imase、jo0ji、なとりが語る、いまアーティストが果たすべき役割とは?
Rolling Stone Japan / 2024年12月24日 20時0分
imase、jo0ji、なとりが、明日12月25日(水)発売の「Rolling Stone Japan vol.29」で表紙を飾る。2020年代前半に巻き起こった変革を象徴する存在であり、この先も大衆の心とアーティストの在り方をリードする存在として、imase、jo0ji、なとりという3人のソロアーティストたちをピックアップした。3人には、Rolling Stone Japanがサポートする3マンイベント『Juice』に出演してもらうことも決定している(2025年2月11日大阪・Zepp Namba、2月16日東京・Zepp Haneda)。現在、チケット先行「Rolling Stone Japan最終先着先行受付」を実施中(1月5日23:59まで/なくなり次第終了)。
【画像を見る】imase×jo0ji×なとり、Rolling Stone Japan次号の表紙ビジュアル
※この記事は2024年12月25日発売の『Rolling Stone Japan vol.29』に掲載されているものの一部です。
2020sに刻む、三者のアイデンティティ
「正しさの暴力」と「ウケるもの」が溢れる時代に
アーティストとしての役割を果たす
imase、なとり、jo0ji。それぞれ自身の音楽を初めてネットにアップしたのは2021年。2021年5月3日、imaseはオリジナル曲の断片をTikTokに投稿し、それを見たなとりは、5月15日にTikTok初投稿を行った。住んでいる場所も違う、リアルでは会ったことのない二人だったが、SNSでフォローしあったことがきっかけでTikTok LIVEを一緒に行うようになる。2021年6月、その時の視聴者数は1桁だった。そして2022年8月、jo0jiは友人に向けて書いた曲「不屈に花」のミュージックビデオをYouTubeに公開。それを見たimaseはjo0jiのSNSをフォローし、すぐにDMのやり取りが始まった。
2023年末、Rolling Stone Japanにてimase&なとり対談を行い、「同世代」や「音楽シーンのトレンド」について語ってもらう中で、imaseから「jo0jiをなとりに紹介するよ」という話が挙がった。その後2024年の春、三人で焼肉を食べにいったことから仲を深め、楽曲「メトロシティ」を作り上げるにまで至った。
コロナ禍に入ってSNSの影響力が急速に肥大化し、音楽を届け方やリスナーの視聴環境にも変革が起きた時代に登場したのが、この三人である。
アーティストにとっては、機材さえ手に入れられれば誰もが自室で曲を作ることができて、インターネットの中で自分という存在を世間に見つけてもらえるようになった。突然、海を越えたところでたくさん聴かれることだってある。可能性が広がった時代ともいえるが、情報もコンテンツも洪水状態で、その取捨選択には感性と知性が問われるし、個性の競争は激化している。さらにライブハウスでの下積みを飛ばしていきなり大きなステージに立つこととなり(それぞれ初のワンマンライブの会場は、imaseが渋谷WWW、なとりがZepp Shinjuku、jo0jiが渋谷WWW X)、コロナ禍が明けてからは「現場」の影響力も無視はできず、いきなりライブ力が試される。そんな「可能性」と「厳しさ」の荒波を乗りこなし、今下の世代からも憧れの眼差しを向けられているのが、imase、jo0ji、なとりだ。
音楽を取り巻く環境の変化は当然クリエイティブにも影響を与えている。複数のジャンルやトレンドを混ぜた音楽が国内外に届くポップミュージックとしての力を持つようになり、日本語の歌い方にも様々な正解が生まれている最中だ。imase、jo0ji、なとりも、それぞれのベクトルでクリエイティブのトライを重ねている。
SNSをライフラインとして利用する世代は、SNSの功罪もよく理解している。アルゴリズムの影響で「おすすめ」に流れる音楽が一辺倒になってしまう時代に、「アーティスト」という役割を与えられた人間は何をすべきか。SNSで広がる「正しさの暴力」によって世間の空気や人々の価値観が変化する中で、表現者として音楽を通して伝えられることは何か。そういったところまで、imase、jo0ji、なとりに語り合ってもらった。
「今」のポップス
互いの個性を分析する
ー2020sも半ばですが、国内チャート上位の楽曲も、世界で聴かれる音楽も、以前よりかなり幅が広がっていて、「ポップス多様化の時代」と言えると思います。実際三人もポップスを作っている意識があると思うんですけど、ルーツも、目指している「ポップス」の中身も、異なっていると思っていて。まずは互いの印象や、それぞれの自分にはない部分について聞かせてもらえますか。
jo0ji 俺から言う? まずimaseはサビがいい。
なとり うん! わかります。
jo0ji ちゃんとわかりやすい。いいわかりやすさがある。俺はどちらかというと、ちょっと難解にいく癖があると思うから、振り切れるのは強いなと思う。それでいて、ちゃんと「普通」ではないというか、退屈なものではないのがすごくいいなと思います。
imase ありがたい!
