今年上半期の音楽シーン最大の事件といっても過言ではない。彼らの初シングルにして現時点で唯一の正式リリースである「俺に真実を教えてくれ!!」が6月に入ってSNSで注目を集めると、Spotifyバイラルチャートで3週連続1位を獲得。驚きのサクセスストーリーは地上波のニュース番組でも取り上げられ、その名を日本中に轟かせている。



70〜80年代のポストパンクに影響を受けた鋭いリフ、ぎくしゃくした痙攣グルーヴ。1分34秒を一瞬で駆け抜ける「俺に真実を教えてくれ!!」は、どう考えてもメインストリームのトレンドから逸脱した楽曲で、ここまで型破りなバズも珍しい。そこで調べるうちに、7月1日に東京・渋谷クラブクアトロで開催されるイベント『Pure vibes only ~風景 Landscape~』に出演することを知り、「今見ておかなければ!」という思いでチケットを入手した。

結論から言うと、テレビ大陸音頭は正真正銘の本物だ。この日が東京での初ライブだったそうだが、彼らは肝の据わり方も規格外。INU時代の町田康も想起させる千代谷竜司(Vo, Gt)は、シュールとエキセントリックが入り混じった表情で歌い叫ぶ。鈴木隆太郎(Gt)はあどけない風貌から想像のつかないギタープレイでノイズを撒き散らし、ヤナガワヒロト(Dr)はスティックも跳ね飛ぶほどの爆発的なエネルギーで叩きまくる。

あそこまで凄まじいライブを目撃したら取材するしかない。かくしてインタビューが実現し、結成から今日に至るまでの話をたっぷり語ってもらった。好きな音楽の話になると止まらなくなる3人。「高校生であること」が取り沙汰されがちだが、個人的には彼らのピュアな音楽愛と、自分たちの感性を信じて突き進む姿勢にシンパシーを抱いている。(インタビュー:小熊俊哉/構成:最込舜一)


左から戸借晴亜(Ba・サポートメンバー)、千代谷竜司、ヤナガワヒロト、鈴木隆太郎 2024年7月1日、東京・渋谷クラブクアトロにて撮影(Photo by saylaphotos)


『Pure vibes only ~風景 Landscape~』出演時のフル映像


―東京での初ライブはどうでしたか?

千代谷:いつも通りの気持ちで臨めました。

鈴木:テンション上がりました。

ヤナガワ:デカいとこだったし、気合いの入りようが違いました。

テレビ大陸音頭すごすぎる!!

高校生がこんな尖ったライブやるとかヤバくないか。ただバズってるだけじゃない正真正銘の本物。かっこよすぎて大興奮。観に来てよかった… pic.twitter.com/6ApajGEEEv — 小熊俊哉 (@kitikuma3) July 1, 2024 筆者がライブ当日に撮影した動画。「あれは『エビチリ』という曲です。友達と弁当を食ってた時に、彼のエビチリを取ろうとしたら『エビチリは俺のもんだ!』って言われて。それがthe hatchの『恐竜は俺の祖先』みたいだなと思って。曲としてはノーウェイヴを意識した感じですね」(千代谷)

―演奏技術の高さに加えて、自由奔放なパフォーマンスにも驚きました。千代谷さんはリコーダーを吹いたり服を脱いだり、ステージ狭しと動き回っていて。他のライブでは逆立ちしたりフライパンを叩いたりもしてきたみたいですね。

千代谷:面白いと思ってもらえるように、色々と駆使して盛り上げています。必死に奇天烈な動きを試行錯誤して、強烈なインパクトを与えられるようにしているつもりです。




千代谷竜司(Photo by saylaphotos)

―鈴木さんが2台のギターをかき鳴らしていたのも強烈にかっこよかったです。

鈴木:北海道の苫小牧にライブで行くことがあって、そこのハードオフでちっちゃいギターが1650円で売ってたんです。「買うしかねえ! 2本背負えばいいじゃん」みたいな流れになって、それから愛用してます。

―ギターの演奏も見せ方も上手くて驚きましたが、始めたきっかけは?

鈴木:もともと小学生の時はドラムをやってました。楽器自体はちょくちょくやってて。ギターは中学2年生の時にコロナが流行って、学校が休みになった時期に触ってみようかなと思って始めました。好きなバンドのタブ譜を見ながら練習しました。

―好きなバンドというと?

