BOYNEXTDOORが語る、20歳を迎える「僕たちのすべて」が反映された意欲作
Rolling Stone Japan / 2024年10月8日 19時10分
2023年にKOZエンターテインメントからデビューしたBOYNEXTDOORは、エネルギーに満ちた楽曲と言葉遊びを特徴とする独自のサウンドを作り上げてきた。ジャンルを超えた音楽性を持ちながら、BOYNEXTDOORはありのままの若さ、親しみやすさをテーマに活動している。
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メンバーは、Sungho(ソンホ)、Riwoo(リウ)、 Jaehyun(ジェヒョン)、Taesan(テサン)、 Leehan(イハン)、 Woonhak(ウナク)の6名からなり、自ら楽曲制作や、ダンスの振り付けに関わっていることも特徴的である。特にジェヒョン、テサン、ウナクはこれまでリリースしてきた数々のBOYNEXTDOORの楽曲に多く携わっており、最新EP『19.99』の制作にも貢献している。「BOYNEXTDOOR」の名の通り、「隣の少年たち」を想像させる彼らのイメージとは裏腹に、BOYNEXTDOORの音楽は多様であり、若者の持つ高揚感と苦悩の両方を表現している。
BOYNEXTDOORは、2019年に韓国のラッパーZICO(ジコ)によって設立されたKOZエンターテインメントからデビューした最初のグループとして注目され、KOZエンターテインメントは翌年の2020年に韓国の大手芸能事務所HYBEに買収された。現在31歳のZICOは自身も15年ほど音楽活動を続けており、K-POPボーイズグループBlock Bのリーダーとしても有名である。ソロアーティストとしても成功を収めており、ZICOのヒット曲「Any Song」は、K-POPにおける最初のTikTokダンスチャレンジの一つとして大きな注目を集めた。2024年4月にリリースされたZICOの最新ソロ曲「Spot!」には、BLACKPINKのJENNIE(ジェニー)も参加している。
最新EP『19.99』は、BOYNEXTDOORにとって3枚目のEPで、一見タイトルが何を意味するか分からないかもしれないが、「.99」はメンバーが20歳を目の前に控えていることを表現している。BOYNEXTDOORは日常生活から引き出された、共感できるテーマを扱い、人生の重要な転機を描いている。先行リリースされたシングル「Dangerous」の韓国語タイトルは「親からの制限」という意味であり、動画ではメンバーたちがこっそり夜中に家を抜け出そうとする様子が描かれている。
米ローリングストーン誌が、『19.99』のリリース1週間前にBOYNEXTDOORのメンバー全員にインタビューを行い、EPの制作過程やスランプの克服方法、大きな夢を持つことの重要性について語ってくれた。
―皆さんとても仲が良いですが、どのように親しくなったのですか?
ウナク:一人一人、自然に馴染んでいきました。
ソンホ:練習生のころよりも仲良くなったと思います。デビューしてからお互いの内面的な部分、深い感情を知ることが増えました。もちろん練習生のころから仲は良かったですが、デビュー後に様々な困難を共に乗り越えて、さらに親しくなりました。
―BOYNEXTDOORは音楽制作に大きく関わっていることで知られていますが、今回が3枚目のEPということで、これまでのEP『WHY…』や『HOW?』と比べて、どのような点で制作過程が異なりましたか?
ジェヒョン:メンバーたちは色んな面でリラックスできるようになったと思います。『WHO!』(1stシングル)や『WHY…』、そして『HOW?』を準備していた時は、良い結果を出したいという思いで集中していた部分が大きかったです。でも今回の『19.99』では、特に自分たち自身の物語をもとに制作したので、感情やストーリーをより自由に共有できたと思います。
―グループの中で、最も成長したのは誰だと思いますか?
