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アジカン後藤正文のサマーソニック談義2024 フェスの見どころ&注目アクトを語る

Rolling Stone Japan / 2024年8月14日 17時30分

後藤正文、サマーソニック (c)SUMMER SONIC All Rights Reserved.

後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)がホストを務めるSpotifyのポッドキャスト番組『APPLE VINEGAR -Music+Talk-』では、つやちゃん、矢島由佳子、小熊俊哉(本誌編集)というレギュラー陣に、ときにはゲストも交えながら、ユニークな視点で音楽トピックや楽曲を紹介している。今年も同番組との連動企画で、2大洋楽フェスをテーマに音楽談義。注目すべき出演アーティストなどについて4人で語り合った。こちらはサマーソニック編。

※本記事のポッドキャストは今年5月中旬に収録



後藤:サマソニは僕も思い出がいっぱいあります。いちばん記憶に残っているのはレディオヘッドかな。久しぶりに「Creep」をやったとき(2003年)。みんなは去年も行ったんだよね?

矢島:去年はSpotify RADAR: Early Noise Stageのライブレポを書く仕事もあったんですけど、NewJeans、ブラー、リアム・ギャラガー、ケンドリック・ラマーなど、色々観ることができました。星野源さんがキュレーションした「so sad so happy」も良かったな。UMIさんのライブに感動して、後日に本誌WEBでインタビューさせてもらいました。取材現場でも、ライブと同じようにハッピーでピースフルなヴァイブスが流れていて、めちゃくちゃ癒しとパワーをもらったなあ。



後藤:去年は熱中症になった人が多くて、大変だったようですね。

矢島:ZOZOマリンスタジアムが暑すぎたうえ、アリーナは日陰もないので大変なことになってましたね。

小熊:そんなこともあったので、スタジアムの人工芝保全のために糖分を含む飲料の持ち込みは禁止だったんですけど、今の時代にそぐわないでしょうと話し合い、今年からスポーツドリンクもOKになったそうです

矢島:すぐに改善するのはさすがですね。私は昨年、暑さでバテていたときにKIYOSHI'S KITCHEN(アジカンの伊地知潔がプロデュース)のカレーとステーキを食べて、元気を取り戻しました(笑)。

後藤:今、日本でいちばんフェスに出てるのはあいつなんじゃないかな。どのフェスにも出店してるよね。俺がここで言っておきたいのは、バンドの名前を使っていながら、KIYOSHI'S KITCHENの売上はメンバーに一銭も入ってこないってこと(笑)。あいつがカレーのことを考えてるあいだに、俺はアジカンの新曲を作ってるわけですよ。作曲印税はちゃんと4等分してるのに!

矢島:カレー印税はないんですね(笑)。


KIYOSHI'S KITECHENは今年も「メッセ オフィシャル食堂エリア」に出店(サマソニ公式ホームページより引用)


後藤:そんな話はさておき、マネスキンとブリング・ミー・ザ・ホライズン(以下、BMTH)という今年のヘッドライナーについてはどう見ていますか?

小熊:どちらも日本のオーディエンスを大切に思い、みずからそこに溶け込もうとしているバンドですよね。マネスキンは一昨年のサマソニからクイーンみたいな日本独自の物語が始まり、BMTHは自分たちのフェス「NEX_FEST」を日本で開催したばかり。そういうドラマを経て、関係性を築き上げたうえでのヘッドライナーというのは胸が熱くなります。




つや:ただ、マネスキンは幅広い層に届いている印象がある一方で、BMTHはまだヘヴィ・ミュージックを好きなリスナー以外にはさほど聴かれていない感覚もあって。今回のサマソニをきっかけに、ジャンル外のリスナーも魅力を知ってくれたらいいなと思っています。ライブの演出も凝っているんですよね。もともとBMTHの音楽自体がバーチャルな要素を取り入れながら世界観を作っているし、演出面でもビックリさせてくれるステージになりそうな気がします。それに近年はそうでもなかったですけど、もともとサマソニってリンキン・パークやメタリカからグリーン・デイやマイ・ケミカル・ロマンスまで、ラウド・ロックと言われるバンドを多く出演させてきた歴史があるわけですよね。今年はそっちの色が強いので、2000年代のサマソニが帰ってきたような感覚がある。懐かしいし、楽しみです。

小熊:今年も出演するフーバスタンクみたいなバンドをずっと大切にしてきたというか。

つや:そうそう、ラウドで元気なサマソニ。そこから回を重ねるごとに、徐々にポップ・ミュージックど真ん中なラインナップへと移行してきたわけですけど。

後藤:今年もクリスティーナ・アギレラが出るしね。こういう人も呼んでくれるのがサマソニだと思うし、そこも都市型っぽくていいなと。




4人の気になるアーティストは?

