BE:FIRST、オーロラ、新しい学校のリーダーズなどが躍動 サマーソニック総括レポート【東京DAY2】
Rolling Stone Japan / 2024年8月22日 19時55分
SUMMER SONIC 2024が8月17〜18日、東京・大阪の2会場で開催された。今年も完全ソールドアウトで大盛況。MARINE STAGE、MOUNTAIN STAGE、SONIC STAGE、BEACH STAGEのハイライトをまとめた東京公演のライブレポートをお届けする。本記事ではDAY2・8月18日(日)を総括。
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※以下、当日の出演時間順に掲載
WEST.
11:00〈MARINE〉
パフォーマンス中に重岡大毅は「WEST.10周年。一番得意だったことは、一生懸命歌うことでした」と叫んでいたが、この言葉に全てが集約されていたといっても過言ではない。どの曲にしても、歌から放たれるパワーが、想いが、マジさが半端ないのだ。まさに熱血アイドル。「ギラギラブベイベー」では客席に向けて水鉄砲を噴射し、「ホルモン~関西に伝わりしダイアモンド~」では全力のオタ芸を披露。かと思えば、胸を打つリリックの「つばさ」を投下して、ひとりひとりの心に語り掛けてくる。彼らにかかれば、楽しませるのも涙を誘うのもお手のもの。しかしそれは、彼らが本気で1曲1曲と向き合っているからこそ、生み出せるドラマでもある。一生懸命は、本気は、ちゃんと伝わる。MARINE STAGEのトップバッターとして、美しい空間を作り出していた。(坂井彩花)
※ライブ写真はこちら
SUMMER SONIC 2024 Day2 TOKYO
Thank you #SUMMERSONIC !!!!!!!@summer_sonic
【セットリスト】
1.ええじゃないか
2.ギラギラブベイベー
3.Anything Goes
4.週刊うまくいく曜日
5. ホルモン〜関西に伝わりしダイアモンド〜
6.つばさ
7.ハート
8.超きっと大丈夫
9.ムーンライト
10.証拠… pic.twitter.com/HZTpK6BkQP — WEST. (@WEareWEST7) August 18, 2024
ちゃんみな
12:10〈MARINE〉
「レアな姿で素敵なステージに立てるのが本当に楽しみです」と事前にXで本人がポストしていた通り、緑に囲まれたボタニカルなステージに現れたのは、出産間近で大きくなったお腹を強調した赤い衣装のちゃんみなだ。彼女を囲むのもまた、ルカ・グァダニーノ版『サスペリア』を彷彿とさせる赤い衣装を纏った男女10数名のダンサーたち。曲ごとに編成を変えながら時に激しく、時にセクシーに踊る彼らとともに、畏怖と官能と神秘が入り混じるパフォーマンスを展開した。ラテン風味の「Angel」や「ハレンチ」で観客を引き込んだ後は、「You Just Walled In My Life」「Never Grow Up」といったアコースティック主体のミドルバラードをしっとりと歌い上げ、最後は代表曲「美人」でランウェイを練り歩く。出産前最後となったこのスペシャルなひとときは、ちゃんみなにとっても観客にとっても忘れられないものとなっただろう。(黒田隆憲)
(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
Lovejoy
12:50〈SONIC〉
昨年発表した2ndアルバム『Wake Up & Its Over』が全英トップ5入り。TikTokでも人気の若手インディーバンドのラヴジョイには、幅広い年齢層の観客が集まっていた。ドラマーがブロンディのクレム・バークのごとくドタバタと叩き込み、ギターやベースがゴリゴリでジャリジャリの低音を響かせ、ツアメンの女子トランペッターがリードでメロディを吹きまくり(!)。それぞれが好き勝手放題という感じなのだが、それでいて不思議とバラけず、まとまっている。ステージ後方に映し出されるビンテージ映像にサイケ処理が施されたアシッドトリップ感も、いい感じ。彼らの精神的な自由度の高さを伺わせ、モンドでキュッキュなキャラも見えてくる。どこへ向かうのか分からないこの綱渡りのような感じ……こそが彼らの最大の身上と言えるかも。曲頭のカウントを日本語でやってくれたのは嬉しかったが、”♪いち、にい、さん、フォー!”ってのには爆笑した。(村上ひさし)
(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
Creepy Nuts
13:25〈MARINE〉
