Aneesa Stringsが語るベースの極意と教育論、アリーヤ愛、ジャズとヒップホップの繋がり
Rolling Stone Japan / 2025年1月14日 19時0分
オークランド出身のベーシストでシンガー、アニーサ・ストリングス(Aneesa Strings)がビルボードライブ東京に登場。クリスチャン・マクブライドからテヤナ・テイラーまで幅広い面々と共演してきた彼女は、ジャズに根差しつつもソウルやヒップホップも横断する懐の広いアーティストだ。
17歳の時にサンフランシスコの非営利ジャズ団体「SFジャズ」が主催する若手ジャズプログラム「SFジャズ・ハイ・スクール・オールスターズ」の一員となったアニーサ・ストリングスは、その後USC(南カリフォルニア大学)とミシガン州立大学で学位を取得。2014年には初のアルバム『A Shift in Paradigm』をリリースした。同作はベーシストとしての側面を強調するようなジャズを軸にした作品だったが、2019年にリリースした2ndアルバム『Ways』では、自身のボーカルをメインにしたネオソウルに一歩接近するようなスタイルを聴かせた。
また、近年はSNSでカバー動画も発表しているが、その選曲もユニークだ。ニーナ・シモンやビリー・ホリデイといった往年の名曲から、モダンなR&Bのヒット曲、さらにはヒップホップとその元ネタのメドレーなどを披露している。
また、こういった自身の活動と並行して、UMIやテヤナ・テイラー、ホセ・ジェイムズなどのライブにベーシストとして参加。さらに、かつては学ぶ側だったSFジャズのワークショップなどで今度は教える側に立って後進の育成にも努めている。
そんなアニーサ・ストリングスは、新作EP『The Calm』のリリースを控えており、既に先行シングル「We Are The Music」をリリース済みだ。今回はアニーサ・ストリングスに影響を受けた音楽やこれまでの歩み、クラシカルなジャズやソウルとモダンなヒップホップ/R&Bの繋がりなどについて語ってもらった。
音楽との出会いとアリーヤ愛
―今やっている音楽と特に繋がりが深いと感じる、子どもの頃に聴いていたアーティストは誰ですか?
アニーサ:一番はボビー・”ブルー”・ブランド。10歳の時に初めて行ったのが彼のコンサートだったの。とにかく声がすごく好きで、自分の声質だと彼の歌い方を真似ることができると思った。彼の歌に込められた題材やメッセージが好きだし、ブルースを洗練したアーティストだと思う。あとはアリーヤ。私はまだ小さかったけど、彼女が亡くなる前に知ることができた。あとはカーティス・メイフィールド。その三人かな。
―アリーヤについては、SNSにアップしている「If Your Girl Only Knew」のカバー動画のテキストでスタンであると書いていましたよね。
アニーサ:。あれほど思い入れのある存在は彼女が最後だったと思う。
私にとって彼女が特別だったのは、あの肩肘を張らずに何でもこなしていたところ。すごく複雑な振り付けのダンスをしているのに全然大したことないみたいに見せたり、歌い方もそうだった。自分らしくあることがみんなに受け入れられていることをわかっていたんじゃないかとすら思う。誰かを感動させようとかそんな感覚はなくて、むしろ自分自身が感動するパフォーマンスをしていたみたいな。以降あんなアーティストには出会ったことがない。未だに彼女の影響は大きいでしょ。彼女を真似た服装とか、ビデオ、レザーの使い方、眉毛の形、メイクとか全てが時代の先取りだった。本当に唯一無二の存在だったって思う。
アリーヤがまだ存命だったら、ほかにどんなプロジェクトが可能だっただろうって思うとちょっと切ないけどね。今も生きていたらきっともっと声のコントロールができる、さらに素晴らしいボーカリストになっていたと思う。
@aneesastrings
―「If Your Girl Only Knew」のベース・ラインにも言及していましたが、あの曲をプロデュースしたティンバランドとミッシー・エリオットについてはどう考えていますか?
