LE SSERAFIM、HUH YUNJINが新曲で伝えたかった「セルフラブ」の真意
Rolling Stone Japan / 2024年8月31日 11時50分
6月から7月にかけて日本で開催されたファンミーティングでは、4都市9公演で8万人動員を動員し、成功を収めたばかりのLE SSERAFIM。そんな彼女たちが6カ月ぶりに4thミニアルバム『CRAZY』を引っ提げてカムバックを果たした。
【写真を見る(計16点)】『LE SSERAFIM 4th Mini Album 'CRAZY' MEDIA SHOWCASE』
8月29日に韓国・ソウルにて行なわれたメディアショーケース。最初に映し出されたアルバムのトレーラーでは、街中を歩くメンバーや、のどかだけどどこかサイケデリックな”CRAZY”な世界観を垣間見ることができた。今回の作品を象徴する「稲妻」を模したオブジェの前にモノトーンに統一された衣装に身をつつんだメンバーが一人ずつ現れ、ハートポーズや花びらポーズでのフォトセッションがスタート。メンバーのヘアスタイルも今回の舞台のためにアップデートされており、KIM CHAEWONは赤茶のようなボブヘアに、HUH YUNJINは暗いブルーのロングヘアと前髪に、アルバムのイメージに合わせて新しくなった彼女たちの姿は新鮮だった。
フォトセッションを終えるとメンバーたちが集まり、集まった記者たちへのコメントを伝えた。KIM CHAEWONは「6カ月ぶりのカムバックで緊張しています。みなさんたくさん期待してください」と意気込みを、SAKURAは「LE SSERAFIMが夏にカムバックするのは初めてなのでワクワクしています」と期待をこめた。また、HONG EUNCHAEはこのカムバック前に日本でのファンミーティングで多くのFEARNOT(ピオナ:LE SSERAFIMのファンダム名)に会って力をもらったことで、アルバムの準備をより一層頑張れたと日本のファンへも言及し、メッセージを伝えた。
次にアルバムのリード曲「CRAZY」のミュージックビデオが披露された。「CRAZY」は、自分を夢中にさせる対象に出会った瞬間を表した曲。EDM調のハウスミュージックで、ダンスではポージングを連続させた動きとファッションモデルのようにランウェイで踊ることを特徴とした「ヴォーギング・ダンス」に挑戦している。舞台は水族館やプールのような涼しげな場所で、「Eve, Psyche & the Bluebeards wife」を踏襲したようなシックかつトレンディでありながらどこか狂気を秘めた世界観が楽曲によくマッチしていた。
ミュージックビデオに引き続き、ステージも披露。片足を上げたまま歌う振り付けが特徴的であり、LE SSERAFIMの体幹の強さが感じられた。また、特にパフォーマンス中のKAZUHAの表情管理が印象深く、笑顔だけでない、挑発的とも見て取れるような楽曲の世界観に合った表情の決め方に自然と目が止まった。SAKURAがコメントの中で表していたような「100万ボルトの電気のようなビリビリした刺激的な曲」という意味がよく伝わるような鮮やかなステージであった。
(P)&(C) SOURCE MUSIC
(P)&(C) SOURCE MUSIC
今回のミニアルバムの収録曲は5曲。アルバムのコンセプトを韓国語、日本語、英語の言葉で表したハードなテクノミュージックの「Chasing Lightning」。
ステージにてパフォーマンスしたリードトラックの「CRAZY」。
キム・ワンソンの「ピエロは私たちを見て笑う」をサンプリングしたトラップ楽曲の「Pierrot」では、メンバーの声色やフロウが豊かなラップを堪能できる。
4曲目の「1-800-hot-n-fun」はコーチェラにて初披露され、ファンミーティングでもパフォーマンスしていたファン待望の楽曲だ。
そして、最後に収録された「미치지 못하는 이유 (Crazier)」は優しく幻想的なバラードで、メンバーのHUH YUNJINがメインプロデューサーを務め、レコーディングのディレクションも行なったそう。
HUH YUNJINはこの曲のテーマに関して「『夢中になれる人生も、夢中になれない人生も、全て美しい』というメッセージを曲に盛り込もうとしました」とコメント。レコーディングのディレクションを受けたメンバーのSAKURAからは「HUH YUNJINさんはもともと優しいですが、ディレクティングをする時はもっと優しかったです。メンバーのことを知り尽くしているだけにフィードバックも具体的にしてくれて理解しやすかったし、なんでも親切にしてくれて、とても楽しみながらレコーディングすることが出来ました。むしろ私たちよりHUH YUNJINさんの方がもっと緊張していてとても可愛かったです」などと感想が飛びだし、アルバムのメッセージからディレクション、レコーディングまで、制作にメンバーが積極的に関わる様子が伝わった。
HUH YUNJIN
SAKURA
KAZUHA
6カ月ぶりのカムバックということもあり、これからの活動が注目されるLE SSERAFIM。今後の活動や意気込みについて、「コーチェラは惜しいところ、悔しいところもたくさんありましたが、チームとしても個人としてもたくさんのことを学び、気づきが多かった舞台でした。これからもっとよくなる姿をお見せしていくのが私たちの課題で、このアルバムがその第一段階だと考えています。そういった心構えで一生懸命準備してきたので、愛情のこもった目線で見守ってください」(KIM CHAEWON)、「まず韓国の音楽番組の予定をこなしていきたいと思います。チャンスがあったら日本やアメリカなど多くの海外において、ファンのみなさんにいい姿をたくさんお見せしたいと思います。そして今年も色々ありましたが、常にそばで応援してくださったファンの皆様がいらっしゃったために、力を出すことが出来ました。今回の活動を通じてファンのみなさんといい思い出をたくさん作りたいと思います」(HONG EUNCHAE)とコメントした。
KIM CHAEWON
HONG EUNCHAE
どんなに厳しい事態が起ころうとも、諦めそうになるような厳しい意見がSNS上で飛び交おうとも、ストイックに準備してパフォーマンスを磨き続けるLE SSERAFIM。彼女たちがデビュー時から一貫して行なってきた、メンバーの想いや現状を反映させた作品づくりはオリジナリティが高く、また、多くのリスナーの共感を呼ぶ。「CRAZY」についてHUH YUNJINは、「誰もが心の中に、何かに夢中になってしまう情熱を持っていると思います。ここにいらっしゃる記者のみなさんもそうですし、私たちもそうです。しかし生きていく中で他の視線を意識して、他人の基準に合わせたりして、夢を実現することを躊躇してしまう場合があると思います。今回”Crazy”を聴いて多くの方が愛することをもっと愛して、叶えたい夢をもっと叶えたいと思う勇気を持っていただければと思います」と語った。どこまでもタフで挑戦的な彼女たちを見ていると元気が出るし、触発される。これからもLE SSERAFIMにはさらに自由に、5人の好きなことにチャレンジしてほしい。
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