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Aile The Shotaが作品とともに語る、デビューから3年間の軌跡、音楽性の追求

Rolling Stone Japan / 2024年11月20日 12時0分

Aile The Shota(Photo by Satoshi Hata)

1stアルバム『REAL POP』完成を記念して、Aile The Shotaを大特集。1st EP『AINNOCENCE』から5th EP『omen』、そして『REAL POP』に至るまでの軌跡を辿る。

【写真】Aile The Shota

BE:FIRSTを輩出したオーディション『THE FIRST』に参加し、2022年1月よりソロアーティストとして活躍する、Aile The Shota。好奇心旺盛で、好きなこともやりたいこともたくさんあって、しかもどのシーンにいる人からも求められれば最大限の愛とクリエイティブで応えられる彼は、この3年間、さまざまなトライを積み重ねて「Aile The Shotaが一番大事にしたいアーティスト性とは何か」を探し続けていた。その中で辿り着いた答えが、『REAL POP』「本質的で大衆的である」ということ。「リアル」「本質的」という言葉は、強く鋭く聞こえるが、抽象的でもあり、受け取り手によって印象が異なると思う。だからこそこのインタビューでは、Aile The Shotaが思う「REAL」とは何か、しっかりと言葉にしてもらった。Aile The Shotaの深い歌が、あなたの人生のそばにあることを願って。

―『REAL POP』はデビューからの3年間の集大成であり、Aile The Shotaとして大切にしたいことを見極めて、アーティスト性を磨いてきた先でできあがった作品だと思っていて。

間違いないです。

―このアルバムからAile The Shotaを知る人もいると思うから、これまでの5枚のEPを振り返りながら、ここまでどういうトライを重ねてきたのか、どういう歩みを経てきたのかを今日は語ってもらおうと思っています。まず1st EP『AINNOCENCE』(2022年1月リリース)の時は、どういった自分で、どんな音楽を作っていたと思いますか。

タイトルに「イノセンス」という言葉を入れるくらいのマインドで、本当に好きな曲を作ったということに尽きると思います。その中で、ShinSakiuraくん、hokutoくんとか、いわゆる日本のヒップホップ、R&Bシーンで活躍している憧れの人たちとセッションして。ロゴが誕生したのもこの時で、ヘアメイクのクジ(メグミ)さん、写真のハタ(サトシ)さんとかも当時からずっとやってくれているし、プロジェクトのクリエイティブにおけるすべてのきっかけがここで、間違いないスタートを切れたなと思います。というか、これしかなかった。「AURORA TOKIO」(デビュー曲)のDメロでやっているようなメロディの作り方とか、「Like This」みたいに死生観を歌いながら本質的なR&Bをやっていることとか、Aile The Shotaの「REAL POP」の「REAL」を証明するための1作目だったなと思います。「AURORA TOKIO」がずっと愛される曲になっていることも嬉しいです。





―たしかに、『AINNOCENCE』でやっていたことが一周回って太くなったのが『REAL POP』である、という言い方もできるかもしれないですね。

『omen』(5th EP)を経て、『AINNOCENCE』の時の感覚に立ち返ってる感じもありますね。「特別」と「愛のプラネット」には通ずるものがあるし、「AURORA TOKIO」と「踊りませんか?」や「さよならシティライト」にも親和性があるから。

―1stの半年後に出した2nd EP『IMA』(2022年7月リリース)は、どういうモードで、どういうことにトライした作品だといえるでしょうか。

『IMA』はフラストレーションが強かった時期なので、もう大尖り(笑)。でも必要な尖りだったと思うんですよ。『AINNOCENCE』に比べて、Aile The Shotaというものも、Aile The Shotaに飛んでくるものも見えてきた時期で。「音楽ファースト」な見られ方ではなくなっていく感覚とか、俺からしたら「それは違う」と思うことを受けすぎていた。今思うとそれはSNSを見すぎていたせいで、ファンのことをちゃんとわかってなかったんですけど。その時のトゲが「IMA」という楽曲に全部表れていると思います。”誰かの腹を満たす 正しさは求めてない”って、なかなか言えない表現ですよね。でもその気持ちはまったく変わってなくて、トゲもいまだにバチバチにある。そういった中で、「常懐」「so so good」とか、Aile The Shotaの「POP」な部分を説明するために欠かせない要素も着実に増やしていけた作品だと思います。



