サマソニ前夜を飾る深夜フェス、ソニックマニアに迷わず行くべき5つの理由
Rolling Stone Japan / 2024年8月1日 17時45分
サマーソニック前夜に開催される日本有数の巨大オールナイトフェス、ソニックマニアが8月16日(金)に幕張メッセにて開催される。今年もサマソニに負けず劣らずの超豪華なラインナップ。だが、「サマソニ前日だし、オールナイトだからハードルが高いかも」とまだ迷っている人もいるかもしれない。そこで今回は、そんな人たちの背中を押すべく、ソニックマニアに行くべき5つの理由をお届けする。
1. ラインナップの多様性がもたらす刺激的な出会い
ソニックマニアは、いわゆる「純粋なクラブ系フェス」とは一線を画する。サマーソニックがジャンルの垣根を超えてもっとも旬なアクトを取りそろえるのが特徴であるように、ソニックマニアもクラブミュージックやロックやラップやポップといったジャンル、あるいはDJやバンドといった表現形式には捉われない。出演者選出のポイントはただひとつ、「夜に似合う音楽」だ。このような価値観を打ち出すオールナイトフェスは、日本国内はもちろんのこと、世界を見渡してもほぼ見当たらない。その意味でソニックマニアは唯一無二のフェスと言っていいだろう。
そして、ジャンルや表現形式に捉われていないからこそ、ソニックマニアには刺激的な出会いがたくさん待ち受けている。サカナクションのファンがニア・アーカイヴスに出会ったり、メジャー・レイザーで踊りに来た人がceroを目撃したり、アンダーワールドの長年のファンが長谷川白紙を発見したりすることもあるだろう。オールナイト=DJ主体のクラブイベントという固定観念に捉われず、そのような幸福な意外性をオファーできるのがソニックマニアの強みだ。
ソニックマニア、2023年のアフタームービー
2. アンダーワールドとサカナクション、2年越しのリベンジ共演
今年のタイムテーブル前半でとりわけ目を引くのは、マウンテンステージにアンダーワールドとサカナクションの名前が並んでいること。サカナクション単体で考えると、昨年のソニックマニアでは山口一郎がオーガナイザーを務めるクラブイベント、NFのステージがあったので、今年バンドとして出演するのは綺麗な流れだと言える。だが、アンダーワールドとの共演となると、そこにまたひとつ物語が加わる。
もともと両者は2022年にダブルヘッドライン公演をおこなっているが、このときは山口が体調不良でライブ活動を休止せざるを得なかったため、サカナクションは山口を除く4人でのスペシャルDJセットでの出演となった。もちろんそれはそれで特別なシチュエーションではあったものの、バンドもファンも完璧な形での共演ではなかったことに悔いが残ったことだろう。しかし今回は山口が復帰したので、サカナクションはフルバンドセットでの出演だ。言わば、これは2年越しのリベンジ。遂に実現する完璧な共演に期待したい。
サカナクション
アンダーワールドの見所については別記事で詳述するが(※後日掲載予定)、もちろん彼らは日本でもその名を知らない者はいない大ベテラン。近年のライブでは「Born Slippy」や「Rez」といった音楽史に燦然と輝くダンスアンセムは当然のことながら、ここ数年でリリースしてきた往事を彷彿とさせるアグレッシブなダンストラックの数々も披露されている。パワフルなステージが期待できるだろう。
アンダーワールド
3. ソニマニだからこそ実現、マネスキンのヴィクトリアによるDJセット
ソニックマニアならではのスペシャルな出演者と言えば、サマーソニックでヘッドライナーを務めるマネスキンのベーシスト、ヴィクトリアだろう。今回はなんとDJセットでの登場である。
ヴィクトリア(マネスキン)
実は彼女、今年3~5月にヨーロッパやアメリカで20ヶ所を周る初DJツアーを成功させたばかり。決してバンドの片手間ではなく、本格的にDJ活動にも取り組んでいるのがわかる。
オーディエンスショットの短い動画や初のDJミックス『Victorias Treat』で確認する限り、彼女が得意としているのは大会場向けのアッパーなテクノやバイレファンキなどのミックスだ。まさにソニックマニアのようなビッグフェスにはうってつけ。セクシーでパワフル、かつダイナミックな彼女のプレイは、きっと会場を熱狂へといざなうことだろう。
@vicdeangelis
4. ソニックマニアの本領が発揮された、全方位的に充実したラインナップ
ジャンルや世代や国籍を超えて「今観ておきたいアクト」を全方位型で取り揃えた今年のラインナップは、まさにソニックマニアの本領発揮。ぎっちりと詰め込まれたタイムテーブルを見て、誰を観るべきか頭を悩ませている人も多いだろう。この項目では、そんな今年の見所を駆け足で一気に紹介していく。
(上)メジャー・レイザー、千葉雄喜、CreativeDrugStore、アルカ、ニア・アーカイヴス
(中)フェニックス、坂本慎太郎、TESTSET
(下)ヤング・ファーザーズ、cero、長谷川白紙、SARUKANI、カメレオン・ライム・ウーピーパイ
パーティ番長のディプロ率いるメジャー・レイザーは、いつものように会場を最高に楽しく盛り上げること間違いない。エクストリームでカオティックな電子音楽を創出するアルカと長谷川白紙は、いかにも相性がよさそうで化学反応が期待できるだろう。英国のジャングル新世代を象徴するニア・アーカイヴス、今年の海外フェスに多数出演しているフェニックス、「チーム友達」でTikTokのフィードを席巻するバイラルヒットを飛ばした元KOHHこと千葉雄喜、そして結成11周年にして初のアルバム『Wisteria』をリリースしたばかりのCreativeDrugStoreをきっちり押さえているのも嬉しい。
ceroや坂本慎太郎やヤング・ファーザーズやTESTSETといった、深夜のディープなムードが似合うバンドスタイルのアーティストたちを揃えているのもソニックマニアらしい。彼らが深い時間にどのような空気を作り上げてくれるのか楽しみだ。
5. 今年のラストを締めくくる、牛尾憲輔のOST Dance Set
大充実の今年のタイムテーブルでラストを飾るのは、パシフィックステージの牛尾憲輔。朝方の疲れ切った体を引きずりながら、是非とも観ておきたいライブだ。
牛尾憲輔
agraphやLAMA、そして電気グルーヴのサポートメンバーとしての活動でも知られる牛尾だが、2014年の『ピンポン』を皮切りに劇伴作曲家としての活躍が目覚ましい。『聲の形』や『DEVILMAN crybaby』、そして近年は『チェンソーマン』や『ダンダダン』(2024年10月放送開始)など大ヒット作/話題作を多数手がけている。agraph初期からIDMを基盤にした繊細で美しい電子音のサウンドスケープを聴かせてきた牛尾だが、その魅力は劇伴作品にも通底しているのが感じられるだろう。
OST Dance Setと銘打っているように、このたび披露されるのは自身が手掛けたサントラの曲を使用したダンスセットでのライブパフォーマンス。2023年のADE(オランダの老舗フェス)では『チェンソーマン』と『DEVILMAN crybaby』の曲を使ったライブを、そして2024年4月にはアムステルダムで『チェンソーマン』の曲を使った単独公演を成功させた牛尾が、今回はどの作品のどの曲をどのような形で「ダンスセット」に組み込んで披露してくれるのか? 今年のソニックマニアは朝方の最後の最後まで見逃せない。
SONICMANIA
2024年8月16日(金)幕張メッセ
開場:19:00/開演:20:30
公式サイト:https://www.summersonic.com/sonicmania/
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