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OZworldの圧倒的世界観 体感型のワンマン・ライブで目撃したもの

Rolling Stone Japan / 2024年11月14日 17時30分

「OZworld Zepp ONEMAN LIVE 2024 “UTAGE”」東京公演(Photo by @shota.iwane)

OZworldが11月4日に東京・Zepp Hanedaで開催した「OZworld Zepp ONEMAN LIVE 2024 ”UTAGE”」。12月8日に大阪公演(Zepp Osaka Bayside)を残しているが、自身最大規模となったZeppツアーの東京公演の模様を、音楽ライターの渡辺志保がお届けする。

【写真】「OZworld Zepp ONEMAN LIVE 2024 ”UTAGE”」東京公演(全8枚)

自身最大規模となるZeppツアー。ステージ上の大きなスクリーンにカウントダウンを告げる数字が現れ、沖縄の伝統音楽を掛け合わせたビートと近未来的なアニメーションの映像が流れる。我々のために、OZworldが新たな世界――すなわち、彼が作り上げた仮想世界であるNiLLAND――への扉を開けてくれたような演出だ。オープニングを経て幻想的な雰囲気の中、神々しくステージの上部に現れたOZworldがまず最初に歌うのは「Hey Siri, ヒフミヨイ」。続いて真っ赤なライトとともに「Compflex」へと繋げていく。観客の手が一斉に上がり、「Are You Readay? ZEPP UTAGE!」とシャウトしながらさらに序盤を盛り上げていくOZworld。「乗ってくれよ、この船に」と呼びかけながら「Magarikado Trap」、「She Iz」と初期の楽曲を続けた後に、「ここから一人一人が主人公です。俺にその輝きを見せてくれ」と呼びかけ、Tokyo Young Vision、KUJAとのコラボ楽曲「TOKIOKI」ヘ。ここでこの夜、初めてのゲストらが一斉にステージへと登場し、宴(うたげ)の熱気が一段階上がっていく。そのままKUJAとともに「KARASU Remix」をラップし、「畳 -Tatami-」へと繋げる頃にはオーディエンスからのレスポンスも一段とボリュームが上がり、「Betty Boop」では「3、2、1」の掛け声で全員が一気にジャンプする場面も。

アカペラのラップを挟んでからスタートした「GOD BLESS MAGIC REMIX」では、燃える炎の映像をバックに途中からRed Eyeが加わり、一緒にリミックス・バージョンを披露。ゲストらの登場が続き、観客席も十分に、いや、それ以上に温まってきたころに「Gear 5」へ。世界を代表するヒューマンビートボクサーのSO-SOが加わった「Gear 5 SO-SO REMIX」を披露し、SO-SOの渾身のビートボックスが起爆剤かのように会場は一体感を増していく。そして、ステージ上の世界観が拡張していくかのようにそのまま「Gear 5 ZEPP SP.REMIX」と題したスペシャル版へと展開。ACE COOLとMIYACHIの2名がステージに現れ、 SO-SOのビートボックスと呼応しながら、それぞれの持ち味を活かしたマイクパスを広げていく。その後、OZworldはステージから一度去るも、幕間のスクリーンには、Hayabusa_Digitalize(隼)による3DCGの映像が流れ、沖縄の天描画家である大城清太氏が描いた「円祇寵・エンキル」を元に作り出された映像が大きく映し出される。