リウ:僕はウナクだと思います。彼はついこの間まで高校生だったけれど、もうすぐ20歳になります。年齢だけでなくメンタルも大きく成長したと思います。
ウナク:初めてみんなに会った時、僕は中学2年生でした。そのころは髪がすごく短くて、2ミリくらいしかなかったです。でも今は髪も伸びて、背も高くなりました。
イハン:本当に色んな面で成長したね。
―今までリリースした曲の中で、今回の新曲も含めて、どれが一番好きですか? もし選ぶなら僕は「Gonna Be a Rock」や「So lets go see the stars」が好きです。
ソンホ:「Nice Guy」はどう?(笑)
ーその曲も好きです!
イハン:僕は「l i f e i s c h o o l」です。アウトロの部分に自分が参加しているので特にお気に入りです。
ソンホ:イハンはどの曲にもパートがあるじゃない(笑)。
ジェヒョン:個人的には、『19.99』に収録されている「20」が一番好きです。その曲を聴いていると歌詞に共感して、自分自身も元気が出ます。
ソンホ:僕もたくさんあるけど、「But Sometimes」や「Nice Guy」、そして「Gonna Be a Rock」、「So lets go see the stars」が好きです。「But Sometimes」は、それまでの曲とは違う一面を見せた曲で、制作していてとても楽しかった思い出があります。それが特別な理由ですね。他の3曲は、音楽性の面でとても気に入っているので、お気に入りになったのだと思います。
リウ:僕は「400 Years」が好きです。
ソンホ:ファンソング(ファンに向けた歌詞が含まれている楽曲)だね。
リウ:ONEDOOR(BOYNEXTDOORのファンの愛称)と一緒にいる気分になるので、一番好きです。
ウナク:僕は「Nice Guy」と「Serenade」が好きです。「Nice Guy」は自分の歌詞が一番多く含まれている曲だからです(笑)。そして「Serenade」は、歌っていて楽しい曲ですね。
テサン:選ぶのが難しいですが、今日の気分だと「So lets go see the stars」がお気に入りです。特に2番のパートがとてもいい感じに仕上がったので好きです。
大人になる前の不安定な感情を表現
―『19.99』というコンセプトはどうやって思いついたのですか? 20歳になる前の瞬間を表現するのは面白いアイディアですね。
ウナク:19歳と20歳の間のあいまいな状態を表現するために、文字通り「19.99」という数字が浮かびました。大人になる前の不安定な感情を表現するアルバムになると思います。同時に、その瞬間をすでに経験した人や、これから迎える人にとっても、共感できる内容になっています。
―今回の準備過程で、どこからインスピレーションを得ましたか? 特に印象に残っている瞬間はありますか?
ジェヒョン:他の作品では、いろんな所からインスピレーションを得ようとしていましたが、今回は自分たちの内面にもっと焦点を当てて、それぞれが自分の言葉やメッセージを伝えようとしました。だから、すごく正直で現実味のある作品になったと思います。
―新曲の歌詞の中で、特にお気に入りの部分や誇りに思う部分はありますか?
ウナク:じゃあ僕から。「Nice Guy」のイントロの「Dont be such a wuss/Seoul is mine tonight」という歌詞が好きです。その部分を歌うと何かになれた気分になって自信がわいてきます(笑)。
リウ:僕は「Dangerous」の「I never cross the line, trust me」という歌詞ですね。なぜなら僕は本当に一線を越えないタイプだからです(笑)。何というか……自制心を持つことに重きを置いているので、この歌詞は自分にぴったりだと思います。
ソンホ:僕は「Gonna Be a Rock」のサビの部分、「Oh, Im gonna be a rock/and break your window now」という部分が好きです。これは「君が僕の心を傷つけたように、僕は石になって君の心を傷つける」と同時に、「もう何も感じたくない」という石のような感情も表現しています。メタファーがたくさん詰まっていて、ウィットに富んだ歌詞なので好きです。
ジェヒョン:「20」の「The Playground was way huge back then/Looking back, it wasnt much」という歌詞が好きです。これは自分が感じたことをそのまま表現していて、自分の物語です。
テサン:僕も「20」の「A child that thought a gold medal was easy」という歌詞が気に入っています。
イハン:「Nice Guy」のリウの部分「Oh, oh, ah, ah…」が好きです。みんなで一緒に歌っているところで、シンプルな歌詞だけど、楽しそうに歌っているのが伝わってきます。
―EPの途中にナレーション付きのスキットが挿入されていますが、スキットを入れようと思ったきっかけは何ですか?