たった二人で海外をも席巻するCreepy NutsがMARINE STAGEに登場。初っ端の「ビリケン」からフルスロットルで盛り上げる。数万人の「Yeah, yeah, yeah, yeah, Yeah」という歌が響き渡った「堕天」。R-指定が「今日は声を出すの合法となっています!」と薦めてからの「合法的トビ方ノススメ」。「国内国外、いろんなアーティストが出ているけど、日本のDJ、日本のラッパーはやっぱりすごいなって見せないと。俺のラップ、松永のDJ、少数精鋭、我々が日本のヒップホップの顔役でございます!」という自己紹介からの「顔役」。DJ松永の見事なフリースタイルを挟み、「Bling-Bang-Bang-Born」へ。数万人が一斉に高速のジャージークラブのラップに合わせて躍る姿は壮観そのものだった。(小松香里)
(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
JO1
13:40〈MOUNTAIN〉
バンドの生演奏と共にMOUNTAIN STAGEに刻まれた、勢いのあるパフォーマンス。”ライブが強み”という言葉の解釈はそれぞれだが、JO1においては”ライブならではの魅力を創出している”と読み解くことができるように思える。恵まれた声量をフル活用したり、あえて崩した歌いかたにしてみたり、細かなモーションで遊んでみたり。録画された映像には収まりきらない情報を、目の前の人々に届けていくのだ。また、インタビュー時の「武器の持ち替えができるようになりました」という言葉も、しっかりと体現。いうならば、魅せかたがよりグラデーション化したということなのだろう。個人で魅せる、集団で魅せる以上のバリエーションを獲得し、楽曲ごとで適切なアプローチを選択。それにより、パッショネイトだが一辺倒ではない、ドラマチックなライブを作り上げた。(坂井彩花)
(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
Henry Moodie
14:00〈SONIC〉
20歳のライジングスターfrom UK、ヘンリー・ムーディーを迎えたのは、悲鳴に近い黄色い歓声だった。ライブはまだまだこれからなのだろうと思いきや、人柄を物語っているようにも思えるちょっと頼りなげな歌声とは裏腹に彼は積極的に観客に語りかけ、シンガロングを求めながら、観客を巻き込んでいく。終盤の「pick up the phone」では客席に降りるガッツも見せる。曲はダンサブルなポップスとバラードの2本立て。エモーショナルに歌い上げるメロディはともにピッチの甘さを越えて、胸に染みる魅力がある。9月27日のリリースに先駆け、ちょっとラテン風味もある新曲「good old days」も披露。サポートの女性ギタリストもクールだった。(山口智男)
(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
INI
14:30〈PACIFIC〉
フロア後方まで人が溢れ、超満員となったPACIFIC STAGE。生バンドでの初ステージという事実だけで彼らの気合は十分に伝わってくるが、もちろんパフォーマンスだって抜かりない。ド頭に『SUMMER SONIC 2024』のために用意したINTRO DANCEをドロップしてオーディエンスをさらに惹きつけ、「Rocketeer」では盛大なコール&レスポンスを巻き起こす。数々のフェス出演を通して積み重ねてきた経験値が、演出や魅せかたのひとつひとつにこめられているのだろう。「We Are」の終盤と「FANFARE」の冒頭では、髙塚大夢がエレキギターをかき鳴らし、まさかの展開にファンですら度肝を抜かれるシーンも。フェスという自分たちのファン以外の人が集う場所であっても、INIはINIらしく輝く。様々なジャンルの楽曲を組み合わせ、メンバーの強みだってフックアップするステージは、力強くそう証明していた。(坂井彩花)
(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
ATEEZ
14:40〈MARINE〉
K-POPの男性グループとして初めて今年コーチェラに出演したATEEZ。ヘヴィなバンドアンサンブルが響き、いくつものフラッグと共にATEEZとダンサーたちが登場。「Guerrllia」のソリッドな歌&ラップ、ダンスで一気にMARINE STAGEのテンションを最高潮に持っていく。8人が一斉に右手を突き上げ、「Say My Name」へ。サビでは「Say My Name,」のコール&レスポンスが生まれた。SANが「世界的なフェスであるサマソニの舞台に立つことができてとても嬉しいです。MARINE STAGEに立てることでさらに嬉しく思います」と言うと、HONGJOONGが嬉しそうな表情で「Make Some Noice!」とシャウト。効果的に花道を使い、出来る限りオーディエンスに近づきつつ、パワフルで没入感に溢れる世界基準のパフォーマンスを見せつけた。(小松香里)
