鈴木実貴子ズが語る、「排泄」として生み出した強烈な楽曲、大人になることへの渇望
Rolling Stone Japan / 2025年1月27日 19時0分
アコースティックギターとドラムというミニマムな編成で、社会や生活に対する強烈な歌詞を力強いヴォーカルで歌う。2012年に結成された、名古屋を拠点に活動する鈴木実貴子(Vo./Gt.)とズ(高橋イサミ/Dr.)による2ピースロックバンド、鈴木実貴子ズ。10月30日に日本クラウン・PANAMレーベルよりメジャーデビューを果たし、2025年1月29日にメジャー1stアルバム『あばら』で殴り込みをかける。
彼女達の魅力は、自分自身の感覚に対して妥協せずに楽器をかき鳴らし、強烈に歌い演奏するその音楽。ライブでは、儀式のように2人とも靴を脱いで、緊張感をぶち破るように、そして聴き手に自問自答させるような楽曲を全力で歌う。メジャーデビューを目前にしたタイミングでは、音楽関係者に向けたコンベンションライブを2日間に渡り実施。音楽を聴いてもらえれば、ライブを見てもらえれば、彼女たちの本質が伝わる。まさにそれを体現したような異例の準備期間を経てメジャー1stアルバムをリリースした2人にインタビューを実施した。
ー関係者向けに開催されたコンベンションライブ、2回見させてもらったんですけど、普段のお客さんとは違う環境の中で、ライブをやってみていかがでしたか?
鈴木:うちは逆に燃えて、めっちゃ楽しかった感覚です。面白いし、試されている感もあるって。盛り上がりはせんかったけど(笑)、楽しかったっていう感覚。で、あなたは?
ズ:僕はトラウマになりかけた(笑)。
ーそうなんですか!?
ズ:全然悪い意味じゃないんですけど、普段のライブとの差がここまであると想定していなくて。関係者の方は、ジャッジとまでは行かないけど、様子見で来ているじゃないですか? 普段のライブのお客さんは、純粋に音楽を聴きにきたり、実貴子ズを見に来たって人たちなので、レスポンスがあることがすごく幸せなんだなって思いながらやっていました。
鈴木:しかもあなた、眼鏡外すから表情があまり見えてなかったりする。うちはそのまま1人1人に向けて歌っているから、あの人つまらなさそう、あの人聴いてる、あ、携帯見たとか全部伝わってくる。あの空気だとしても、伝わっている人もいたのが感触としてわかるから、全然誰も聞いてないわみたいな感じはなかったし楽しかった。逆に、あの人を振り向かせるぞ!とも思うし。確かに、拍手の音だけしか聴かないとトラウマになるかもしれんけど。
ズ:でしょ? 俺、今メジャーで1番きついことっていったらそれになる。多分これからもあれが1番しんどかったと思う。
鈴木:すごいダメージ受けてたね、あのあと(笑)。
ーすでにメジャーで1番辛いことを経験したわけですね(笑)。以前取材させていただいた際、曲が溜まったらCDにまとめてリリースすると話してくれていましたが、メジャーデビューアルバム『あばら』に関してはどうなんでしょう。
ズ:一緒ですね。いつもは6曲ぐらいだったのが、今回は2年分溜まっていて12曲で倍になったっていうシンプルな形です。いわゆるメジャーが決まってから曲を選んだり、作ったりってことは一切なかったですね。もう、全部ぶち込んでます。その中で、ゲストミュージシャンにお願いしようと考えたり、動いたのはありますけど、やり方で言ったら、本当に全く変わらないままメジャーデビューさせてもらったっていう感じですね。
ー実貴子さんは普段、どういう状況の中で楽曲を書かれることが多いんですか。
ズ:しんどい時でしょ?
鈴木:そうだね。しんどい生活を続けとったら、しんどさも増えていって、その箱が満杯になったら箱を空にするために、曲を作るぐらいの感じですかね。
ーそれで言うと、「ファッキンミュージック」は何があってできた曲なんでしょう?
