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トラヴィスのフランが語るザ・キラーズとの交流、晴れやかな現在地、日本で暮らしたい理由

Rolling Stone Japan / 2024年8月7日 17時30分

Photo by Steve Guillick

去る7月、フジロック開催直前にふらりとやってきたフラン・ヒーリー。リリースされたばかりの新作『L.A.Times』プロモーションのため何本かの取材に応じ、その翌日に東京は渋谷にあるクラブ・SPACE ODDでソロ公演を行なった。当然のごとくチケットは完売。集まったトラヴィス・フリークたちは、お馴染みのトラヴィス節に酔いしれ、お馴染みの大合唱。前日の取材で、ステージでバックトラックを使用するバンドをディスったフランが、嬉々としてバックトラックを多用していたのが、なんだか可笑しかったが、ことの発端がカラオケであったことを思えば(以下インタビュー参照)、納得できなくはない。このソロ公演は、トラヴィスのライブとは”別物”なのだ。猛暑が続く夏の一夜、終演後も外はもわっと暑かったけれど、身体の中には心地よい風が吹いていた。

さて、そのライブ前日の取材。この日はフランの51歳の誕生日。マシンガントークは変わらず、明るいオレンジ色の髪のせいもあるかもしれないが、いつにも増して、晴れやかでポジティブな空気をまとっていた。



─お誕生日おめでとうございます。51歳になった今の気分は?

フラン:最高だよ。昨日の夜、ホテルの部屋に到着したら、チーズケーキやシャンペン、チョコレートなんかが用意されていて、なんて素敵なホテルなんだ!!と思ったんだけど、ちょうどその時Facetimeで話していたガールフレンドのアレンジだったんだ。見ると、「サラより」ってカードがあった(笑)。そしてベッドに入り、長い時間ぐっすり寝られたから、気分がいいよ。

─今回はプロモーション来日で、明日はソロ・ライブを行ないますが、珍しいですね。

フラン:今年の2月に、ニューヨークでバーを経営している友達がメキシコでポップアップをすることになったから、そこに僕が行って、カラオケで自分の歌を歌うっていうアイデアを出したんだ。友達が「それ、いいね」っていうから「じゃあ、やろう!」ってなって。実際にカラオケでトラヴィスの曲を歌ったら楽しかったし、ファンの人もいつもと違うのを楽しんでくれた。それで、夏に韓国に行く予定があるから、プロモーターとエージェントに「韓国に行く前に日本で何かできないかな? ソロのライブはどうかな?」って相談して、今回できることになったというわけ。

この投稿をInstagramで見る Travis(@travistheband)がシェアした投稿 フラン・ヒーリー、日本滞在時の様子

─フジロックには行かないんですか? ザ・キラーズが出演しますが。

フラン:その日に韓国に移動しなくちゃいけないんだ。でもブランドン(・フラワーズ)とは同じホテルに泊まるから、モーニングかディナーを一緒にできたらいいなと思っている。

─先頃行なわれたザ・キラーズとのツアーは、いかがでしたか?

フラン:トラヴィスがやっていることは、とてもユニークだと思う。今では僕たちのようなバンドは他にいないという結論に達している。僕たちは、人々のために演奏したいんだ。人々は僕たちを観に来るのではなくて、その逆。僕たちのサービスを受けに来る。そして、僕たちは本物だ。重要なのは、人々とつながり、物語を語り、歌い、また人々を結びつけること。それが、本物であるということ。人々は本物を見る必要がある。

今は、バンドの演奏よりもバックトラックが多い時代だよね。バンドが演奏を止めても、ステージにはバックトラックが流れ、彼らの演奏をサポートしている。でもトラヴィスでは、バンドが演奏を止めたら音楽が止まる。ザ・キラーズとのツアーのとき、僕がステージから飛び降りたらギターのシールドが抜けて音楽が止まった。恥ずかしかったし、イラッとしちゃったけど、でも思ったよ。これが本物ってことなんだって。それで観客にも言ったんだ。「これが本物、これこそがみんなが観るべきものだよ」って。本物であることを恐れないバンドを、もっと見る必要があると思う。

バックトラックは松葉杖のようなもの、または乗れない自転車の後ろのスタビライザーのようなもの。なんでみんなバックトラックを使って演奏するのかな? いいバンドならバックトラックは必要ないし、”曲”があるならバックトラックは必要ないよ。すごく奇妙だと思う。