矢島:私はジャック・アントノフ率いるブリーチャーズが楽しみですね。もともとFUN.のメンバーで、ここ数年はテイラー・スウィフトやラナ・デル・レイ、The 1975の『Being Funny in a Foreign Language』のプロデュースなども手がけていて、最新作はDirty Hitからリリースされています。2022年のサマソニでThe 1975にくらった人たちはこちらもお見逃しなく、という感じですよね。

小熊:フジロック編に続いてコーチェラ配信の話ですが(笑)、想像以上のライブでぶったまげました。サックスが吹き荒れるなか、ステージ狭しと駆け回るロックスターっぷりで。ポップセンスはもちろん一級品だし、ブルース・スプリングスティーンを尊敬しているだけあり、熱いものを秘めた人なんだなと。曲を知らない人でも盛り上がりそう。



後藤:彼らと同じ日のSONIC STAGEにベル・アンド・セバスチャンも出るのか。そして、トリがリル・ヨッティなんだね。

つや:リル・ヨッティは去年リリースした『Let's Start Here.』で、オルタナティブ・ロック的なサウンドに舵を切って話題になりましたよね。そのあと、フェイ・ウェブスターやヤングブラットとコラボもしてますけど、どの曲もピンク・フロイドに通じるサイケデリックな感覚を醸し出していて全部いい。急にそういうことをやり出したと思われがちですけど、ラップしていた当初からサイケなニュアンスはあったし、音をロックに置き換えただけなのかも、という気もします。コーチェラ配信で観たかぎりでも、「ラッパーが急にロックをやりだした」という範疇を超えるようなステージングで、バンドセットなのかどうかも含めてすごく楽しみですね。




後藤:フェニックスが観られるのもいいよね。昨年のグラストンバリーで観て、めっちゃ良かったんだよな。演奏も良いし、曲も良いしという。東京はSONICMANIAへの出演だけど、こちらのラインナップも魅力的だね。

小熊:ソニマニでいうと、ヤング・ファーザーズはグラストで観たなかでも特に衝撃的で、「新時代のゴスペル」とでも呼びたい迫力あるライブはぜひ観てほしい。

【関連記事】サマソニ前夜を飾る深夜フェス、ソニックマニアに迷わず行くべき5つの理由




小熊:あと個人的には、矢島さんが昨年レポったEarly Noise Stageでの出演を経て、今年はMOUNTAIN STAGEに登場する新しい学校のリーダーズも楽しみ。それこそコーチェラも含めて、海外のライブでも合唱や大歓声が巻き起こるくらいキレッキレで、最近は神がかってるなと。

後藤:「Pineapple Kryptonite」って曲が好きなんだよね。いまの若いアーティストは本当におもしろい。

矢島:新しい学校のリーダーズは今無双状態ですよね。最新アルバム『AG! Calling』には「Pineapple Kryptonite」を一緒に作ったマニー・マークや、カニエ・ウェスト『DONDA』などに携わるデム・ジョインツらが参加していますが、日本語の音の面白さや童謡、演歌、歌謡、和楽器などを現代的なポップミュージックに昇華し自分たちのものにしていながら、ステージ上での4人の爆発力が音源にもパッケージされていることが素晴らしいなと思いました。アルバムの楽曲が加わった新しい学校のリーダーズはさらにすごいことになりそうですよね。

小熊:サマソニとSpotifyがコラボしたEarly Noise Stageは、次の世代がステップアップしていくきっかけ作りとしてもうまく機能しているように映ります。同じくこのステージを経て、今年はSONIC STAGEに出演するimaseさんもそうですし。




つや:あと、今年はアイドルグループが一段と充実していますね。顔ぶれもフレッシュで、BABYMONSTER、RIIZE、ZEROBASEONE、BOYNEXTDOORなど、「K-POP第5世代」と言われはじめている最先端のグループが目立っています。そのなかで、先輩世代のNCT DREAMやIVEがどういうステージを見せるのかも楽しみだし。

矢島:BABYMONSTERをこのタイミングで観られるのはアツいと思いますね。YGエンターテインメントに所属する、BLACKPINKの妹分という立ち位置のグループです。私はBLACKPINKに衝撃を受けた世代ということもあって、BABYMONSTERのYGサウンドはやっぱり好きだなあと思っちゃうんですよね。

つや:NewJeansのように、これまでのK-POPとは異なる軽やかで涼し気なサウンドが話題を集めているなかで、BABYMONSTERはわりとヘヴィで、従来のK-POPに近い音ですよね。NewJeans的なサウンド一色にシーンが染まると思いきや、そうじゃないグループもまだまだ出てくるというのも今のK-POPのおもしろさだし、そういう人たちがラインナップに入ってるのもいいなと。



矢島:ATEEZは今年、コーチェラにK-POPのボーイズ・グループとして初めて出演した8人組で、パフォーマンスも高く評価されています。BE:FIRSTとは相思相愛の関係で、彼らが同じ日に出るというのもアツいポイントだと思います。