(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
新しい学校のリーダーズ
14:50〈MOUNTAIN〉
登下校のチャイムがMOUNTAIN STAGEに鳴り響き、それを合図に新しい学校のリーダーズのライブがスタートした。昨年は「Spotify RADAR:Early Noise Stage」のトリを務めた彼女たちだが、今年はコーチェラで大きな爪痕を残した直後の「凱旋パフォーマンス」。キャパ2万人を超えるMOUNTAIN STAGEすらあっという間に満員となった。お囃子をモチーフとしたトライバルなビートの「Toryanse」や「Omakase」でオーディエンスの心を鷲掴みにし、和田アキ子や山本リンダをも彷彿とさせるSUZUKAのドスの効いたボーカルが映える「オトナブルー」で最初のピークに。RINの高速ラップやMIZYUの切れ味鋭いダンスなど、各メンバーの見せ場を随所に散りばめながら「Tokyo Calling」を経て「青春を切り裂く波動」まで一気に駆け抜けた。(黒田隆憲)
(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
YVES TUMOR
15:10〈SONIC〉
Warpへ移籍後はロックに急接近、昨年のフジロックでもグラマラスなパフォーマンスが話題となったイヴ・トゥモアことショーン・ボウイ。今年はリード・ギターがクリス・グレアッティからバークリー音大出身のマロ・チョンに交代。鍵盤&ギター担当のイヴ・ロスマンはブロンドシェルなどのプロデューサーとしても活躍中。そしてドラマーのリース・ヘイスティングスはキム・ゴードンとツアーを経験した売れっ子と、強力なバンドに身を委ねてショーン劇場を展開した。地を這う電子音ベースにハードなギターが絡み、ゴスとグランジが衝突したような頽廃的ムードが横溢。「Echolalia」でスクリーンに星条旗を投影するなど、映像でも煽る。途中でショーンが上着を脱ぐとTシャツには”I PREFER DOWNERS”という不穏な文字が……。妖艶なファルセットを随所で聞かせる一方、地声で歌い通した「Parody」のヒリヒリした感触が忘れられない。(荒野政寿)
BMSG POSSE
15:35〈PACIFIC〉
ステージ上で無邪気に音楽と遊ぶBMSG POSSEは、希望の光と称してもいいのではないだろうか。少なくともPACIFIC STAGEに居合わせた人たちには、その感覚をわかってもらえるに違いない。ひとつのセットリストに、クルーもソロもフリースタイルもコラボレーションも濃縮。単独でも眩いアーティシズムは、掛け合わされることで新たな煌めきを発揮する。ただでさえ個性的なフロウやワードセンス、声色などの独自性が、ひとつのまとまりとして観ることで、より浮き彫りなっていくのだ。だからといって、お互いを相殺しあうことは決してない。自分らしさを放ちながら、相手の良さも尊重する音楽がBMSG POSSEには鳴っている。そして、その音楽がサマーソニックに足を運んだ人々の心を躍らせている。このリアルは、希望と呼ぶほかないだろう。まさに最高の現実だった。(坂井彩花)
(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
Greta Van Fleet
16:00〈MARINE〉
メンバー全員の濃ゆい端正な顔も魅力のグレタ・ヴァン・フリートは、ジョシュ・キスカ(Vo)のハイトーンボイスを武器に70s調のハードロックとともに中世をモチーフにしたと思しき世界観を見せつけていった。水分を摂る時もペットボトルではなく、銀の盃を使う徹底ぶりに感服。50分で全7曲。トラッドフォークをハードロック化した「Meeting The Master」「The Archer」のようなじっくりと聴かせる曲を臆することなくフェスのセットリストに加えるところが頼もしい。最後はブギなハードロック・ナンバー「Highway Tune」をぶっ放すと、ジョシュが白い花を客席に投げ入れ、指笛を鳴らして締めくくる。そんなキザな演出も見事にハマっていた。(山口智男)
(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
Olivia Dean
16:20〈SONIC〉
エイミー・ワインハウスやアデルも通ったブリット・スクール出身、デビュー作『Messy』が全英4位を記録した気鋭シンガーが初来日。”ローリン”というミドルネームを持つ彼女は、親の影響でネオ・ソウルを幼少時から聴いて育った99年生まれ。『Messy』にはアクアラング名義の活動で知られるマット・ヘイルズが共作相手/プロデューサーとして参加、端正にまとめていた。一方、ライブは3管のホーン隊を含む7人編成のバンドがバックを担当。アルバムよりヴィンテージ・ソウル感が強い演奏は、レンジの広い歌声がよく映える。デビュー作からタイトル曲を歌う際には、「アルバム全体を通して、不完全さを許容することがテーマだった」と説明。ガイアナからの移民である祖母について歌った「Carmen」でも、歌詞に込めた想いを語って観客と共有する。そうした人柄が、丁寧で包容力のある歌唱に直結している印象。胸に迫る名曲「Dive」の可憐さが余韻として残った。(荒野政寿)