鈴木:スライ(&ザ・ファミリー・ストーン)とかですね。ヴルフペックとかディアンジェロもめっちゃ好きで、最初はファンクのギタリストになりたかったんです。

―好きなギタリストは?

鈴木:最近の人だとコリー・ウォン。ずっと自分のなかで中心にいて目標にしているのはジミヘンですね。




鈴木隆太郎(Photo by saylaphotos)

―ヤナガワさんも強烈な2人に負けず劣らず、パワフルに叩く姿が印象的でした。ドラムについて意識していることは?

ヤナガワ:もともと和太鼓をやってたので、和のリズムが中心になってるところがあって、頭の拍を特に意識してリズムをとってるところはあるかもしれないです。父親がコピーバンドをやっていて、それに合わせて小さい頃からカホンやドラムで遊ばせてもらったりして。和太鼓はお祭りで見て興味をもつようになり、小1から中3までずっとやっていて。高校に入ってからドラムを叩くようになりました。

―好きなドラマーは?

ヤナガワ:中村達也さん(BLANKEY JET CITYなど)。テクニックよりもパワープレイという感じで、叩く姿が情熱的だしかっこよくて憧れます。




ヤナガワヒロト(Photo by saylaphotos)

―千代谷さんが音楽に目覚めたきっかけは?

千代谷:父親がザ・クラッシュやセックス・ピストルズなどのパンクや、電気グルーヴが好きで。家にあったCDを漁っていたら自然と好きになっていきました。そこから自分で掘っていくうちにDevoと出会ったんです。「(I Can't Get No) Satisfaction」のMVを見て、ポストパンクってこういうことなんだって思いました。カクカクしてるけどファンキー。聴いたことのないような音楽でした。

―それがいつ頃の話ですか?

千代谷:小学6年生ぐらいですね。ニンテンドー3DSでインターネットブラウザが使えたので、それで色々音楽を掘ってたら「70年代バンドまとめ」みたいな動画が出てきて、それで知りました。そこからポストパンクをもっと聴くようになり、トリプルファイヤーとかも大好きになりました。




―すごい小学生! ポストパンクのどんなところに魅力を感じたのでしょう?

千代谷:気持ち悪い動きをしていて、ドラムも変なリズムだし、それがかっこいいなと思ったんです。ジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスのくねくねしてる感じとかもかっこよすぎるなと思って。自分もリスペクトで、ちょっと奇天烈な動きをしてます。



3人の出会いと「テレビ大陸音頭」命名秘話

―この3人はどういう経緯で知り合ったんですか?

千代谷:高校(札幌厚別高校)の軽音楽部で初めて出会いました。最初は僕がギターボーカル、鈴木がドラム、あとはベースの女の子の3人で「アフリカは君に語りかける」というバンドを組んでいて。銀杏BOYZ、くるり、フジファブリックとかをコピーしていたんですけど、オリジナルもやろうとなって。でも、僕のギターがそんなに上手くなかったので、ブラック・ミディみたいなギターを弾けるヤツいないかなって。それで、鈴木はギターもめちゃくちゃ上手かったので代わってもらうことにして。ヤナガワは仲もよかったし音楽の趣味も合うのでドラムで入ってもらって、テレビ大陸音頭を結成したという感じです。

―「アフリカは君に語りかける」はスライの曲が由来ですよね、きっと。

千代谷:そうですね。ちょうどその時期に『暴動』 (There's a Riot Goin' On)をよく聴いていたのと、面白い名前にしたいなと思って。



―「アフリカは君に語りかける」は高校軽音全道大会で総合グランプリを獲得し、全国大会にも出場したそうですが、その頃はどういう音楽性だったんですか?

鈴木:今みたいな「バチコン!」って感じではやってなかったよね。

千代谷:普通の3ピースバンドでしたね。当時作った「夜について」という曲はテレビ大陸音頭で今でもやってます。

―当時の映像を見る限り、すでに高校生離れした異彩を放つサウンドだったようですが。

ヤナガワ:(うなずく)

千代谷:最初はティアーズ・フォー・フィアーズ、ニュー・オーダーみたいな80年代のシンセポップみたいな曲を作ろうとしたんですけど、進めていくうちにディスコっぽい感じに近づいていきました。

鈴木:シンセの音がチープだったので、組み立てていくうちにああいう感じになって。

実は前身バンド、アフリカは君に語りかける 閃光ライオット受けてました
結果 2次落ち
悔しかったです が、これからもNICE CHOICEでやってまいりますのでどうぞよろしくお願いします
折角なので、アフリカは君に語りかけるのヴィデオを投稿‼️#スクールオブロック#マイナビ閃光ライオット2023 pic.twitter.com/sMZgt7iHde — テレビ大陸音頭 (@tairiku_ondo_TV) June 9, 2023
―みなさんは軽音楽部でどんなふうに打ち解けていったんですか?