ちゃんと質問に答えているかな?(苦笑)。要するに、ザ・キラーズはバックトラックを使用していない。そして、それが2つのバンドが一緒にうまく機能する理由だ。彼らは、ライブ音楽を信じているんだよ、僕たちと同じようにね。


トラヴィスとブランドン・フラワーズ(ザ・キラーズ)によるアズテック・カメラ「Somewhere In My Heart」のカバー

─それで意気投合しているんですね。ところで、あなたのその鮮やかなオレンジの髪ですが、前作『10 Songs』のときの赤いジャンプスーツを思い出します。あのときあなたは、赤が好きだし、着心地のいいジャンプスーツは戦闘服のようなものと話していました。

フラン:そうそう、覚えてるよ。あの時と似た感じはあるんだけど……『The Man Who』や『The Invisible Band』の頃にも髪の毛では結構遊んでいて、僕はそれがすごく気に入っていたんだ。でもやめた。ちょっとハゲてきちゃったから。でもね、今回はもうそういうことを気にしないで、また楽しもうと思った。このバンドを、すぐに認識してもらえるようにしたかった。それにはこれがいい方法だと思えた。中には「あいつ、何やってるんだ?」って言う人もいるだろうけど、それこそが、僕がこれをやっている意味。キミがこの髪の毛について聞いてくれたという事実がポイントだよ。僕は、自分の髪の毛についてこんなにたくさんのいいコメントをもらったことがなかったからね。髪の毛が人を笑顔にしたり、笑わせたり、冗談を言ったりするきっかけになる、そういうのが好きなんだ。楽しくて、フレンドリーで人々とのつながりを築く。これもまた本物で、いいものだよ。

僕がニューヨークのバーにいたときに……写真を見せなくちゃ!(と言ってスマホ内の写真を探しながら)ひとりの老婦人が僕のところにやって来た。彼女は80歳くらいだったかな。僕たちは4人でテーブルに座っていたんだけど、彼女が僕の目の前にポストカードを差し出して言ったんだ。「これは私からじゃなくて、彼女からよ」って。彼女が指さしたドアの方を見ると、彼女より年上に見える女性が立っていた。85歳くらいかな。ポストカードをくれた婦人はクスクス笑いながら、まるで女子高生のようにその場から逃げ出したよ。そして僕がポストカードを裏返すと、こう書いてあったんだ(と写真を見せてくれる。カードの裏には、「あなたの髪の毛、素敵ね」の文字とスマイルマークが2つ)。こんなことが毎日のように起きているんだ。素晴らしいし、楽しいでしょ?


2024年7月、グラスゴーで開催されたTRNSMT Festivalにて撮影(Photo by Roberto Ricciuti/Redferns)

─キャリアを振り返った時、今の話のように知らない人に話しかけられたり、注目されたりするのに抵抗を感じた時期もありましたよね。なのに今は、とても楽しんでいる。それが変わってきた境目、変化の理由は何かあるのでしょうか?

フラン:僕は内向的で、外向的ではなく恥ずかしがり屋で、僕より社交的な人はたくさんいる。僕らには、長い間とてもいいマネージャーたちがいた。最初のA&R、元Go Discs!のアンディ・マクドナルドも最高だった。彼が設立したインディペンディエンテが僕らと契約をしてくれて、「君たちの好きなようにやりなさい」といつも励ましてくれた。何人かそういうスタッフと組んだ後、残ったマネージャーは「あれをするな、これをするな、髪を切るな」と言う人で、僕は何年もの間自信を失った。アーティストというのは繊細な人間だから、簡単に操られてしまうんだよ。それでようやく3年前、僕たちは彼をクビにしたんだ。出て行けって感じだった。そして僕はバンドを取り戻し、自信を取り戻した。僕は、「髪を染めるんだ」「バスの後部座席に乗ってグラスを回して人々に叫んでバカなことをするんだ」「ザ・キラーズのサポートをやるんだ」って、好きなことをやり始めた。僕たちにはできる。何かをするのに、誰かに許可を求める必要はない、ただやるだけ。ポジティブで、明るく、寛容な方法で何かをする限り、それは楽しいし素晴らしいし、すべてが生き生きしてくる。それが今の僕の性格ということだね。