鈴木:あるフェスに出たときに思ったことですかね。
ズ:エントリーステージに出させてもらったんですけど、何組か選ばれる中、間違いかもしれないんですけど、自分たち的に見てコネで出てるやんって人もいて。自分たちからすると、やっぱ夢のステージで、何百組、何千組の人が応募して出れた1枠を、そんなんで使わないでみたいなことを思って。今までも、もしかしたらそういうことはあるかもしれないと思っていたけど、実際に見て相当ムカついたみたいです。俺もちょっと思ったもんな、やっぱり。
鈴木:でも、それに対してピーピー言っていても仕方ないよねって感じの曲で。じゃあ自分はどうするの?もう辞めちゃうん?どっちなん?みたいな感じ。自分はとにかく与えられた時間で最大限やって燃えつきたいよな、この25分っていう感じでしたね。
ー批判するというより、エネルギーに転換するような。
鈴木:うん、そうかもしれない。ちょっとやけくそ感はありますけどね。
ーこの曲をメジャーデビューアルバムで、どういう心境で歌っているんだろうなって。
ズ:自分たちがメジャーでやるってなると、なおさらですよね。
ー僕も音楽業界で働いて長いですけど、アーティストに惚れ込んで、どうにか知ってほしいって気持ちで純粋に働きかけているスタッフも多いので、なんとも言えないというか。
鈴木:そうですよね。うん。
ズ:それを変えたいとか、やめろよって言っているわけでもなくて。
鈴木:そうそうそう。
ズ:再確認ができたっていう曲ですよね。
ー割とそういう疑問を口に出すことって疲れるじゃないですか。そこをストレートにしっかり歌うのが鈴木実貴子ズらしさですよね。
鈴木:疲れるけど、それしか対処法を知らないんですよね。揉み消す優しさというか、強さもないし、向き合って形にして咀嚼するしか消化の仕方がないんですよね。
ズ:お酒、飲まないしね。
鈴木:だから忘れることもできないし、薄めることもできない。曲が出来上がるとちょっとスッキリはするから、それの繰り返しです。他の趣味とか打ち込めることがあったら、またちょっと違うと思うんですけど、これでしか出せないようになっちゃったのかもしれない。
ー以前のインタビューで、曲を作ることは、排出じゃなくて排泄だって言ってましたね。
鈴木:それも変わらない。ずっと排泄って感じがする。
ズ:スッキリするもんな。
鈴木:そう、スッキリする。でも出したところで、生きてりゃまた溜まってくからさ。これしか出す方法がないっていう。
ーズさんは、実貴子さんのデモを受け取った時、どういうことを感じたりするんでしょう?
ズ:僕は、いわゆるリスナー代表みたいな気持ちで接していて。
鈴木:うちの曲が外に出る、初めての社会っていう感じがするもんね。
ズ:これは俺にはわからない感情だなみたいな曲も普通にあるんですよ。その中から、自分も共感できる曲を選んで一緒にやっているのは間違いなくありますね。でも多分、僕が共感できるってことは、知らない人が聴いてもその感覚を持ってくれる気がする。僕もある意味、曲を聞くことでちょっとした排泄はできている側っていうか。それに共感している。
鈴木:自分のために排泄としての曲作りや、ライブで外に出しているんですけど、「鈴木実貴子ズの曲を聞いて、すごく寝付きが悪くなった。でも翌日スッキリしてた」って、ライブ初めて見た人から言われたことがあって。
ズ:エネルギーをもらったとか、削られてしんどかったけど、とかもあったよね。
鈴木:そうそう。自分の人生を考えるきっかけになって仕事を変えてみましたとか、そういうことを聞くことが最近あって。うちは、その人にそうなってほしいと思って歌ってないんだけど、ただの排泄が誰かのプラスになるってすごいなと思って。こういう音楽があっても別にいいんやって。居場所みたいものを初めて感じたんですよね。それまでのCDはあまり感じたことがなかったし、ただ曲ができたから形にすることをやっとっただけなんやけど、居場所が外にちょっとはあるんやっていうのを感じることができたんです。
ー歳を重ねるにつれて、意識的にも無意識的にも鈍感になってくると思うんです。本当は思っているんだけど気づかないようにしていることを、鈴木実貴子ズは的確に歌詞にして歌っているから、考えさせられるんですよね。
鈴木:本当は、ちょうどいいぐらいがいいよね。鈍感になりすぎもダメだし、敏感になりすぎもダメなんだけどね。うちは、鈍感になることをストップさせたいのかな?