―今思うと、実際に心ない言葉がたくさん自分に飛んできていたのか、それともネガな言葉ばかりに自分の意識が持っていかれちゃっていたのか、どっちだったと思いますか。

それ(後者)も絶対にあったと思います。ポジティブな100よりネガティブの1が見える感覚にはなっちゃっていたし。でもそこで自分の媚びない、甘えない、迎合しない姿勢を形成できたから、必要だったのだと思います。当時から音楽ファーストで曲を聴いてくれている方は、今も変わらずリスナーでいてくれているだろうし、「IMA」も曲として相変わらず好きで。「IMA」から始まるライブが一番調子いいのは間違いなくて。ずっと救われてる曲ですね。やっぱりこれも「REAL POP」の「REAL」を形成するために欠かせないものだったと思います。

―そのたった4カ月後に、3rd EP『LOVEGO』(2022年11月リリース)を出しているんですよね。

1年で3枚、気狂ってますよ(笑)。でもそうしないといけなかったと思うんですよね。ワンマンライブも急いでたし(2023年7月に初ワンマンツアーを開催)、この事務所で、Aile The Shotaという前例がない動きを1人で見つけ出さなきゃいけない時に、クリエイティブをして、それを世に出して、ということが絶対に必要だったから。『LOVEGO』は人として、Aile The Shotaとして、愛とエゴについて考えることができて、大事な気づきを得た作品だったと思います。「LOVE」という曲はまさに「自分はこうありたい」を説明する一曲ですよね。



―そうですよね。『REAL POP』を聴いて、この作品やAile The Shotaのテーマを一言で表すなら「愛と踊り」だなと思ったんです。「愛を歌う」というアーティシズムを濃くしたのが、このEPでしたよね。

うん、間違いないですね。Aile The Shotaという名前に「愛」が入っているので、絶対に怠らずに向き合い続けたいものが愛だと思います。そう思うと、『LOVEGO』は大事ですよね。

―サウンド面でいうと、「DEEP」でA.G.Oさんと一緒にタイトル通りディープなトラックの制作にトライできて、しかもそれがライブで大盛り上がりするくらいリスナーに受け入れられたことが、その後の「Pandora」や『omen』につながっているのかなと。

そうですね、たしかに。EPを出すごとに新しいアプローチの引き出しを開けなきゃいけなかったんですけど、「DEEP」は当時の僕の持っていた手札では太刀打ちできないくらいのトラックで。「DEEP」、結構エグいことやってるんだよなあ。「いつ大衆が気づくかな?」っていうくらいのエグいことをやってるから。他にもまだ気づかれていない、Aile The Shotaのヤバい部分は絶対にあると思います。それこそ「FANCITY feat. Soulflex」のラスサビ前のパートとか、ヤバいフロウで。気づいてほしいですよね(笑)。





EP4部作は、僕の中で「REAL」との向き合い方に納得するために必要だったもの

―そして4th EP『Epilogue』(2023年12月リリース)。J-POPSTARというAile The Shotaの目指す像を説明する大事な言葉が生まれた「J-POPSTAR」や、初のアニメ主題歌「No Frontier」が入っている一枚です。