jo0ji なとりは、中毒性のある言葉選びができる。
imase わかる。
jo0ji この中ではなとりが一番、リリックの中のパンチラインが強いと思う。
なとり 私の印象はね、imaseくんはR&B、ヒップホップとか、グルーヴ強めの音楽を聴いてきた人じゃない? それをポップスとして表現しているのがimaseくんだよなと思う。それをわかりやすく、小気味いいものにできてるのは、今のポップス界にimaseくんしかいないと俺は思う。
imase それは言い過ぎだよ!(笑)
なとり 本当に本当に。わりとグルーヴ重視じゃない? だから心を疲れさせずに聴ける小気味よさがimaseくんの強みだと思ってますね。
imase ありがとうございます。
なとり jo0jiに関しては、俺は歌詞がすごく好き。文学的ではあるんだけど、ちゃんと人にしゃべってる感じがある。それを俺はどうしてもできないからすごいなと思う。ライブパフォーマンスでもそれを感じた。話しかける感じはjo0jiにしかないものだなって思います。
jo0ji ありがとうございます。照れるなあ、これ(笑)。
imase 今この時代に昭和歌謡感のあるメロディと雰囲気と声質はjo0jiの他にいないと思うし、ちゃんとそこにルーツがあって、それを上手くポップスにしてるのがえげつないなと思う。メロに対して言葉の置き方が独特で、語りかけてる感じですごく伝わってくる。ライブを観た時も、聴いてる人がすごく救われてる感じがあるなと思った。
jo0ji ありがとうございます。
imase なとりはまず抜群に声がいい。曲の振り幅もすごい。「IN_MY_HEAD」みたいに、あそこまでロックに振り切ることもできるし。あと、メロの譜割りが細かかったりするじゃん? でもちゃんと言葉が入ってきやすい置き方で。「その文字の並べ方で、ちゃんと入ってくるんだ」っていう、面白い言葉の作り方をしてるなと思う。というのと、やっぱり圧倒的にメロが強い。メロセンスがあるし、なとり節もちゃんと感じさせるし。「なとりっぽい」と言わせちゃうくらい、唯一無二の圧倒的な武器があるなと感じます。
jo0ji たしかに。
なとり ありがとうございます、嬉しい。照れますなあ(笑)。
Photo = SEIYA FUJII (W)
Illustration = Odori
Prop = KURONO (klone)
Styling = Riku Oshima(imase)、Kan Fuchigami(jo0ji)、Taiki Mishima(natori)
Hair & Make-up = Daisuke Mukai(imase)、Go Takakusagi(jo0ji)、Miku Shigeyama(natori)
三人の視点で語る
お互いのライブの魅力
ーこの秋はそれぞれツアーを開催し、互いのライブを観にいったり、お花を贈り合ったりしていましたよね。ライブの作り方も三者三様だと思うんですけど、互いのライブに対してはどんな印象を持っていますか?
《中略》
『Juice』への意気込み
カバー、コラボの構想
ーそんな三人が初めて同じステージに立つ『Juice』に対する想いを聞かせてください。
jo0ji 3マンという形で、仲良しで好きな二人とやれるのは本当に楽しみだし、心強いし。いっつも緊張してしまうんですけど、この二人と一緒にやるってなったら、あまり緊張もせず、心置きなく楽しくやれそうな気がします。自分の中でも、また新しい何かが開くライブになりそうです。
imase いい刺激になりそうだよね。
jo0ji 俺らも楽しみだし、観に来ていただく人も楽しみに待っていていただけると。きっと楽しい時間が過ごせると思います。
imase 『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024』で初めてなとりのステージに出た時、めっちゃ楽しかったもん。
なとり 超楽しかった。
imase しかも今回は3マンという空間だからより楽しくできるし、「楽しい」はやっぱりお客さんにも絶対に伝わって連動すると思うから。一緒に盛り上がって、いいライブができたらなって思います。
なとり ずっと言ってるように二人とも尊敬しているアーティストなので、この二人のライブを観られること自体嬉しいんですけど、この二人と一緒にライブができるのは貴重な機会だし、もしかしたら5年後とかには東京ドームじゃないとできないかもしれないし。だから今のうちにZeppで見ていてください!という気持ちです。
ーいずれ『Juice』を幕張メッセとかでやれたらなという夢を膨らませてます。
imase ああ、いいですね!