千代谷:ヤナガワとはすぐ打ち解けて「一緒にバンドやろう」っていう感じでしたね。鈴木は体験入部で初めて会ったときに「だいぶイキってる奴がおるな」と思ってあまり喋らなかったけど(笑)、だんだん「イケてるやん」って思うようになりました。ゆらゆら帝国とかZAZEN BOYSの話で盛り上がったんだっけ?

鈴木:JAGATARAの話もしなかった?

ヤナガワ:ガチの最初はゆら帝の話で繋がったはず。

―テレビ大陸音頭というバンド名は、みんなで単語を持ち寄りかっこいい羅列を考えて命名したそうですね。「大陸」は「暗黒大陸じゃがたら」から拝借したのかなと思ったんですが。

千代谷:そうです!

―「テレビ」と「音頭」はどこから?

千代谷:「テレビ」は 僕がすごく好きなテレヴィジョンというバンドから。『Marquee Moon』に感銘を受けて、そこから取るしかないなと思って。「音頭」は日本っぽい単語でも入れとくかみたいなノリです。「Ondo」っていう英語表記もカッコいいし。




―千代谷さんのTwitter(X)に「最初は『日本のギャルたち』ってバンド名になる予定でした」と書いてありましたが、そうなんですか?

千代谷:バンドを始めて2日ぐらいは「日本のギャルたち」だったんですけど、 さすがにアカンかなと思って。

ヤナガワ:そのあとすぐに「極悪ボートクラブ」に変わったんです。

千代谷:でも、おっかないかなと思って、テレビ大陸音頭になりました。

―(笑)現在は戸借晴亜さんがサポートベースを務めていますが、「アフリカは君に語りかける」で一緒だったベースの平山優菜さんはどうされてるんですか?

鈴木:絵を描きたいからお休みしますって。

千代谷:デザイン関係でも関わってくれてるんです。あのTシャツにもなってるバンドロゴも書いてもらいました。


テレビ大陸音頭の公式Xアカウントより

「俺に真実を教えてくれ‼」誕生秘話

―曲はどういうふうに作ってるんですか?

千代谷:僕がGarageBandで大本のデモを作って、あとはスタジオでみんなで広げる感じです。

ヤナガワ:曲は千代谷と鈴木がメインでやって、詳しいパートはそれぞれにお任せで、セッションしつつ進めることが多いです。

千代谷:もともと中学生の頃からGarageBandを使ってインスト曲を作ってたんです。当時はコーネリアスや暴力温泉芸者に憧れて、YouTubeからサンプリングして調理するのが面白かった。バンドとして初めて作った曲は、さっきも話した「夜について」ですね。


札幌・白石区にあるスタジオで撮影したパフォーマンス映像

―話題の「俺に真実を教えてくれ‼」はどういう曲を作ろうとしたんですか?

千代谷:そのときはブラック・ミディをすごく聴いてたので、たぶん意識してました。(影響源は)やっぱりサウスロンドンのポストパンクがメインですかね。

ヤナガワ:ギターのリフで持っていく感じとかね。

―個人的にはドイツのニューウェイヴ・バンド、パレ・シャンブルグも連想しました。

千代谷:たしかに。その頃からがっつりドイツの音楽を聴き始めていたので、ドイツの影響もあるかもしれないです。単調であんまり動きがない感じだけど、急にぶっ壊していく感じとか、影響を受けてるかもですね。




―この曲は千代谷さんのデモからバンドで合わせる過程で、どういう風に発展していったんですか?

千代谷:「もう我慢ならんぞ〜!!!!!!!!!!!!」って叫ぶ前半部分までは完全にデモで出来上がっていて、そっくりそのまま演奏にトレースした感じです。デモではそこで止まってました。

鈴木:その後は僕ですね。そのときはドラムから組み立てました。スタジオに入る2時間前ぐらいに、僕がガガガガってGarageBandをいじって「こうしよう」って提案して。

ヤナガワ:ただ、やってみたら難しくて変拍子が取れなくて。

千代谷:(曲の尺を)もうちょい長くする予定だったよね。でも構成が思いつかなくて。

―むしろ短いからこそ良かったかもしれないですよね。

ヤナガワ:「歌をもう一周する?」って話も出てたんですけど、そうなってたら(反応も)変わってたかもしれないですね。

―あのジャケット写真はどこで撮ったんですか?