ウナク:実はどうしてもスキットを入れたくて、プロデューサーにお願いしたんです。でも、プロデューサーたちは既に計画していたみたいでした! 他のアーティストがこういったスキットを収録しているのをみて、僕たちもやったら面白いんじゃないかと思いました。それで、スタジオに入って即興でナレーションを録音しました。
―具体的に影響を受けたスキットはありますか?
ウナク:特定のものからというわけではなく、僕はヒップホップが好きで、ヒップホップアルバムにはよくスキットが挿入されているので、それを見て僕たちのアルバムにも入れたいと思いました。
―スキット以外で、『19.99』の制作で新しく挑戦したことや、特に難しかったことはありますか?
ソンホ:今回のアルバムは、僕たちがこれまでリリースした中で一番僕たち自身の物語を反映していると思います。自分たちのストーリーを直接伝えて音楽を制作することが、ある意味で新たな挑戦でした。また、「Nice Guy」のパフォーマンス面では、僕たちの全てを注ぎ込む必要があり、それぞれのメンバーにとっても少し挑戦でした。
イハン:曲の中で全員で一緒に歌っている部分も、パフォーマンスとしては初めての試みでした。みんなでジャンプして歌う瞬間を楽しみにしています。
ー『19.99』のコンセプトフォトが3種類公開されていますが、Nice、Dangerous、Twentyの3つの撮影の中で、どれが一番好きですか?そして、誰が一番目立っていたと思いますか?
ジェヒョン:難しい質問ですね。僕は個人的にDangerousバージョンが好きです。誰が一番目立っていたかというと……
ウナク:ソンホがセクシーだったね。
ソンホ:(笑)。
イハン:そうだよね。ソンホはその時初めて髪を茶色に染めて撮影したんです。衣装も含めてとてもいい雰囲気で、美しい感じが出ていました。
ソンホ:ありがとう。正直言うと、最初にそのコンセプトを試したときは、少し不安でした。でもミュージックビデオと写真の撮影をしたら、予想以上に良い仕上がりになりました。最初はぎこちなくなると思っていたけれど、とても自然な感じで、ほっとしましたね。僕は3つの中で一番好きなのはTwentyバージョンです。写真を撮る際、僕たちの若さに関する不安や悩みを写真に反映させました。各メンバーの個性や好みの違いが写真の中にさりげなく表現されて、深みを与えてくれました。
―皆さんはNiceバージョンのコンセプトフォトは好きですか?
イハン:[手を挙げて]僕は好きです。理由はわからないけれど、そのバージョンでは、クローズアップショットが多く撮影されていて、メンバーのビジュアルが上手く捉えられていると思います。
―先行リリースされた「Dangerous」とリードシングルの「Nice Guy」のどちらかを選ぶとしたら、どちらが良いですか?
ソンホ:どっちが良い?
ジェヒョン:「Nice Guy」かな。
ソンホ:僕も「Nice Guy」だね。
イハン&テサウ:僕も。
リウ:僕も「Nice Guy」だな。
ウナク: 僕も。
リウ:やっぱりリードトラックになる理由があるよね。[拍手]
ソンホ:「Nice Guy」は気分を良くしてくれる曲で、「Dangerous」はもっと、何というか……自信を付けたいときに良い曲なんです。
―「Dangerous」のイントロのビートが本当に好きで、曲が始まるとすぐに引き込まれます。
イハン:僕もそうです。最初にインストゥルメンタルだけを聞いたとき、とてもユニークで面白いと思いましたし、この曲のダンスを踊るのも楽しそうだな、と思いました。
作詞でスランプに陥ったときの対処法
―制作中に面白いエピソードはありましたか? 練習中の話でも、ZICOさんとの仕事の中でも、何か面白い出来事があれば教えてください。
ジェヒョン:僕たちはダンスの練習をたくさんしました。ある日、本当に練習したくない日がありましたが、みんなで一緒に踊っているうちに、すごく楽しくなって、練習生時代を思い出しました。あと、作詞の過程でスランプに陥ったことも覚えています。何を書けばいいのか、どう感情を言葉にすればいいのか全然浮かばなくて、「この言葉に共感してもらえるのかな?」と考えていました。プロデューサーに「考えすぎるとうまく書けないよ」と言われて、心を落ち着けたら、また歌詞を書けるようになりました。
―頭をリセットするために、どんなことをしていますか?
