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高校3年生SSW・wataが語る上京前の決意、ロックとヒップホップ、格闘技からの影響

Rolling Stone Japan / 2024年10月10日 18時0分

wata

現在高校3年生のシンガーソングライター、wata。中学3年生の秋、見よう見まねでスマホで作った曲「Sweet」をSoundCloudにアップしたところ、たちまち7000回再生を突破し、アーティストとしての道を歩み始めた。最新曲「After 17」はこれまでリリースしてきたメロウでチルなヒップホップとは違い、歪んだギターが鳴り響くオルタナロック色の強い楽曲だ。歌詞の内容もこれまでの等身大の恋愛ソングではなく、地元である山梨県富士吉田市からの上京を前にした自らの孤独と強い決意を歌っている。SATOH、SHO-SENSEI!!、Age Factoryをフェイバリットに挙げ、数々の国際ジュニアキックボクシングの試合やWBCムエタイジュニアリーグU15でタイトルを取る等、格闘家として輝かしい経歴を持つ新星に迫った。

─曲を作り始めたきっかけはコロナ禍でTikTokを見たことだったそうですね。

wata:そうですね。コロナ禍で外出禁止令が出ていた中3の頃、何気なくTikTokを見たら、「音楽経験なし」っていうハッシュタグが目に入って、楽器が弾けなくても簡単に曲が作れるように思えて軽い気持ちで「やってみよう」と思ったんです。ヒップホップが好きでラップバトルを見たり、ラップのイベントに行ったりしている中でタイプビートを知って、そこにあったビートを使ってスマホで曲作り始めました。

―憧れのアーティストはいたんですか?

wata:初めて行ったラップイベントに出ていたのがNovel Coreでヒップホップとポップスを混ぜたようなスタイルがすごくかっこよくて、「ああいう曲を作りたいな」って思いました。あと、幼い頃から格闘技をやっていて、家から少し離れたところにある格闘技教室に通っていたんですが、親に車で送ってもらう時に車中でよくTHE BLUE HEARTSが流れてて、今でも聞きますね。まっすぐだけど人によっていろいろな解釈ができる深い歌詞っていうことは自分が作詞する時に意識してます。

―初めて作った曲「Sweet」をSoundCloudにアップしたらいきなり7000回以上再生されたんですよね。

WATA_1000line · Sweet
wata:はい。誰にも何も言わずにアップしたんですが、たくさん聞いてもらえてびっくりしました。そこでちょっと手ごたえを感じて。2曲目に作ったのがファーストシングルの「Flash Night」です。

―「Sweet」がたくさん聞かれた理由をどう分析していますか?

wata:「Sweet」みたいなエモさのあるオートチューンの曲が流行り始めていた頃だったっていうこととプロフィールに中3って書いたのも引きになったと思います。コメントの書き込みが多かったり、プロフィールからインスタグラムに飛んでフォローしてくれる人もいました。それもあって「曲作って発表するのってめちゃくちゃ楽しいな」って思いました。

―「Sweet」は恋愛の曲ですが、歌詞はどんな風に膨らましていったんでしょう?

wata:友達から聞いた恋愛の話や実体験を混ぜて書いていきました。歌詞にした時に自分の中で何か答えが出るような新しい感覚になったのがすごく楽しかったんです。未だに恋愛はめちゃくちゃ下手なんですが(笑)、今の自分の状態がわかってそれがひとつの形に残るのがおもしろかったです。



―「Sweet」から次の「Flash Night」ができるまでは時間はかかったんですか?

wata:「Sweet」が完成した1週間後ぐらいにはできて、その後スタジオでちゃんと録ったこともあって、できてから1年くらい空いてからリリースできました。

―特にこだわった部分というと?

wata:無名のアーティストの曲を最後まで聞いてもらうのはなかなかハードルが高いと思ったんで、終盤に転調を入れたり、歌詞をキャッチ―にして聴きやすさを目指しました。



―ストレートな失恋ソングですよね。

wata:めっちゃ失恋の曲ですね(笑)。中学から高校になって自分も周りも恋愛する機会が増えていった時期に作りました。基本的にメロディと歌詞を同時に考えていくんですが、この曲は物語のような歌詞を書くことを意識して作りました。