千代谷:あれは高校2年生のとき、見学旅行先の大阪のホテルで、カメラが好きな写真部の友人に撮ってもらいました。なんかテンション上がって、シャワー上がりに「写真撮ってくれ」って呼び出したんです。それで「フラッシュを炊いたら残像が出るんじゃないか」って話になって、部屋を真っ暗にして俺が動いたんです。でも、フラッシュが炊けてなくて、こんなんなってたっていう(笑)。それがずっと写真フォルダにあったんですけど、これをジャケットに使ったら面白いんじゃないかっていうことで決まりました。


「俺に真実を教えてくれ‼」ジャケット写真。千代谷が札幌厚別高校の体操着を着用

―歌詞はひたすら爆発している感じですが、どんなことを歌おうと思ったんですか?

千代谷:完全に文字感とかを意識しただけなので、あまり意味はないんですけど……。

―「テクノ聴きながら歩いてくのーー!」ですもんね、あくまで語感重視。

千代谷:そうですね、面白れえなと思って。歌ったら耳馴染みいいかなと思っただけなんですけど。意図せず「高校生の心情を爆発させた」みたいなものになっていて、カッチリ合ってんじゃんと思って。

―フラストレーションみたいなものが溜まっていたわけではない?

千代谷:いや、溜まってましたね。実際、溜まってたんですけど……自然と出たのかな?

ヤナガワ:歌詞に起こしたくて起こしたわけではないってこと?

千代谷:そうだね。なんだろう……勉強とかで行き詰まってたのかもしれないです。それが自然と出たのかもしれない。


アーティスト写真は北海道のドライブ立ち寄りスポット「きのこ王国」で撮影。「早朝に撮ったのでフワフワしていて、フィッシュマンズみたいな感じ」(千代谷)

北海道シーンの衝撃「自分たちもヤバい演奏をしないと」

―そもそもテレビ大陸音頭を結成するとき、どういう音楽をやろうと思ったんですか?

鈴木:最初は一瞬ファンクを目指してなかった?

ヤナガワ:踊れるビートを重点的に意識してたね。

千代谷:最初はとりあえずファンキーなバンドをやろうって感じで始まったんです。

鈴木:『THE JUSTICE』以降、ハード寄りになったよね。去年の7月9日、the hatchという(札幌の)先輩バンドが主催しているイベントに呼んでいただいたんです。

千代谷:あそこに出てから考え方が180度変わったよね。やりたいことも定まっていった。札幌のバンドたちに完全に食らって、今の音楽性に通じるようなことをやりたいと思うようになりました。

この投稿をInstagramで見る the hatch(@thehatch1192)がシェアした投稿 ―強烈な体験だったんですね。

千代谷:あとは先日のクアトロでもご一緒させてもらった空間現代が、昨年6月10日にツアーで札幌に来たので僕ら全員で行ったんですけど、そのとき出演したGlansっていうバンドが本当にヤバくて。とてつもない衝撃を受けたんです。2日間ぐらい耳が聞こえなくなりました(笑)。

鈴木:どっちも興奮したよね。こんなイベントあるんだって。

千代谷:それまでライブハウスに行ったことすらなかったけど、the hatchとかを『THE JUSTICE』で初めて見て、札幌の音楽シーンに触れてから変わりました。僕らもヤバい演奏、パフォーマンスをした方がいいなと。

ヤナガワ:ビリビリ痺れる感じのね。




―昨年の『THE JUSTICE』でテレビ大陸音頭のライブを観た観客のひとりが、「俺もバンドやりてえ!」って叫んで、そこから本当にバンドを始めたという話も見かけました

千代谷:それはALUMICANという、僕がやってる別のバンドのことですね。そのとき『THE JUSTICE』で出会った高校1年生のやつと仲良くなって、そこから結成したんです。


ALUMICANは千代谷、伊藤カズキ(ギークマン)、安田朝陽(López)によるノイズ/スカム系バンド

―今の札幌には、アンダーグラウンドな志向性をもつ若者たちが繋がる環境があると。札幌出身の高校生バンドといえば、LAUSBUBが2021年にバズったときも話題になりましたが、彼女たちとも接点はあるんですか?