アニーサ:あの二人はアリーヤにとって切っても切れない存在だったと思う。二人が作っていたスタッター(『Stutter=どもり』からくるエフェクト)効果の効いたドラム・サウンドなんてめちゃめちゃ未来的過ぎて、あの頃はまだなかった。そんな二人にアリーヤは賭けて彼らの人生を大きく変えたわけだけど、同時に彼らのおかげで「One In A Million」っていう代表曲が生まれて彼女自身の人生も変わったのよね。
ほかのアリーヤの作品では、あの二人はそれほど関わっていないけどセルフ・タイトルのアルバムもお気に入り。でも「If Your Girl Only Knew」はもちろん、「One In A Million」「Four Page Letter」とか、彼女の歌の数々は以降20年のポップの基盤を築いたと思う。それにミッシー自身のキャリアも未だに彼女を超えるアーティスト出ていないしね。今ミッシーに近いなと思うのはドーチ(Doechii)とティエラ・ワックかな。とにかくミッシーが与えた影響は大きい。アリーヤに数々のヒットとはまさに天が引き合わせた組み合わせだったと思う。
―ボーカリストとして特に研究した、影響を受けたのは誰ですか?
アニーサ:まずアレサ・フランクリン。どうあがいても彼女のようには歌えないけど、すごく刺激を受ける。あとダニー・ハサウェイ、グラディス・ナイトも。それからやっぱりアリーヤ。あんなに高い声は出ないけど、彼女のファルセットとかラン、めちゃめちゃスムーズで好き。サラ・ヴォーンはスタンダードの解釈だったり、表現力が素晴らしいと思う。メロディの表現とか力強さなんて右に出る者はいない。
@aneesastrings
ベースプレイの信条、グルーヴを生み出すための練習法
―ベースについても伺いたいです。どういうきっかけがあってベースの道を続けたのでしょうか?
アニーサ:私がベースを選んだというより、ベースに選ばれたと思っている。母に「あなたは何か楽器を習いなさい」って言われて音楽教室に行ったら、流れで先生がベースを持たせてくれて、弦の名前とか教えてくれた時、なんかベースを手にしていることがすごく自然に感じた。先生は「君はこの道を進むべきだ」って青少年向けのプログラムやらオーケストラなんかに片っ端から申し込んでくれた。あれはとてもありがたい出会いだったと感じている。
―ベーシストとして特に研究した、影響を受けたのは誰ですか?
アニーサ:アップライトはチャールズ・ミンガス。あとポール・チェンバースとレイ・ブラウンも。チャールズ・ミンガスは、「バンド・リーダーたるもの」っていう通説が彼の性分とは合っていなかったところがあったけど、私はそんなところがむしろ素敵だと思った。あと彼には手が震えてしまう症状があったんだけど、それを逆に利用してアップライトを誰よりも早く弾くことができた。逆境を利用したところなんて最高にかっこいいと思う。
エレクトリックは、断然ジェームス・ジェマーソン一択。ブラザーズ・ジョンソンのダグ・ジョンソンもいいし、ギャップ・バンドのロバート・ウィルソンも素晴らしい。だけどジェームス・ジェマーソンは、私に最も影響を与えたベーシスト。50〜60年代にアップライトの奏法をエレキ・ベースに持ち込んだ第一人者のひとりと言える。アップライトから始めた私にとって、すごく真似しやすい存在だった。スラッピングもなく、コードもなくて一音ずつなんだけど、彼の作る旋律によって数々のヒット曲に命が吹き込まれた。もはやただのベーシストではなくてソングライターだったわ。過去100年を振り返っても、彼は素晴らしいベース・ラインをいくつも生み出したから。
―ベースプレイにおいて信条としていることは?
アニーサ:ベースの役割を大切にしている。リードの楽器やボーカルが何であれ、ベーシストとしてそれとかち合ってしまうようなメロディーとか色んな要素を入れるのは好きではないの。自分は常にグラウンド・レベル(地面)に位置している、音楽の基礎の部分でありたいと思っているから。
―あなたが「The Pocket」について解説しているFenderの動画も見ました。グルーヴを生み出すための隙間も日頃から重視しているような気がしますが、いかがでしょうか。
アニーサ:その通り。「The Pocket」は私も属するリズム・セクション、つまりキーボードにドラム、ギター、そしてベース・プレイヤーの間で引用される言葉。要はお互いとの会話やダンスみたいなもの。それぞれに役割があるとすれば、私に言わせればベースは一番重要で不偏なリードだと思っている(笑)。アメリカの連邦政府の3本柱、司法府、立法府、行政府で例えるなら、ドラムは行政府でピアノは立法府、そしてベースは言ってみれば裁判官の役割をする司法府。ドラムとピアノが合意に至ることができない場合、ベースが問題を解決する立場。それらをまとめる役割を果たしているわけ。
「教える側」に立ったことで学んだこと
―ワークショップで子どもたちに音楽を教えているそうですが、教える側に立つことで得たことは何かありますか?