なとり やりたい! 幕張行こ。
jo0ji 大きくしていけたらいいですね。
imase いい企画ですもんね。1回で終わらせずに大きくしましょう。
ー今回、どんなことをやりましょうか? SNSで募集した「#imasejo0jiなとり質問」の中には、「コラボ」はもちろん、「お互いの曲のカバー」を求めるコメントがめちゃくちゃ多かったですよ。
なとり 二人の曲をカバーして、三人で一緒に曲をやるっていうのが夢ですね。
imase お互いのカバー、面白そう。何の曲をカバーするかは、ここ(三人)同士でも秘密にしておきたい! 本人へのサプライズも含めてやりたいね。めっちゃ楽しみなんだけど。
なとり めっちゃ面白そうだよね。こういう名目がないと歌うことがないから。jo0jiがimaseくんの曲を歌ってるところ、あんまり想像できない。
imase たしかに(笑)。
jo0ji 俺の曲を二人が歌ってるのも想像できないね(笑)。
imase みんな自分の声に合った曲を作ってるから。
なとり そうそう。
ーカバーする曲は、「#imasejo0jiなとり質問」(P.30)で答えてくれたお互いの好きな1曲とはまた違うものを選ぶ可能性もある?
jo0ji そうですね。
imase 「ああそれやるよな」って思われるものは避けたいですね。「あ、その曲やるんだ!」みたいになってほしい。
なとり 好きな曲、どっちもムズイんだよなあ。
imase jo0jiが俺の「Happy Order?」歌ったらめっちゃ面白いな。
jo0ji たしかに(笑)。
なとり はははは!(笑) 聴いてみたいけどね。
imase 「逃避行」とかはjo0jiが歌うといい気がして。普通に合いそう。
なとり たしかに、合いそう。
imase でも逆に「それやんの?」みたいなのが面白いと思う。
なとり 「メトロシティ」をjo0jiがソロで歌うとか(笑)。
imase 面白い(笑)。
jo0ji それはみんなでコラボできたらいいよね。
imase 三人でカバーもしたいねって話してたんだよね。こないだjo0jiとご飯行った時にめっちゃいい案が出て。なとりに言おうと思ってた。
なとり なになに?
jo0ji 「今夜はブギー・バック」。
なとり ああいいねえ! 楽しそう! 煽れるしね。
imase そうそう。めっちゃ楽しいと思う。
imase・なとり (口ずさむ)
jo0ji 全員声合いそうだしね。
imase わちゃわちゃ感も出しやすそう。
なとり いいなあ。
jo0ji ちょうどBREIMENとKroiがやってた動画を見たんだよね。
なとり あれ、よかったねえ。
jo0ji imaseが言ってた「接吻」もよさそう。できそうな曲、いっぱいあるなあ。お楽しみにということで。
imase・なとり お楽しみに!
《続きは「Rolling Stone Japan vol.29」にて》
フォトシューティングでは、混沌とする時代の中で自身が大事にしたい価値観を認識し、楽しみつつ、でも真面目に、まっすぐと突き進みながら世の中にジョイとサプライズを与えている三人を切り取った。ロング鼎談の他、三人が愛するゲーム『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』の真剣勝負に、SNSで募集した質問に答えるコーナーも。企画3本立てでCOVER STORYをお届けする。
FM802 35th Anniversary ”Be FUNKY!!” × Juice Supported by Rolling Stone Japan
2025年2月11日(火・祝)大阪・Zepp Namba
Juice supported by Rolling Stone Japan
2025年2月16日(日)東京・Zepp Haneda
出演:imase、jo0ji、なとり
[チケット]
Rolling Stone Japan最終先着先行
受付期間:12月23日(月)18:00〜1月5日(日)23:59
※なくなり次第終了
https://eplus.jp/juice/
[両日共通]
OPEN 16:30 START 17:30(20:30終了予定)
料金:1Fスタンディング 5,900円/2F指定席 6,500円
一般発売:2025年1月11日(土)10時より
Rolling Stone Japan vol.29
発行:CCCミュージックラボ株式会社
発売:株式会社CCCメディアハウス
2024年12月25日発売
価格:1320円(税込)
https://amzn.asia/d/2zLeAPf
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