ズ:いや、そういうわけじゃないとは思うけど。たまにでも思い出した方がいいことだってありますもんね。そういうきっかけになったらいいですよね。
ーアルバムを聴いていて、大人ってワードが一番心に残っていて。実貴子さんは、大人というものをどう捉えているんでしょう?
鈴木:大人になりきれない自分がすごく恥ずかしい。根本は、そう思っていますね。うちは、大人っていうものを、すごく完成したものに見ているし、なりたいと思っている。でも、自分は全然、程遠いなって。わがままが消えないし、我慢の力が弱いし。
ズ:人に合わせられないとか。
鈴木:合わせられないもそうだし、上手にやれないとかもそうで。この歳でまだそれできないんやって、ちょっと落ち込んだりして作っちゃうかな。歳だけ大人なんやけど、なんでこんなに未熟が強いんやろうって。
ズ:でも、絶対みんなそうだから。
鈴木:うちから見ると、結構周りは大人だよ。
ズ:大人だと思っていた人が、めっちゃだらしないとかあると思うよ。
ー僕も、自分が理想の大人なのかって言われると、なれている気がしないと思います。
鈴木:社会人している時点で大人だと思う。
ズ:社会人してお金を稼いでたり、仕事してる以外にダメな部分絶対あるから。でも大人が完成したものに見えるってうのはわかる気がする。
ーズさんは、今回の作品の中で、特に共感できる曲といえばどれになるんでしょう?
ズ:一緒にやる時点で基本的には全部共感できている曲が入っていて。共感できないものはアルバムに入ってないものだったりします。
鈴木:それは、うちのソロで出したりしているからね。
ズ:ソロのCDは、基本的に僕が一緒にはやらないって言った曲が入っている。
鈴木:だから、ソロはすごく個人的になっている。間口が狭いというか。
ズ:アルバムの中で言うと、結構全部共感していて。ただ、9曲目の「あか」はちょっと珍しくて。知り合いの映画監督が自主制作の映画を作るから、エンディング主題歌をやってほしいっていうので、台本をもらって作った曲ですね。
鈴木:初めて、そんな形で作りました。
ズ:俺の共感とか関係ない、ちょっと珍しいポジションですかね。
鈴木:共感はなかったけど、いい曲やねって思ったからアルバムにも採用して。
ズ:びっくりした。そういうことできるんだって。
鈴木:うちも超びっくりした。人にテーマをもらって曲を書けるんやって。自分の気持ちしか書いたことなかったから、へーって(笑)。
ー最終曲の「私、天使だっけな」は、どういう時に生まれたんでしょう?
鈴木:もう、疲れすぎて。1番最初の一言が全て。「生きてるだけで褒めてくれよ」って。みんな色々求めすぎ(笑)。生きとるだけでマジで偉いんやで。それでいいやんっていう。そんな高望みしやんで、人にも自分にもっていう気持ちかな。
ーそういう時期にできた曲。
鈴木:ちゃんと定職にもついていないし、毎月給料があるわけでもない。地に足ついてないですけど、ふわふわしたまま、お、もしかして私天使なんじゃない?っていうぐらいの、逆にハッピーに行こうみたいな気持ちかもしれない。
ズ:毎回アルバムを作ると、おまけ曲ポジションがあるんですよね。今回で言うとこれがそうだよね?