アニーサ:忍耐力(笑)。あと教える立場に立つと、自分のことを見つめ直すことができる。楽器を学んでいる学生たちってみんな関心が高くて、すごい情熱を持って色々な質問をどんどん投げかけてくる。私もまだそんなに歳を取っているわけじゃないけど、まだ成長段階にある若者から学ぶことは多いしすごく楽しい。「どうなるかわからないけど、やってみよう」っていう姿を見ているとすごく刺激を受けるし、若返った気がして自分も生き生き活動できる。
―どんなことを教えているのですか?
アニーサ:例えばベースのマスター・クラスの場合、いつも講義は良いウォーキング・ラインの作り方から始めるの。ベースを学ぶ生徒には重要な要素だから。そして対象が女性のミュージシャンだったら、彼女たちからの女性としてこの世界でやっていくことに関する色々な質問に答える。とにかく対象によって色々かな。
Giant Steps Day Campのマスタークラスでウォーキング・ラインを教えるアニーサ(2016年撮影:写真はFacebookより引用)
―ワークショップで「どうやったら先生のようにベースが弾けるようになりますか?」って聞かれたら、なんて答えますか?
アニーサ:そうね……(笑)。まず私はずっと一人で練習してきたわけじゃない。ベースに関してはミシガン大学の在学中に素晴らしい師匠、ロドニー・ウィテカーに師事していた。あとパトリース・ラッシェンからも多くを学ばせてもらった。エティエンヌ・シャルルにはアレンジについて教わった。だからまずアドバイスとして言えるのは、自分自身と忍耐強く向き合うこと。そして良い師匠を見つけて、その先生の指導にしっかり耳を傾けること。自分が見聞きして良いと思うミュージシャンたちが師事している先生につくのが良いと思う。相性が良くて、あなたの才能を信じて応援してくれる、そんな先生に出会うことも大切。
でも、あなたもその期待に応えられるように、教えてもらったことは家に帰ってからも徹底的に練習する必要がある。それと、上手くなりたいなら自分が好きな曲を弾いてみると良い。音階とか決まった旋律、クラシックの曲ばっかりで練習していたら飽きてしまうでしょ?だからそんな時は自分の好きな曲を弾いてみる。でもね、この曲を弾けるようになりたいっていう目標があると、それを弾けるようになるために必要なテクニックだって頑張って身につけたくなるものなのよ。逆に言うと弾けたら楽しい、目標になるような曲がないと上達はしにくいと思う。
地元ヒップホップや共演者からの影響
―SNSにアップしているカバー動画もニーナ・シモンからトゥー・ショートまで幅広いですが、そんなあなたから見たクラシカルなソウルやジャズとモダンなヒップホップ/R&Bの共通点を教えてください。
アニーサ:ヒップホップは90%がサンプリングの文化。遡るとアメリカでは、過去にとりわけインナー・シティ(米国などの国の都市中心に近いエリアに存在する、いわゆる低所得者の住居が密集する地区)で音楽教育が廃止された時期があった。それから時代も経って80〜90年代、黒人とかハイチからの移民が多く住むインナー・シティでは、同じように音楽をはじめとするライブの文化を楽しむことが完全に禁じられた。そんなひどい状況に置かれた彼らには、「楽器こそないけど、自分たちにだって表現したいことがある」っていう気持ちと8トラック、ヴァイナル盤があった。だからヒップホップの曲で耳にする音楽は古いジャズやソウル・ミュージックなのよ。昔の音楽に違うメッセージを載せて世に出しているのがヒップホップということね。
@aneesastrings
―KALWのインタビューで、地元オークランドのトゥー・ショートや2パックを聴いて育ったとお話されていました。地元のヒップホップからは受けた影響はありますか?
アニーサ:100%間違いない! 一番上の兄にとってトゥー・ショートは私にとってのアリーヤぐらい思い入れのあったラッパー。当時まだ子どもだった兄にはかなり不適切な言葉が散りばめられていたから、両親は問題視していたけどね(笑)。トゥー・ショートや2パックのラップはケイデンスがめちゃめちゃシンプルだった。まるで童謡のスタイルと言えばわかるかな、リリックはとんでもなく不適切な内容なんだけどすごく覚えやすい。ラップする上での表現の明瞭さとか、メッセージを確実に伝える方法とかで間違いなく大きな影響を受けたわ。
―ちなみに自分の中では、ソウルとR&B、ヒップホップとジャズのどこに軸足を置いていると思いますか?