ジェヒョン:作詞のスランプに陥ると、本当に何も思い浮かばなくなります。テーマや書く内容、正直言うとやる気さえなくなることもあります。でも、その時に諦めずにやり続けることが大事だと思います。ひたすら、考え続けたり、本を読んだりして……あまり助けにはならないけど、何かが思い浮かぶまで耐えるしかないですね。
―そのような時にZICOさんから何かアドバイスをもらったことはありますか?
ジェヒョン:今回のアルバムでは、音楽的な面でのアドバイスというより、テーマやブランドイメージについての指導をたくさんしてもらいました。ZICOさんは僕たちがどういう風に自分たちを表現したいのか、どんなストーリーを伝えたいのか、そういったことを話してくれました。ZICOさんはK-POP業界で今僕たちが直面していることを経験しているし、K-POPが世界的に愛されるようになった背景には、ZICOさんたちの貢献があるので、僕たちがどんな悩みや困難を抱えているか、またどんな時に気持ちが沈むかなど、本当によく理解してくれています。ZICOさんから「リーダーとして、メンバーのためにこういったことをするべきだよ」とアドバイスをもらって、僕が何も言わなくても、気持ちを理解してくれているんだと実感しました。
―自分たちで音楽を作っているアーティストの中で、今後一緒に仕事をしてみたいアーティストは誰ですか?
ジェヒョン:個人的には、最近BigNaughtyさんとG-DRAGONさんがとても好きで、いつかコラボしたいです。
ウナク:僕は、ジェヒョンが最近特別公演で共演したイ・ヨンジさんと一緒にお仕事をしてみたいですね。
ソンホ:もし機会があれば、ファレル・ウィリアムスさんと一緒に何か作りたいです。曲作りに限らず、彼は多彩なので、どんな分野でも良いですね。コラボできたら本当に夢のようです。ファッションでもアートでも、映像でも、彼の創作には境界線がないので、どんな分野でも挑戦できると思います。どんなことにもチャレンジしてみたいですし、ファレル・ウイリアムスさんとのコラボは本当に楽しいだろうなと思います。僕たちBOYNEXTDOORのカラーと彼の芸術性が組み合わさったらどんな作品になるか想像がつかないので、とても楽しみです。
リウ:僕はIUさんと一緒に歌いたいです。IUさんの声がとても好きで、子どものころから彼女の曲を聴いて育ちました。機会があればぜひコラボしてみたいです。
テサン:僕はThe Weekndさんとコラボしてみたいです。The Weekndさんと言えば、思い浮かぶのがシンセポップです。今の時代を代表するアーティストの一人だと思いますし、本当に彼の音楽が好きです。
イハン:僕はジャスティン・ビーバーさんとコラボしたいです。彼の音楽が好きだし、さまざまなジャンルを超えて活躍しているので、コラボできたら新しいサウンドが生まれるんじゃないかと思います。それを考えるとワクワクしますね。
ージャスティン・ビーバーにはさまざまな時代の音楽がありますが、どの頃のジャスティンが特に好きですか?
イハン:ハウスミュージックに挑戦した時のジャスティン・ビーバーさんがすごくかっこいいと思いました。彼の音楽は聴いていて心地よくて、パフォーマンスでもたくさん楽しい瞬間があるので、いつもチェックしています。
ーグループとして2025年の目標は何ですか?
リウ:来年はビルボードランキングを目指してもいいんじゃないかな?(笑)
ウナク:行こう、行こう![拍手]
ソンホ:そして、いつかグラミー賞も?
イハン:大きな夢を持つのはいいことだから、高みを目指そう。
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