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BABYMONSTER
17:20〈MOUNTAIN〉
「BLACKPINKを擁するYGエンターテインメントから、およそ7年ぶりにデビューを果たしたガールズグループ」というだけあって、MOUNTAIN STAGEはパンパン。女性ファン多めのフロアからは、イントロが鳴り始めるたびに悲鳴のような歓声が上がりまくっている。各メンバーのパワフルな歌唱力を活かした「SHEESH」、YGならではのケレン味がたっぷり入った「BATTER UP」などダンサブルなナンバーを、7人編成という強みを活かしたシステマティックかつダイナミックなダンスで表現。かと思えば「Stuck In The Middle」のようなバラードも、情感たっぷりに歌い上げ振り幅の広さもしっかりと示す。セトリ後半は同じ曲のダンスリミックスや日本語バージョンが並ぶなどレパートリーはまだ少ないものの、ポテンシャルの大きさを十分にアピールした40分だった。(黒田隆憲)
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SUMMER SONIC 2024
08.18 TOKYO#BABYMONSTER の
ステージはどうでしたか?#MONSTIEZ や観に来てくれた方
みなさんの熱気を感じました#BABYMONSTER #베이비몬스터 #YG #サマソニ pic.twitter.com/ziuivW9iOb — BABYMONSTER JAPAN OFFICIAL (@_BABYMONSTER_JP) August 20, 2024
Christina Aguilera
17:25〈MARINE〉
いい意味で縦横無尽に歌い散らかすスタイルは、この人を置いて右に出る者はいないだろう。とことん豪快に、派手に歌い倒したクリスティーナ・アギレラ。バックの音もそうとう煌びやかだが、決して埋もれないスタミナ溢れる歌力で震撼させた。来日公演は17年ぶり。1stアルバム『Christina Aguilera』と大ヒット曲「Genie In A Bottle」のリリースから25年目にあたり、初期ヒットもたっぷり披露された。自身も出演した映画『バーレスク』のセクション、映画『ムーラン・ルージュ』の主題歌「Lady Marmalade」、多数のダンサーを引き連れたパフォーマンスなど、全て彼女が最近行っているラスベガスでのレジデンス公演へと繋がっている。もちろんコスチュームやメイクも、完璧なショーガール仕様で、ディーバ、アイコン、Xティーナと呼びたくなるが、同時にMCでは子どもの頃に日本に住んでいた話をしたり、ラストに娘も登場させ、レインボーカラーを掲げてLGBTQアライをサポートしたり。人間味溢れる一面も覗かせた。(村上ひさし)
※ライブ写真はこちら
Japan holds some of the greatest memories from my childhood. It has always been a place where I feel free to be myself and immerse myself in the hyper-creative culture that exists, while also finding peace in its serenity. Its my ultimate happy place. Now, as a mother, I have… pic.twitter.com/6DANJE4GHJ — Christina Aguilera (@xtina) August 22, 2024
AJR
17:35〈SONIC〉
来日直前にメット3兄弟の長男、アダム(ベース他を担当)が「民主党全国大会に出席するためサマソニには不参加」とアナウンスされたAJR。しかしジャック、ライアンとサポート2名という編成で、穴を感じさせない全力のパフォーマンスを見せつけてくれた。街頭ライブから始まったグループだけあって、観客を飽きさせない仕掛けの多さは随一。2曲目の「Sober Up」(ウィーザーのリヴァース・クオモと共作)で早くも大合唱を巻き起こすと、続けざまにジャックがサンプラーをリアルタイムで叩くコーナーに突入、観客の心を序盤でガッチリつかむ。18年前の街頭ライヴ時代を振り返って、当時歌っていたスマッシュ・マウス「All Star」をカバーする一幕も。最大のヒット曲「Bang!」の前にはこの曲の組み方を解説する念の入りようだ。そしてラストの「Weak」ではスクリーンいっぱいに花火が上がって大団円。叩き上げの底力に唸らされた。(荒野政寿)