アニーサ:まるで「兄と姉、妹、弟」みたいに言うけど(笑)。私は異なるジャンルをつなげているのがベースだと思っているから、それが軸足。めちゃめちゃイケてるベース・ラインが入っていると、私はそこに惹かれる。ロックでもそう。
ビートルズ「Come Together」〜ブラックストリート「No Diggity」〜ノトーリアス・B.I.G.「Hypnotize」のメドレー
ーUMIやテヤナ・テイラーのようなモダンなスタイルのヒップホップ/R&Bのアーティストとも一緒にプレイしていますが、彼女たちから受けた刺激や影響は何かありますか?
アニーサ:もちろん。共演できたことをすごく感謝している。タイトなスケジュールの中で連日公演を続けるコツ、セット・デザインや衣装、その他一つの公演をするのに必要な準備や手配についてとか。そういったことを実際にその一員として体験する機会が得られるわけだから。
彼女たちが持つ独特のスタイルなんかも共演から学べた収穫だった。例えばUMIはすごくシンプルなのにパワフルなメロディが特徴だし、テヤナの曲のテーマにはどこかダークなところ、深みがある。ホセ・ジェイムズは自分の喉をとても真剣に計画的にケアしていた。そういったことって、ずっと一人で活動していたら知らないことばかりだからね。
―クリスチャン・マクブライドとも共演していましたが、同じベーシストの彼から学んだことは何かありましたか?
アニーサ:クリスチャンが身をもって示してくれたことから学んだことが多い。8月頭にニューポート・ジャズ・フェスティバルに呼んでくれたんだけど、かなり身に余る紹介をしてくれた。それによって「本腰入れて頑張らなきゃ」って大きなひと押しになった。世の中には素晴らしい才能のミュージシャンたちがいるわけだから、「彼らに比べたら私なんて大したことない。引っ込んでいたほうがいいかも」って思いがちだけど、自分を信じて思いっきりやること。クリスチャンから学んだ一番大きなことはそれだと思う。
アルバム、今後の展望、来日に向けて
―これまでリリースした二枚のアルバムについて教えてください。
アニーサ:『A Shift In Paradigm』が出たのは、ちょうどベースを始めて10年が経過した頃。当時はUSCに通っていた。あの頃、クラブのオーナーにライブをさせてほしいって掛け合ったり、自分が尊敬するアーティストと話す機会がある度に「なんかアルバムとか、君の演奏が聴けるものはないの?」って言われても、「ない」って答えるしかなかった。だから最初のアルバムは名刺がわりみたいなもの。
―『A Shift in Paradism』はラップや歌も披露していますがインストも多く、ベーシストとしての側面を強調したような印象を受けました。
アニーサ:そうね、当時はベースの修士号を目指してジャズを学んでいる途中で、毎日どっぷりジャズ漬けだった。アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズとかキャノンボール・アダレイ、マイルス・デイヴィスなんかが大好きでよく聴いていた。歌手になりたいという夢はずっと抱いていたけど、まだ確立されていなかった。そういう意味であのアルバムは、あの時点の自分のレベルでなんとか形にできた精一杯のものだったんだと思う(笑)。
『Ways』が出たのは修士号も取って、ツアーなんかも少し経験した頃だった。アレンジャーとしての自分の技量を示した作品だったと言える。曲は全て自分で書いたし、ハーモニーからボイシング、リリシズム、あと当時習得したゴスペルやジャズを始めとする色んなジャンルのスタイルに対する忠実な向き合い方とか、そういったことへの自分なりの深い理解を表現した作品。それとビジネス的にも、そんなスタイルでやる自分を売り込む気持ちもあった。
―『Ways』は前作とは違い、歌モノ中心の作品です。その変化の理由は?