もともと4部作にすることを決めていて、『Epilogue』を作っている時は序章を終わらせるものになると思ってたから、僕の中で一個答えを出さなきゃいけないタイミングで。この制作中の2023年夏に「踊りませんか?」ができたんですけど、これは第1章を始めるための曲にしようと思ったんですよね。『Epilogue』では、カルチャーを牽引するVLOTのトラックであえて「J-POPSTAR」と歌う姿勢とか、「Epilogue」で音楽で誰かの人生を救うことへの覚悟を見せることができたし、ポップシーンを牽引してるRyosuke "Dr.R" Sakaiさんと「No Frontier」を作れて、しかも「Pandora」みたいな武器を自分の中に入れることができて。「Pandora」は結局、ライブにおいてとんでもない武器になってると思います。「No Frontier」は今、ライブで封印してるんですよね。





―それはなんでですか?

あれはフルバンドでやりたくて。俺の中で、あの曲は規模がデカいんですよね。めっちゃ気に入ってるからこそ、フルポテンシャルでフロアに届けたいという気持ちがあります。

―うわあ、なるほど。それは楽しみです。

EP4部作は、僕の中で「REAL」との向き合い方に納得するために必要だったもので、なんなら「REAL」であることに執着してきた3年間だったなと思います。その途中の「踊りませんか?」の制作中に、Chaki(Zulu)さんからAile The Shotaが向ける矢印は「POP」であるということに気づかされて。

―Chakiさんから「ポップができる人はポップをやろう」という言葉をもらって。

「ポップになった上でのアンダーグラウンドシーンへのアプローチがいいと思う」という話とかも、腑に落ちた。だからこういうアルバムを作れるようになったきっかけは、確実に「踊りませんか?」ですね。

―そしてアルバムにいく前に、5th EP『omen』(2024年4月リリース)が入ります。オーガナイズイベント『PANDORA』に向けて出した作品ですけど、結果的に、アルバムに入る「NEBULA」とか大事な曲も生まれていて。

Maddy Somaと曲(「new blood」)を作るとか、「hungover feat. Kenya Fujita」みたいなR&Bの側面を見せることとか、よりカルチャーっぽいことをやれたEPで。”eggman”(Aile The Shotaの原点の場所)と歌ったり、どのシーンにいたのか、何を「本質的」と言ってるのか、自分の「REAL」の説明は『omen』がしてくれているなと思います。それに向き合いながらも、「NEBULA」みたいな曲ができてしまった。今後の自分の説明とか、”変わらないため 変わっていく”という姿勢とか、BMSGやSKY-HI、BE:FIRSTへの矢印とかは全部「NEBULA」に込めています。一番「REAL」なEPは『omen』かもしれない。これは今後また新たに動くもののきっかけになると思います。





―何か企んでますか……?

『REAL POP』を出したあと、Aile The Shotaとしての活動と、オーガナイザーとしての動き(来年1月開催『D.U.N.K. Showcase』の一部もオーガナイザーとして関わることを発表)と、ダンスクルーのプロデューサーと……まだ解禁してない、一番デカい側面があるんですけど(笑)。改めて、自分のいろんな側面を説明するための5枚だったなと思います。5枚作ったから「Aile The Shotaとは、本質的で大衆的である」「それが『REAL POP』だ」という説明ができるようになりました。『REAL POP』は、名刺みたいなタイトルですね。一言で説明できるものができたので、今めっちゃ楽です。

―ここまでしっかり語ってくれた上で、さらに言葉にしてもらいたいなと思うんですけど、Aile The Shotaにとって「REAL」「本質的」とは何なのか、これを読んでる人に伝えるならなんて言いますか?