鈴木:そうね、逆ハッピーみたいな感じ。
ーズさんの解像度の高さと理解力がさすがですよね。
鈴木:高いのよ。すごいよね。
ズ:でも、高くしたら多分フィルターの意味がなくなってくるからな。
鈴木:ん。どういうこと?
ズ:いや、僕は完全第三者で、他人って気持ちでやっぱ聴きたいからね。
鈴木:うちと社会を繋ぐ吊り橋みたいな感じやもんね。吊り橋じゃなくて、高橋(※ズの本名)か(笑)。
ズ:上手いこと言わなくていいて(笑)!
ー「違和感と窮屈」は、どんな状況の時に書いた曲なんでしょう?
ズ:入口は、僕に対する不満っぽいですね。
鈴木:一番近くにいるのに、なんでこんなに理解しやんの!みたいな。13年やってても、身近な人でも、こんだけ同じ思いをしてても他人だし、外の社会なんだよっていう感じかな。
ーそんなに身近な感情も曲にしているというのは、すごいですね。
鈴木:うちがピリピリしているのは、生活の中で高橋さんも感じるわけじゃないですか? そのタイミングでこんな曲できましたよって最初に聞かせるから、最初に言ったもんね。
ズ:これ、俺のことだよね?って、聞きました。
鈴木:別にそういうわけではなく、最近思うことなんやけどな。
ズ:そう言っていたけど、絶対俺の曲だよ。
ー2人の関係性って、他にはなかなかないですよね。
鈴木:なかなか複雑ですよね。
ズ:ある意味、僕も同じことを思うわけだから。俺は、もう10年前以上、あなたに感じていることやけどね。あたなも、やっとここに来たって感じ。
鈴木:うざっ(笑)。
ズ:一応それが入り口であるけど、僕に限らず、社会に出て、周りに合わせなきゃいけない場面とか、我慢しなきゃいけないこととかあると思うんですよ
鈴木:だから、うちも大人になったんよ。
ズ:そう、まさに大人になる場面ってあるけど、別に大人になったからって、子供の自分ちゅうか、そういう我慢した自分を全否定しなくてよくて。
鈴木:そう。うちは、社会に流されればいいと思うの。社会が右って言ったら右に行った方がいい。社会は団体で動いているんだから、ルールは従わなきゃいけないのも、すごくわかる。だからって、心の底までルールに従わなくてもいい。うちは違うと思うけどな!っていうものを常に別に持ち続けた方がいいと思う。行動としてはみんなと同じ方向に合わせたとしても、自分は本当は思ってないとか、自分の気持ちを自分が理解して撫でてあげないと、カスカスになっちゃうな、っていう。
ズ:形上は迎合してもいいけど、最後抵抗しろっていう。
鈴木:そう。昔の自分やったら、絶対みんなの言うこと聞かんだけで終わっとったけど、それはそれでもいいんやよ。ただ、自分の気持ちは忘れないでねっていう。成長したな。
ズ:俺のおかげでできた。
鈴木:ありがとうございます(苦笑)。あなたのおかげでさせていただきまして。
ズ:それがメジャーファーストですから。
ー「暁」では、田渕ひさ子さん、五味岳久さんが参加されています。
ズ:いつもと違う人とバンド編成でやろうって話がみんなの中で出て。候補を自分たちで上げて、その中からアプローチして決まった人たちですね。最初から自分たちが呼びたい人を呼んで、しかもみんな1発OKだったので、言ったものがそのまま形になりました。
鈴木:うち、好きって思える人が少ないから、第一候補しかなくて。そもそも関わり合った人。田渕さんもいるし、五味さんもいるし。シノダさんはちょっと知り合いみたいな感じで。
ズ:直後に対バンしたりとかもあったので、その時ちょっと話して。元から地元の人にサポート入ってもらっているんですけど、すごく好きなギターの人に入ってもらっていて。田渕さんも前もって聴いてくれたみたいで、その人のギターもめっちゃすごいって言ってくれて。自分の好きな人を好きって言ってくれる感覚もすごくて。
鈴木:嬉しいよね。
ズ:嬉しいし、安心した。やっぱ田渕さんでよかったって思った。
ーちなみに、今作のタイトルを『あばら』にした理由は?