―カレンダーに記念日が残ってたり、トーク履歴が消せなかったり、リアルな描写が印象的です。

wata:そうですね。ストレートな描写とぼやかした描写のバランスが良いのかなって思います。どの恋愛の曲でも自分の経験と友達の経験が並列になるように意識してます。自分のことばかりになっちゃうと近くなりすぎてしまうけど、友達の経験も同じくらいのバランスで入ってるといろいろな視点を持った曲になるっていうか。その方が普段の自分と歌詞を書いてる自分を切り分けられて、曲作りが成長できる気がするんですよね。あと、さまざまな視点がある方がいろいろな人に届く曲になると思いますし。

―友達に曲を聞かせたりするんですか?

wata:自分から「聞いてよ」って言うわけじゃないんですが、何も言わずとも聞いてくれる友達が多くて。応援してもらってますね。感想を言ってもらえることもありますし、歌詞の恋愛について「あの時のことでしょ?」って言われたりもします(笑)。

―ちなみに友達はどういうアーティストを聞いてるんですか?

wata:ヒップホップを聞いてる人もいるんですが、邦ロックが多いですね。ヤングスキニーはボーカルのかやゆーさんが地元が一緒っていうこともあってファンが多いですね。僕もヤングスキニーが山梨でライブをやった時は観に行きました。

―wataさんはかやゆーさんとフジファブリックの志村正彦さんと同じ高校に通ってるんですよね。

wata:そうですね。フジファブリックの曲は学校で合唱曲になってることもあって人気がありますね。

―同校のミュージシャンの先輩がいることはwataさんに何か影響を与えていますか?

wata:比べられることもあると思うので、自分のなかでひとつの指標にしているところはあります。



―最新曲の「After 17」はこれまでの恋愛ソングと比べて、音楽活動への力強い宣言をするための曲に聞こえたんですが、どんな思いがあったでしょう?

wata:その通りですね。中学3年生から曲作りを始めてずっと同じ環境で曲を作ってきたんですが、高校卒業後の上京を控えているので新しい環境をどんどん意識するようになってきたんです。一年前くらい、17歳になるタイミングで「After 17」のひとつ前のバージョンを作って。僕の高校って結構進路にうるさくて、そういうことを思いながら最初は作りました。その後ら後半部分を中心に歌詞を変えて完成させたんですけど。前のバージョンは上京して音楽をやることに対して割と不安があって「まだ決めきれてない」っていう感じだったんですが、完成した曲は決意になっていますね。



―決意できたのは何が大きかったんですか?

wata:「そもそもミュージシャンになるために頑張ってみよう」って思った経緯としては、高校1年で「Flash Night」をリリースして、ジャンル別のチャートに入ることができて。その後、地元でライブする機会がなかったので自分で企画して、だんだん動員数が増えていく中で、そういう気持ちが強くなっていきました。でもまだ不安はあって。「After 17」で自分のルーツとなってるロックとヒップホップを良い感じで混ぜ合わせることができて自分のやりたい音楽ができるようになってきたことと、今年の5月に今のレーベルの方に声をかけてもらったことで自信を強く持てたことが大きかったです。

―自主企画の動員数が300人っていうのはすごいですよね。

wata:そうですね。元々山梨には未成年が参加できるヒップホップイベントがほぼなかったので自分が先頭に立って始めたんですが、県外からもゲストを呼んでました。

―「After 17」のようなサウンドデザインの曲を前からやってみたかったという。

wata:そうですね。ギターが印象的なロックな曲にうまくヒップホップの要素を入れたかったんですが、なかなかうまくいかなくて。それまではずっと独学だったんですが、レーベルの方にアドバイスをもらったことで作れました。

―wataさんがフェイバリットに挙げてるSATOHにも通じるサウンドデザインですよね。

wata:そうですね。SATOHはめちゃくちゃ好きでライブにも行ってます。こんなにうまくヒップホップとロックを融合させられて、しかもメジャーデビューしてるのがすごいなと思いました。単純に曲がすごく好きです。

―「After 17」に「今だって悩むことばっかりだし 強がって自分を作ることばかり 弱い所も愛せる それが本当の強さだと気づけたんだ」という歌詞がありますが、なぜ弱いところも愛せるようになったんですか?