アニーサ:ミシガン州立大に在学中、校内でトップのビッグバンドのリード・シンガーに抜擢されたの。これも私のベースの師匠のロドニー・ウィテカーのおかげ。私は声が低くてディープでしょ?これまで色んなプログラムに参加する度に歌わせてほしいとか、ボイス・レッスンを受けたいって言ってきたけど、誰も耳を貸してくれなかった。特にクラシックのプログラムでは女性のパートはソプラノだけで、私にレッスンをしてくれる先生はいなかったしね。そして、ミシガン州立大学に進学してやっとボーカルを学ぶチャンスが訪れたわけ。
もちろんUSCの先生にも指導は受けていたけど、ミシガン州立大では著名なクラシックのテナー/バリトン歌手のピーター・ライトフットに師事する機会に恵まれた。その頃に当時学部長を務めていた師匠のロドニー・ウィテカーに歌わせてほしいって頼み込んだら「ビッグバンドにとってもいいかもしれない」って承諾してくれた。この時はベースなしでジャズのスタンダードを歌って、歌唱のみに真剣に取り組むことができた。ただ、曲のアレンジはビッグバンド用に書かれたものだったから、キーを変えることはできなくて、逆に自分の声をそれに合わせるよりなかった。「お前のためにキーを変えるなんてできないよ」ってこと(笑)。クラシックの先生にも覚えないといけない曲の指導をずいぶん受けたわ。だから前作よりも色んな経験を積んだことで、自分の中で温めていたボーカルを取り入れたアイデアを形にできたんだと思う。
―先日リリースしたシングル「We Are The Music」は、EP『The Calm』からの先行曲とのことでした。EPのコンセプトなどを教えてください。
アニーサ:『The Calm』は、2パートで完結するシリーズの最初の方。今回は5ないし6曲収録で、すごくエネルギッシュなところから始まってだんだん低くなっていくっていう構成。もっと言うと、このEPは瞑想のシークエンスとかアファメーション(肯定、自己成就的実現)みたいにも受け取れる。と言うのもこのEPのテーマの大部分はアファメーションで、極めてパーソナルなことが題材になっている。万人の理解を得るためには、個人的な部分を出さないといけないってことを学んだの。でもそれは、ある種の準備段階とか覚悟みたいな感じで、今は何かが起こる直前の穏やか(Calm)な、いわば夜明け前の暗闇の状態。例えて言えば、ローラー・コースターが降りていく瞬間までゆっくり上がって行って突然ダーッと降りる、あの感じ。このEPではそんな感覚を味わってもらいたいと思う。
―EP以外にはどんな活動の予定がありますか?
アニーサ:ツアーとか公演、ビジュアルなコンテンツとか。ファッションにも関わりたいし、曲も書きたい……って、私やりたいことばっかり言っている(笑)。これからの予定としては公演と曲作り、それと今回のEP『The Calm』の対になるシリーズの2つ目のリリース。あとはカバーだったり、色んなコンテンツ作り。あとつい先日GAPの広告もやった。1月にはビルボードライブ東京の公演も控えているしね。だから結構盛りだくさんよ。あとは神のみぞ知るだから、全部はわからないけど(笑)。
GAPの2024年ホリデーキャンペーン「Give your gift.」のCM。アニーサら9人のミュージシャンがジャネット・ジャクソン「Together Again」を歌唱
―日本でのライブはどのようなものになりそうですか?
アニーサ:内容をレベルアップしたいと思っている。私の持つビジュアル的なイメージとソニックをマッチさせるため、つい最近クリエイティブ・ディレクターがチームに加わったしね。今回は日本へ行く前に少しどんな公演にするか、準備する時間があるのが嬉しい。曲目としてはEP『The Calm』や最初の2枚のアルバムからの曲、カバーもやる予定。ビルボードライブ東京には色んなツールが備わっているから、今回の公演ではそれを利用させてもらって、音楽に載せてストーリーを伝えるようなしっかりとした映像的コンセプトも盛り込みたいと思っている。
―日本には何回ぐらい来たことがあるのですか?
アニーサ:今回が2回目。初めて行ったのはホセ・ジェイムズのツアーで、ビルボードライブ東京と大阪に行ったわ。確か2020年の2月だったと思う。原宿には行けなかったけど、渋谷とか六本木、めちゃめちゃ楽しかった。食べ物も美味しいし文化も大好き、ネオンとか交差点とか、今からまた楽しみで仕方がない。レコード店巡りも。前回もいっぱい買いすぎてスーツケースがパンパンになったわ(笑)。
Aneesa Strings来日公演
2025年1月30日(木)ビルボードライブ東京
1st Stage 開場 16:30 開演 17:30 / 2nd Stage 開場 19:30 開演 20:30
Service Area : ¥8,000~ / Casual Area : ¥7,500
>>>詳細・チケット購入はこちら
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