(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
BE:FIRST
20:00〈MOUNTAIN〉
開始5分前になり、舞台裏から「BF is…」を歌うメンバーの声が聴こえてくると、すでにオーディエンスはハンズアップ。様々なファッション、年代の人がMOUNTAIN STAGEに集い、今か今かとBE:FIRSTの登場を待つ。
「Mainstream」と共に現れた7人は、姿を見せた時点で凛としたオーラをまとっていた。いうならば、ドームアーティストの風格。わかりやすく盛り上がるナンバーではなく、自分自身を定義し証明する楽曲を1曲目に持ってくるのも、自信の表れといっていいだろう。オープニングアクトとして出演した『SUMMER SONIC 2021』から、わずか3年。BE:FIRSTはMOUNTAIN STAGEのトリで、堂々と自分たちのカラーを誇示するまでになったのだ。
セットリストも、まるでワンマンライブをギュッと凝縮したような選曲だった。グループのカラーを打ち出し、会場一体となるライブチューンで盛り上げ、バラードもしっかり聴かせる。「Spin!」や「Softly」といったユニット曲も盛り込み、BE:FIRSTが7人以外のスタイルを持っていることも軽やかに提示する。そしてラストには、BE:FIRSTにとって”到達”の1曲である「Blissful」を初披露。彼らの未来に期待せざるをえない、BE:FIRSTがなんたるかを魅せつけた圧巻のライブだった。(坂井彩花)
(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
Aurora
20:20〈SONIC〉
個人的には、これまでに観た彼女のライブ中のベスト。本当に素晴らしかったオーロラ。果てしなくディープな没入感と多幸感で酔わせてくれた。もともと宗教的な要素は多分に感じられたが、北欧エキゾシズムとでも呼びたい白銀世界の美しさ、祈りを捧げるかのような儀式感、心の奥底のさまざまな感情を剥き出しにする神秘的な歌で、ぐいぐい惹きつけ感情を揺さぶられた。”日本の皆さんのおかげで人気の出た曲だと思います”という紹介で始まった「Cure For Me」をはじめ、彼女自身が踊る曲も多く、さまざまな動きを取り入れ、以前よりダンサーとしての魅力も倍増。さらに踊る彼女の後方に、事前に撮影されたアーティスティックなダンス映像などが映し出され、そのシンクロ具合が秀逸だ。時にシュールに、時にナイフを振り上げイタリアンホラーのように恐ろしい彼女が登場する。すべてが喜怒哀楽の一部というわけだ。その感情を抉り出すパワーとエキセントリックな表現力に恐れ入る。
だが、その一方で曲間になると”準備はいいですか?”、”ずっと立っているの大変でしょ。みんなでストレッチしましょ”などと愛らしい日本語で話しかける、そのギャップにクラクラ……。戦地の子どもたちに曲を捧げたり、LGBTQの人々に温かいメッセージを発し、”バイセクシュアルの人々!”と言いながら自身もピースサインを出してニッコリ。”ありのままの自分を思いっきり表現しましょ”という彼女の言葉が、ことさら胸に響いたが、その言葉通りに生きているのがオーロラであり、その中から生み出されたのがオーロラの音楽なのだと痛感させられた。ステージが終わっても、いつまでも帰ろうとしない人が多かったのも当然という気がした。(村上ひさし)
(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
Hoobastank
20:35〈BEACH〉
ブリング・ミー・ザ・ホライズンが終わってから大勢の観客が駆けつけたのだろう。気づけば、いっぱいになっていたBEACH STAGEでフーバスタンクは2ndアルバム『THE REASON』のリリース20周年を記念して、同アルバムの全曲を披露。「Same Direction」をはじめ、00年代型ハードロックの神髄を今一度見せつけながら、ライブの盛り上がりは珠玉のバラード「The Reason」のシンガロングとともに頂点に。しかし、バラードでライブを終えるわけにはいかないと考えたのか、「Keep on playing music!」とアンコール的にさらに曲を披露。最後を飾った「Crawling in the dark」のメタリックなサウンドにロックバンドとしての彼らの矜持を見せつけられた。(山口智男)
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