wata:高校生になって友達から恋愛の話以外の家庭の話とかを相談される機会が増えていって、「みんな悩みを抱えてるんだな」って思ったんですよね。僕は外から見ると家庭環境に悩みがなさそうに思われてて。でも自分ではやっぱり悩むことがあって、っていうことを曲にしたいと思ったんです。それで「俺も同じ夜を生きてるよ」ってフレーズがあったり。最後のブロックにも「見えてる空はきっと君と同じ」っていう歌詞があって。昔は格闘技をやってたこともあって強さを求めていたところがあったり、小中学生の時は強がって自分の弱さや悩みを人に言い辛くて。でも実際は僕も含めて悩んでる人も多いと思うので。そういう気持ちも込めた曲です。あと、今一緒にいる友達とも高校を卒業したら会う機会が減っちゃうと思うんですけど、環境が変わっても変わらない部分や変えたくない部分があるっていうことも込めました。

―終盤の「もう俺だけのために歌ってないし」っていうラインにはどんな思いを込めたんですか?

wata:初めて言うんですけど、小学校の頃から仲が良くてよくヒップホップのライブに一緒に行ったりラップを一緒にやっていた友達がいたんですが、高校2年生になったくらいの頃に病気で亡くなってしまって。その歌詞はその友達のことを思って書きました。これからもお互いずっと音楽をやっていくのかなって思ってて超大きい存在だったので。普通に友達としても仲良かったし。

─いろいろな決意が込められているんですね。

wata:そうですね。



─一番の一人称は「僕」だったのが二番で「俺」になる流れには理由はあるんですか?

wata:そこまで関係性が深くない人と話す時は「僕」を使うことが多いけど、友達と一緒にいる時は「俺」を使うことが多くて。だから「俺」を使ってるところはさらけ出してる表現ですね。でも2番でも「僕はあの町を忘れ変わりたくない」っていう風に「僕」も使ってます。このパートは広い世界、例えば地元で応援してくれる人たちに届けるために「僕」を使ってます。

―そうやって細かい言い回しも含めて歌詞を書くことにはどんな楽しさがありますか?

wata:いろいろなアーティストの歌を聞く中で歌詞の細かい理解ができると「これこういうことだったんだ。もしかして俺しか気づいてないんじゃね」っていう風に優越感に浸れるんですよね(笑)。そういう歌詞を自分も書きたいと思ってるので、ひとつひとつの歌詞にちゃんと意味を持たせることを意識してます。自分が曲を聞いて思ったこととその歌詞を書いたアーティストの意図を照らし合わせることも好きですね。

―特に歌詞に惹かれるアーティストはいますか?

wata:僕が好きなSHO-SENSEI!!っていうラッパーの歌詞には曲を作り始めた頃、かなり影響を受けました。「望遠鏡」って曲に「君のオレンジと僕のオレンジは違う」っていう歌詞があるんですが、夕暮れを表すために色に置き換えて、その上で同じ色でも何種類もあって、人によって見えてる世界が違うっていうことを表現していることに驚きました。ストレートに歌詞を書くラッパーも多いですが、SHO-SENSEI‼の歌詞はいろいろな意味が含まれてるものが多くて。僕もそういう歌詞を書くことを大事にしています。

―今は高校卒業に向かってる時期だと思いますが曲はたくさん書いているんですか?

wata:受験勉強中なのでそこまでたくさん作れてるわけじゃないですね。これまで作った曲をアレンジしていることが多いです。

―格闘技で輝かしい成績を残していますが、その頃の経験は音楽活動に活きてると思いますか?

wata:自分にしかできないスタイルを生み出すっていう発想は格闘技から学びました。キックボクシングをやる前に総合格闘技と空手と相撲をやってたんですが、それぞれをかなり突き詰めたことで、いろいろな格闘技にそれぞれが活かせるって気付いたんです。音楽もいろいろなジャンルを組み合わせることで自分ならではの曲ができると思うので。格闘技をやってて良かったなって思います。

―目標はありますか?

wata:ロックから音楽に入ってはいるのでロックフェスや大きなライブハウスでライブができるようになりたいですね。音楽を始めた頃からの目標は地元の山梨のSWEET LOVE SHOWERに出ることですね。


<リリース情報>



wata
「After 17」
配信中 
https://linkcloud.mu/f2a74e80

TikTok https://www.tiktok.com/@wata_2006
Instagram https://www.instagram.com/wata_2006/
X https://x.com/official73645

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