小熊:BE:FIRSTは3年連続の出演ですよね。もはやサマソニの申し子。

つや:LAPONEに所属しているJO1とINIの2組も揃って出ますし、アイドルは日韓勢ともに充実していますね。





小熊:その一方でタイラ、レイヴェイなど今観ておきたい若い才能をしっかり揃えているのもサマソニらしさ。

つや:様々なジャンルの新世代スターを満遍なく押さえてあって、現在のポップミュージックの縮図としてすごくリアルなラインナップと言えますよね。




小熊:さらに、国内シーンの最前線で戦っているアーティストも揃い踏みという豪華さですが、GLAYの初出演はインパクトがありますよね。

後藤:何かのイベントでご一緒したことがあるんですけど、ライブは凄まじかったですよ。街を歩いただけで歌えるようになるくらいの名曲をいっぱい持ってるバンドですしね。「HOWEVER」とか演奏されると、もう敵わないっていうか。

小熊:シングル「whodunit -GLAY × JAY(ENHYPEN)-」のカップリングにクイーン+アダム・ランバートの札幌公演で演奏したときのライブ音源が収録されてるんですけど、誰でも知ってる名曲のオンパレードで、歌も演奏も圧倒的。クイーンの前に出演して、あそこまで堂々たるステージングを披露できるなんて……さすが国民的バンドだなと。しかも、近年の楽曲は音楽的にもかなりチャレンジしているんですよね。今も攻め続けている。

後藤:GLAYは歌詞もかなり攻めてますよね。政治的なことも臆せず発していたりもするし。そういう点では、日本のU2みたいな印象を僕は持っていて。後輩バンドマンとしても頼もしい存在だと思っています。サマソニの黎明期にGLAYが出るとなったら、否定的なことを言うリスナーもいたかもしれないけど、今はいろんな音楽を横断的に楽しめる人が多くなったと思うし、すごく幸せな空間になるんじゃないかな。 



小熊:ここ数年でオーディエンスの雰囲気が変わったのは感じますね。昔は「●●地蔵」なんて問題になったりもしましたが、最近はお目当てのアーティストじゃなくてもみんなで楽しもうとするし、お互いへのリスペクトがあるというか。回を重ねるごとに洗練され、過ごしやすい空間になってきている。

後藤:サマーソニックは、都市型ならではのダイバーシティを実践してきたフェスですしね。毎年、問題点も含めていろんなトピックを提供してくれるけど、そこも含めて最前線だと思うし、日本のフェス全体が改善されていく起点になっているんじゃないかな。


SONICMANIA
8月16日(金)幕張メッセ
開場:19:00/開演:20:30
公式サイト:https://www.summersonic.com/sonicmania/

SUMMER SONIC 2024
2024年8⽉17⽇(⼟)18⽇(⽇)
東京会場:ZOZOマリンスタジアム & 幕張メッセ
⼤阪会場:万博記念公園
公式サイト:https://www.summersonic.com/


『Recent Report I』
後藤正文
配信中


ASIAN KUNG-FU GENERATION
『Single Collection』
発売中
購入:https://kmu.lnk.to/amrLDc

「遥か彼方 (2024 ver.)」
配信:https://kmu.lnk.to/V0xjaI



ASIAN KUNG-FU GENERATION Anniversary Special Live ”ファン感謝祭2024"
2024年8月24日(土)・25日(日) 横浜BUNTAI

ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2024「ファン感謝サーキット」
2024年9月30日(月)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
2024年10月2日(水)東京都 LIQUIDROOM
2024年10月5日(土)北海道 札幌PENNY LANE24
2024年10月6日(日)北海道 帯広MEGA STONE
2024年10月10日(木)石川県 金沢EIGHT HALL
2024年10月11日(金)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
2024年10月13日(日)新潟県 NIIGATA LOTS
2024年10月19日(土)香川県 高松festhalle
2024年10月24日(木)福岡県 DRUM LOGOS
2024年10月26日(土)熊本県 B.9 V1
2024年10月27日(日)鹿児島県 CAPARVO HALL
2024年10月31日(木)茨城県 mito LIGHT HOUSE
2024年11月1日(金)福島県 clubSONICiwaki
2024年11月3日(日・祝)宮城県 石巻BLUE RESISTANCE
2024年11月4日(月・振休)岩手県 KESEN ROCK FREAKS
2024年11月13日(水)東京都 Zepp Shinjuku(TOKYO)
2024年11月14日(木)東京都 Zepp Shinjuku(TOKYO)
2024年11月20日(水)大阪府 ユニバース
2024年11月21日(木)大阪府 ユニバース
2024年11月23日(土・祝)京都府 磔磔
2024年11月24日(日)兵庫県 Harbor Studio
2024年11月29日(金)愛知県 DIAMOND HALL
2024年11月30日(土)岐阜県 club-G
2024年12月4日(水)宮城県 SENDAI GIGS
2024年12月12日(木)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
2024年12月13日(金)広島県 広島CLUB QUATTRO
2024年12月18日(水)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
2024年12月19日(木)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)

ASIAN KUNG-FU GENERATION公式サイト:https://www.asiankung-fu.com

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