大衆に媚びない。自分自身が好きな自分でいることを怠らない。深いところまで掘り下げることを怠らない。迎合しない。「求められているから」というきっかけで物事を作らない。理由や意義に向き合い続ける。踊りのひとつをとっても「このダンスはどこからきたのか」とかを知ることを怠らない。本当、いろんな意味があるんですけど、あえて説明をつけるとそういうことかな。具体的に言うなら、「踊りませんか?」を、「ポップソングだからドラムを軽くしましょう」ではなく、あのキックの鳴りでこそ踊れると思ってるから、その音像のまま大衆的なメロディを乗せる、とか。もともと俺は大衆的なメロディをポップだと思って育ってきているから、自分が好きな「大衆的」をやり続ければいいということに気づいたんですよね。だから結局「本質的で大衆的である」ということは、好きなことを純度100でやるだけなんだと思います。

―つまり「REAL POP」の「REAL」には、自分の人生に嘘をつかないという意味での「リアル」もある、というふうにも言えますか?

そう。「REAL」の中には2個意味があって、「本質的」と「嘘がない」。嘘、つきたくないんですよねえ。嫌いなものを好きって言えないタイプ(笑)。

―「REALなPOP」って、大胆なワードだなとも思ったんです。ポップスを「本物」「偽物」と呼ぶのか、みたいなふうにも捉えられちゃうじゃないですか。

他を「フェイク」としているのではなくて。俺の中で大事なのが「REAL」でいることだから。でもなんなら「これがREALなPOPだぞ」って言いたい気持ちもあるんですけど(笑)。

―もちろん、アーティストとして作品を出す上でその自信も確信も大事だから。

ポップなメロディというものは深いし、まだまだ到達できてないと思う。もっといいメロディは絶対にあると思いながら、でも出だしとしては満足です、という感じかな。


Photo by Satoshi Hata



DREAMS COME TRUE「空を読む」を歌う理由

―『REAL POP』の11曲の中で、今Shotaさんが作りたいポップスの最高到達点は?

うわあ! 角度にもよるんですけど、リリックの面で一番「REAL POP」なのは「Foolish」。超等身大の歌詞で、どこまでも自分のことなんだけど、大衆も「わかる」という感覚だと思うんですよ。これは大学の友達と飲んでる日に書いて、次の日に1日でばーっと作った曲なので、Aile The Shotaになる前の大学生の時の僕の感覚とかも入ってて、すごく「REAL」で「POP」だなって思う。メロディでいうと……「踊りませんか?」なのかもしれない……「Memoria」も…‥いや、全部かも。







―「愛のプラネット feat. dawgss」も「REAL POP」を象徴してますよね。大きなテーマを歌ってるけど、その中でShotaさんがいつも考えているようなことがぽろっと出てるような感じもあって、しかもそれがキャッチーにまとまっているのがすごくいいなと思いました。

メロディの作り方はわかりやすさを意識しましたね。奏ちゃん(dawgss・森光奏太)と、みんなで歌えるようにしたいよねって。歌詞は、「REAL POP」なアーティストでいる中で忘れたくない意義や意思だと思っていて。俺はちゃんと「戦争反対」や「世界平和」を言いたいし、それを音楽の中でしっかり表現したい。それは影響力を持った人として言わなくてはいけないことのひとつだと思うんです。これも等身大だし、みんなにとっての等身大でもあると思います。



―さっき言ってくれた「Memoria」は、めちゃくちゃ反響が大きい気がしてるけれども、実際はどうですか?(『BMSG FES24』のユニット・BMSG MARINE名義でリリース。アルバムにはセルフカバーを収録)。

めっちゃくちゃ反響大きいですよ。びっくりしましたもん!



―この曲からは、どういった手応えや自信をもらいましたか?

いい曲だと言われることが、超嬉しくて。というのも、トップラインでLOARくんが入ってくれてはいるんですけど、いつもと同じ感覚で作った曲だから。自分がいいと思う曲と、大衆がいいと思う曲は近いんだなと思えたし、リアルなままでポップスを作れる人間なんだと思いました。あとはプロデューサーとしての自分の強みに、どうしてもめちゃくちゃ気づかされて。BE:FIRST「Genesis」もそうだけど、プロデュースする相手を「REAL POP」にできるなと。ダサいことは絶対にさせない。プロデューサーとしての武器も見つけられた気がします。「この人のためのフロウを書こう」とかは、自分のクリエイティブの中では使わない引き出しを使う作業だったりもして、単純に勉強にもなりましたね。Aile The Shotaが3つのユニットのひとつをやって、メロディに全振りするなら、今年の『BMSG FES』で一番いい曲じゃなきゃいけないとは思ってました(笑)。

―そのセルフカバーを入れようと思った理由は?