千代谷:いろんなイベントでご一緒させてもらったり、話したりします。

鈴木:もともとテレビ大陸音頭を組んだ時も、 「LAUSBUBっていうヤバい高校生バンドがいるからその後に続きたいね」みたいな話をしてたんです。

千代谷:LAUSBUBが尖ったことやってめっちゃ売れてるから、「俺らもいくぞ!」みたいな感じで目標にしてきたところはありますね。



向井秀徳からノーウェイヴまでルーツを深掘り

過去のインタビューによると札幌のバンドの他に、54-71、トーキング・ヘッズ、JAGATARA、ZAZEN BOYSに影響を受けたそうですね。54-71の存在は大きいですか。

千代谷:特に鈴木が、54-71のギタープレイが大好きで。

鈴木:はい。ドラムをやる時もそう。かなり意識しちゃいますね。

―Boboさん(現在はVaundy、imaseなどのサポートドラマー)はかっこいいですもんね。

千代谷:ヤナガワにも「54-71みたいに叩け」って言ってるよね。ドラムフレーズを鈴木が構築することもあるんですけど、もうまんまBoboさんみたいなフレーズなんです。それをヤナガワが叩いているから、54-71が伝染しているところがあるかもしれないです。



―JAGATARAもバンド名に入ってるくらいだから影響が大きそうですね。千代谷さんのパフォーマンスも江戸アケミさんと重なるところがあるというか。

千代谷:大好きです。カリスマ性があるし、かっこいいリズム隊を率いる佇まいに昭和アングラ感が漂ってるというか。



―ZAZEN BOYSはどんなところが好きですか。

千代谷:全員バッキバキで緊張感がえぐい。全員が音にストイックな感じとか、向井秀徳さんのピリピリとした感じですね。

―ヤナガワさんはクアトロでのライブ後、ZAZEN BOYSのTシャツを着て物販にいましたよね。もともとお好きだったんですか?

千代谷:たしか俺が布教したような。

ヤナガワ:最初に「ポテトサラダ」を聴かされて「なんだこれ、エグいな」って衝撃を受けて、そこから1人でどんどん掘り下げていきました。小中学生の頃はJ-ROCK系をライトに楽しむ感じだったんです。KANA-BOON、ミセス(Mrs. GREEN APPLE)とか。軽音に入って、この2人の聴いてる音楽がヤバすぎてどっぷりハマっていきました。



―他にも影響を受けているアーティストはいますか?

鈴木:ギタリストだとアート・リンゼイですね。

千代谷:そこら辺は最近めちゃくちゃ影響を受けていて、ノーウェイヴにみんな痺れてますね。ディス・ヒートとかも最近聴いてて、今めざしてるのはその辺りかもしれないです。




―昔はオアシスの「Don't Look Back in Anger」やNo buses、THE 2の曲をカバーしていた時期もあったみたいですね。

千代谷:No busesはずっとやってましたね。今も好きです。

ヤナガワ:Cwondoさんのソロもめちゃくちゃ好きですね。




―音楽以外でこのバンドに影響を与えてるものはあったりしますか?

千代谷:僕は映画が好きで、自分の表情管理は映画からきてるのかもしれないです。三池崇史とか黒沢清もそうですし、Vシネに憧れてるというか。そういうキャラでいたいっていう思いが自分のパフォーマンスにも表れているかも。危ない人に憧れるというか。危なげな感じをパフォーマンスに取り込みたいなと思っています。


2024年の『THE JUSTICE』出演時の映像

バズへの本音と将来について

―「俺に真実を教えてくれ‼」は2023年6月にライブで初披露され、今年3月にリリースしたあと、6月に入ってからバズったわけですけど、なんでバズったと思います?

ヤナガワ:……訳わかんないよね。

千代谷:なんか面白かったんじゃないですかね?

鈴木:うん、本当にわからない。

千代谷:一般の方が僕らのことをTwitterで投稿してくれて、それに7万いいねも付いて。

鈴木:その前からTikTokでも、Eggsっていう楽曲配信サイトのインタビュー動画が2万いいね付いてたんだよね。友達から「TikTokで流れてきたよ」とか言われてるうちにTwitterでバズって。

千代谷:そうだ、予兆はあったのか。

―そして、Spotifyのバイラルチャートで錚々たる面々を抑えて1位になったわけですが。

千代谷:K-POPとかJO1を抑えて俺らが1位、すごくありがたいです。ちょっと訳わからんけど。


2024年6月29日付のSpotifyバイラルチャート

―親御さんや友達もびっくりしたのでは?