それに、僕は本当に生意気でね。生意気なのが大好きなんだ。いつもクラスで「質問してもいい?」と尋ねる子だった。質問することを恐れたことは、一度もなかった。好奇心を持つことを恐れたことも、一度もない。僕は4歳の頃の自分ととても仲良しなんだ。4歳の僕は、おバカで、言ってはいけないことを言ってしまうけど、それはそれでいいんだ。だって、だからこそアルバムが素晴らしいし、すべてが一定レベルを超えるとわかっているからね。そして、アンディ・マクドナルドのような人たちは、誰かを元気づける必要があると分かれば、元気づけてくれるはずだ。

自分に自信がないくせに、自信が持てない他人を見てさらに自信を奪うためにけなす人がいる。そういう人を人生から排除して自信を取り戻さなくちゃ。電話で話した後に「はぁ」とため息が出てしまうような相手がいるよね。そういう場合は大抵、その電話相手を人生から追い出さなくちゃいけない。その人は、あなたにとってよくない毒だから。あなたが愛する人々と、あなたを愛してくれる人が周りにいれば、いい人生は送れるよ。


「ガスライティング(Gaslighting=誰かを心理的に操る目的で、その人が自らの記憶や精神状態に疑問を抱くよう仕向ける行為)」は世界で最もググられた言葉であると、少し前に何かで読んだ。僕たちが生きるこの時代では、上司や指導者や友人や政治家といった人々によって現実がしょっちゅう歪められている。この歌で描いているのは、人間関係における僕自身の経験であり、まさに辞書にある言葉の定義どおりのことが起こった。僕は復讐には興味がないし、すべての人に最大の幸運が訪れてほしいと願っている。けれども、ある種の状況において、すばらしい歌は何よりの復讐になりうる。テイラー・スウィフトも顔負けだ。(フラン)

「別れ」を乗り越えた先にある幸せ

─新作『L.A.Times』についてですが、あなたは資料で「『The Man Who』以来最もパーソナルなアルバムだ」と話しています。でも、前作『10 Songs』も非常にパーソナルな作品だったと思うのです。前作のパーソナルと新作のパーソナル、同じパーソナルでありながら、何が違うのでしょうか?

フラン:いい質問だね。『L.A. Times』と『10 Songs』の違いは、僕らがマネージャーを選んだことだよ。僕は、自信を取り戻した。あの男は有害で、僕の自信を奪った。彼は、僕に自分自身を信じさせず、16年間バンドを止めようとしていた。バンドメンバーの一人一人に、君たちは良くない、これは良くない、あれは悪い、これがこのバンドだ、などと押しつけ、そして僕たちは「自分たちはダメだ、できない、よくもそんなことができたな」と感じてしまった。人は一体、どうすればあんなことができるんだろう? 答えは、あんなことができる人とは、自分の人生にとても不満を抱いている人だということ。

過去数年で、僕は多くのことを学んだよ。もし誰かがあなたを不幸にしたら、不幸なのはあなたではなく、あなたを不幸にした彼らであり、彼らは彼らと同じようにあなたを不幸にさせているんだってこと。そのことに気づいたら、そういう人たちを排除する必要がある。僕たちは排除した。これが違い。

『10 Songs』は、僕とノラ(離婚した妻)の別れについてだった。あれは、別離のアルバムだった。すべての曲は、僕とノラの別れのプロセスについてで、とても個人的な内容だ。でも、新作は次のレベルだよ。何が起こったのかはわからないけど、唯一の違いは、自信を取り戻したということ。自分のやっていることをもっと信じられるようになったんだ。

息子は成長し、18歳になった。高校を卒業したけど、彼も本当に大変だった。2年の間、原因不明の病気にかかっていたんだ。アメリカの医者はみんな、何が起こっているのか分かっていない。なぜなら彼らは、人を診ないで薬ばかりをよこす。この薬を飲んでもあの薬を飲んでも、息子は良くならないという感じだったけれど、遂に僕たちは何が悪かったのかを突き止め、息子は治った。副鼻腔炎だった。手術を受けたら、一気に調子が良くなったよ。