作った時から決めてました。理由は、めっちゃいい曲だから(笑)。もっと聴いてほしい曲だとも思ったし。「Memoria」で気づかされたのは、大切な仲間に対して全振りで頑張った時の見返りの量。無償の愛というか。それにすごく感動したんですよね。多分、それが僕の人生なんだと思います。



―DREAMS COME TRUE「空を読む」のカバーは、どういう想いから選曲したものですか?

カバーアルバムとか、J-POPシーンにおけるカバーカルチャーは好きで、影響を受けているので、Aile The ShotaとしてJ-POPのカバーはやりたいなと思った中で、自分が最初にカバーをするならドリカムだと考えていました。ドリカムは、音楽を好きになる前から母親の影響で身体に流れていて、クリエイティブをすればするほど、意識的にドリカムのいろんな曲を聴けば聴くほど、影響を受けていることに気づかされます。しかもドリカムと同じステージに立ったり近い経験をさせてもらったりする中で、よりすごさがわかって、憧れの解像度も上がっていて。好きな曲もカバーしたい曲もいっぱいある中で、Aile The Shotaとして今歌ってしっくりくるものを選びました。最初に浮かんだのが「空を読む」で、本当に色々改めて聴いた上で、結局これになりましたね。でもまだまだ歌いたい曲はめっちゃある。”どうして人は空を 見上げるんだろう?”というフレーズはずっと自分の中に残ってるもので、自分の心に一番近かったのが「空を読む」だったんですよね。



―中村正人さんのこのコメントを受け取った時は、どう思いました?(コメントの内容「Shotaがカバーしてくれてとても嬉しいです。アルバムの完成を心待ちにしています。陰ながらずっと応援しています」)

いやめっちゃ嬉しかったです。泣いたっす。親がめっちゃ泣いてました。一生頑張りたいし、もっと夢見たいですね。ドームで『DREAMS COME TRUE WONDERLAND』を見に行かせてもらって、僕が憧れたポップアーティストの姿を見て……やっぱり目指したくなっちゃうんですよねえ。

―ドリカムに憧れるのは、一言で言ってしまえば、まさに「本質的であり大衆的である」というところですか?

そうです。(吉田)美和さんは踊りまでめちゃくちゃ上手いので。「振付がいい」「キレがいい」とかじゃなくて、さらにその奥の上手さというか。僕はちっちゃい頃からドリカムが連れてきてくれているカルチャーな部分に触れて、J-POPの中で洋楽のリズム感とかを補っていたんだなとあとから思いました。そういうところも含めて、一生憧れですね。

―しかもこの曲のShotaさんの歌、めちゃくちゃいいですよね。

唯一、コーラスを一本も入れてないので。歌への憧れの原点に対するリスペクトがあるから、ストイックにボーカリストとしての側面を出そうと思いました。アレンジは「好きにしていいよ」と言っていただいて、コーラスワークの武器を使うことも浮かんだんですけど、それこそ日髙さん(SKY-HI)にも「どうですかね?」ってアドバイスもらいながら何段階もアップデートしていく中で、HiromuのピアノとLo-Fiなビートの上でボーカルは一本だけにしました。

―2025年3月の『Aile The Shota Oneman Live 2025 at 東京ガーデンシアター』に向けては、今どんな想いがありますか?