鈴木:全部の曲がそうですけど、あまり人に見られたくないところを出していて。肉もついてないあばら部分。骨の部分を人に見せてしまっているんやな、ってところから来ています。そこに田渕さんとかクラウンが肉付けしてくれて、見栄えのええものに加工してくれて、なんとか世に出る形になった感覚がある。メジャーっていうことで肉がついてっていう。
ー鈴木実貴子ズとして、あばらを見せてるぐらいのむき出しの感覚。
鈴木:そう。やっぱり恥ずかしい気がする。だって、未熟な人間の未熟な部分を見せとるわけですから。恥というか、そういう感じはちょっとあるかな。私、バンドやっていることもバイト先で言いたくないし、恥ずかしいって思っちゃうんですよね。でも、聞かれたい気持ちもある。そんな、見せたくないとこを見せてる。それがうちの中の、うちの思う音楽。
ズ:最初あばらって聞いた時に、メジャーなのに大丈夫?とちょっと思って。
鈴木:アングラっぽいってことだよね? 言葉のチョイスが。
ズ:だけど、確かに、隠したい本心とか本音の部分とか、見たくない部分をみんな持っているわけだし、ある意味メジャーで、それが広がるのってめっちゃいいなと思って。ジャケットもそうなんですけど、「暁」のMVも、大川直也さんがいい感じに作ってくれて。うちらのイメージを壊さず、ちょっと広げるようにしてくれたんです。
鈴木:まさに、肉付けをしてくれている。それこそ今までのジャケットは全部うちがやっていたから、今回初めてジャケットを人にやってもらっていて。それこそ肉だよね。
ズ:結果的に、いろんな意味合いが持てて俺は好きだなって。リスナーも『あばら』を聞いて、自分のあばらを確認するみたいな。それをメジャーの1番広がるタイミングでやろうとしているのは、結果的にすごく自分たちらしい、いいバランスだなって感じています。
ーアーティスト写真に、いろいろな人が写っているのも気になったポイントです。
鈴木:これも今回のデザインの大川さんが考えてくれて撮ってくれたんです。
ズ:無関心な社会の中にスポットが当たっているイメージって説明がありました。
鈴木:ここに写っている人は、実はレーベルの人だったりするんですけど、うち的には、こんなにたくさん味方ができたよぐらいの感覚で。全員メンバーやぞぐらいな感じ。寂しくない。やっと友達できたよみたいな。嬉しい家族写真にも見える。
ズ:そう思ってたんだ。なんならアー写って今まで僕、いなかったりもしたから。
鈴木:そうだね。心強い写真だよ、うちにとっては。
ーあと、ライブで裸足で演奏しているじゃないですか。あれも昔からのスタイル?
鈴木:昔からのスタイルです。スタジオで練習する時も脱いじゃう。靴が嫌で、地面を感じられないのがきつい。たまに下がコンクリート直の時に絨毯が敷いてないと、マイクから電気が来るから、その時は靴履かないとずっとビリビリするから無理なんやけど、基本は裸足。
ズ:僕も裸足。
鈴木:やりにくいよね。もう今となっては。
ズ:他の人からしたらなんで?って感じですよね。
鈴木:だってさ、裸足じゃないとのびのび歌えないもん。
ズ:メジャーの人で、ステージに来てから靴を脱ぐ人見たことなくない? 最初から裸足で入ってくる人はいるかもしれないけど。でも裸足はいいよね。
鈴木:緊張しちゃう。靴を履いてると。
ー3月からは全国ツアーが始まります。お笑い芸人のオズワルドとの対バンもあるんですね。
ズ:初日の地元・名古屋ですね。ちょっと前にも、落語家の方(笑福亭笑利)と大阪で鈴木実貴子ソロで共演とかもして。違うジャンルとの対バンも昔から好きなんです。
鈴木:うちら、根本が、そんな音楽音楽してないからさ。
ズ:それもそうだし、この音楽を好きな人は、この音楽好きじゃない?って、なんとなくあるじゃないですか? それがちょっと違和感があって。お笑いだと、完全に鈴木実貴子ズどころか、普段音楽のライブに行かない人たちもお客さんにいるわけで、そういう人たちにどう見られるのかとかも含めての面白さを感じていますね。
鈴木:そうだね。楽しみ。お互い、めちゃめちゃやりづらいとは思うよ、空気的に。でもそれもおもろいよなっていうところなんだよね。
ー実貴子さんは、逆境だったり、チャレンジングな方が燃えるタイプですもんね。
ズ:僕もコンベンション以外ならいける!