千代谷:親は全然バンド活動に興味を示してなかったのに、急に「注目されてんだって?」って気にし始めて。

鈴木:友達にもよくわかんないって言われてたんですけど、バズってからは「すごいね!」って。

ヤナガワ:わかる! 急に聴いてくれるようになったり、流れが変わった感じはあります。


Photo by saylaphotos

―SNSやストリーミングで話題になる一方で、千代谷さんのTwitterによると、今でもCDを買っているみたいですね。

千代谷:一応CDも聴きますけど、ブックオフに行ったら買っちゃったみたいな。メインはサブスクですね。Spotifyも使ってますし、普段はYouTubeで音楽を聴くことも多いです。

鈴木:最近ラジカセをプレゼントしてもらって、CDを聴けるようになったので集めてます。

ヤナガワ:それこそ旅行先では毎回CD屋に行ってます。

千代谷:クアトロの帰り、ディスクユニオンに初めて行きました。CD買いまくって、お金を使い果たしちゃった。

ヤナガワ:破産したな。

千代谷:好きなアルバムを見つけるとつい買っちゃうんですよね。

買った pic.twitter.com/XmSiSdSdat — 千代谷 竜司 (@go2go2go2go2go2) June 3, 2024
―自戒も込めつつの質問ですが、「高校生バンド」という冠がついて回る現状について思うことはありますか?

鈴木:個人的に嬉しくはないですよね。「高校生なのに◯◯」っていうレッテルが常についていて。

千代谷:それで嫌な見られ方しちゃうかもしれないし。実際Twitterの書き込みでそういうのあったよね。

ヤナガワ:「高校生の若さだけが売りのバンドだな」みたいな。

千代谷:そういうのを見るとやっぱり……(苦笑)。

ヤナガワ:もっと音楽そのものを聴いてほしいよね。


ライブの定番曲「サイズMの男」について。「ナンバーガールがヒップホップをやったことあるじゃないですか。そのイメージで作りました」(千代谷)

―今は大学進学をめざして受験勉強にも取り組んでいるそうですね。

千代谷:そうです。

ヤナガワ:秋からは活動を一旦止めて、来年春頃からまたバンバン再開していきたいと思ってます。

―大切な時期にバズって大変かもしれないですけど、今後もリリースは続きそうですか?

千代谷:はい、年内に出したいです。

―ライブでもいろんな曲を披露していたので音源化が楽しみです。これからどのようにバンドを続けていきたいですか。

千代谷:自分たちが憧れてる音楽性を追求していきたいです。

―バズったからといって売れ線に走ったりせず。

千代谷:そうですね。もう普通に今まで通りやっていきたい。


〈リリース情報〉

テレビ大陸音頭
「俺に真実を教えてくれ!!」
配信リンク:https://linkcloud.mu/e900595b

〈ライブ情報〉

【東京】


『LOOSE PLAY』
日時:2024年8月13日(火)
会場:渋谷TOKIO TOKYO
出演:テレビ大陸音頭 / computer fight / DRUGPAPA
DJ:OKAMOTOREIJI (OKAMOTOS)
予約・詳細:https://hype-ticket.stores.jp/items/6673d3a5e2461e0814a59f63


『NEWFOLK -5th Anniversary-vol.2』
日時:2024年9月14日(土)
会場:下北沢BASEMENT BAR & THREE
出演:テレビ大陸音頭 / computer fight / すばらしか / 天国注射 / 天国旅行 / 秘部痺れ / 本日休演 / 山二つ / ろくようび 他
※ヤナガワ不在のため鈴木がドラムを担当、サポートメンバーとして明神陽大(Gt)が参加
詳細:https://tiget.net/events/329956

【札幌】


FSR2024
日時:2024年7月27日(土)・28日(日)
会場:Sound Lab mole
※テレビ大陸音頭は7月27日(土)出演
詳細:https://t.livepocket.jp/e/fsr2024_2


『Release Your Emotion 22』
日時:2024年8月3日(土)
会場:白石PIGSTY
出演:ネムレス、テレビ大陸音頭 他
詳細:https://tiget.net/events/333084

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