Photo by @shota.iwane

レイヴのような高揚感と幻想的な雰囲気を演出した後、再度、新曲「UTAGE3.0」と共に登場したOZworld。彼が出現したのは、なんと客席のフロア中心に組まれた小さなステージの上。四方をオーディエンスに囲まれながらパフォーマンスする様子は、まるで盆踊りの祭場に建てられた櫓(やぐら)の上に立つ首長のよう。櫓の上に立ったまま、さらなる新曲「弥栄LIT」ヘ。コール&レスポンスも極上の盛り上がりで、OZworldが主宰する宴は止まることを知らない。熱気をコントロールするかのように、海底を思わせるチルな雰囲気の映像&照明と共に、ステージ上にはPETZが登場して「GO」を歌う。その後、「自分が10代の時に書いた曲」と前置きし、自身のスピリチュアルな体験や極限の状態で感じたことを語りつつ「今も苦しい思いをしている人がいるのかもしれない。自分ができることって何なんだろう」とその時の思いを共有しながら、沖縄の最北端に位置する奥集落に強くインスパイアされたという「OKU」へ。OZworldならではの神秘的なオーラが会場を包む。「地球Final」、「龍 -RAW-」を続けて歌い、より深くOZworldのスピリットに触れることができるかのような高揚感をもたらした。「これがワンマンってやつか」とMCを再開し、改めて自己紹介を挟みながらルーツである沖縄への想いを語る。「(自分が)沖縄に帰れないから、沖縄に来てもらった」と呼び込んでステージに加わったのは、沖縄の伝統を独自の形で継承する唄者のKUNIKO。彼女の三線と歌声に招かれるようにしてRITTOが加わる。穏やかな熱気を帯びながら「Shonganee」へ。次いで「あさがたのミートパスタ教」、「Peter Son」と再び1stアルバムからの代表曲を続けて披露していく。


Photo by @shota.iwane


Photo by @shota.iwane



スピリットが宿るかのような壮大な瞬間

約3000人の観客を巻き込んだ宴もいよいよ終盤に。さらにギアを上げていく合図かのように「WAVEBODY」のイントロが流れ、JP THE WAVYがステージへ飛び込むようにして合流し、圧巻の存在感を放つ。そして、アカペラで前振りした後、海を跨いで完成した「WOKE UP REMIX」のヴァースをキック。客席の興奮度はまだまだ上がっていく中、すかさず「RASEN IN OKINAWA」のイントロが響き、さらなる歓声と共に沖縄出身のクイーン、Awichが登場。そこに唾奇が加わり、OZworldの番を経て、オーディエンスを煽るようにCHICO CARLITOも登場。改めて、沖縄が誇るラッパー4名が集結してZepp Hanedaの空気を一瞬にして最高潮まで盛り上げた。「沖縄は然るべき絆で繋がっている島。言霊を紡いで継承していく」とMCを添えて、Awichと唾奇との「MIKOTO -SUN NO KUNI-」をパフォームし、まるでステージ上に沖縄の、そしてOZworldら三名のスピリットが宿るかのような壮大な瞬間を演出した。そしてクライマックスに向けて突っ走るかのように歌うのは唾奇との「NINOKUNI」。唾奇も「最後、みんなで歌いますか!」と呼びかけ、客席にはピースな一体感が宿る。満面の笑顔を浮かべたOZworldは最後、「まじで音楽やっててよかった。みんなも、誰にも負けない武器がある。本当に今日はありがとうございました」と締めの挨拶をし、最後の「色違いポケモン」へ。途中、ライブDJであるDJ KFIVEのバースデーを祝う場面もあり、感動と余韻を残してワンマン・ライブの幕が閉じた。


Photo by @shota.iwane


Photo by @shota.iwane

オーディエンスとアーティストらが共鳴したパフォーマンスからは、OZworldの圧倒的な成長を感じさせられた。綿密に創造された世界観と精神性にどっぷりと浸かることができた、まさに体感型のワンマン・ライブだった。


Photo by @shota.iwane

OZworld Zepp ONEMAN LIVE 2024 ”UTAGE”
2024年12月8日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
Feat. Guest
ACE COOL
AI
Awich
CHICO CARLITO
KUNIKO
MIYACHI
Red Eye
RITTO
SO-SO
柊人
唾奇
ゆるふわギャング

https://eplus.jp/sf/detail/4015280001?P6=001&P1=0402&P59=1

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