もう全部やりますよ、という姿勢です。「REAL POP」というものを自分の中で確立して、音楽的アーカイブも揃って、プロップスもある程度整っているからこそ、今やれることを全部やったとて、燃え尽きてしまうことは何もないと思えているので。本質的で大衆的なライブになると思います。音楽ファーストなライブにはしたいですよね。エモーショナルな瞬間はあると思うけど、そこが主役じゃなくて、「あそこのライブ、めっちゃいいよ」って言われて、なんでいいかというと「曲がいいから」っていうだけのものをやりたいです。それが「外に広がっていくこと」だと思うから。

―本質的で大衆的なアーティストのライブって、その人のストーリーを知ってなくとも、そんなに曲の予習をしてなくても、そこに行けば楽しめるというものだったりするから。

そう、そういうものにしたいですよね。知りたいと思ったら知ってもらって、そうしたらもっと楽しくなると思うし。

―最後に、デビュー時のインタビューで言ってくれていた言葉を2つ持ってきたんですけど……。

うわ、やばい! なんて言ったんだろう(笑)。

―「いい歌詞を書き続けられるように、いい日常を送り続けたい」。それは、この3年間できていたと思いますか?

うわやばいな、そう言ってるの(笑)。今またそこに帰れてる気がします。やっぱり日常が非日常になっちゃった3年間だし、今まで通り友達に会えてるかというとそうじゃないし、失ったものももちろん多いし。だからこそ心がけたくて、「Foolish」みたいな洗練された日常のものを大事にしたい。「いい歌詞を書き続けられるように、いい日常を送り続けたい」、たしかにこれは改めて掲げようと思います(笑)。

―もう一個は、「自分が好きな自分で居続けたい」「僕自身がAile The Shotaのファンでいたい」。

それはもう、変わらず。そこが「本質的」の部分だと思うので。……うわあ、それ、どっちも大事ですね。俺、霊感はないんですけど、気がいいか悪いかはわかって、今はめちゃくちゃ気がいいんですよね。ここ(BMSGの自社ビル)ができたこともデカいかも。身近にある大切なものがさらに近くなるのが、このビルなので。BMSGの仲間は、本当に求めていた存在だなと思います。志が同じだけど家族みたいな仲間って、なかなか出会えないじゃないですか。だからBMSG、すごいですよね。今年の『BMSG FES』のステージでハートマーク作った時、びっくりしたでしょ? あれって、素なんですよ。友達の前でふざけてやる感覚。それを今までは「ハートをやったらアイドルと思われるかも」みたいな邪念があった。そうやって気にしすぎていた部分を気にしなくなるほど、何が大事かをわかってきた気がします。


Photo by Satoshi Hata

<INFORMATION>


『REAL POP』
Aile The Shota
Bullmoose Records
発売中

配信リンク:
https://orcd.co/ats_realpop

01. 踊りませんか? (Prod. Chaki ulu)
02. Eternity (Prod. aka Perry)
03. sweet
04. さよならシティライト (Prod. Chaki ulu)
05. Foolish (Prod. aka Perry)
06. umeiro (Prod. hin akiura)
07. FANCI feat. oulflex (Prod. oulflex)
08. 愛のプラネット feat. dawgss
09. 空を読む
10. Memoria -self cover-
(Prod. Aile he hota, MONJOE, LOA, Hiromu)
11. NEBLA (Prod. LO)

Aile The Shota Oneman Live 2025 at 東京ガーデンシアター

2025年3月16日(日) OPEN 16:00 / START 17:00
会場:東京・ガーデンシアター

【チケット種別・料金】
<sold out>VIP指定席:33,000(税込) ※Aile The Shota fanclub、B-Town Architect会員優先予約
<sold out>SS指定席:¥11,000(税込)
S指定席:¥8,800(税込)
※座席指定
※小学生以上有料、未就学児入場不可

【REAL POP先行受付】
受付期間:11/18(月) 12:00 ~ 12/2(月) 23:59
入金期間:12/6(金) 13:00 〜 12/9(月) 21:00
お申し込みはこちら:https://eplus.jp/ailetheshota-0316/

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