自分の子供が病気になるということは、まったくもっていい気分ではない。自分の人生すべてが息子に集中しているようなところもあって、息子が回復した今、僕も気分がいい。学校を卒業した息子の新しいページがめくられ、僕にも余裕ができて、自由があり、気分が軽くなったと感じている。そして新作の曲は、これらすべてを反映しているし、バンドのスピリットも戻ってきたよ。

今、バンドのメンバーはみんな本当に幸せで、集中しているけど、まだやり残したことがあるような気がする。トラヴィスは世界最高のバンドの一つだと思う。世界最大のバンドではないかもしれないけど、最高(Best)と最大(Biggest)では意味が違う。最大のバンドになれるかもしれないけど、僕はそれを望まないし、まずは最高のバンドにならなきゃいけない。それが僕たちのバンドだと信じているし、もっと多くのバンドが、最大のバンドになる前に最高のバンドになろうとすべきだと思う。

僕らのキャリアは、エベレストの頂上まであと少しだった。でも、ニールが首の骨を折ってしまい、僕たちは立ち止まらざるを得なかった。あの時「こんなのダメだ、こんなの僕たちのためにならない」と、バンドのことや、家庭を持つことなども話し合った。あれから、あっという間に時間が経った気がするけど、僕たちはまだここにいて、タンクにはまだガソリンが残っているような気がするんだよ。


「バズはいつまで経っても来ないような気がするけれど、大抵はしばらく待っていれば現れる。しびれを切らして次の停留所まで歩き始めると、途中までに3本のバスが通り過ぎていったりする。そうして人はおとなしく待つべきだということを学ぶ。海に浮かぶ何艘もの小さなヨットを見ながら、世界中のバンドやアーティストたちがそれに乗って、自分たちに富と名声をもたらしてくれる突風を待っている光景を想像した。巨大な送風機を設置して人工の風を吹かせ、前進しているように見えるアーティストも中にはいる。だけど、本物の突風に敵うものは何もない。僕たちは1999年に巨大な突風を捕まえた。こんなことをずっと考えている間にメロディーが思い浮かんで、その数分後にこの歌ができあがった」(フラン)

─そんなに長い間、マネージャーとの間に問題があったとはまったく知りませんでした。アルバムも来日公演も、いつも楽しませてもらっていました。が、あなた方自身は、常にモヤモヤを抱えていたんですね。

フラン:でもね、ステージに上がってショウをすれば、そんなことは忘れるんだ。ステージは神聖な場所であり、レーンの向こう側を歩けば、悩みはすべて消えてしまう。僕の仕事は歌うことで、それはまるで魔法のようで、歌えば自分も観客も幸せな気分になる。

今の僕は前しか見ていない。次のアルバムの計画はすでに立てているし、今後数年間の計画も立てている。何かを取り戻したような気がして嬉しいんだ。次のライブに来てもらえれば、それが剥き出しになっているのがきっとわかると思うよ。

─マネージャーが代わり、息子さんは回復し、バンドの状態もよく、あなた自身も新しいパートナーとの関係を築き……と、いいことづくめの中で制作された本作ということになりますが……。

フラン:次のアルバムは酷いものになったりして(笑)。冗談だよ。でも、通常、人生がうまくいかないときは、芸術はうまくいき、人生がうまくいくときは、芸術はうまくいかないものだからね。

─確かにそれは言われますが、そうならないことを信じて。で、本作に関しては、幸せづくめの一方で、病気で早逝した親友(トラヴィスのMV監督などを務めたリンガン・レッジ)に捧げられてもいます。私は、まだ親友を亡くしたことがなく、それを考えるだけでも辛いです。あなたは、どんな思いをアルバムに込めたのですか?

フラン:彼はとても面白くて、とても優しくて、とても才能に恵まれていたんだ。身近な人が亡くなるときって、死が僕らの前を通り過ぎる。まるで幽霊が通り過ぎるかのようだよ。通り過ぎながら、友達の肩に触れて、連れて行ってしまうような……。でもね、彼が亡くなってから時間は経つけど、とても身近に彼を感じるんだ。あのときは彼が死ぬ番だったし、僕も彼のすぐ後ろにいて、キミの死もそう遠くない、僕たちはいつかみんな死ぬんだ、という感じかな。僕は死ぬことをまったく恐れていないよ。楽しみではないけど、恐れてもいない。