鈴木:いいな、すごい高い壁を越えた感じ。
ズ:いや、超えられなかったの(笑)。
鈴木:超えなかったか(笑)。自分の限界を知れてよかったで。いいな。でもその挫折みたいな経験欲しいな。
ーもう1回ぐらい、コンベンションライブをやりたいところですね。
スタッフ:ツアー前にやろうかなw
鈴木:俺、もう何にも感じねえ!拍手なんていらねえ!って無双モードに突入して。
ズ:いや、それも感じるからこそのライブなので!
鈴木:そりゃそうだな。
ー改めて、どんなツアーにしたいなと思われますか。
鈴木:うちは、正直ないんだよな。言ってしまえば、次のライブのことしか頭にないから。本当に全部できるのか? 体壊さないかなぐらいで。
ズ:メジャーのツアーって言うと、友達とかから、でっかいとこもあんの?とか言われるんですけど、鈴木実貴子ズって、いきなりホールってバンドでもないし、今までの延長線上で、本当に顔が見えるぐらいの距離感でしっかりツアーを回っていきます。自分たちがどんなライブができているのか、ちゃんと確認して、次にまた進めたらなっていうのはあります。
鈴木:私はもう次のライブのことだけを考えている。脳みそがちっちゃいから。そこに向かってもう生きる。それが終わったら、その次。1歩ずつじゃないと行けないので。
ーでも大切なことですよね。
鈴木:あと、2025年3月1日に両国国技館で開催される「ギタージャンボリー」(J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE 2025 suported by 奥村組)に出させてもらえるんですけど、やばくないですか?
ズ:めっちゃいいですね。ガクブルだけど。
鈴木:しかも、ちゃんと鈴木実貴子ズのライブを見ていいなって思ってオファーをいただいたんです。まさに、コンベンションがあったからこそ。だからコンベンションはやっぱ大事。よかったんだよ、こんなイベントにも出られるんだから。だから、またやろう!
ズ:いや、そう簡単にやるもんじゃない(笑)!
<リリース情報>
鈴木実貴子ズ
メジャー1stアルバム『あばら』
2025年1月29日(水)リリース
CRCP-20613 / ¥3,300(tax in)
=収録曲=
1. かかってこいよバッドエンド
2. 暁
3. 違和感と窮屈
4. ファッキンミュージック
5. 36℃
6. ベランダ
7. ヘイヘイユー
8. チャイム
9. あか
10. ベイベー
11. 壊してしまいたい
12. 私、天使だっけな
<ライブ情報>
1st AL「あばら」ツアー
3月8日(土)愛知 名古屋芸術創造センター ※お笑いコンビ・オズワルドとの対バン
3月12日(水)東京 下北沢SHELTER
3月20日(木祝)大阪 雲州堂
3月28日(金)宮城 仙台enn 2nd w/鉄風東京ツーマン
3月31日(月)京都 nano
5月9日(金)福島 いわきSONIC
5月10日(土)宮城 仙台FLYING SON
5月16日(金)京都 磔磔 w/bacho
6月13日(金)愛知 名古屋HUCK FINN
6月21日(土)北海道 札幌KLUB COUNTER ACTION
6月28日(土)東京 下北沢SHELTER ※ツアーファイナル
鈴木実貴子ズ Official HP : https://mikikotomikikotomikiko.jimdofree.com
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