ここに込めたメッセージは……日本には同じようなことわざがあるかどうかわからないけど、スコットランドにはビッグバンを意味する「あなたは長い間地中にいる」ということわざがあるんだ。40億年の間に生まれ、生き、そして永遠にそこにはいない。ほんのわずかな時間だけここにいて、死んで、そしていなくなる。そういう、自分の人生はほんの一瞬だから、大切に生きていこうというメッセージを送りたかった。特に「Alive」には、その気持ちが強く込められているよ。


「今回のアルバムは友人のリンガンに捧げたものだが、彼の死は、僕にとっても、彼を知るすべての人にとっても、深く考えさせられる出来事だった。この曲で、僕はただ自分に語りかけている。日々のつまらないことに囚われて行き詰まらないようにと言い聞かせている。つまらないことなんて放っておけばどうにでもなる。自分の健康と、人生に与えられた美しく貴重な短い時間は取り戻すことができないのだから。愚痴を言うのは、やめるべきだ。君は生きている。呼吸をしている。それが続く限り楽しんで生きよう。一回一回の呼吸を存分に味わおう」(フラン)

日本で暮らしたい理由、故郷グラスゴーへの想い

─最後の質問です。これからも、しばらくLAで暮らすのですか?

フラン:それは、ない。日本で暮らしたいな。

─夏は異常に暑いですよ!!

フラン:暑いけど、暮らしてみたいと思う。何が理由だったかは分からないけれど、何年も前に日本に来た時、ここはいいなと思ったんだ。ここに来て、しばらく住んでみたら面白いと思う。いつになるかわからないけど、実現させるよ。息子がニューヨークのクーパー・ユニオン(芸術、建築、工学に特化した名門私立大学)に通うことになるから、もしかしたら僕もニューヨークに行くかもしれないな。でも、これまでとはまったく違うところに住んでみたい思いもある。日本に住むうえでの唯一の問題は、僕たちのビジネスがある場所からとても遠いこと。でも、僕は、キミの国とキミの国のやり方を愛している。輪廻転生って言うのかな、あまり信じてはいないんだけど、初めてここに来た時から、以前ここに来たことがあると感じていた。幼い頃、松濤館流の空手に通っていて、日本と日本文化にとても魅了され、空手を通じてそれを学んだ。そして実際ここに来ると、この場所を知っているような気がして大好きになったんだ。本当に大好きなんだよ。

今、来年のツアーを組んでいる最中なんだけど、来日するなら、東京、大阪、名古屋以外の場所に行ってみたいな。日本は大きな島国だから、大きくない町で、小さなショウをたくさんやってみたいね。

─グラスゴーには戻らないのですか?

フラン:うん。23年間暮らして、僕のグラスゴー期はもう終わったんだ。グラスゴーは大好きだよ。でも、どこにいても自分の中にグラスゴーはあるし、感じることもできるからいいんだ。

─『L.A.Times』に収録されている、息子さんに捧げる曲「The River」をスコットランドなまりで歌っているのには、特別な意味があるのかな?とも思ったのですが。

フラン:この曲に限らず、アルバムには何曲かスコットランド風の曲があって、それらはスコットランドのアクセントで歌っている。すべてのメロディに合うアクセントではないけど、独特の味わいがあるんだ。先週は、グラスゴーの路上でバスキングをしたんだ。写真、見せるね(と、スマホの中の写真を見せてくれる)。昔ながらのグラスゴーの人たちは、とてもユニークなユーモアのセンスを持っていて、この時も、僕が「1,2,3,4」とカウントしたら、一人の男性が「5!」って言ったりして。ばかばかしいけど、おかしいでしょ? これがグラスゴーなんだよ。


「この曲は自分の息子に向けた新しいラブソングだ。たまらなく感傷的になったとき、僕は死について考える。自分があっけなく死んでしまった後、僕が残した数々の歌が地面に散らばったパンくずのようになって、森に置き去りにしてしまった彼が外に出るための道しるべになってくれるのではないかと考える。この歌にはいくつかのメッセージを込めている。最も大切なのは、君の夢は君のものであって、誰にも触れられないということだ。けれども、勇気を持って、その夢を現実のものにするのは並大抵のことではない。だからこそ夢に向かって常に手を伸ばさなければならない」(フラン)



トラヴィス
『L.A Times』
発売中
再生・購入:https://travis.lnk.to/LATimesWE

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